ペルソナとは、企業が商品やサービスを提供する架空のユーザー像です。
本記事では、マーケティングの成功に欠かせないペルソナ設定について解説します。
ペルソナの設計方法や注意点、マーケティングにおける活用事例を知って、ビジネスを成功に導きましょう。
先輩、さっき部長とペルソナがどうって話していましたよね……?
お、聞いていたんだね。ペルソナ設定はマーケティングにおいてとっても重要だからね。施策が行き詰ってしまったから、あらためてペルソナを見直してみようって話になったんだ。
そのマーケティングで重要になるペルソナって、一体なんのことなんですか……!?
ペルソナとは?
マーケティングにおけるペルソナとは、商品やサービスを使ってもらいたい架空のユーザー像です。ここでは、ペルソナの基本的な知識を身につけましょう。
- マーケティングにおけるペルソナの重要性
- ペルソナ設定が必要になるシーン
- ペルソナとターゲットの違い
- ペルソナ設定のメリット
- ペルソナ設定のデメリット
上記の5つのポイントを解説します。
マーケティングにおけるペルソナの重要性
マーケティング戦略を立てるときや施策を実施するときは、ペルソナの設定が欠かせません。なぜなら、ペルソナを設定することで顧客目線に立ちやすくなり、適切なコミュニケーションが取れるようになるためです。
ペルソナを設定するときは、氏名や年齢、性別などの属性情報はもちろん、趣味やライフスタイル、商品利用に至るまでのストーリーまで詳細に決めます。
具体的なユーザー像を作り上げることで、抱えている課題やニーズ、行動パターンなどをよりリアルにイメージできるようになるでしょう。ペルソナ設定は、顧客目線のマーケティング施策に欠かせないプロセスだといえます。
ペルソナ設定が必要になるシーン
ペルソナ設定が役立つシーンは、次のように多岐にわたります。
- 商品開発のとき
- 広告戦略を立案するとき
- 販売促進戦略を立案するとき
- コミュニケーション方法を見直したいとき
- 施策の効果を検証したいとき
ペルソナ設定は、マーケティングを実施するときはもちろんのこと、商品開発や施策の効果を検証するときにも役立ちます。ユーザーの立場に立つことで、消費者が求めている商品や施策を見極められるようになるでしょう。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナと似た意味をもつ言葉として「ターゲット」というものがあります。ターゲットとは、商品やサービスを提供するユーザー像です。一見すると、ターゲットとペルソナは同じような意味に思えますが、それぞれには明確な違いがあります。
それは、イメージするユーザー像の「具体性」です。「ターゲット」では、対象とする人物像を大まかに設定します。例えば、「10代の女性で、職業は学生。オシャレが好き」と、ざっくり設定する点が特徴的です。
対して「ペルソナ」では、より細かく具体的に人物像を設定します。「名前は猫山猫子で、年齢は17歳。都内の私立〇〇高校に通っており、吹奏楽部。ファッションが好きで、休日はよく渋谷で買い物をしている。好きなブランドは……」
このように、まるで実在している人間のプロフィールかのように詳細な情報まで深掘りするのが、ペルソナの特徴です。まずはターゲットを選定してからペルソナを設定し、具体的な戦略やコミュニケーション手法を設計していくのが、ペルソナマーケティングの一般的な流れです。
ペルソナ設定のメリット
なかには、「ターゲットを設定すれば、ペルソナは不要なのではないか」と考える方もいるかもしれません。しかし、ペルソナ設定には多くのメリットがあるため、活用しないのは非常にもったいないことです。ここでは、ペルソナ設定によって得られる3つのメリットを紹介します。
顧客のニーズに沿ったアプローチができる
ペルソナを設定すると、顧客のニーズを明確にとらえられるようになります。ニーズがわかればアプローチも最適化できるため、顧客にとってより魅力的な訴求ができるようになるでしょう。
マーケティングの際は、ついつい自社が伝えたいことを一方的に届ける「企業目線の戦略」になりがちです。これでは顧客の心をつかむことはできないので、ペルソナを活用して「顧客が求める情報・コミュニケーション」を理解することが大切なのです。
担当者間で認識をすり合わせられる
ペルソナという具体的な人物像を共有すれば、担当者間でスムーズに認識を共有できるようになります。商品を顧客に届けるときは、さまざまな部門の担当者が連携することになります。
商品企画担当やマーケティング担当、販売担当がそれぞれ異なったユーザー像を抱いていれば、一貫性のないアプローチになってしまうかもしれません。明確なペルソナ像があれば担当者間で認識のズレが生じることを防げるため、一貫性のあるアプローチが可能になるでしょう。
