ホワイトペーパーとは、ユーザーにとって有益な情報をまとめた資料をダウンロードしてもらうことで、見込み顧客(リード)を獲得・育成する販売戦略です。
本記事では、ホワイトペーパーを活用したマーケティングの始め方や成功のコツを紹介します。
「どんなメリットがあるの?」「作り方を知りたい」そんな疑問をお持ちの初心者は、ぜひホワイトペーパーを活用した戦略のポイントを学んでみてくださいね。
ビギニャー君!今日は一緒にホワイトペーパーを作って欲しいんだけど、手は空いている?
はい!今日は時間があるのでお手伝いできますよ!先輩、最近よくその「ホワイトペーパー」っていうのを作っているようですが、一体何に使うものなんですか?
ホワイトペーパーはね、マーケティングのいろんなシーンで役立ってくれるんだよ。
INDEX
ホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーとは、ユーザーにとって役立つ情報をまとめた資料です。もともとは、政府などの公的機関が発行する報告・調査書類(白書)を指していました。近年、このホワイトペーパーを活用してマーケティングを行う企業が増えています。まずは、ホワイトペーパーの基本的な知識を身につけていきましょう。
- ホワイトペーパーの意味
- ホワイトペーパーの目的
- ホワイトペーパーと営業資料の違い
- ホワイトペーパーの企業活用事例
上記4つの項目を詳しく説明します。
ホワイトペーパーの意味
ホワイトペーパーとは、Webマーケティングを行う際に活用される、お役立ち情報や製品・サービス紹介、市場分析などの情報をまとめた資料です。わかりやすい例を挙げると、企業のサイト上からダウンロードできる「お役立ち資料」や「ebook」などが、このホワイトペーパーに含まれます。
近年は、BtoBマーケティングで見込み顧客(リード)を獲得・育成する際に、ホワイトペーパーを活用する企業が増えました。企業は自社のWebサイトにフォームを設置し、そこに必要事項を入力してもらったうえで、無料でホワイトペーパーを提供します。
これにより、ユーザーは有益な情報を受け取れて、企業は見込み顧客のリストを手に入れることが可能となります。
つまりホワイトペーパーの活用は、双方にメリットをもたらしてくれるのです。ホワイトペーパーを活用したマーケティング手法を、「ホワイトペーパーマーケティング」と呼びます。
ホワイトペーパーの目的
ホワイトペーパーを配布する目的は、「リードジェネレーション」と「リードナーチャリング」の2つです。どのようなことなのか、詳しくみていきましょう。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、リード(見込み顧客)を獲得する活動です。展示会で名刺を交換したり、Webサイト上で問い合わせをしてもらったりしてリードの情報を手に入れることが、リードジェネレーションに該当します。
BtoB商材は検討期間が長くなる傾向にありますし、いきなり製品や契約についてのお問い合わせを行う担当者は少ないものです。そのため、コンバージョンを「お問い合わせ」に絞ってしまうと、ハードルが高すぎてリードと接点をもてなくなるおそれがあります。
一方で「資料ダウンロード」は、比較的ハードルが低いと考えられます。そこで、コンバージョンポイントのひとつとしてホワイトペーパーを活用すれば、より簡単に多くのリードと接点をもてるようになるのです。
ホワイトペーパーを配布するときは、自社のWebサイト上にダウンロード者の情報を入力してもらいます。資料に興味をもつユーザーが自ら情報を入力してくれるので、質の高いリードを効率的に獲得できる点がメリットです。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、獲得したリードを育成して自社の顧客に育てる活動です。ホワイトペーパーの内容にもよりますが、リードが求める情報をしっかりと届けられれば、自社商材への興味・関心を育成することができます。リードナーチャリングに有効なホワイトペーパーの種類としては、次のようなものが挙げられます。
