動画広告とは、動画を使った広告です。本記事では、動画広告のメリット・デメリット、種類や配信先を比較しながら解説します。
スマートフォンの普及が進んだ近年、動画広告を活用すると多くのメリットが得られます。
ぜひ、動画広告に関する知識や運用のコツを身につけて、Webマーケティング効果の最大化を目指してみてくださいね。
先輩先輩!この間、隣町のレジャー施設の動画広告を見たんですけど、すっごく面白そうだったんです~!室内で色んなレジャーが楽しめるんですって!今度一緒に行きませんか!?
いいね、行こう行こう!それにしても、施設のマーケティング担当さんは優秀だな~。動画広告のメリットを最大化する運用ができているんだもん。
え!?あれ、そんなすごい動画広告だったんですか!?動画広告にはどんなメリットがあるんだろう……。
INDEX
動画広告のメリット
動画広告には、以下の3つのメリットがあります。
- 多くの情報をわかりやすく伝えられる
- 印象に残りやすい
- 話題になりやすい
それぞれのメリットについて詳しく説明します。
多くの情報をわかりやすく伝えられる
動画広告では、静止画の広告や文字だけの広告よりも多くの情報を伝えられます。また、映像や音があれば、文字だけではうまく伝えられない情報を視覚的・聴覚的に訴求できるでしょう。そのため、商品の魅力や使い方、メリットなどを詳しくわかりやすく伝えられる点が大きなメリットです。
印象に残りやすい
映像や音、演出をフル活用した動画広告は、文字ベースの広告と比べると印象に残りやすい傾向にあります。高品質なクリエイティブを制作できれば、動画を見た瞬間だけでなく、見たあとも広告の内容を思い出してもらえるかもしれません。
実際、動画広告を見たあとに、広告で使われていたキャッチコピーや音楽を思い出したり口ずさんだりした経験がある方は多いでしょう。このように、動画広告はユーザーの記憶にしっかりと刻まれるため、潜在顧客を増やしたいときに最適です。
話題になりやすい
SNSなどで拡散されやすい点も、動画広告のうれしい特徴です。ユーザーに刺さるクリエイティブを制作できれば、広告を見たユーザーからの2次拡散が見込めます。次から次へ拡散が生まれれば、施策の効果は何倍にも膨れ上がるでしょう。動画広告は、SNSが普及した現代にぴったりな訴求方法なのです。
へぇ~、動画広告ってメリットが多いんですね!今度、僕も施策に取り入れてみようかな。
ふふふ、興味を持つのはいいことだよ。でもね、動画広告にはデメリットもあるから、そこも理解したうえで活用しなきゃね。
動画広告って、デメリットもあるんですか?どんなデメリットがあるのか、全然思いつかないです……。
動画広告のデメリット
動画広告を配信するときは、以下のようなデメリットに気をつけなければいけません。
- クリエイティブの制作が必要
- スキップされる可能性が高い
- 嫌悪感を抱かれることがある
詳しくみていきましょう。
クリエイティブの制作が必要
動画広告には、素材となる動画が必要です。動画クリエイティブを制作するときは、企画や構成の作成、素材やキャストの手配、撮影、編集など多くのプロセスを経ることになります。そのため、写真やテキストだけの広告と比べると、クリエイティブの制作にかかる時間やコスト、手間が多くなってしまうのです。
そもそも、自社に動画制作のノウハウがない企業も多いことでしょう。その場合は制作会社に外注する必要があるため、より多くのコストがかかることになります。
スキップされる可能性が高い
動画広告は、途中でスキップされることが多い傾向にあります。実際、YouTubeを視聴しているほとんどの方が、動画広告をスキップした経験があることでしょう。
動画広告を配信するときは、「強いインパクトで興味を引く」「重要な訴求を最初に持ってくる」などの工夫が不可欠です。動画広告は基本的に最後まで視聴されないことを理解したうえで、構成や訴求内容を考えることが大切です。
嫌悪感を抱かれることがある
動画広告の内容によっては、ユーザーから嫌悪感を抱かれてしまうリスクがあります。特に、動画配信プラットフォームでは動画本編の最初や途中に動画広告が差し込まれるため、「本編の邪魔になる」と嫌悪感を抱かれやすい傾向にあります。
また、何度も同じ広告が表示されるときや、自分と関連性のない広告が表示されるときもマイナスのイメージを抱かれるでしょう。嫌悪感を抱かせない広告を制作するのはもちろんのこと、ターゲティングを最適化して、ユーザーを不快にさせない対策をする必要があります。
た、たしかに。僕も、おんなじ動画広告が何度も表示されてスキップした経験があります。
そういうユーザー心理を理解したうえで、動画広告を配信しないとね。ところでビギニャー君、動画広告がどんな広告なのか、どうして注目されているのか、しっかりと理解している?
