2025年2月6日、メルカリは広告配信サービス「メルカリAds」を正式にリリースしました。これにより、広告主はメルカリの検索結果画面に広告を掲載し、購買意欲の高いユーザーへ直接アプローチできるようになります。
本記事では、メルカリAdsの仕組みや特徴、広告主にとってのメリット、さらに市場への影響や今後の展望について詳しく解説します。
メルカリAdsとは?
メルカリAdsは「クリック課金型(PPC)広告」の、メルカリ内で商品やサービスを宣伝できる広告です。2024年5月からクローズドベータ版として一部の広告主に提供されていましたが、今回の正式リリースにより、より多くの広告主が利用可能になりました。
なお、本サービスは日本国内向けのみの提供であり、米国版メルカリには実装されていません。
メルカリAdsの仕組み
メルカリAdsの広告は、検索キーワードに応じて、出品商品一覧の下部に表示される仕組みです。主に外部のECサイトの商品やサービスが掲載され、価格が表示されるものとされないものの両方が確認されています。
現時点で、ユーザーが広告を非表示にする方法はありませんが、メルカリのマイページにある「広告表示設定」から行動履歴をもとにした広告配信を無効化することは可能です。ただし、これはターゲティングを停止するだけであり、広告枠自体が消えるわけではない点に注意が必要です。
広告の種類
メルカリAdsには、以下の3つの広告フォーマットがあります。
Product Ads(オフサイト広告)

- EC事業者向けの広告フォーマット
- 商品データフィードを活用し、メルカリの出品情報と同じデザインで掲載が可能
Infeed Ads(オフサイト広告)

- 画像やテキストを入稿し、業種を問わず広告を配信できるフォーマット
オンサイト広告

- 「メルカリ Shops」の商品を検索結果でより目立たせるためのフォーマット
- 出品者にとって商品の露出を増やすメリットがある
「オフサイト広告」は外部サイトへ誘導することを目的にしており、「オンサイト広告」はメルカリ内への誘導を目的にしています。
メルカリAdsの特徴
実際に掲載されている広告の業種
25年2月現在メルカリAdsには、以下のようにさまざまな広告が掲載されています。
- 人材(求人・転職)
- 自動車
- 美容・健康
- アパレル(ファッション)
- 学習
- アプリ
価格帯や業種は幅広く、2025年2月時点では、特に求人関係の広告が多い傾向にあります。
メルカリAdsはユーザーの検索・閲覧データを活用して、興味関心に一致する広告を表示させています。そのため、「高額な商品を検索している層にカードローンの広告を表示させる」といったように、検索行動に応じたターゲティングを行うことが可能です。
メルカリAdsの今後の展望
現状、メルカリAdsは検索結果への掲載がメインですが、今後はAIによる最適化や、ユーザーの行動データを活用した高度なターゲティングが導入される可能性があります。また、独自のEC機能『メルカリShops』を強化しているので、いずれ“公式ストア”向けの広告機能が拡充されるかもしれません。
Amazon広告はECの巨人として知られ、ユーザーは購入目的で訪れるため、高いコンバージョン率が期待できます。その一方で、メルカリAdsはフリマユーザーが中心で、“新品”ではなく“お得”を求める傾向にあります。
そのため、価格を強調した広告がより効果を発揮する可能性が高いと推察されます。
メルカリAdsの強みと課題の分析
メルカリAdsには、強みと課題の両方があると考えられます。
ここでは、広告主が押さえておきたいそれぞれのポイントについてみていきましょう。
メルカリAdsの強み
メルカリAdsの最大の強みは、月間アクティブユーザー(MAU)が2,200万人以上という、日本国内でも有数の巨大プラットフォーム上で広告を配信できる点です。
また、Amazon広告と同様に、メルカリのユーザーは「買う」という意識を持って検索しているため、Product Ads(オフサイト広告)やオンサイト広告は、コンバージョン率(CVR)が高くなる可能性があると考えられます。
メルカリAdsの課題
メルカリのUI(ユーザーインターフェース)は独自のものであるため、すべての商材が同じように効果を発揮するわけではありません。
特に無形商材は、ユーザーの購買行動に影響を与える要素が異なるので、広告の効果に差が出る可能性があります。
まとめ
メルカリAdsは、EC事業者や求人広告を出稿する企業にとって、新たな集客チャネルとして有力な選択肢となる可能性が高い広告プラットフォームです。ただし、正式リリースされたばかりであるため、今後の機能追加や改善が期待されます。
特に、メルカリがどのように広告事業を拡大し、他の広告プラットフォームと差別化していくのかは今後の注目ポイントです。広告主にとっては、メルカリAdsをどのように活用すれば効果的かを見極めることが重要になっていくでしょう。
CONTACT お問い合わせ
WRITING 執筆

LIFT編集部
LIFT編集部は、お客様との深いつながりを築くための実践的なカスタマーエンゲージメントのヒントをお届けしています。