時間やコストの削減につながる
ユーザー像を明確化することは、時間やコストの削減にもつながります。ペルソナをもとに、ユーザーが抱えているニーズを正確に把握できれば、効率的な施策を短時間で立案できるようになるでしょう。戦略ミスを防ぐ効果もあるので、マーケティングにかかる時間やコストの大幅な削減が期待できます。
ペルソナ設定のデメリット
ペルソナを設定することには、メリットだけではなくデメリットも存在しています。ここでは、注意したい3つのデメリットを紹介します。
作業に時間がかかる
ペルソナ設定のデメリットとして、作業に時間がかかる点が挙げられます。ペルソナを設定するときは、理想とするユーザーの詳しいプロフィールやストーリーを考える必要があります。
「こんなお客さまに使ってもらいたいな」と、企業の願望だけでユーザー像を作っても、ペルソナマーケティングの成果は得られません。
具体的で適切なペルソナ像を作るためには、既存顧客の傾向や消費者のニーズ、マーケティング施策の結果など、さまざまな情報を整理・分析する必要があります。成果につながるペルソナ作成には、情報収集・分析に多くの時間を要することを理解しておきましょう。
複数のペルソナが必要になることがある
設定すべきペルソナは、決して1つとは限りません。複数の商品を展開する企業の場合は、商品ごとにペルソナを設定する必要があります。
また、取り扱う商品が1つであったとしても、幅広い層をターゲットとしている場合は、複数のペルソナを設定することがあります。ペルソナ設定には時間がかかるため、複数のペルソナ設定が必要になれば、より多くのリソースを割く必要が出てくるでしょう。
アイデアの幅が狭まる可能性がある
ペルソナ設定にはユーザー理解を深める効果がある一方で、アイデアの幅を狭めてしまうリスクがあるという注意点もあります。対象者を細かく絞り込むことで発想が制限されてしまい、大胆なアイデアが生まれにくくなる可能性があるのです。
ペルソナマーケティングの際は、最初に作り上げたペルソナ像に固執しすぎないことが大切です。施策を実施するなかで「こんなニーズもあるのか」「この戦略は失敗だったな」という発見があれば、積極的にペルソナ設計へ反映しましょう。
ペルソナをブラッシュアップしていくことで、本当に必要な戦略やアイデアを見つけるヒントになってくれます。
なるほどぉ。ターゲットをもっと深掘りしたものを、ペルソナっていうんですね!でも、ペルソナってどうやって設計すればいいんですか?テキトーに作ったらダメですよね……?
もちろん、ペルソナは好き勝手に作っていいものではなくて、いろいろな根拠をもとに設計する必要があるんだ。
先輩、ペルソナの作り方を詳しく教えてください!
ペルソナの作り方
ペルソナ設定の手順は、以下のとおりです。
- 自社分析を行う
- ターゲットを明確にする
- ペルソナ像を構築する情報を整理する
- ペルソナ像を設定する
- 運用するなかでペルソナ像を最適化する
各プロセスの詳細をみていきましょう。
自社分析を行う
まずは、自社についての理解を深めることが重要です。なぜなら、顧客に自社商品・サービスを購入してもらうためには、自社が提供できる価値を明確に伝える必要があるためです。
いくら適切にペルソナを設定できても、ユーザーが抱える課題や要望に沿った価値を提供できなければ、購入してもらうことはできません。自社商品・サービスはもちろんのこと、競合他社についても深く分析し、「他社にはない強み」を洗い出しておきましょう。
自社分析は、「3C分析」や「SWOT分析」などのビジネスフレームワークを活用するとスムーズに進められます。
ターゲットを明確にする
次に、ターゲットを明確にしておきましょう。具体的なペルソナを設定するためには、はじめにざっくりとしたターゲット像を設定しておく必要があります。自社の商品・サービスの対象となるターゲットを把握するために有効な方法として、次のようなものが挙げられます。
- インタビューやアンケートで調査する
- MAツールやCRMなどから顧客の傾向をつかむ
- Web解析データを活用する
上記のような方法で、顧客のプロフィールや商品とのタッチポイント、購入を決意した要因などを洗い出しておきましょう。自社商品に関心をもつ消費者層や既存顧客の傾向を把握できれば、自社が注力すべきターゲット層がみえてきます。
消費者の意見や顧客情報をもとにすることで、思い込みや先入観に影響されない、事実にもとづいたペルソナを設計できます。
ペルソナ像を構築する情報を整理する
次に、ペルソナ像を構成する情報を整理します。必要な情報は商材によって異なりますが、次のような項目を基本にするとよいでしょう。
- 年齢や性別などの属性情報
- 職種や年収(BtoBの場合は業種など)
- 学歴や職歴
- 家族構成や友人構成(BtoBの場合は従業員規模など)