えっ!?あらためて聞かれると、ちょっと難しいですね……!
動画広告とは?
動画広告とは、文字通り「動画を使った広告」です。スマートフォンの普及にともない「オンライン動画を視聴する」ということが日常的になってきた昨今。
特に2018年頃以降は市場が急速に拡大していっており、いまや動画広告はスタンダードな広告手法として活用されています。ここでは、動画広告の今後や重要性を理解するために、以下の2点について学んでみましょう。
- 動画広告の市場規模
- 動画広告が注目されている理由
各項目を詳しく説明します。
動画広告の市場規模
株式会社サイバーエージェントと株式会社デジタルインファクトが2022年に実施した共同調査によると、2022年の動画広告市場は5,601億円に到達したことがわかりました。
同調査において、2021年の動画広告市場は4,205億円であることがわかっているため、1年間で1,000億円以上も市場規模が拡大していることになります。2023年には7,209億円、2026年には1兆2,451億円に達する見込みなので、動画広告の市場規模が今後さらに拡大していくことは間違いないでしょう。
特に、ショート動画が若年層の支持を受けていることから、今後はTikTokやInstagramなどのSNSを活用した動画広告の重要性が高まると予想されます。
動画広告が注目されている理由
今なぜ動画広告の市場規模が拡大しているのでしょうか。その理由として、3つの理由が挙げられます。
インターネット技術の発達
インターネット技術の発達により、短時間で多くのデータ通信が可能になったことが、動画広告が注目されるようになった大きな要因です。特に5Gが普及してからは、動画が途中で止まったりなかなか再生されなかったりするトラブルが減り、快適に動画コンテンツを楽しめるようになりました。
いつでもどこでも動画を再生できる環境が整ったため、マーケティング施策のひとつとして動画広告が活用されるようになったのです。
モバイルデバイスの普及
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが普及したことも、動画広告が注目を集めるようになった要因です。モバイルデバイスを所有する人が増えた影響で、ひとり一人にあった広告を届けることが可能となりました。
個人の興味・関心に沿った動画広告を配信できる点は、従来のテレビ広告にはない強みです。モバイルデバイスのおかげでコストを抑えつつ高い成果が得られるようになったため、動画広告は多くの企業で導入されているのです。
外出控えによる需要拡大
生活様式やワークスタイルの変化により、外出を控える人は激増しました。最近になってようやく外出控えの傾向は緩和されつつありますが、おうち時間を楽しむ方や自宅で働く方はまだまだ多いでしょう。不要不急の外出が減った影響で、自宅で動画を視聴する方が増えました。
実際Googleによると、「外出を控えるようになってからYouTubeの利用が増えた」と回答したユーザーは、74%にものぼることがわかっています。動画コンテンツの需要拡大にともない、広告を動画で配信することの需要も高まってきているのです。
なるほどぉ!動画広告は、まさに今の市場にマッチした手法なんですね!ル
そのとおり。そうだ!より理解を深めるために、動画広告の種類についても学んでみない?
え?動画広告に種類なんてあるんですか……?
