P-MAXキャンペーンとは、Googleが提供する機械学習を活用した新しい広告メニューです。
この記事では、P-MAXキャンペーンの機能や使い方、運用のポイントを初心者向けに解説します。
さまざまな配信面に対応していて効果の最大化を狙えるP-MAXキャンペーンですが、運用を成功させるにはコツをつかむ必要があります。正しい知識を身につけて、効率的な広告運用を目指しましょう。
おっ。先輩、広告の設定をしているんですか?
そうなんだよぉ。お客さんからP-MAXキャンペーンを試してみたいっていう要望があったから、設定を代行しているんだ。
それって、たしかGoogleが提供しているAIを活用した広告ですよね?
GoogleのP-MAXキャンペーンとは?
P-MAXキャンペーンは、2021年11月からGoogleで提供が開始された新しい広告メニューです。Google広告のあらゆる配信面に対応しており、機械学習によって運用を最適化・自動化することで、パフォーマンスの最大化を目指せる点が特徴です。
「次世代のキャンペーン」として注目されている広告ですが、まだまだ従来のキャンペーンとの違いを理解できていない方は多いかもしれません。ここでは、P-MAXキャンペーンの特徴をみていきましょう。
- P-MAXキャンペーンのメリット
- P-MAXキャンペーンのデメリット
- P-MAXキャンペーンと従来のキャンペーンの違い
上記の3項目を詳しく説明します。
P-MAXキャンペーンのメリット
P-MAXキャンペーンには、次の5つのメリットがあります。
1つのキャンペーンですべての配信面に対応できる
P-MAXキャンペーンを利用すると、Google広告のすべての配信面に広告を掲載できます。具体的な配信面は、次のとおりです。
- Google検索
- Googleマップ
- YouTube
- Googleショッピング
- Googleディスプレイ
- Discover
- Gmail
今までも、「ファインドキャンペーン」や「スマートショッピングキャンペーン」など、複数の広告枠に対応したキャンペーンはありました。しかし、単一のキャンペーンで全配信面を網羅できるのは、P-MAXキャンペーンが初めてです。
キャンペーンを分ける必要がないので、配信の準備をスムーズに進められる点が大きなメリットです。
AIによってコンバージョン数の最大化を目指せる
P-MAXキャンペーンでは、機械学習による広告の自動調整が行われます。そのため、パフォーマンスの最大化が目指せるのです。
従来のキャンペーンでも、機械学習による最適化は実施されていましたが、キャンペーンはそれぞれ分かれていたので、十分なデータ量を確保しにくいという課題がありました。
P-MAXキャンペーンの場合、1つのキャンペーンで複数の配信面に対応しているため、収集できるデータの量とバリエーションが多くなります。そのため、より効果的に広告の最適化・自動化を実施できるのです。
Googleからは、「従来のキャンペーンと同程度のコンバージョン単価でP-MAXキャンペーンを利用した広告主は、コンバージョン数が平均18%以上増加している」と発表されています。
広告主の負担が軽減される
P-MAXキャンペーンは、「コンバージョン目標」「予算」「アセット」を設定すれば、すぐに広告配信を開始できます。細かいキャンペーン設定や予算管理、ターゲティング設定が不要なので、広告配信に必要な作業量を最小限にとどめられます。
また、配信開始後は機械学習によって最適化が行われるため、運用にも手間がかかりません。自動でパフォーマンスを最大化してくれるので、広告運用者のリソースを他の業務に注力できるようになります。
幅広いユーザーへリーチできる
幅広いユーザーへリーチできる点もメリットです。
P-MAXキャンペーンでは、消費者のニーズや行動、嗜好などをリアルタイムで把握し、ターゲティングを自動的に行ってくれます。そのため、自社が想定していなかった新しい層へのリーチも可能になるのです。
新しい層にリーチできれば、より顧客を獲得できるチャンスが広がっていくでしょう。
来店コンバージョン計測ができる