- ライフスタイル
- 趣味や特技
- 性格や価値観
- ユーザーが抱えているニーズや不満
- ストーリー
- 商品やサービスとの接点
ほかにも、必要な項目があれば自由に追加していきましょう。例えば、SNSマーケティングを検討している場合は、「よく使うSNS」や「インターネットの利用時間」の項目が必要です。
コスメを販売したい場合は、「肌質」や「憧れの芸能人」などの項目があれば、より具体性が増すでしょう。必要な情報がうまく思いつかないときは、身近な人をイメージしてみるのもひとつの手です。
ペルソナ像を設定する
ここまでの準備が整ったら、ペルソナ像の設定に入っていきましょう。ターゲットを明確化するプロセスで収集したデータをもとに、リアルな人物像を構築します。ポイントは、物語を作るようにリアルかつ感情豊かに情報を肉付けしていくことです。
この際、先入観や思い込みが反映されないように、事実ベースで考えることを意識しましょう。「これはいらないかな?」と思う情報でも役立つことがあるので、思いつくものはどんどん書き出してみてください。
運用するなかでペルソナ像を最適化する
設定したペルソナ像は、施策を実施するなかで定期的に見直し、最適化していきましょう。一度で100%正しいペルソナ像を設計することはできませんし、社会情勢や市場の変化にともなってユーザーのニーズも変化する可能性があるためです。
一度作成したペルソナ像を使い続けると、十分に効果のある施策を実施できなくなる可能性があります。常にペルソナをブラッシュアップし、その時々で最適な戦略を立てることが大切です。
ふむふむ。消費者の意見や既存顧客の傾向をもとに、客観的事実にもとづいてペルソナを設計していけばいいんですね!これなら、僕でもできそうですっ!
それなら、部長に頼まれたペルソナの見直しを手伝ってもらおうかな。適切にペルソナを設定できるように、意識してほしい注意点を伝えておくね。
ペルソナ設定をするときの注意点
ペルソナ設定は、マーケティング戦略の成果を左右する重要なプロセスです。しっかりと成果の出るペルソナ設定を実現するためにも、次の6つの注意点に留意しましょう。
- 人物よりも課題を重要視する
- サイコグラフィックについても考える
- 根拠をもって設定する
- 複数の担当者で取り組む
- 新規顧客と既存顧客の目線に立つ
- シンプルに設定する
各項目の詳細を説明します。
人物よりも課題を重要視する
ペルソナマーケティングで要となるのは、「買う人」ではなく「買うシーン」や「買う理由」です。そのため、人物よりも課題に焦点を当ててペルソナを作りこむことが非常に重要となります。ペルソナが抱えているニーズや課題を洗い出すためには、その人のプロフィールやバックグラウンドを把握することも重要です。
しかし、人物を作り込むことに必要以上に時間を費やすと、作業効率が低下してしまいます。ペルソナを設定する目的は、自社にとって完璧なユーザー像を作り上げることではなく、顧客が抱えるニーズに沿った戦略を考えることです。作業しているうちに目的を見失ってしまうケースが多いため、十分に注意しましょう。
サイコグラフィックについても考える
ペルソナを設定するときは、ついデモグラフィックを中心に考えがちになりますが、サイコグラフィックも忘れずに設定しておきましょう。サイコグラフィックとは、性格やライフスタイル、趣味など心理的な特性のことです。
一方で、年齢や性別、地域などの属性情報を「デモグラフィック」と呼びます。顧客情報があればすぐに分析可能なデモグラフィックとは異なり、サイコグラフィックは把握しにくい傾向にあります。アンケートやインタビューを実施し、リアルな顧客の意見を反映することが大切です。
根拠をもって設定する
ペルソナ像は、根拠をもって設定する必要があります。「うちの商品は高いし、きっとユーザーは30代以上の富裕層だろうな」「社内の若手に好評な商品だし、ペルソナも若者にしておこう」このような思い込みや担当者の希望がペルソナに反映されることは、決して珍しくありません。
しかし、これでは現実に即したペルソナを作成することはできず、効果的な戦略は生まれないでしょう。大切なのは、事実にもとづいて正確なユーザー像を定義することです。必ず事前に情報収集や調査を行い、根拠に基づいてペルソナを設定することを意識しましょう。
複数の担当者で取り組む
ペルソナ設定の際は、複数の担当者で取り組むことを推奨します。限られた担当者でペルソナを作成すると、意見が偏ったり思い込みが反映されたりする可能性があるためです。
可能であれば、商品開発やマーケティング、販売担当など異部門の担当者が意見を出し合いながらペルソナを設定してください。さまざまな部門の人材が意見を出し合うことで、新しいアイデアの発見や認識の共有が可能となります。
新規顧客と既存顧客の目線に立つ