- ノウハウ型
- 事例紹介型
- セミナー資料型
- 商品比較レポート型
ホワイトペーパーをダウンロードしたリードに対してセミナーの案内をしたり、次のステップに進むための資料を送付したり、メルマガを配信したり……。
リードを獲得できれば、さまざまな方法でリードナーチャリングが行えます。リードナーチャリングはMAツールなどで自動化できるので、一度リードを獲得できてしまえば、効率的に商談の獲得が狙えるでしょう。
ホワイトペーパーと営業資料の違い
ホワイトペーパーとともにマーケティングや営業活動で活用されるものとして、「営業資料」が挙げられます。ホワイトペーパーは営業資料と混同されやすいですが、それぞれには表のような違いがあります。
タイプ | 概要 |
ホワイトペーパー | ユーザーの興味・関心、課題に関する解決策をまとめた資料 商品やサービスに興味がなくてもダウンロードされる |
営業資料 | 商品やサービスの概要や料金、機能についてまとめた商談目的の資料 サービスに興味がある、検討している人にダウンロードされる |
ホワイトペーパーは、必ずしも商品やサービスを売り込むことだけを目的にしているわけではありません。有益な情報を提供する代わりに、リードの情報を手に入れることを目的にしています。
そのため、「今は商品には興味がないけど、情報に興味がある」というリードに対してもアプローチできるのです。一方で営業資料は、明確に自社商材に興味を抱いているリードに対して、商品概要や料金などを説明する資料です。したがって、実際に商談につなげやすいのは「営業資料」ということになります。
しかし、営業資料は顕在層以外には興味を持ってもらえないので、ダウンロードするユーザーが限られてしまいます。これでは多くのリードを獲得することは難しいため、より多くのニーズに応えられるホワイトペーパーを活用する必要があるのです。
業界解説やノウハウなどの有益情報が載っているホワイトペーパーは、現時点では自社商材に興味を抱いていない潜在層へのアプローチにも有効です。ホワイトペーパーで獲得できるリードを増やせれば、商談につながるチャンスも増やせます。
ホワイトペーパーの企業活用事例
ホワイトペーパーは、実際にマーケティングでどのように活用されているのでしょうか。ここでは、ホワイトペーパーの企業活用事例を2つ紹介します。
Sansan
名刺管理サービスのSansanでは、サービス概要をはじめ、製品の活用事例をまとめたお役立ち資料を多数配布。顧客データの管理やリスクチェック作業、調査データのビジネス活用など、よくある課題を取り上げてユーザーの興味を引いています。
また、部署別の活用事例や成果があがった事例など、商材への関心を強める資料も用意されています。デザインにもこだわっており、ブランドイメージを反映した配色やイラストが魅力的です。
freee
クラウド会計ソフトfreeeでは、バックオフィスや経営に関するお役立ち資料を配布中。クラウド活用やペーパーレス化など、最新のビジネストレンドもしっかりと押さえています。
なかには、動画でより詳しく説明している資料もあります。目次が掲載されているので、どのような情報が得られるのかを知ってからダウンロードできる点がうれしいポイントです。
資料のダウンロードを通して見込み顧客のリストを手に入れることが、ホワイトペーパーを作成する目的なんだよ。
へぇ~!見込み顧客のリスト獲得なら他の方法でもできそうですけど、どうしてわざわざホワイトペーパーを作る必要があるのでしょうか?