来店コンバージョン計測とは、広告がどれほど実店舗への来店に貢献しているのかを計測する機能です。通常、Web広告はWeb上のアクションをコンバージョンとして計測しますが、来店コンバージョン計測を行うと、オフラインでのアクションを広告の成果として計測できるようになります。
来店コンバージョン計測は、検索キャンペーンや動画キャンペーンなど、一部のキャンペーンのみで利用できる機能でした。しかし、実店舗への来店促進を目的としたP-MAXキャンペーン(P-MAX for store goals)でも利用できます。
計測を行う際は、Google広告アカウントとGoogleビジネスプロフィールを連携する必要があるので、事前に設定しておきましょう。
P-MAXキャンペーンのデメリット
便利なP-MAXキャンペーンですが、利用するデメリットが存在することも事実です。
ここでは、留意しておきたい3つのデメリットを紹介します。
手動設定ができない
P-MAXキャンペーンでは手動で管理できる範囲が少ないため、自分で細かく調整したい場合には向いていません。
設定できるのは、基本的に「予算」と「アセット」の2つです。詳細なターゲティングや配信面の指定はできないので、希望によっては他のキャンペーンを利用したほうがよいケースもあります。
レポートデータの情報が少ない
P-MAXキャンペーンは広告配信を機械学習によって自動化できる一方で、プロセスがブラックボックス化しやすい点がデメリットです。
レポートで確認できる情報が少なく、成果の要因分析や考察に役立てることは困難です。「なぜそのような成果になったのか」「クリエイティブの品質はどうか」などを正確に把握できないので、運用者側でPDCAサイクルを回しにくくなります。
短期間の運用に向いていない
P-MAXキャンペーンは、1か月などの短期間の運用には向いていません。機械学習を行うには、データを収集する期間が必要になるためです。
Google公式は、テスト期間として4~6週間確保する必要があると言及しています。広告配信が最適化されるまでに時間がかかるので、長期間の運用が基本となることは押さえておきましょう。
P-MAXキャンペーンと従来のキャンペーンの違い
ここまでの内容をまとめると、P-MAXキャンペーンと従来のキャンペーンの違いは表のとおりになります。
比較項目 | P-MAXキャンペーン | 従来のキャンペーン |
配信面 | すべての配信面 | 各キャンペーンに応じた配信面 |
クリエイティブ | 設定したアセットをもとに自動生成 | 手動で設定 |
ターゲティング | 自動 | 自動・手動 |
予算設定 | 予算の範囲内で自動配分 | キャンペーン単位で設定 |
入札戦略 | 自動 | 自動・手動 |
レポート | 一部のデータのみ確認可能 | 詳細なレポートが確認可能 |
P-MAXキャンペーンは自動化される項目が多く、従来のキャンペーンに比べると広告主側で自由にコントロールできる要素は少なくなります。
へぇ~。名前はなんとなく聞いたことがありましたが、どのようなものか詳細は知りませんでした。広告配信を自動化できるって、すっごく便利ですね!僕も使ってみたいなぁ。
ちょうど配信設定をしているところだし、使い方を学んでみる?
いいんですか!?ありがとうございます!
P-MAXキャンペーンの使い方
P-MAXキャンペーンは、Google広告の管理画面から簡単に設定できます。
ここでは、配信方法とレポートの確認方法を具体的にみていきましょう。
P-MAXキャンペーンを配信する方法
まずは、P-MAXキャンペーンを配信する方法を説明します。
キャンペーン作成
管理画面を開き、「+>キャンペーン」をクリックします。
キャンペーンの目的が一覧で表示されるので、最適なものを選んで「続行」をクリックしましょう。P-MAXキャンペーンが利用できるのは、次の5つの項目です。
- 販売促進
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 来店数と店舗売上の向上
- 目標を設定せずにキャンペーンを作成する
キャンペーンタイプの選択画面で、P-MAXキャンペーンを選択します。キャンペーン名の入力画面が表示されたら、任意の名前をつけて「続行」を押します。