ペルソナ設定の際は、新規顧客と既存顧客両方の目線に立つ必要があります。市場には、ニーズが顕著化している顕在顧客だけではなく、まだニーズや悩みに気づいていない潜在顧客も存在しています。
そのため、ニーズを自覚している既存顧客に寄せてペルソナを設定すると、一般的な消費者像とズレてしまう可能性があるのです。
もちろん、既存顧客の傾向はペルソナ設計をするうえでとても参考になります。しかし、新規ユーザーを取り込む際は、既存顧客と理想のユーザー像を重ねすぎないように注意しなければいけません。
そのためには、既存顧客から得られる情報だけではなく、一般消費者を対象とした調査結果もペルソナ設定に活用する必要があります。
シンプルに設定する
ペルソナを設計するときは、シンプルに仕上げることを心がけてください。不必要な情報が多すぎると、かえってユーザー像がぼやけてしまう可能性があるためです。
例えば、ビジネスパーソン向けのパソコンを購入するペルソナ像を設定するときに、「好きな食べ物」の項目は必要ありませんよね。ペルソナ像を構成する項目は、ニーズや課題に関連するものに絞り込みましょう。
わわわ、注意点がこんなに……!うまく作れるか心配ですけど、頑張ってみますっ!
ところで先輩、作成したペルソナって、マーケティングでどうやって活用するんですか?あんまり具体的な活用法がイメージできないんですよね。
それじゃあ、ペルソナ設定を活用したマーケティング事例を3つみてみようか!
ペルソナ設定を活用したマーケティング事例
設定したペルソナは、マーケティングのさまざまなシーンで活用できます。ここでは、以下の3つの活用事例をみていきましょう。
- 商品の購入促進
- オウンドメディア運用
- SNS・広告運用
具体的な施策例を説明します。
商品の購入促進
ペルソナ設定は、商品の購入促進に効果を発揮します。具体的なユーザー像を設計すれば、顧客の心理状況や行動をより正確に把握できるようになるためです。例えば、20代の主婦を対象に調理家電を販売するとします。
ここで注意したいのは、同じ20代主婦でも、ライフスタイルによって有効な戦略は異なるということです。仕事が忙しい兼業主婦の場合、店頭でじっくりと家電を見る時間がないと考えられるため、SNSやWeb広告でアプローチすることが有効かもしれません。
比較的買い物に時間をかけられる専業主婦の場合は、スーパーで店頭販売をすれば、商品に興味を持ってもらえるでしょう。
このように、ユーザーの心理状況や行動パターンにあった情報提供や提案ができれば、顧客第一のアプローチが可能となります。
反対に、ペルソナを設定しないまま商品をアピールすると、企業が情報を一方的に押し付けるだけの自己満足な施策になるおそれがあります。ユーザーの心をつかんで売上を向上させるためには、ペルソナ設定で顧客理解を深めることが不可欠なのです。
オウンドメディア運用
ペルソナ設計は、オウンドメディア運用にも役立ちます。まずは、オウンドメディアで実現したい目標を設定し、そこから逆算してペルソナを設計しましょう。そうすれば、オウンドメディアに必要なコンテンツやユーザーとの接点を洗い出せるようになります。
例えば、最終的な目標(CV)を「マーケティング講座の無料相談」に設定したとします。しかし、これだけではメディアに投稿すべきコンテンツやメディアのデザイン、ユーザーとの接点を設計することはできません。
そこで、「都内在住の33歳男性。年収は600万円で、ハイクラス人材として転職を考えている。……」と細かくペルソナ像を設定してみます。
そうすると、「男性向けのデザインにしよう」「ハイクラス人材向けの情報を提供しよう」「Facebookからの流入を狙おう」など、さまざまな施策が立案できるでしょう。ペルソナが異なれば、オウンドメディアの運用方針は大きく変わるため、慎重に設定する必要があります。
SNS・広告運用
SNSや広告運用にも、ペルソナ設定は不可欠です。なぜなら、ペルソナによって最適な媒体が大きく異なるためです。例えば、10代向けのプロモーションであればInstagramやTikTok、30代以上のビジネスパーソンであればFacebookの活用が候補として挙げられます。
ただし、同年代でもライフスタイルや心理的な特性によって、利用する媒体は異なります。同じ10代でも、InstagramではなくTwitterを好んで利用する人もいるでしょう。
インタビューやアンケートを反映しながらペルソナを設定できると、適切なプラットフォームの選定に役立ちます。ペルソナの行動パターンまで細かく描ければ、マーケティング手法や広告フォーマットの見極めにも役立つでしょう。
あれ、先輩!今ペルソナを作るためにインターネットで情報収集していたのですが、「ペルソナ設定は終わった」っていう意見がありました!これって、どういうことなんですか?
