近年ニーズが高まっているキャッシュレス決済が、デジタルマーケティングに役立つことをご存じでしょうか。
この記事では、キャッシュレス決済データを利活用して、集客や売上アップにつなげる方法を紹介します。キャッシュレス決済データを活用したマーケティング手法は、数多く存在しています。
さらなる集客戦略の新たな切り口として、ぜひキャッシュレス決済を活用してみてください。
先輩っ。その大量のデータ、何ですか!?
これはね、キャッシュレス決済で得られた情報だよ。僕のお客さんがキャッシュレス決済の情報をマーケティングに活用したいっていうから、データ整理の手伝いをしているんだ。
へぇ、すっごい量ですね。キャッシュレス決済のデータって、マーケティングで利用できるんだぁ。
INDEX
キャッシュレス決済のデータをマーケティングに利活用しよう
クレジットカードやQRコード決済の普及により、キャッシュレス決済のニーズは年々高まっています。キャッシュレス決済が可能かどうかをお店選びの基準にする消費者も多く、必要に迫られて導入した事業者も多いのではないでしょうか。
今や私たちの生活に不可欠となったキャッシュレス決済で得られるデータは、実はデジタルマーケティングで大活躍してくれます。ここでは、今注目されているキャッシュレス決済のデータを利活用したマーケティング戦略について紹介します。
- キャッシュレス決済の種類と普及率
- キャッシュレス決済をマーケティングに利活用するメリット
- キャッシュレス決済で得られる情報は2種類
上記の項目について詳しくみていきましょう。
キャッシュレス決済の種類と普及率
キャッシュレス決済とは、お札や小銭などの現金を使用せずにお金を支払うことです。
具体的な決済手段は、次のとおりです。
- クレジットカード
- デビットカード
- 電子マネー(Suicaなど)
- スマートフォン決済(PayPayなど)
キャッシュレス決済は、実店舗はもちろんのことオンライン上での支払いにも対応しています。これらのすべてが、キャッシュレス決済データを利活用したマーケティングの対象です。
キャッシュレス決済は国を挙げて推進されており、経済産業省ではキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度まで引き上げることを目標としています。2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%で、決済額は初の100兆円超えを達成しました。
なお、2022年におけるキャッシュレス決済比率の内訳は次のとおりです。
- クレジットカード:30.4%
- デビットカード:1.0%
- 電子マネー:2.0%
- スマートフォン決済(QRコード決済):2.6%
クレジットカードを利用するユーザーが圧倒的に多いですが、近頃はスマートフォン決済(QRコード決済)の利用者が急増しています。今後は、スマートフォンアプリを用いたキャッシュレス決済比率がさらに高まっていくでしょう。
キャッシュレス決済をマーケティングに利活用するメリット
キャッシュレス決済をマーケティングに利活用することには、次のようなメリットがあります。
- CXが向上する
- 外国人観光客の集客につながる
- データを収集しやすい
- 他の施策につなげやすい
- 認知拡大に役立つ
各メリットの詳細をみていきましょう。
CXが向上する
そもそも、キャッシュレス決済を導入すれば大幅な顧客体験(CX)の向上が狙えます。
「素早く支払いができる」「荷物が減る」「ポイントがたまる」など、キャッシュレス決済には多くのメリットがあります。近年は、現金を持ち歩かない消費者が珍しくなく、キャッシュレス決済ができるかどうかで利用するかどうかを判断されることが増えてきました。
キャッシュレス決済の導入は、それだけで集客効果があるのです。
外国人観光客の集客につながる
キャッシュレス決済は、外国人観光客の集客にも効果的です。
日本とは違い、海外ではキャッシュレス決済が主流です。「両替が面倒くさい」と、キャッシュレス決済ができるお店を狙って観光する方もいるので、外国人観光客の集客に力を入れたい場合はキャッシュレス決済の導入が不可欠でしょう。