入札単価の設定
入札単価の設定を行いましょう。
「重視している要素は何ですか?」の項目では、「コンバージョン」または「コンバージョン値」のどちらかを設定します。一定のコンバージョン単価に収まるよう広告を配信したい場合は、「目標コンバージョン単価」を具体的に設定しましょう。
「新規顧客の獲得を重視してキャンペーンを最適化する」にチェックを入れると、新規顧客に対する入札価格を高くする、もしくは新規顧客向けの入札単価を個別で設定できます。希望する場合は、設定を行っておきましょう。
キャンペーン・アセットグループ設定
キャンペーンの詳細を設定していきます。
まずは、対象地域を選択します。日本をターゲットにした広告であれば、地域を「日本」、言語を「日本語」にしておきましょう。
次に、アセットグループの設定を行います。機械学習を強化するために、入稿規定に従って推奨個数以上のクリエイティブを設定しましょう。
アセットの仕様と推奨個数については、こちらを参照ください。
オーディエンスシグナルの登録
ターゲットへ効率的に広告を配信するために、シグナルを入力しましょう。
「検索テーマ」には、商材を検索するときに使用されるキーワードを入力します。Googleの検索データに基づき、コンバージョン確度の高いユーザーへの広告表示が強化されます。
「オーディエンスシグナル」には、過去に自社のチャンネルを閲覧したYouTubeユーザーやGA4のセグメントに加え、自社が保有するセグメントデータを設定可能です。「その他のシグナル」からは、「興味・関心と詳しいユーザー属性」「ユーザー属性」の設定ができます。
ただし、設定したオーディエンスをターゲティングできるわけではありません。ここで設定した情報は、あくまで配信を最適化するためのシグナルとして活用される点に注意しましょう。
設定が完了したら、「次へ」をクリックします。
予算の設定
1日当たりの予算を設定します。
表示されている推奨予算だけではなく、「カスタム予算」で自由に予算を決めることも可能です。
なお、広告費用は日によって予算を下回ったり、予算の最大2倍に増えたりすることがあります。しかし、1か月の請求額は「1日の予算に1か月の平均日数を掛けた額」に収まるので安心してください。
「次へ」をクリックすると、キャンペーンの確認画面に遷移します。内容に問題がなければ、配信をスタートしましょう。
P-MAXキャンペーンの成果を確認する方法
P-MAXキャンペーンの配信を開始したら、定期的にレポートを見て成果を確認しましょう。
チェックしておきたいのは、次の2つのレポートです。
プレースメントレポート
プレースメントレポートは、広告が配信された場所と表示回数を確認できるレポートです。
レポートの確認手順は、次のとおりです。
- 管理画面でキャンペーンアイコンをクリックする
- 「分析情報とレポート>レポートエディタ」をクリックする
- プルダウンメニューから「事前定義レポート(詳細分析)>その他」をクリックする
- 「P-MAXキャンペーンのプレースメント」をクリックする
- レポートにフィルタを追加する場合は、フィルタアイコンとフィルタの種類を選択する
- レポートをダウンロードする場合は、「ダウンロード」を選択してファイル形式を選ぶ
アセットレポート
アセットレポートは、使用しているアセットの掲載結果を比較するレポートです。アセットの入れ替えや改善を行いたいときに役立ちます。
アセットレポートの確認手順は、次のとおりです。
- 管理画面で、キャンペーンアイコンをクリックする
- 「キャンペーン>キャンペーン」をクリックする
- アセットレポートを確認したいキャンペーンを選択する
- 左側のパネルの「キャンペーン」で、「アセットグループ」をクリックする
- アセットレポートを表示するアセットグループのカードで、「詳細を表示」をクリックする
こんな感じかな。クリエイティブの制作やキーワード・ターゲティングの細かい設定が不要だから、ビギニャー君でも簡単に配信を開始できると思うよ。
本当ですね!これなら、初心者の僕でも配信できそうです!でも、配信を開始したあとは、運用しながら調整や改善をする必要がありますよね?