あぁ。近年は市場が大きく変化したから、従来のペルソナマーケティングが通用しにくくなっていると考えられているんだよね。
「ペルソナ設定の時代は終わった」って本当?
マーケターのなかには、「ペルソナ設定の時代は終わった」「ペルソナマーケティングは古い」という意見をもつ人も多いものです。なぜペルソナマーケティングは古いと考えられるようになったのでしょうか。ここでは、その理由と現代のペルソナマーケティングで成果を出すコツを紹介します。
ペルソナマーケティングが古いといわれる理由
ペルソナマーケティングが古いといわれるようになった理由としては、次の2つが挙げられます。
タッチポイントが複雑化しているから
近年、消費者が商品・サービスを知る接点(タッチポイント)が複雑化しています。以前は、マス広告や店頭のPRなどにより商品を知って購入することが多い傾向にありました。
しかし近年は、デジタル広告やSNSなどさまざまな経路で消費者と商品が接点を持つようになっています。その影響で、企業は複数パターンの顧客心理・行動を想定し、それぞれにあった戦略を立てなければいけなくなったのです。
ペルソナ設定だけでは消費者のニーズに応えることが難しくなったため、ペルソナマーケティングは古いといわれるようになりました。
デジタル技術が発展したから
デジタル技術の発展も、ペルソナ設定が古いといわれるようになった大きな要因です。AI技術やCRMなどのマーケティングツールの発展により、ペルソナを設定しなくても精度の高い戦略が立てられるようになりました。そのため、わざわざペルソナの設計に時間をかける必要はないと考えるマーケターが増えたのです。
現代のペルソナマーケティングで成果を出すコツ
「古い」「終わった」といわれることもあるペルソナマーケティング。しかし、適切にペルソナを活用できれば、まだまだ現代の市場で効果を発揮してくれることは事実です。ここでは、現代のペルソナマーケティングで成果を出すコツを紹介します。
常にペルソナをアップデートする
ペルソナマーケティングで成果を出すためには、ペルソナを常にアップデートする必要があります。商品と消費者のタッチポイントが多様化したのは、まぎれもない事実です。その影響で、一度のペルソナ設定ですべてのケースを想定することは困難となりました。
多くのケースに対処するためには、多様化する接点にあわせてペルソナをアップデートし、従来よりも細かく情報を設定する必要があります。運用するなかで何度もペルソナを見直し、最善の内容にブラッシュアップし続ける姿勢が重要です。
他のフレームワークやITシステムと併用する
ペルソナを他のフレームワークやITシステムと併用することも、戦略としては有効です。デジタル技術が発達してきているとはいえ、AIはユーザーの心理状況を完全に理解できるわけではありません。消費者のニーズにあった商品開発や戦略の立案には、どうしても「ユーザーの生の声」や「感情の機微を理解する力」が必要になります。
とはいえ、ITシステムの情報収集力や分析力がマーケティングに役立つことも事実です。そのため、今後は「人間の思考力×ITシステム」を組み合わせてマーケティングを実施することが重要となります。
判断材料となる情報収集や分析はITシステムに任せ、顧客ニーズの深掘りや戦略立案はマーケターが担いましょう。
この際、ペルソナ設定だけでは多様化するニーズに応えることは難しいため、他のフレームワークと組み合わせることがおすすめです。カスタマージャーニーマップやAIDMAなど、複数の手法を併用してみましょう。
現代の市場にあわせてペルソナマーケティングを実施する必要があるってことですね!勉強になりました。
ペルソナも完成したみたいだし、一緒に部長のところへ行ってみようか。
はいっ!先輩のおかげでいい感じのペルソナが作れた気がしますっ!ありがとうございました!
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