データを収集しやすい
キャッシュレス決済の際は、支払いを行ったユーザーや取引に関する情報を入手できます。どのようなユーザーが購入したのか、いつ・どこで・何を購入したのかを把握できれば、マーケティング戦略の立案に役立てられます。
ただし、キャッシュレス決済で得られる情報には限りがあるため、それだけで「誰が何を購入したのか」を管理することはできません。売上管理システムやPOSレジと組み合わせることで、より詳細な情報の収集・分析が可能となります。
他の施策につなげやすい
キャッシュレス決済で得られたデータと会員情報を結び付ければ、他のマーケティング施策や商品開発につなげやすくなります。「この時間に商品Aがよく売れる」「20代には商品Bが人気」というような情報が得られると、新しい戦略を立てやすくなるでしょう。
今後は、AIによる機械学習を活用したマーケティング戦略にも期待が高まっています。キャッシュレス決済と既存システムで収集した膨大なデータをAI搭載システムに取り込むことで、マンパワーだけでは発見できないような新しいアイデアが生まれるかもしれません。
認知拡大に役立つ
キャッシュレス決済のなかで近年注目度が高まっているQRコード決済は、認知拡大にも効果的です。
QRコード決済アプリでは、クーポンの配布を行っています。お得に消費活動をしたい消費者のなかには、「近くにQRコード決済のクーポンが使える店舗はないかな」と検索する方も多く存在しています。
QRコード決済アプリでクーポンを配信したり対象店舗として表示されたりすれば、自店舗の認知につなげられるかもしれません。顧客とのタッチポイントを増やすための選択肢として、キャッシュレス決済を活用してみるのもひとつの手でしょう。
キャッシュレス決済で得られる情報は2種類
キャッシュレス決済で得られる情報は、顧客の「属性情報」と「取引情報」の2種類です。
それぞれではどのようなことがわかるのでしょうか。詳細をみていきましょう。
属性情報
キャッシュレス決済で得られる1つ目の情報は、属性情報です。具体的には、顧客の性別や年齢、生年月日などのデータを指します。
クレジットカード決済の場合、加盟店側にカード番号や利用者の氏名などの個人情報が開示されます。一方で、QRコード決済の場合は、利用者の個人情報は一切開示されません。また住所や年収、職業などの詳細な個人情報は決済サービスを提供する事業者側が保有しており、加盟店側が知ることはありません。
しかし、一般社団法人キャッシュレス推進協議会では、「個人情報保護法上の手続きを経たうえでユーザーの個人データを加盟店や提携先と共同利用することがある」と明示しています。つまり、ユーザーの同意を得ている場合は、個人を特定できない範囲内で加盟店側が顧客の属性情報の提供を受けることが可能です。
実際、加盟店に対する顧客・商圏分析サービスや、キャンペーン成果の可視化・販促企画立案の支援を行っている事業者もあります。個人情報に配慮しつつ、マーケティングに役立つ属性情報を得られる点は大きなメリットでしょう。
参考:一般社団法人キャッシュレス推進協議会|キャッシュレスサービスにおける個人情報の利用目的の通知・公表、同意取得等に関するガイドライン
取引情報
キャッシュレス決済で得られる2つ目の情報は、取引情報です。取引日時や金額、店舗名などを把握できます。
ただし、キャッシュレス決済のデータだけで詳細な購入品まで把握することはできません。より細かく情報を収集したい場合は、POSレジやオンラインショップの購買データを掛け合わせる必要があります。
加盟店側がどのような情報の提供・サービスを受けられるのかについては、決済サービス提供事業者によって大きく異なります。システムを導入するときは、その点についてもよく確認しておくことが大切です。
キャッシュレス決済はそれ自体に集客効果があるんだけど、そこから得られる情報を活用すれば、より効果的なマーケティング施策につなげられるんだよ。もちろん、顧客の個人情報やプライバシーは保護されるから安心してね。
へぇ~、すごいですね!僕が担当しているお客さんにも、キャッシュレス決済の利活用をおすすめしてみようかな。先輩、どうすればキャッシュレス決済をマーケティングで活用できるようになるのでしょうか?