動画広告の種類
動画広告には、主に4つの種類があります。
- インストリーム広告
- インバナー広告
- インリード広告
- インターステイシャル広告
以下では、各種類の特徴を説明します。
インストリーム広告
インストリーム広告は、動画コンテンツの中に掲載される動画広告です。例えば、YouTube動画の再生前・再生中に挟み込まれる広告が該当します。
主な配信先は、動画配信プラットフォームです。広告の再生開始から数秒後にスキップが可能なタイプ(スキッパブル広告)と、スキップのできないタイプ(ノンスキッパブル広告)があります。
インバナー広告
インバナー広告は、Webサイトやアプリの広告枠に表示される動画広告です。配信先が動画サイトに限定されないため、普段あまり動画を見ないユーザーにもアプローチできます。
ユーザーのクリックで再生が開始されるタイプ(Click-to-Play)やカーソル移動で再生開始されるタイプ(Hover-to-Play)、音声なしで自動再生されるタイプがあります。
インリード広告
インリード広告は、Webサイト内のコンテンツやSNSのタイムラインに掲載される動画広告です。例えば、Yahoo!ニュース内に配信されている動画広告が該当します。
動画広告が画面内に表示されると、自動的に再生が開始される点が特徴的です。別名「インフィード広告」「インスクロール広告」と呼ばれることもあります。
インターステイシャル広告
インターステイシャル広告は、Webサイトでページ間を遷移するとき、合間に表示される動画広告です。ページの中央や前面に大きく表示されるため、視認性が高くインパクトがあります。ただし、操作を妨げられたユーザーから嫌悪感を抱かれることがあるため、注意しながら使用しなければいけません。
動画広告って、いろいろな種類があるんですね!しかも、配信できるプラットフォームも多くないですか?
おっ、いいところに気がついたね。動画広告は、今たくさんのプラットフォームで配信できるんだよ。
動画広告の配信プラットフォーム一覧
動画広告と聞くとYouTubeを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は他にも配信できるプラットフォームは多く存在しています。動画広告を配信できる代表的なプラットフォームは、以下のとおりです。
- YouTube
- TikTok
- GDN・YDA
- LINE
各プラットフォームの特徴をみていきましょう。
YouTube
YouTubeは、幅広い年齢層の人に利用されている人気の動画配信プラットフォームです。2022年における国内の月間アクティブユーザー数は、18歳以上の日本人の65%以上に相当する7,000万人にものぼります。
Google広告のターゲティング技術を利用できるので、多くのユーザーの中から自社商材に最適なターゲットに広告を届けられます。配信できる動画広告の種類は、次のとおりです。
- True View インストリーム広告:動画の再生前・中・後に表示される広告
- True View ディスカバリー広告:検索結果や関連動画に表示される広告
- バンパー広告:動画の再生前・中・後に表示される6秒の広告
- アウトストリーム広告:Google動画パートナーのサイトに表示される広告
- マストヘッド広告:YouTubeのホーム画面の一番上に表示される広告
TikTok
TikTokは、ショートムービーをシェアできる若年層・Z世代に人気のSNSです。ダンスを踊る動画やメイク動画、商品紹介など、エンタメ系の動画が多く投稿されています。若者だけでなく、さまざまな年代を対象としたPRに活用できます。配信できる動画広告の種類は、次のとおりです。
- TopView:アプリ起動時に表示される広告
- TakeOverAD:アプリ起動時に全画面で表示される広告
- Infeed AD:おすすめフィードに表示される広告
GDN・YDA
Googleディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo!ディスプレイ広告(YDA)にも、ディスプレイ広告は配信できます。
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどに設けられた広告枠に配信される広告です。各媒体が提携しているサービスに動画広告を配信できます。リーチ数を確保しつつ、精度の高いターゲティングを行える点が大きなメリットです。
Twitterは、リアルタイム性や拡散性に強みをもつSNSです。タイムラインの投稿になじむように動画広告を配信できるため、自然かつ目に留まる形式でPRできます。