そうだね。P-MAXキャンペーンは自動で広告を最適化してくれる点が特徴だけど、全くノータッチで運用できるものではないからね。P-MAXキャンペーンの改善に取り組むときは、こんな機能が便利だよ。
P-MAXキャンペーンの改善に役立つ機能
機械学習によって広告を最適化・自動化できるP-MAXキャンペーンですが、パフォーマンスを高めるには広告主による最適化が不可欠です。配信開始後は放置せず、問題点の改善に取り組みましょう。
広告改善に役立つ機能として、次のようなものが挙げられます。
- 診断的分析情報
- 最適化スコア
- 季節性の調整
- 地域ターゲティングの詳細設定
- データの除外
- パフォーマンスに関する詳しい説明
各項目の詳細をみていきましょう。
診断的分析情報
診断的分析情報は、キャンペーンがスムーズに運用できているかどうかをチェックする機能です。
ここで確認できるのは、次の項目に関する詳細です。
- アカウントのステータス
- お支払いのステータス
- ポリシー審査
- コンバージョントラッキング
- 予算
- 入札戦略のターゲット
- キャンペーンのステータス
- 広告の有効性
また、発生する可能性がある問題に対処できるよう、進行状況バーに最適化案が表示されます。設定に不備があると、キャンペーンが表示されなかったりコンバージョンが計測できなかったりする可能性があるので、定期的に問題がないか確認しておきましょう。
最適化スコア
最適化スコアは、広告パフォーマンスの改善方法を発見したいときに役立つ機能です。
この機能を利用すると、広告設定がどの程度最適化されているのかを計測し、最適化案のリストを表示してくれます。最適化スコアと最適化案は、「コンバージョン数の最大化」「目標インプレッション」などのビジネス目標をもとに表示されます。
最適化スコアには、広告のパフォーマンス改善のポイントを把握しやすい点がメリットです。その一方で、あくまでGoogle広告のパフォーマンスを向上させるための機能であるというデメリットもあります。
必ずしも自社のビジネスにマッチした案が表示されるわけではないため、「本当に最適化案が適切なのか」「どのような影響が出るのか」を考慮のうえ活用することが大切です。
季節性の調整
季節性の調整とは、コンバージョン率の変化を事前に登録しておくことで、スマート自動入札機能の動作を調整する機能です。例えば、セールなどのイベントやシーズン商品によりCVRの大幅な変動が予想されるときは、季節性の調整を行っておくと入札単価が最適化されます。
P-MAXキャンペーンでは大幅な数値の変化が発生すると、再び機械学習するためにパフォーマンスが低下することがあります。季節性の調節で一時的なCVRの変化であると伝えておけば、この現象を防げるのです。
季節性の調整は1~7日間の短いイベントに適した機能で、14日間を超える長い期間には向いていません。またスマート自動入札機能では、あらかじめ季節限定イベントが考慮されているため、急激・変則的な変化があるときのみ利用します。
地域ターゲティングの詳細設定
地域ターゲティングの詳細設定は、ターゲティング精度を向上するための機能です。
設定できる地域ターゲティングの種類は、次の2つです。
- 所在地:ターゲット地域にいるユーザー、定期的に訪れるユーザー
- 所在地や興味・関心:ターゲット地域にいるユーザー、定期的に訪れるユーザー、興味・関心を示しているユーザー
細かいターゲティングができないP-MAXキャンペーンにおいて、現時点で唯一可能なのが地域ターゲティングです。配信精度を高めるためにも、積極的に活用しましょう。
データの除外
データの除外は、コンバージョントラッキングに関する意図しない問題が、入札戦略に影響を与えることを防ぐ機能です。
例えば、タグ設定の問題やWebサイトの停止などのトラブルが発生すると、コンバージョン計測の精度が低下してしまいます。スマート自動入札機能は、コンバージョンとコンバージョン値のデータを活用するため、問題が発生した期間はデータの反映を除外するように指示する必要があるのです。
データの除外は、あくまで意図しないトラブルが起きたときに有効な機能です。長期間にわたる使用には向いていないので、必要なときだけ活用してください。
パフォーマンスに関する詳しい説明
パフォーマンスに関する詳しい説明は、広告パフォーマンスの変動やパフォーマンス向上に役立つ最適化案を確認する機能です。大幅な広告パフォーマンスの変動が生じたときは、この機能で原因を特定できます。
入札単価や予算、アセットなど、パフォーマンスの変化に影響していると考えられる要因を具体的に分析できて改善案まで提示してくれるため、効率的な広告改善に役立ちます。
配信していて「あれ?」と思うことがある場合は、今紹介した機能を使って改善してみてね。
はぁい、先輩!P-MAXキャンペーンを運用するうえで意識しておくとよいポイントって、他にもありますか?
