マーケティングで重要な「広告」と「CRM」。どちらも商品の販売促進戦略のひとつですが、意味はまったく異なります。
この記事では、「CRM」と「広告」の関係を詳しく説明します。成果向上のためにチェックしてみてくださいね。
さっき会議で、「広告」と「CRM」の予算をどうするか、みたいな話があったじゃないですか。あれ、僕全然わかんなくって。マーケティングって、「広告」と「CRM」のどっちに注力したほうがいいんですか?
「広告」も「CRM」も、それぞれ役割が違うからね。「マーケティングならこう」とかじゃなくって、「今の状況が、どちらを必要としているか」によるんだ。
そうだ!いい機会だし、今日は「広告」と「CRM」の違いを勉強してみようか!
広告とCRMの違い
マーケティングに欠かせない広告とCRM。どちらも商品やサービスの購入を促進する取り組みであるため、「意味や目的の違いがわかりにくい!」と感じる方は多いかもしれません。
広告とCRMは、まったく別の目的を持つ取り組みです 。広告」と「CRM」では、対象とするターゲットや目的、役割が大きく異なるのです。つまり、「得意なことが違う」ともいえるでしょう。 この違いを明確に理解することで、それぞれを効果的に使いこなせるようになります。広告とCRMを深掘りしてみましょう!
広告とは?
- ターゲット:不特定多数の見込み客
- 目的:認知を拡大し、興味・関心を高めて、新規顧客の獲得やイメージアップ!
- 活用する主な媒体:新聞、テレビ、雑誌、SNS、Webサイトなど
「広告」とは、世の中に広く情報を知らせることです。商品やサービスなどの情報を広く世間に知らせるための活動、情報を掲載する媒体や伝達される内容を指します。まずは、広告の役割と目的、活用例をご紹介します。
広告の役割・目的
- ターゲット:既存顧客
- 目的:顧客との関係性を維持・向上し、リピーターの獲得&顧客のファン化
- 活用する主な媒体:紙DM、メール、SNS、ポップアップなど
広告は、おもに「興味・関心や購買意欲を引き出すこと」を目的に活用されます。私たちは普段、チラシや看板、新聞やテレビ、Webサイトなど、さまざまな媒体で広告を目にしていますよね。
多くの人が見る広告には、商品や企業の露出を増やすことで商品やサービスの認知度を上げて、新しいお客さまを獲得する狙いがあるのです。
また、広告は販売促進活動だけでなく、企業のイメージアップに活用されることもあります。魅力的な広告は、企業そのものを魅力的に見せてくれる効果があるのです。
さまざまな広告の活用例
広告は、マーケティングにおいてさまざまなシーンで活用されています。
- テレビで、季節の商品のCMを放送する
- 駅構内のデジタルサイネージに、駅周辺店舗の広告を表示させる
- SNSで、新商品の販売を告知する
さまざまな人に見てもらえる「広告」は、細かいターゲティングを苦手としています。基本的には、不特定多数に対してのアプローチに優れたマーケティング手法であるといえるでしょう。
しかし、テレビなら視聴層、Webならブラウザの履歴といったデータを活用することで、ある程度のターゲティングは可能です。不特定多数に見られる広告であっても、工夫次第ではターゲットへ効果的に情報を届けられます。
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CRMとは?
「CRM」とは、一人ひとりの顧客に最適な施策を行うためのマーケティング手法・仕組みです。情報をデータベース化して分析を行って顧客理解を深め、それに合わせた最適な施策を行うマーケティング手法です。
CRMを行うツールを、「CRMシステム」「CRMツール」などと呼びます。次に、CRMについて詳しくみてみましょう。
CRMの役割・目的
「CRM」の目的は、「顧客一人ひとりに適したOne to Oneマーケティング」を実現することです。さまざまな方法で収集したデータで顧客理解を深め、属性や嗜好、行動履歴に合わせて施策を実施します。
CRMで収集する情報は、お客さまの購入履歴やお問い合わせ情報、プロフィールや家族構成など多種多様。蓄積した情報を活用することで、顧客と良好な関係を構築しながらリピート購入を促し、優良顧客へと育成します。これにより、効率的な利益向上を目指しているのです。
さまざまなCRMの活用例
消費者の目には見えないCRM。実は、私たちが知らないところでたくさん活用されています。
- 購入履歴から買い替え時期を予測し、ご案内メールを送付
- 生年月日データから、お誕生日限定クーポンを送付
- FAQページを閲覧した顧客に、フォローメールを送付
CRMをうまく活用できれば、上記のように既存顧客一人ひとりの属性や行動に合わせて、効果的にアプローチできるのです。
改めて考えてみると、「広告」と「CRM」って全然違うんですね……!