それはね、ホワイトペーパーには他にもたくさんのメリットがあるからなんだ。
ホワイトペーパーマーケティングのメリット
マーケティングでホワイトペーパーを活用することには、以下の3つのメリットがあります。
- CPAを抑えられる
- リード数を最大化できる
- LP制作が不要になる
どのようなことなのか、詳細をみていきましょう。
CPAを抑えられる
ホワイトペーパーには、CPA(顧客獲得単価)を安く抑えられるというメリットがあります。CPAとは、リードを1人獲得するためにかかる費用です。CPAが低いほど、少ないコストで効率的に顧客を獲得できていることになります。
CPAが低くなる要因は、コンバージョンのハードルが低いからです。「お問い合わせ」など、コンバージョンのハードルが高い場合、リードを獲得するまでに多くの取り組みや期間を要します。それに伴い、必然的にCPAも高くなってしまうのです。
一方でホワイトペーパーであれば、気軽に資料請求をしてもらえます。じっくりと時間をかけて取り組む必要がないので、CPAを大幅に抑えられます。
リード数を最大化できる
多くのリードを獲得できる点も、ホワイトペーパーマーケティングのメリットです。ホワイトペーパーは、自社に興味を抱いているユーザーはもちろん、そうでないユーザーにもダウンロードしてもらえます。情報やノウハウを目当てに集まったユーザーであっても、しっかりと育成していけば自社顧客になってくれる可能性はあります。
また、一度作成したホワイトペーパーは残り続けるため、長期的にリードを収集し続ける企業の資産となってくれるでしょう。
LP制作が不要になる
ホワイトペーパーは、Metaのリード獲得広告と組み合わせることで、LPの代わりとして活用できます。リード獲得広告とは、FacebookやInstagramで表示させられる広告の一種です。
広告をクリックしたユーザーはフォームの入力ページに遷移させられるので、商品やサービスに関心をもつリード情報の収集に役立ちます。
ホワイトペーパーは、このリード獲得広告で提供するコンテンツとして活用できます。ホワイトペーパーがあればあらためてLPやコンテンツを制作する必要がなくなるため、リード獲得の効率化が目指せるでしょう。
ホワイトペーパーを使えば、コストやリソースの削減を実現しつつ、リードをたくさん獲得できるんですね!僕もぜひ取り入れてみたいです!
お、やる気満々だね。でもね、ホワイトペーパーにはデメリットもあるから、気をつけながら活用しないといけないんだよ。
ホワイトペーパーマーケティングのデメリット
ホワイトペーパーマーケティングには、以下のようなデメリットがあります。
- 商談につながるまで時間がかかる
- 制作や運用にコストがかかる
- 資料の質によっては企業の印象が下がる可能性がある
ここでは、注意したいデメリットの詳細を説明します。
商談につながるまで時間がかかる
ホワイトペーパーマーケティングは、商談につながるまで多くの時間を要します。ホワイトペーパーをダウンロードするユーザーは、必ずしも自社商材に興味を抱いているわけではありません。
なかには、資料をダウンロードして満足してしまうユーザーもいることでしょう。このような確度の低いリードを商談へつなげるためには、じっくりとリードナーチャリングを実施する必要があります。
ホワイトペーパーがダウンロードされたからといって、すぐに成約を獲得できるわけではないことをしっかりと理解しておきましょう。
制作や運用にコストがかかる
ホワイトペーパーの制作・運用には、一定のコストがかかります。他のマーケティング手法と比べるとCPAは抑えられる傾向にありますが、決してコストをかけずに実施できる戦略ではないことは押さえておく必要があります。
自社でホワイトペーパーを制作することが難しい場合は、外部の企業に委託することが一般的です。その場合、1冊あたり10万円以上の費用がかかります。
また、ホワイトペーパーを公開したあとは、より多くのユーザーへ届けるためにWeb広告やSEOと組み合わせて集客しなければいけません。「作って終わり」では集客につなげられないため、継続的に露出を増やす施策を打ち出し続ける必要があります。
資料の質によっては企業の印象が下がる可能性がある
企業の知見やノウハウを詰め込んだホワイトペーパーは、企業そのもののイメージと直結します。そのため、資料の質によっては企業イメージが低下してしまうリスクもある点に注意が必要です。
例えば、経理ソフトを取り扱う企業の資料に、間違った知識や古すぎる法令の情報が掲載されていると、企業や商材そのものが信頼できなくなりますよね。
Webサイトのコンテンツとは異なり、一度ダウンロードされたホワイトペーパーの情報は訂正できません。ホワイトペーパーを配布するときは、掲載されている情報が正しいものかどうかを念入りにチェックする必要があります。
な、なるほどぉ……。やっぱり、どんな戦略にも一長一短があるんですねぇ。ホワイトペーパーの制作や運用は、ノウハウがないと難しそうですね。
そうだねぇ。特に、ホワイトペーパーの制作は慣れていないと大変だからね。ホワイトペーパーにはたくさんの種類があるから、どんな資料を作るか考えるだけでも骨が折れるんだ。
ホワイトペーパーって、そんなにたくさん種類があるんですか?