日常的な運用のなかで気をつけたいのは、こんなポイントかな。
P-MAXキャンペーンを運用するときのポイント
P-MAXキャンペーンを運用するときは、以下のポイントを意識するとより高い成果を得られるようになります。
- 機械学習期間を設ける
- 他のキャンペーンと併用する
- 入稿規定に従ってアセットを登録しておく
- オーディエンスリストをインポートする
- 除外設定を行う
各項目の詳細をみていきましょう。
機械学習期間を設ける
P-MAXキャンペーンのパフォーマンスを向上させるには、十分な量のコンバージョン数と予算を確保する必要があります。
必要なコンバージョン数と予算は、次のとおりです。
コンバージョン数の目安
効率よく機械学習させるには、最低でも1日に10件のコンバージョン数が必要です。推奨されているのは1日あたり20件のコンバージョン獲得なので、より多くのコンバージョン獲得を目指すことが大切です。
コンバージョンポイントの設定は、購入や来店など売上に近くすることが推奨されていますが、商材や予算によっては難しいこともあるでしょう。この場合は、資料請求やダウンロードページへのアクセスなど、一歩前の段階をコンバージョンポイントにすることも可能です。
推奨する日予算
日予算は、コンバージョン単価の10倍程度が推奨されています。例えば、コンバージョン単価が5,000円の場合、日予算は5万円ということです。
P-MAXキャンペーンでは1日ごとに予算を消化するので、1か月単位で予算を組んでいる場合は、その額を30.4(1か月の平均日数)で割って1日あたりの平均予算を算出しましょう。費用が発生するのは、クリックなどの広告操作が行われたときのみです。
なお予算はいつでも変更できますが、機械学習に影響を与えるため、一度設定した予算は可能な限り変更しないことが望ましいとされています。
他のキャンペーンと併用する
Googleは、P-MAXキャンペーンを「既存の検索キャンペーンを補完するもの」と位置付けています。そのため単体で運用するのではなく、他のキャンペーンと併用しながら運用することがおすすめです。
手動でコントロールできる既存キャンペーンでコンバージョン獲得の基盤を築きつつ、P-MAXキャンペーンで自動的なパフォーマンスの最大化を目指せば、高い相乗効果が得られるでしょう。
入稿規定に従ってアセットを登録しておく
P-MAXキャンペーンでは、できるだけ多くのアセットを登録しておくことが重要です。
アセットのバリエーションが多くなるほど、配信面や訴求の幅が広がります。キャンペーン設定時は入稿規定を確認し、推奨数以上の個数を登録しておきましょう。
アセットの入稿規定と推奨個数は、表のとおりです。
種類 | アセット | 仕様 | 推奨個数 |
テキスト | 最終ページURL | – | – |
広告見出し | 半角30(全角15)文字まで | 15 | |
長い広告見出し | 半角90(全角45)文字まで | – | |
説明文 | 半角90(全角45)文字まで | 5 | |
ビジネス名 | 半角25(全角12)文字まで | – | |
行動を促すフレーズ | 自動作成またはリストから選択 | – | |
表示URLパス | 半角15(全角7)文字まで | – | |
画像 | 横向き画像 | 1200×628 px、5120KBまで | 3 |
スクエア画像 | 1200×1200 px、5120KBまで | 3 | |
縦向き画像 | 960×1200 px | 1 | |
スクエアロゴ | 1200×1200 px、5120KBまで | – | |
横向きロゴ | 1200×300 px、5120KBまで | – | |
動画 | 動画 | 10秒以上 | 1 |
オーディエンスリストをインポートする
より高い成果を得るために、自社が保有するオーディエンスリストのインポートを行っておきましょう。オーディエンスリストとは、顧客リストやファーストパーティデータなどを指します。
信頼性の高い情報をインポートすると機械学習が強化され、自社に適したユーザー層への広告配信を行いやすくなります。
除外設定を行う
広告を表示させたくないキーワード、プレースメント、地域がある場合は、除外設定を行いましょう。適切に設定を行うことでターゲット外への広告配信を防ぎ、無駄な予算の発生を防止できます。
除外設定の手順は、次のとおりです。
キーワードの除外設定
- 管理画面でツールアイコンをクリックする
- 項目メニューで「共有ライブラリ」をクリックする
- 「除外リスト」をクリックする
- 「除外キーワードリスト」をクリックする
- 「+」をクリックし、除外キーワードを追加する
- 「保存」をクリックする
- リストにチェックを入れ、「キャンペーンに適用」をクリックする
- P-MAXキャンペーンを選択して「適用」をクリックする
プレースメントの除外設定
- 管理画面でツールアイコンをクリックする
- 項目メニューで「共有ライブラリ」をクリックする
- 「除外リスト」をクリックする
- 上部にある「プレースメント除外リスト」をクリックする
- 「+」をクリックし、プルダウンから「新しいリスト」を選択する
- 広告を表示したくないコンテンツのURLを入力、もしくは検索する
※「www.」を含めない - 「保存」をクリックする
- リストにチェックを入れ、「キャンペーンに適用」をクリックする
- P-MAXキャンペーンを選択して「適用」をクリックする
なお、プレースメントの除外設定はアカウント単位で行われます。キャンペーン単位で除外することは、2023年12月時点ではできないため注意しましょう。
除外プレースメントは一度に2万件まで、1つのアカウントにつき合計6万5,000件まで設定することが可能です。新しい除外設定は、通常12時間以内に適用されます。
地域の除外設定
- 管理画面でキャンペーンアイコンをクリックする
- セクションメニューの「キャンペーン」をクリックする
- 「設定」をクリックする
- 「P-MAXキャンペーン>編集」をクリックする
- 「地域の変更」をクリックする
- 除外したい地域を入力し、「除外」をクリックする
- 「適用」をクリックする
意識したいのはこんなポイントかな。あとは、留意しておきたい注意点もあるから、それについても説明しておこうかな。
はいっ、お願いします!