でしょう?それぞれはまったく違う意味・目的を持つんだけど、実は組み合わせて活用することがおすすめなんだ。
え!?広告とCRMを組み合わせる!?全然想像できないです……!
CRMと広告は組み合わせて活用することがおすすめ
広告とCRMはまったく違うことを目的とした活動ですが、組み合わせて活用することでよい相乗効果が得られます。そのため、近年は「CRMを活用した広告配信」が注目を集めているのです!ここでは、これからのマーケティングに欠かせない、CRMを活用した広告配信について解説します。
- CRMを活用した広告配信とは
- CRMを活用した広告配信の仕組み
詳しくみてみましょう。
CRMを活用した広告配信とは
CRMを活用した広告配信とは、CRMで蓄積した顧客データをもとに広告配信することです。CRMと広告を組み合わせれば、以下のようなことが可能となります。
- 過去の優良顧客データを分析して、成約率が高そうなターゲットを絞り込む
- CRMの情報をもとにターゲティングして、それぞれに合った広告を作成、配信する
- 顧客データと広告成果レポートを紐づけて、正確な効果測定を行う
このようにCRMを用いると、成約率が高そうな顧客を見極めて、関連性が高い広告の作成・配信ができるようになります。その結果、効率的に認知拡大から購買までつなげやすくなるのです。
CRMを活用した広告配信の仕組み
CRMを活用した広告配信の仕組みを構築するためには、ツールや広告媒体の活用が欠かせません。広告配信システム(DSP)のなかには、CRMと連携して顧客ごとに精度の高い広告を配信できるものがあります。
また、LINE広告やX(旧Twitter)広告では、自社の顧客データをアップロードすることでターゲティングリストを作成可能です。
CRMをメルマガ配信に活用し、「反応があったユーザーには広告で後押し」などの施策も行えるでしょう。このような施策は、新規顧客の獲得だけではなく、リピーター獲得や休眠顧客の掘り起こしにも効果的です。
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なるほど!「顧客情報を収集するCRM」と「興味・関心や購買意欲を引き出す広告」、たしかに一緒に使えれば強いですよね!
そうなんだよぉ。ほかにも、CRMを広告に活かすメリットはたくさんあるんだよ。
CRMを広告に活用するメリット
CRMを広告に活用すると、以下のメリットが得られます。
- 他社と差別化できる
- 費用対効果が高まる
各要素について詳しくみてみましょう。
他社と差別化できる
CRMを活用してアドレサブル広告やDMPと組み合わせた広告配信ができれば、より一人ひとりの属性や行動に適した訴求ができるようになります。
「みんなに向けた広告」ではなく「自分だけに向けた広告」を受け取ったユーザーは、自社に他社とは違った魅力を感じてくれるでしょう。
より自社に親近感や愛着を抱いてくれれば、何度もリピート購入してくれるロイヤルカスタマーになってくれる可能性が高まります。
費用対効果が高まる
不特定多数の消費者を相手に広告を配信しても、そのうち効果につながるのはほんの一部だけです。より多くの成果を得ようと、広告配信の数を増やしたりマス広告を活用したりすれば、広告費の増加は避けられません。
しかし、CRMを広告に活用すればターゲットを狙い撃ちできるので、広告配信の費用対効果を大幅に向上させられます。最小限のコストで最大限の成果を得るためには、CRMの広告活用が欠かせないのです。空いたリソースで他の施策に着手することで、より高いマーケティング成果を得られるでしょう。
わ~、ほんとだ!「CRM×広告」って、メリットだらけなんですね。
魅力的でしょう。そうだ!ビギニャー君がマーケターとしてCRMと広告を活用できるように、最後に活用事例も紹介しておくね。
わぁい!先輩、ありがとうございます!
CRMを広告に活用するマーケティング事例
CRMと広告を組み合わせて実施できるマーケティング施策はさまざまです。CRMと広告を組み合わせると以下のような施策が可能となります。
- ユーザーの反応をCRMで蓄積し、興味の高さに合わせた広告を配信する
- 優良顧客に似ている属性や嗜好の人をターゲティングして広告配信する
- 購入履歴に合わせたおすすめ商品の広告を配信する
このように、企業が抱えているお客さま情報は、広告配信で大いに役立つ財産になってくれるのです。ぜひCRMをもっと活用して、費用対効果の高い広告運用を目指してみてくださいね!
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