ホワイトペーパーの種類
一言でホワイトペーパーといっても、その種類は多岐にわたります。ここでは、ホワイトペーパーの代表的な種類を6つ紹介します。
- 調査レポート型
- ノウハウ型
- 事例紹介型
- 業界解説型
- セミナー資料型
- 商品比較レポート型
それぞれの詳細をみていきましょう。
調査レポート型
政府関連団体や業界団体から発行されている調査レポートを要約したり、自社で行った調査の内容をまとめたりしたホワイトペーパーです。
「興味・関心を持っているけど、自分たちで調べるためのノウハウやリソースがない」という企業にとっては、非常に高い価値を持ちます。リードナーチャリングの効果は低いですが、リード獲得の窓口としては非常に効果的です。
ノウハウ型
サービスやツールの使い方、マーケティング手法などの知識やハウツー情報をまとめたホワイトペーパーです。特定の問題を解決したい方、ビジネススキルをワンランクアップするためのノウハウを探している方にダウンロードしてもらいやすい傾向にあります。固定ファンがつきやすく、自社の顧客になる可能性が高いリードの獲得・育成が狙えます。
事例紹介型
自社のソリューションを導入している企業の事例を紹介するホワイトペーパーです。導入前の課題と、導入後に課題がどう解決されたのかを一緒に紹介することで、自社商品・サービスを効果的にアピールできます。
調査レポートやノウハウと一緒にソリューションを紹介することで、ストーリー性が生まれて自社商品への関心を大きく高められます。
業界解説型
業界の動向や基本的な知識、用語集などをまとめたホワイトペーパーです。その分野にあまり詳しくない方がメインターゲットとなります。しっかりと心を掴めれば、その先の相談やお問い合わせにつながりやすいというメリットがあります。
「初心者でもすぐに理解できるほど簡単」「独自情報が多い」など、自社ならではの強みがあるホワイトペーパーは満足度が高くなりやすく、リード獲得・育成に効果的です。
セミナー資料型
実際に行ったセミナーやウェビナーの内容をまとめたホワイトペーパーです。公演した内容をホワイトペーパーとして再配布することで、制作コストを抑えつつ多くのリードにアプローチできます。有益な内容を配信できれば、リード育成に多大な効果を発揮してくれるでしょう。
商品比較レポート型
リードが購入を検討しているであろう商品やサービスを比較し、それぞれの料金や特徴などをまとめたホワイトペーパーです。各商品を深くリサーチする手間がかかりますが、ニーズが非常に高い資料です。
自社商品の強みをアピールできるので、上記で紹介したホワイトペーパーと一緒にダウンロードしてもらえる導線を整えられると効果的でしょう。
へぇ~、こんなにたくさんの種類があるんですね。知らなかったです!
いろんな種類のホワイトペーパーを用意できると、より多くのニーズに応えられるようになるから、マーケティング効果を高められるんだよ。
とっても勉強になります!ところで先輩、これからホワイトペーパーマーケティングを始める企業は、どのような手順で準備をしていけばいいのでしょうか?