キャッシュレス決済をマーケティングに利活用する流れ
キャッシュレス決済で得られるデータをマーケティングに利活用する流れは、以下のとおりです。
- 目的を整理する
- データを収集する
- データを分析する
- マーケティング施策に活用する
各プロセスの詳細をみていきましょう。
目的を整理する
まずは、キャッシュレス決済をマーケティングに利活用することで何を実現したいのかを明確にしましょう。「新しい戦略を立案したい」「施策の効果測定をしたい」「取引情報を正確に管理したい」など、考えられる目的は企業によってさまざまでしょう。
キャッシュレス決済サービスを提供する事業者やマーケティング支援事業者によって、提供を受けられるデータやサービスは大きく異なります。自社の目的が達成できるサービスを提供してくれる事業者を見極めるためにも、最初にゴールを設定しておくことが大切です。
データを収集する
目的が明確化され必要なサービス・システムの導入が完了したら、決済を通してデータを収集していきましょう。
この際、加盟店側が顧客の個人情報を得ることはできない点に注意が必要です。ただし、サービス提供事業者から顧客属性のレポートを受け取ったり、自社のポイントサービスなどと組み合わせることで会員情報を把握したりすることは可能です。
データを分析する
次に、収集したデータの分析を行いましょう。キャッシュレス決済で得られた情報と自社で保有している情報を組み合わせれば、「どのようなユーザーがどのようなものを購入しているのか」を把握できます。
キャッシュレス決済サービスを提供する事業者やマーケティング支援事業者の力も借りると、より高度な分析が可能です。事業者側のデータベースと掛け合わせることで、「30代半ばで年収は〇〇万円代、家電に関心が高いユーザーに人気」というように、加盟店だけでは把握できない情報まで得られる可能性があります。
マーケティング施策に活用する
分析して得られたデータは、マーケティング施策に活用しましょう。顧客属性や購買情報などをもとにユーザーをセグメントして、それぞれに適したアプローチを行います。
また、商品企画や開発に役立てることも可能です。顧客情報は企業の貴重な財産となるので、より多く蓄積して幅広く活用していきましょう。
データを収集・分析して活用するというのは、一般的なデジタルマーケティングと共通しているんですね。
そのとおり。そのデータを収集する方法として、キャッシュレス決済を利用するっていう点が大きな特徴だね。ところでビギニャー君。キャッシュレス決済で得られたデータは、どんなマーケティング施策に役立つと思う?
そうですね、例えば……。
キャッシュレス決済のデータを利活用する具体的な手法
キャッシュレス決済で得られたデータを活用したマーケティング施策の一例として、次のようなものが挙げられます。
- プッシュ通知やクーポンを配信する
- 広告配信に反映する
- ダイレクトメールを送る
- ターゲティングメールを送る
- ファン・リピーターを育成する
上記5つの施策について詳しく説明します。
プッシュ通知やクーポンを配信する
収集した情報をもとに、プッシュ通知やクーポン配信を最適化する方法です。例えば「20代女性に商品Aが人気」という情報が得られた場合、その層に絞ってプッシュ通知を送信するという戦略が挙げられます。
キャッシュレス決済サービス経由だけではなく、自社アプリを活用したアプローチもおすすめです。自社アプリがない場合は、提携しているQRコード決済アプリなどでクーポンを配布すると手軽でしょう。
広告配信に反映する
ユーザーの属性や行動の傾向がわかれば、効果的な広告を配信しやすくなります。
昨今のCookie規制により、現在は外部から提供される情報(3rd Party Data)を利用した広告配信が難しくなりました。そのため、今後は自社で収集した情報(1st Party Data)を広告配信に活用することの必要性が高まっているのです。
ユーザー情報を活用すれば、広告配信のターゲティングや内容を最適化できるでしょう。広告を配信するユーザーを絞り込んだり内容を改善したりすれば、広告コストの削減や成約率の向上が狙えます。
ダイレクトメールを送る
顧客にハガキや手紙などを送付するダイレクトメール(DM)を送付する際も、キャッシュレス決済のデータを活用できます。決済情報をもとに年収や年齢で顧客を分類して、それぞれにマッチした内容のダイレクトメールを送ると効果的です。
また、カタログやサンプルを封入することも有効です。対象者ごとに封入物を最適化することで、コストを削減しつつ訴求力の向上を狙えます。
ターゲティングメールを送る
ターゲティングメールは、ユーザーを年代や性別などで分類して、それぞれに適した内容のメールを送る手法です。ダイレクトメールと同様、ターゲティングメールを送る際も決済情報を活用できます。
メールを使った訴求は、開封率やクリック率を正確に計測できる点が大きなメリットです。効果測定や改善を行いやすいため、次の施策につなげられます。
ファン・リピーターを育成する
キャッシュレス決済のデータを活用してファンやリピーターを育成する戦略もおすすめです。「利用金額に応じた特典やポイントシステムを導入する」「優良顧客限定のイベントに招待する」など、一人ひとりに応じた提案を通してファンを育成できます。
ただし、ユーザーの情報が得られるかどうかは決済方法によって異なります。例えば、クレジットカード決済であればユーザーの氏名やカード番号が加盟店側の記録に残りますが、QRコード決済では個人を特定する情報が残りません。
会員プログラムや個別のアプローチでファン・リピーター獲得を目指す場合は、会員カードなど他の手法と組み合わせる必要があります。
おっ、ビギニャー君さすがだね。完璧な回答だよ~。
やったー!先輩がいろいろなことを教えてくれたおかげです!でも、キャッシュレス決済のデータを利活用したマーケティングって、自社だけで行うのは難しいですよね?