P-MAXキャンペーンの注意点
P-MAXキャンペーンを運用するときは、以下の4点に注意しましょう。
- ショッピング広告の配信に影響する
- 広告配信後の調整はアセットの入れ替えがメインになる
- CPAが高くなることがある
- 意図しない広告が生成されることがある
どのようなことなのか、詳細を説明します。
ショッピング広告の配信に影響する
P-MAXキャンペーンとショッピングキャンペーンを同時に配信するときは、既存のショッピングキャンペーンに影響が出ます。
Google公式は、「P-MAXキャンペーンは、同じGoogle広告アカウントで同じ商品を掲載している既存のショッピングキャンペーンよりも優先される」と言及しています。そのため、既存のショッピング広告の配信数が縮小される可能性が高いのです。
キャンペーン単位で予算管理を行っている企業では、計画に狂いが生じてしまうかもしれません。そのことを理解したうえで予算計画を立てることが大切です。
広告配信後の調整はアセットの入れ替えがメインになる
P-MAXキャンペーンでは、入札やターゲティングが自動で行われるため、配信開始後に広告主が手を加えられる要素はごくわずかです。運用のなかで広告主がメインで行うことになるのは、アセットの入れ替えによる調整です。
アセットレポートを見れば、アセットごとの評価を確認できます。アセットは「最良」「良」「低」の3つに分類されるので、評価が低いアセットを入れ替えて改善を目指すことが大切です。
ただし、ここに表示される評価は相対的なものである点に注意しましょう。表示回数やコンバージョン数などを確認することはできないので、何が問題なのかを把握しにくい点がデメリットとして挙げられます。
CPAが高くなることがある
P-MAXキャンペーンでは、CPA(顧客獲得単価)が高くなる可能性があります。
P-MAXキャンペーンのパフォーマンスが最大化されるまでは、機械学習を行う必要があります。その間は、成果につながらないのに予算が消費される状態になることが珍しくありません。
必ずCPAが高くなるわけではありませんが、通常よりも予算が必要になるケースがあることは押さえておきましょう。
意図しない広告が生成されることがある
P-MAXキャンペーンでは、意図しない広告が生成されることがあります。
例えば、P-MAXキャンペーンには「最終ページURLの拡張」という、同じドメインのなかでコンバージョンが期待できるページへの広告を生成する機能があります。この機能では、遷移先や見出しが自動生成されてしまうため、広告主の意図に反した広告配信が行われてしまう可能性があるのです。
また、キャンペーン設定時に動画クリエイティブを登録しない場合、画像を組み合わせた動画広告が自動生成されて配信されることもあります。
意図しない広告生成を防ぐには、「最終ページURLの拡張」機能をOFFにする、簡易的な動画クリエイティブをアップロードしておくなどの対策が必要です。
広告配信の自動化・最適化って、よい面ばかりではないんですね……。P-MAXキャンペーンを運用するときは、注意点に十分気をつけようと思います!
うんうん、いい心がけだね。お客さんに頼まれていたキャンペーンの設定も終わったし、一緒にお昼ご飯でも食べに行こうか~!
わ~い!頭を使ったから、お腹が空いてきたところなんです!いきましょいきましょ~!
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WRITING 執筆
LIFT編集部
LIFT編集部は、お客様との深いつながりを築くための実践的なカスタマーエンゲージメントのヒントをお届けしています。