ホワイトペーパーマーケティングの始め方
ホワイトペーパーマーケティングを始めるときは、以下の5つのステップをふむ必要があります。
- 自社が解決できる課題と目標の明確化
- ターゲットの設定
- ホワイトペーパーの作成
- 入力フォームの設置
- リードへのアプローチ
各プロセスのポイントを詳しく説明します。
自社が解決できる課題と目標の明確化
まずは、自社が解決できる課題と目標を明確にします。自社の製品やサービスだけではなく、蓄積したノウハウや業界の内情など、自分たちにとって当たり前である知識が必要とされている場合があります。
難しく考えず、自社が提供できる価値や知識を洗い出してみましょう。次に、資料をダウンロードしたリードにどうなってほしいかを考えます。ホワイトペーパーマーケティングの場合、サービスの検討やお問い合わせが目的になるケースが多い傾向にあります。
ターゲットの設定
資料をダウンロードしてもらいたいターゲット像をくっきりさせられると、よりリードに刺さる資料を作成できます。リードは、興味・関心の度合いによって以下の3つの段階に分類されます。
- 潜在ニーズ発掘の段階:調査レポート型、業界解説型
- 商品に興味関心を抱いている段階:セミナー型、ノウハウ型
- 比較検討の段階:事例紹介型、商品比較レポート型
「どの段階のリードに情報を届けたいのか」「どのリードにどの資料を提供するのか」を明確にしておくと、コンテンツの作成やリードナーチャリングがスムーズに行えます。
ホワイトペーパーの作成
ここまでの準備ができたら、ホワイトペーパーの作成に入りましょう。ターゲットのニーズと自社の知見を組み合わせ、役立つ情報や独自性の高い情報を掲載することが大切です。具体的な作成手順は、次のとおりです。
- ホワイトペーパーのテーマ・タイプを決める
- 全体の流れを決める
- ページ数を決める
- デザインイメージと表記ルールを決める
- 取材や調査の実施
- 原稿を作成する
- ビジュアルとテキストの配分に配慮しながらページを作成する
ホワイトペーパーの原稿やデザインの作成を自社で行うことが難しい場合は、外注することも検討しましょう。
ホワイトペーパーの構成例
ホワイトペーパーは、次の流れで構成されていることがほとんどです。自作する場合は、この流れに沿ってページを作成してみてください。
- 表紙(タイトル)や目次:(例)最新のSEOトレンドを紹介!具体的な施策〇選
- テーマにする課題の説明:SEOの重要性と課題
- 課題の分析:現代のSEOの問題点とはなにか?
- 課題の解決:ユーザーのニーズを満たせるSEO施策の方法
- ソリューションの提案:LIFTではこうやってSEO施策をサポートします!
- 会社概要と問い合わせ先
ポイントは、文字だらけの資料にならないようにキャッチコピーや画像、図表を活用することです。見出しの文字数は40文字前後、1段落あたりの文字数を200文字前後に調整すると読みやすいページになります。
ホワイトペーパーの作成費用
ホワイトペーパーの作成を外注する場合、1冊あたり10~30万円程度の費用がかかります。ただし、調査やイラスト作成の有無などによって費用は異なるため、あくまで目安としてお考えください。費用を抑えたい場合は内製したほうがよいですが、リソースの問題で難しい企業も多いことでしょう。
リソースも費用も抑えたいときは、「原稿は自社で用意する」「調査は自社で行う」など、外注する業務を限定することがおすすめです。
入力フォームの設置
資料をダウンロードしてもらうときは、ダウンロード者の氏名や所属企業、連絡先などの情報を入力してもらうことが一般的です。ダウンロードページには、必ず入力フォームを設置しておきましょう。MAツールで作成したフォームであれば、入力情報や行動履歴を蓄積できます。
リードへのアプローチ
ホワイトペーパーマーケティングは、資料を作成したあとも重要です。まず、公開した資料を多くのユーザーへ届けるために、露出を増やす必要があります。そのためには、Web広告の配信やSEOの実施、SNSからの誘導などを行わなければいけません。
加えて、資料をダウンロードしてもらったあとのアプローチも大切です。リードの温度感や購入確度にあわせてリードナーチャリングや営業を行い、自社顧客になってもらうことを目指しましょう。
このときも、MAツールを使うとアプローチを自動化できます。また、アンケートを通してホワイトペーパーのフィードバックをもらい、内容をブラッシュアップしていきましょう。
目標の明確化やターゲットの設定は他の施策でもやっているから大丈夫なんですけど、やっぱりホワイトペーパーの作成が難しそうで不安です。
そうだね。いきなり有益なホワイトペーパーを作れっていわれても、どうしたらいいかわからないから困ってしまうよね。
こんなコツを意識すると、ビギニャー君みたいな初心者でも魅力的なホワイトペーパーが作れるよ。
ホワイトペーパーの作り方のコツ
「ホワイトペーパーを作成しよう」といわれても、何から手をつければいいかわからない担当者は多いかもしれません。そんなときは以下のポイントを意識すると、成果につながるホワイトペーパー作りのヒントが得られます。