そうだね。キャッシュレス決済サービスを提供している事業者と協力したり、マーケティング支援ツールを導入したりする必要があるよ。例えば、こんなツールが便利かな。
キャッシュレス決済データの利活用に対応したツール
キャッシュレス決済のデータを利活用してマーケティングを行う際は、専用のツールを導入することがおすすめです。代表的なツールの一例として、以下の3つが挙げられます。
- Custella
- ValueFrontキャッシュレスソリューション
- スマレジ
各ツールの特徴をみていきましょう。
Custella
Custella(カステラ)は、決済データを活用したデータ分析サービスです。三井住友カードが保有する膨大な顧客データと決済データを利用し、各企業のターゲット抽出やマーケティング施策への活用をサポートしてくれます。
提供されるサービスは、具体的に次の7つです。
- 実購買データをもとにした最新トレンドのレポート提供
- 売上や顧客データの分析・可視化
- 課題に応じたオーダーメイドの分析と実行プランの提供
- 高精度ターゲティングのDM配信・販促支援サービス
- 決済データと意識データを活用した、より深い分析と高度なプロモーション
- AIを活用したマーケティング課題の解決
- 決済データを用いた商圏分析
Custellaを利用すれば、「いつ・どんな人が・どこで・どんな業種で・いくら決済したのか」を把握できます。また、国籍や購買行動も把握可能です。もちろん、データは個人及び加盟店名が特定されないように統計処理されているので、プライバシーに配慮しながら利用できます。
参考:Custella
ValueFrontキャッシュレスソリューション
ValueFrontキャッシュレスソリューションは、キャッシュレスに関するソリューションをワンストップで提供するクラウドサービスです。
QRコード決済・電子マネーの導入から会員・ポイント管理サービス、顧客購買動向分析サービスまで提供。顧客対応の最適化や的確なキャンペーンマネジメントをサポートしてくれます。
必要な機能を必要な分だけ利用するクラウドサービスであるため、コストを抑えてキャッシュレス決済データの利活用をスタートしたい企業におすすめです。国内の業界をけん引してきたパイオニアである富士通が提供するサービスなので、信頼性やセキュリティが高い点も評価できるポイントです。
スマレジ
スマレジは、0円から始められるクラウドPOSレジです。キャッシュレス決済端末やセルフレジ、自動釣銭機などの導入、管理・分析業務の支援、システム連携など多彩なニーズに対応しています。
スマレジでは、リアルタイムの売上分析や顧客管理が可能です。客層別の売上分析や購買データにもとづいた施策の実施、顧客ごとに適したアプローチをサポート。例えば、会員にポイントを付与したり条件に応じたクーポンの発行やDMを送信したりすることが可能です。
とにかく機能が豊富なので、各企業に適したさまざまな方法で活用できます。0円から利用開始できて、必要に応じて機能をカスタマイズして使える点が特徴です。
参考:スマレジ
マーケティングに特化したツールはもちろん、キャッシュレス決済の導入からデータの利活用まで対応しているツールもあるから、自社のニーズに適したものを選ぶことが大切だよ。
へぇ~!情報提供だけじゃなくてマーケティング施策の支援まで行ってもらえるなんて、便利ですね!さっそく取り入れてみたくなっちゃいます!