2017年における国内の月間アクティブユーザー数は4,500万人で、幅広い年齢層への訴求に効果的です。セール告知などの即時性の高い情報、爆発的な拡散を狙いたい情報の発信に向いています。配信できる動画広告の種類は、次のとおりです。
- プロモビデオ:タイムラインに表示される広告
- ビデオウェブサイトカード:リンク先への遷移を促す広告
- ビデオアプリカード:アプリのダウンロードを促す広告
- インストリーム動画広告:コンテンツパートナー動画に表示される広告
- プロモトレンドスポットライト:話題を検索タブの最上部に表示される広告
Instagramは、画像や動画などの視覚的訴求に適したSNSです。写真映えする画像や動画を好み、写真を通したコミュニケーションを楽しむユーザーが多いため、ファッションや化粧品、グルメ、旅行などの商材と相性が抜群です。
2019年における国内の月間アクティブユーザー数は3,300万人で、男女ともに多くのユーザーを抱えています。Facebookがもつ精度の高いターゲティングが利用できる点、日本のみならず世界中のユーザーに情報を届けやすい点が強みです。動画広告の主な配信面は、次のとおりです。
- フィード
- ストーリーズ
- 発見タブ
- リール
LINE
LINEは、チャット形式のコミュニケーションが楽しめるSNSです。連絡手段として多くのユーザーに利用されており、アクティブ率が高く幅広い年齢層にアプローチできる点が特徴的です。
2023年における国内の月間アクティブユーザー数は9,500万人で、今回紹介しているプラットフォームの中でダントツのユーザー数を誇ります。TwitterやInstagramなどのSNSを利用しないユーザーにもしっかりと訴求できるでしょう。配信できる動画広告の種類は、次のとおりです。
- Card:トークリスト以外に出稿できる長方形の広告
- Square:トークリスト、LINEマイカード以外に出稿できる正方形の広告
- Vertical:ユーザーがタップすると全画面で表示される広告
Facebookは、実名や所属企業、学歴などを登録して利用するSNSです、とにかくユーザー情報の正確性が高いため、非常に精度の高いターゲティングが可能です。
2019年における国内の月間アクティブユーザー数は2,600万人で、30~50代のビジネスパーソンに多く利用されています。ビジネスパーソン向けの商材やBtoB商材のPRに向いているでしょう。配信できる動画広告の種類は、次のとおりです。
- Facebookフィード:タイムライン上に表示される広告
- Facebookストーリーズ:スマートフォンの画面いっぱいに表示される広告
- Facebookインストリーム動画広告:ユーザーの動画内やライブ配信に表示される広告
わわわ、こんなに多くのプラットフォームが!?ターゲットや媒体の特性に合わせて広告を配信しないとですね。
そうなんだよね。ちょっと難しいけど、広告費を無駄にしないためにも、配信するプラットフォームは慎重に選ばないとね。
そういえば、動画広告の費用ってどうやって決まるんですか?
動画広告の課金形式と費用目安
動画広告の配信を検討する際は、費用についての知識も身につけておく必要があります。ここでは、動画広告の課金方式と費用目安をみていきましょう。
動画広告の課金形式
動画広告の課金方式は、次の3つです。
CPV課金
動画が再生されるごとに費用が発生する課金方式です。「30秒以上の視聴」「最後まで視聴」など、動画再生の定義は媒体によってさまざまです。すぐに広告がスキップされた場合は費用が発生しないため、コストを無駄にしにくいというメリットがあります。
CPM課金
動画広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する課金方式です。再生されなくても回数がカウントされてしまう点はデメリットですが、比較的コストが抑えられるという特徴があります。
CPC課金
動画広告がクリックされるごとに費用が発生する課金方式です。広告に興味を持ってくれたユーザーがいるときだけ課金されるため、成約確度の高いユーザーへ効率的に訴求できます。
動画広告の費用目安
動画広告にかかる費用目安は、次のとおりです。
- 制作費:20~100万円
- 広告費:月3万円~(YouTube)
動画広告を配信する際、まずかかるのは動画の制作費用です。動画を制作するときは、機材費に加えて人件費が必要です。近年はスマートフォンだけで動画の撮影や編集ができるようになりましたが、しっかりと機材を揃えたい場合はそれなりの費用がかかるでしょう。