- 「5パラグラフの法則」を意識する
- ニーズが大きいテーマから着手する
- タイトルを工夫する
- 専門用語を使わない
- 関心を引き出すストーリーを作る
- 既存の資料を活用する
- 情報は出し惜しみしない
- デザインにもこだわる
各項目の詳細をみていきましょう。
「5パラグラフの法則」を意識する
「5パラグラフの法則」とは、論文やエッセイなどに用いられる文章の構成方法です。情報をわかりやすく伝えられるので、ホワイトペーパーの構成を考えるときに役立ってくれます。
- イントロダクション:解決できる課題を提示して、読者を引きつける
- 問題提起:読者が抱える課題を深掘りする
- 解決策:課題に関する解決策を提示する
- 製品情報:解決策を実現する手段として自社製品を紹介する
- 結論:提示した解決策が最善の方法であることを論理的に説明する
5パラグラフの法則は、特にノウハウ型のホワイトペーパーと相性がよい傾向にあります。
ニーズが大きいテーマから着手する
ホワイトペーパーを作成するときは、ニーズが大きいテーマから着手しましょう。例えば「最新のSEOトレンドを紹介!具体的な施策〇選」は、Webマーケティングに携わる幅広いユーザーにダウンロードしてもらえる可能性があります。
それでは、「SEOに効果的なリライトのコツ〇選」はどうでしょうか。こちらもWebマーケターからのニーズは一定数ありますが、前者に比べるとダウンロード数は限られるでしょう。もちろん、ニッチなニーズを確実に狙っていく戦略も有効です。
しかし、ニーズが少ないホワイトペーパーをたくさん作っても、手間やコストに見合ったリード獲得効果が得られるとは限りません。まずはニーズが大きいテーマで多くのユーザーに認知してもらう戦略のほうが、リード獲得の手法としてはスムーズでしょう。
タイトルを工夫する
ダウンロードするまで内容がわからないホワイトペーパーは、タイトルでどれだけ興味を引きつけられるかが重要となります。タイトルを作成するときは、次のようなことを意識してみましょう。
- ターゲットを明確にする
- 一目で内容がわかるようにする
- ベネフィットを伝える
- 数字で具体性を出す
- 課題が解決できることを伝える
ユーザーの課題や知りたい情報をしっかりと分析すれば、魅力的なタイトルが作成できます。まずは、ユーザー理解を深めることから始めてみましょう。
専門用語を使わない
ホワイトペーパーをダウンロードするユーザーは、あまり知識やノウハウを持っていない可能性があります。そのため専門用語や難しい説明は避け、なるべく初心者でもわかりやすい内容にすることが大切です。どうしても専門用語を使いたい場合は、注釈などをつけておきましょう。
関心を引き出すストーリーを作る
ホワイトペーパーを作るときは、ストーリーが非常に重要です。コンテンツの流れが不自然だったり情報が断片的だったりする場合、ホワイトペーパーの質が低いと判断され、解決策への信頼性が低下してしまう可能性があります。
課題の提示から分析、解決方法、自社ソリューションの提案まで、自然な流れになるようにストーリーを組み立てることが大切です。
既存の資料を活用する
セミナーや営業資料などに用いた既存資料がある場合は、それをホワイトペーパーに転用するとよいでしょう。
既存資料はすでに顧客のニーズや課題に最適化されているものが多いので、最小限の手間で訴求力の高い資料を作れます。少ない労力・コストでホワイトペーパーを作成できれば、そのリソースを他のホワイトペーパーの準備に回せます。
情報は出し惜しみしない
ホワイトペーパーを作るとき、情報を出し惜しみするのは非常にもったいないことです。営業をかけたいからと「続きはお問い合わせください」としてしまうと、リードは必要な情報を手に入れられません。「期待外れだったな」と、マイナスのイメージを持ってしまうこともあるでしょう。
ホワイトペーパーマーケティングで目標を達成するためには、情報を網羅的に提供し、出し惜しみしないことがポイントです。「この企業はノウハウが豊富で役立つ情報を提供してくれそうだ」と思ってもらえれば、ホワイトペーパーマーケティングの効果はグッと上がるでしょう。
デザインにもこだわる
ホワイトペーパーでもっとも大切なのは情報の質ですが、デザインにこだわることも忘れてはいけません。いくら有益な情報が載っているホワイトペーパーでも、文字だらけだったりデザインに統一性がなかったりすると、読者に最後まで読んでもらうことは難しいためです。
ブランドイメージを反映させる、フォントやデザインを統一するなど、見やすい資料にすることを意識してみましょう。おすすめなのは、ヘッダーやフッターなどを配置したテンプレートを作成しておくことです。テンプレートをコピーして使えば作業時間を短縮できますし、ページに統一感が生まれます。
なるほど。ホワイトペーパーの作り方、少しずつですがイメージできるようになってきました!僕も魅力的な資料を作って、ホワイトペーパーマーケティングを成功させたいです!
