【静止画 vs 動画】ABテストでMeta広告のパフォーマンス比較

【静止画 vs 動画】ABテストでMeta広告のパフォーマンス比較

広告クリエイティブを制作するときによくある疑問として、「静止画と動画のどちらが効果的なの?」というものが挙げられます。せっかく広告を配信するなら、できるだけ費用対効果の高いクリエイティブを活用したいですよね。

LIFTを運営する株式会社ゴンドラでは、カスタマーエンゲージメントの第一人者として、効果的な広告手法を日々研究しています。今回は、自社セミナー集客のためにMeta広告を運用し、その成果を定量的に分析しました。

静止画と動画の違いに焦点を当てて、どちらがより効果的にエンゲージメントを高められたのかを検証したので、ぜひ広告運用のヒントとしてご活用ください。

ABテストの実施概要

広告の目的Web広告運用に関するWebセミナーへの集客
配信場所Meta広告
配信対象者リード獲得型の広告を運用しているマーケティング担当者
比較する指標クリック数クリック率(以下CTRとする)クリック単価(以下CPCとする)1,000インプレッションあたりの単価(以下CPMとする)

今回の施策では、リード獲得型の広告を運用しているマーケティング担当者に向けて、静止画バナーと動画バナーの2種類の広告を配信しました。広告の目的は「セミナーの集客」で、クリック率の向上を狙っています。

【ABテスト結果】静止画 vs 動画

実際に広告を配信した結果、静止画バナーと動画バナーの間で大きな違いがみられました。

それぞれのパフォーマンスについて、以下の3つの観点で解説します。

  • クリック数とCTR
  • CPC
  • 配置面別のパフォーマンス

詳細をみていきましょう。

クリック数とCTR

動画バナーと静止画バナーのCTRは、以下のとおりとなりました。

クリエイティブクリック数CTR
静止画バナー82回0.11%
動画バナー175回0.70%

動画バナーは、静止画バナーと比較して圧倒的に高いCTRを記録しました。動画バナーのCTRは、静止画バナーの約6倍という結果に。その要因として、動画の視認性の高さや視覚的な訴求力の強さが影響していると考えられます。

動画コンテンツでは動きのある表現が可能なので、インパクトの大きさで視聴者の注意を引きやすく、結果としてCTRが向上しているのでしょう。

さらに、関心度の高い層にリーチできていることも、動画バナーのCTRを高めている要因として考えられます。この結果から、動画バナーは興味を持ったユーザーのクリックを促しやすいフォーマットであることがわかりました。

CPCとCPM

動画バナーと静止画バナーのCPCは、以下のとおりとなりました。

クリエイティブCPCCPM
静止画バナー369.19円414.18円
動画バナー111.88円787.13円

広告のコスト効率を示すCPCにおいても、動画バナーは静止画バナーよりも優れた結果を示しました。静止画バナーのCPCは369.19円であったのに対し、動画バナーは111.88円と、約3分の1のコストでクリックを獲得できています。

その要因として、CTRの高さが考えられます。動画バナーは一見コストが高いように思われますが、クリックを獲得しやすいため、結果的にコストを低く抑えられるケースが多いのです。

動画バナーはCPMが高くなる傾向にあるものの、CTRが高ければCPCは抑えられます。そのため、クリック獲得を重視したいときは、動画フォーマットの活用が効果的であるといえるでしょう。

反対に、静止画バナーはCPMが低いので、より多くのユーザーに広告を届けたいときにおすすめです。特に、認知向上を目的とする施策には適しています。

配信面別のパフォーマンス

配信面別のパフォーマンスを分析した結果、動画バナーと静止画バナーは、それぞれ以下のような配信面と相性がよいことがわかりました。

クリエイティブ相性のよい配信面インプレッション数クリック数CPC
静止画バナーMessenger受信箱54,080回13回220.84円
Instagram発見タブ・ホーム8,279回0回
フィード4,234回23回798.52円
Facebookリール(オーバーレイ広告)3,165回7回89円
Instagramリール892回2回1170円
動画バナーインストリーム動画5,815回91回56.29円
Instagramストーリーズ4,985回30回186.73円
フィード3,940回14回351.42円
Facebookリール(オーバーレイ広告)3,858回7回127.14円
Instagramリール2,577回3回443円

動画バナーは、特にインストリーム広告との相性がよく、CTRは1.56%と最も高いエンゲージメントを記録。一方で、静止画バナーはFacebookリールと相性がよく、情報提供型の広告フォーマットとして効果的に機能しました。なお、ストーリーズでは静止画・動画ともに安定したパフォーマンスを示しています

この結果から、動画バナーはInstagramリールなどの動きのあるフォーマットと相性がよく、視聴者の注意を引きやすいことがわかりました。反対に、静止画バナーはFacebookフィードのような、情報提供に適した配信面での活用が効果的であると確認されています。

まとめ

今回の分析から、静止画バナーと動画バナーは、それぞれ異なる強みを持っていることが判明しました。

動画バナーはCTRが高く、クリック獲得を目的とした施策に適しています。また、Instagramリールのような視覚的インパクトのある配置面で活用することで、効果を最大化しやすいことがわかりました。

一方で、静止画バナーはCPMが低く、認知拡大を目的とした施策に適しています。配信する際は、Facebookフィードなどの情報提供型フォーマットを検討するとよいでしょう。

より魅力的な広告クリエイティブを制作するために

ここまでの結果から、より魅力的な広告クリエイティブを制作するための以下のようなヒントが得られました。

静止画バナーについては、デザインやコピーを工夫することで、よりCTRを向上させることが何よりも重要になります。一方で動画バナーは、長さや内容をターゲットのニーズに沿うものにして、より多くのクリックを低コストで獲得できるように調整することが重要です。

さらに、ターゲット層に応じてクリエイティブの使い分けを行えると、より効果的な広告運用が可能になるでしょう。

費用対効果の高いWeb広告運用ならゴンドラにご相談ください

株式会社ゴンドラでは、企業のマーケティング担当者の皆さまに向けて、広告効果を最大化するための最適な施策を提案しています。

私たちは、単なるリード獲得に留まらず、獲得した顧客との長期的な関係構築(カスタマーエンゲージメント)を視野に入れた戦略を立案しています。企業ごとの課題や目的に合わせて、Web広告を軸に、クリエイティブ制作やSNS運用、CRM施策、ブランディングなど幅広い分野での支援が可能です。

今後も継続的に独自調査や検証を実施し、データにもとづいた説得力のある施策で、より高い成果を生み出していきます。Web広告の費用対効果を高めたいマーケティング担当者の方は、ぜひゴンドラへお気軽にご相談ください。

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WRITING 執筆

藤原 洋平

藤原 洋平

Google、Yahoo! JAPANを中心としたリスティング広告、Facebook、instagram、X(旧Twitter)、LINEを中心としたSNS広告、アフィリエイト広告、インフルエンサーキャスティングなど、webマーケティング全般を手掛ける。
これまで数多くのセミナー・ウェビナーに登壇。書籍「BtoBマーケティングの基本 IT化のインパクトを理解する12 の視点」(日経BP)を執筆。

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