また、ディレクターやカメラマン、編集スタッフ、出演者など多くの人員が必要になるため、人件費も高くなりがちです。制作費は、動画の長さやクオリティなどに大きく左右されるため、一概にいうことができません。安ければ数万円、高ければ1,000万円以上の費用がかかるときもあります。
さらに、広告費は、媒体によってまったく異なることを押さえておきましょう。例えば、YouTubeは1日1,000円の予算から動画広告を配信できますが、TikTokのインフィード広告は出稿に42万円の費用がかかります。広告の種類や課金方式によっても費用感は異なるため、予算に合わせて媒体や広告の種類を選びましょう。
当たり前ですけど、動画広告って配信するときだけじゃなくて、制作するときも費用がかかるんですね……。
予算や人員など、たくさんのリソースが必要になることは間違いないね。だからこそ、しっかりと効果測定と改善を繰り返して、成果につながる広告運用をしていかないとね。
ちなみに、動画広告の成果指標ってCVや再生回数だけじゃないんだよ。目的に応じて、いろいろな指標を使う必要があるんだ。
【目的別】動画広告の効果測定指標
動画広告の成果を測定するときは、目的にあった複数の指標を用いることが大切です。ここでは、特に重要な成果指標を以下の3つの目的別に紹介します。
- 認知拡大
- 顧客育成
- CV獲得
それぞれを詳しくみていきましょう。
認知拡大
動画広告を通して自社商品やブランドの認知を拡大したいときは、「どれだけ動画が表示されたか」という指標が重要になります。
たとえコンバージョンにつながらなくとも、動画を見てもらえれば何らかの印象を残せるため、目的は達成できます。認知拡大を目的とする場合は、下記のような成果指標を用いて効果測定をするとよいでしょう。
- 再生回数
- 表示回数(インプレッション数)
- 視聴者数 ブランド認知度
- 広告想起率
珍しい指標ですが、広告想起率は「広告を見た・見た気がする」と回答する人の割合を指します。解析ツールのほか、ブランド認知度や広告想起率に関するアンケートなども活用しながら効果を測定していくとよいでしょう。
顧客育成
見込み顧客を顧客に育成したい、商品やブランドへの理解を促進したいという場合は、しっかりと情報を届けるために動画を長く視聴してもらう必要があります。
つまり、「どれだけ動画を見てもらえたのか」が重要になります。顧客育成を目的とする場合は、具体的に次のような指標を用いて効果測定しましょう。
- 視聴完了率
- 平均再生時間
- 購入意向率
- ブランド好意度
動画広告の視聴状況に加え、「視聴後に購入意向がどのように変化したのか」「ブランドに対する好感度は上がったか」などについても調査できるとよいでしょう。これらの指標は、広告クリエイティブに対するフィードバックになるので、よりよい動画広告の制作に活かせます。
CV獲得
購入やお問い合わせ、資料請求などのコンバージョン獲得を目的としている場合は、何らかのアクションをしてくれたユーザーの割合を把握することが大切です。具体的に、次のような指標を用いて効果測定をしましょう。
- クリック数
- 問い合わせ数
- 会員登録数
- 売上
なお、何をコンバージョンと設定するかによって測定すべき指標は異なります。自社に合ったものを用いてください。
たしかに、動画広告の目的によって何を成果とするかは変わってきますよね。勉強になりますっ!
でもでも、動画を制作して広告を配信したからといって、必ず効果が出るわけではないんですよね?ちゃんと成果が出る動画広告にするためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。
きちんと効果が出る動画広告を作るためにはね……。
効果的な動画広告の作り方
動画広告を通してユーザーに興味を持ってもらったり行動に移してもらったりするためには、魅力的な動画クリエイティブの制作が欠かせません。効果につながる動画広告を制作・配信するためにも、ぜひ以下のポイントを意識してみてください。
- 出稿目的を明確にする
- 適切なターゲティングを行う
- メディアの特色に合わせてクリエイティブを制作する
- モバイルに最適化する
- トレンドに乗る
- PDCAサイクルを回す
各項目の詳細をみていきましょう。
出稿目的を明確にする
まずは、動画広告を出稿する目的を明確にしましょう。目的によって、制作すべき動画クリエイティブの内容や最適な広告の種類が大きく異なるためです。
例えば、認知拡大が目的なら「印象的な短時間の動画でインパクトを残す」、顧客育成が目的なら「じっくりと商品の使い方を説明する動画を使う」などの戦略が考えられますよね。出稿目的が明確になれば、広告を配信するターゲットや媒体、配信面なども絞り込めます。
適切なターゲティングを行う