魅力的な資料を作成することも大切なんだけど、それだけじゃホワイトペーパーマーケティングは成功させられないかもしれないなぁ。
そうなんですか?他にも、ホワイトペーパーマーケティングのコツってあるんでしょうか。
ホワイトペーパーマーケティングで成果を出すコツ
ホワイトペーパーマーケティングを実施するときは、資料の内容以外のポイントにも気を配る必要があります。成果につなげるためにも、以下の4つのコツを意識しましょう。
- 商品を押し売りしすぎない
- フォームの入力項目を少なめにする
- 常に成果測定と改善を繰り返す
- 集客方法を工夫する
各項目について詳しくみていきましょう。
商品を押し売りしすぎない
ホワイトペーパーは営業資料とは異なり、あくまでお役立ち情報を提供するための資料です。したがって、自社商品を全面に押し出すことは避けたほうが無難です。
営業色が強すぎる場合、「有益な情報があまりないし、結局営業目的か……」とリードに離脱されてしまうおそれがあります。まずはしっかりと情報を提供し、自社製品については最後の数ページ程度で紹介するくらいのバランスが丁度いいでしょう。
フォームの入力項目を少なめにする
ホワイトペーパーのダウンロードフォームに進んだとき、入力事項があまりにも多くて面倒くさくなった経験がある方は、決して珍しくないでしょう。できるだけ多くのリードを集めたい場合は、思い切って入力事項を少なくしてみてください。
入力フォームを「氏名」「会社名」「部署名」「役職名」「メールアドレス」くらいの情報量に絞り込むと、ユーザーの負担を抑えられます。入力事項が少ないフォームほど、ダウンロードのハードルは低くなります。
常に成果測定と改善を繰り返す
ホワイトペーパーマーケティングは、資料を公開して終わりではありません。成果を測定し、常に改善を繰り返す必要があります。
例えば、アクセスは獲得できているのにダウンロード数が少ない場合は、タイトルや資料の内容が適切でない可能性があります。
再度ユーザーニーズを分析し、内容をブラッシュアップしていきましょう。ダウンロードされているのに次のステップに進むユーザーが少ない場合は、自社商材のベネフィットや魅力的な解決策を提示できていないかもしれません。
この場合は、訴求内容を見直してみる必要があるでしょう。また、市場の変化や法令改正などにより、過去に作成したホワイトペーパーの内容が不適切になる可能性もあります。古い情報の発信はトラブルの原因になるため、ホワイトペーパーの情報は常にアップデートし続けることが大切です。
集客方法を工夫する
ホワイトペーパーをより多くのユーザーにダウンロードしてもらうためには、積極的な集客施策の実施が欠かせません。集客と聞くと「Web広告」や「SEO」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、他にもいろいろな方法でホワイトペーパーに誘導することが可能です。
- プレスリリースの配信
- メールマガジンの配信
- 自社ブログにCTAとして設置する
- SNSに図解の一部を掲載して興味を引く
- 一部を動画コンテンツとして公開する
ホワイトペーパーのダウンロードページを用意しても、そこにつながる導線がなければ認知してもらうことすらできません。積極的に集客施策を打ち出し、より多くのリード獲得を目指しましょう。
国内No.1の広告媒体資料・マーケティング資料のポータルサイト『メディアレーダー』で弊社が紹介されました。
【マーケター必見】情報・手法が学べるおすすめマーケティングメディア23選!
たしかに、宣伝方法やダウンロードのしやすさって重要かもしれないです……。勉強になりました!
うんうん、参考になったようでよかった。それじゃあ、ここまで勉強した知識を活かして、さっそくホワイトペーパーを作ってみようか!