おっ、ぜひぜひ。でもね、キャッシュレス決済のデータを利活用するときは、こんな注意点も押さえておく必要があるんだよ。
キャッシュレス決済のデータを利活用するときの注意点
キャッシュレス決済のデータを利活用したマーケティングにはメリットが豊富ですが、以下のような注意点もあります。
- まだまだキャッシュレス決済の普及率が低い
- データ活用に関する許可を得る必要がある
- 不正利用対策が不可欠
- データ提供に費用がかかる場合もある
どのようなことなのか、詳しくみていきましょう。
まだまだキャッシュレス決済の普及率が低い
海外に比べると、日本はキャッシュレス決済の導入が遅れています。まだまだ普及率が低いので、利用ユーザーが極端に少ない場合は、必ずしもすぐに導入する必要はありません。
なかには「手数料を取られることに抵抗がある」「リソースがない」と、キャッシュレス決済の導入をためらう事業者もいることでしょう。自社の状況や顧客層に応じ、キャッシュレス決済やデータの利活用が必要かどうかを判断することが大切です。
データ活用に関する許可を得る必要がある
キャッシュレス決済のデータを利活用するときは、ユーザーの同意を得る必要があります。
勝手にデータを収集・活用すると、ユーザーから不信感を抱かれるだけではなく、個人情報保護法違反とみなされ社会的信用を失墜させることになります。十分に注意しましょう。
近年は情報リテラシーが高く、個人情報を第三者に利用されることに抵抗感を抱く消費者が増えてきました。安心して情報提供してもらうためにも、データ活用のメリットや顧客が享受できる利益を明確に提示する取り組みが重要となります。
不正利用対策が不可欠
最近、「UNIQLO Pay」や「MUJI passport Pay」などのキャッシュレス決済機能付きオリジナルアプリを提供する企業が増えてきました。このような決済機能付きのアプリを開発する場合は、不正利用対策のために、金融庁やキャッシュレス推進協議会などが定めている厳しい基準を満たさなければいけません。
また、スマートフォン上でクレジットチャージや銀行チャージを行える機能を搭載する場合も、各ガイドラインに準拠する必要があります。
キャッシュレス決済導入にあたってこのようなアプリを自社開発する場合は、高度で専門的な知識・技術が欠かせません。専門性が高いアプリ開発会社に依頼するのはもちろんのこと、自社でもセキュリティに関する知識を身につけておくことが大切です。
データ提供に費用がかかる場合もある
キャッシュレス決済サービスによっては、データの提供を受けられなかったり、データの提供に料金がかかったりすることがあります。「キャッシュレス決済を導入する=必ずデータを提供してもらえる」というわけではないので、注意が必要です。
情報提供コストが気になる場合やより詳細な情報を収集したい場合は、ハウス電子マネーや自社ポイントアプリからスタートするのもひとつの手です。自社で収集する1st Party Dataであれば、顧客の同意を得ている範囲で自由に利活用できます。
特に、顧客の個人情報を取り扱っているのを忘れないことが大切だよ。適切に情報を利活用するために、許可取りやプライバシー保護対策はしっかりと行っておこうね。
はいっ!気をつけますっ!ところで先輩、実際にキャッシュレス決済のデータをマーケティングに利活用して成功を収めた事例ってあるんですか?
もちろんあるよ。
キャッシュレス決済のデータをマーケティングに利活用した事例
キャッシュレス決済のデータを利活用して成功を収めたマーケティング事例を2つ紹介します。
ほろかカード
ほろかカードは、広島県の北東に位置する庄原市東城町で活用されているICカードです。
電子マネーとポイント機能がついており、高齢者や子どもの見守り機能も備えている点が特徴的です。閉鎖商圏で人口が減少傾向にある東城町地区の活性化を目的に東城町商工会が開始し、今では地域の住民に広く普及しています。
参加店では定期的に情報化を行い、それを活用したチラシの発送により集客に役立てています。さらに、決済情報と場所情報を組み合わせることで、顧客分析にも活用。今後はほろかカードの仕組みを横展開し、ECサイトや観光客などの域外からの需要創出、地域課題の解決に活かすことも検討しています。
株式会社ドン・キホーテ
株式会社ドン・キホーテは、電子マネー機能を備えた会員カード・アプリ「majica(マジカ)」を提供しています。ユーザーはカードやアプリにお金をチャージし、お店のレジでバーコードを提示すれば簡単に支払いが完了します。
利用客はポイントがたまるだけではなく、お得なクーポンの配布や利用金額に応じたランク制度の提供を受けることが可能。アプリからは商品の口コミも見られるので、商品選びに活かしてもらえます。
もちろん、お得感を演出して集客につなげるだけではなく、情報収集にも活用。1st Party Dataによりユーザーの行動を精緻に把握し、広告・販売促進に反映しています。
企業だけじゃなくって、自治体単位で取り組んでいる事例もあるんだよ。企業の利益向上はもちろん、地域活性化への貢献も期待できそうだね。
へぇ~!キャッシュレス決済って、いろいろな可能性を秘めているんですね!これからもっと普及が進んでいきそうだし、キャッシュレス決済を活用したマーケティングについて、もっと学んでいこうっと!
うんうん、いいことだと思うよ。またわからないことがあれば、何でも聞いてね!
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