動画広告を配信するときは、ターゲティングを最適化する必要があります。なぜなら、動画広告は訴求力が高く印象に残りやすいぶん、マイナスの印象も与えやすいためです。「興味のない広告が何度も流れて不快」と思われてしまえば、企業やブランドそのものの印象が低下してしまうかもしれません。
それを防ぐためにも、ターゲット設定をしっかりと行って、広告とユーザーのミスマッチを防ぐ必要があるのです。「とにかく多くの人にたくさん広告を配信する」という戦略は、動画広告では通用しません。配信先を絞り込み、情報を必要としている人にピンポイントで広告を見てもらうことが大切です。
メディアの特色に合わせてクリエイティブを制作する
動画広告を配信するときは、メディアになじむ動画クリエイティブを制作しなければいけません。メディアにはそれぞれ特色があり、利用しているユーザー層も異なります。
特色やユーザー層に合わないクリエイティブは浮いてしまいますし、ユーザーに不快感を与える可能性があるため注意が必要です。まずは実際に配信されている広告をいくつか視聴してみて、各メディアの傾向をつかんでおくとよいでしょう。
モバイルに最適化する
SNSやWebサイトを閲覧しているユーザーのほとんどが、スマートフォンを使用しています。そのため動画を制作するときは、モバイルデバイスに最適化したクリエイティブにしなければいけません。
例えば、文字が小さかったり多すぎたりする動画は、スマートフォンでは閲覧しにくくなります。文字を大きくする、訴求する情報を最低限に絞るなど、モバイルデバイスでも視聴しやすい動画にする工夫が必要です。
トレンドに乗る
動画プラットフォームやSNSのトレンドは、日々めまぐるしく変化しています。動画広告でしっかりと成果を出したいのであれば、トレンドに乗ったクリエイティブを制作することが肝心です。どのような動画が人気なのかは、メディアによって大きく異なります。
常に「今必要とされている動画」を制作できるように、最新の動画トレンドをキャッチアップしておきましょう。また、制作した動画をずっと使い続けるのではなく、新しいものに入れ替えながら運用することも大切です。
PDCAサイクルを回す
動画広告を配信したあとは、効果測定と改善を繰り返すPDCAサイクルを回しましょう。たとえ動画広告を配信しても、一回で高い成果が得られるとは限りません。ユーザーの反応を見つつ、より広告をブラッシュアップしていく必要があります。
クリエイティブの内容や質はもちろん、ターゲットや配信面、遷移先LPなどを幅広く見直し、各担当者や外部パートナーと協力しながら改善を目指しましょう。効果測定や改善を自社で行うのが難しい場合は、動画広告に詳しい外部企業に相談するのもひとつの選択肢です。
効果的な動画広告を作るポイントはわかったんですけど、いまいち具体的なクリエイティブや施策がイメージできないんですよね。先輩、動画広告を成功させた企業の事例が知りたいです!
そうだねぇ……、それじゃあ、ビギニャー君も知っている有名な2社の事例を紹介しておこうかな。
動画広告の成功事例
動画広告戦略を練るときは、企業の成功事例を参考にするとスムーズです。ここでは、動画広告の成功事例を2つ紹介します。
Audi
ドイツの高級車メーカーAudiは、YouTubeのインストリーム広告を使ったPRを実施。再生から5秒後にスキップが可能となる機能を逆手に取り、5秒で完結する広告を制作しました。
たった3.5秒で時速100kmに達する車の走行性能を存分にアピールしつつ、視聴率100%を達成。30秒以上の広告再生で費用が発生する課金方式をうまく活用して、広告費を抑えつつ効果的なPRに成功しています。
ダスキン
清掃業務を中心に提供する株式会社ダスキンは、介護支援サービスのPRに動画広告を活用。介護をする家族の悩みをストーリー仕立てのアニメーションにしたことで、ターゲット層である40~60代の女性から多くの反響を得ました。
その結果、問い合わせ件数は前月比で2倍まで増加。コンバージョンに直結する問い合わせを多く獲得できています。
自社製品・サービスの特色や顧客のニーズを把握できれば、どんな動画広告を配信すればいいのかが見えてくるよ。いきなり動画を作るんじゃなくて、市場調査や自社分析から始めてみるといいかもしれないね。
なるほど!僕も、今後は積極的に動画広告を戦略に取り入れてみようと思います!先輩、ありがとうございました!
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WRITING 執筆
LIFT編集部
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