はいっ!と言いたいところなのですが、ホワイトペーパーって何を使って作るのでしょうか……?PowerPointとか…?
ホワイトペーパーの作成に役立つツール
ホワイトペーパーは、さまざまなツールを使って作成できます。近年はおしゃれなテンプレートを無料で使えるツールが増えたので、初心者でもレベルの高いホワイトペーパーが作れるようになりました。ここでは、おすすめのホワイトペーパー作成ツールを紹介します。
- Microsoft Word
- Microsoft PowerPoint
- Adobe Express
- Adobe Illustrator
- Canva
- MAツール
以下では、各ツールの特徴を説明します。
Microsoft Word
文書作成ソフトのWordには、ホワイトペーパー向けのテンプレートが用意されています。日常業務で使うことが多いWordなら、難しい操作を覚えなくても手軽にホワイトペーパーを作成できるでしょう。
ただし、他のツールと比べるとデザインの自由度が低くなってしまう点はデメリットです。「シンプルな資料を作りたい」「簡単に作りたい」と考える方にはおすすめです。
Microsoft PowerPoint
プレゼン資料や営業資料を作成するときに重宝するPowerPointも、ホワイトペーパーの作成に役立ちます。素材やグラフの挿入が簡単で操作性が高いPowerPointも、手軽さを求める方にぴったりです。
ホワイトペーパー専用のテンプレートはありませんが、プレゼンテーションのテンプレートを転用できます。もちろん、自社オリジナルのテンプレートを作ることも可能です。
Adobe Express
Adobe Expressは、Adobe社が提供する基本機能無料のデザインツールです。デザインツールと聞くと難しくイメージしてしまうかもしれませんが、ホワイトペーパー用のテンプレートを選んで画像やテキストを変えていけば、初心者でもおしゃれな資料が作れます。細かい部分までデザイン設定が可能なので、自社らしさを出したい企業におすすめです。
Adobe Illustrator
Adobe Illustratorは、Adobe社が提供するグラフィックデザインツールです。ロゴやアイコンなどのクリエイティブを制作するときに使われることが多いツールですが、ホワイトペーパーの作成にも活用できます。
ただし、他のツールと比べると操作の難易度が高い点に注意が必要です。自由自在にデザインを作成できる反面、専門的な知識やスキルが必要になります。
Canva
Canvaは、誰でも使える簡単操作が魅力のグラフィックデザインツールです。ホワイトペーパー以外にも、SNSの投稿やロゴ、動画などさまざまなクリエイティブの制作が可能です。
無料で使えるテンプレートや素材が豊富なので、組み合わせればオリジナリティの高いホワイトペーパーが作れるでしょう。
有料プランに登録すれば、より多くのテンプレートや素材、機能が使えるようになります。とはいえ、無料で使える素材だけで十分な場合が多いので、気軽に使ってみるとよいでしょう。
MAツール
資料作成に役立つツールではありませんが、ぜひホワイトペーパーと一緒に活用してほしいツールとして、MAが挙げられます。
MA(Marketing Automation)ツールとは、リード情報の管理やリード育成、マーケティング施策の効率化をサポートするツールです。リードの情報を一元管理し、ひとり一人に最適な情報を届け、受注確度の高いリードの抽出を行ってくれます。
ホワイトペーパーで獲得したリードをMAツールで管理すれば、それぞれに最適なアプローチを自動化でき、効率的な商談獲得につなげられます。獲得したリードの情報を管理したり施策に反映したりする業務を、マンパワーだけで行うのは効率的とはいえません。
ぜひMAツールを活用して、リソースを抑えつつ成果の高いホワイトペーパーマーケティングの実現を目指してみてくださいね。
なぁ~んだ!テンプレートを使えば、僕でもホワイトペーパーを作れそうですね!
そうそう。デザインに関しては、そんなに心配する必要はないと思うんだ。内容も、企業のノウハウや既存資料を活用できる場合が多いし。難しく考えすぎず、ひとまず挑戦してみるといいよ。
先輩のおかげでやる気がみなぎってきました!よ~し、有益なホワイトペーパーを作るぞっ!
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