キャッチコピーが思いつかない…!考え方とテクニックをご紹介

キャッチコピーが思いつかない…!考え方とテクニックをご紹介

キャッチコピーとは、商品やブランドの魅力を一言で表した宣伝文句のこと。

お客さまの印象に残ったり購入を促進したりとメリットが豊富なキャッチコピーですが、考えるのはとっても大変!

そこで、この記事ではキャッチコピーの考え方とテクニックをご紹介します。

ビギニャー

今日お客さんからキャッチコピーの考案を手伝ってほしいって言われたんですけど……、改めて考えるとキャッチコピーって何だっけ?ってなっちゃいました。

シニヤン

たしかに、キャッチコピーってよく使う言葉だけど、「どんなものがキャッチコピーなのか」って考えると少し難しいよね。

シニヤン

それじゃあ、キャッチコピーについてちょっとおさらいしてみようか。

キャッチコピーとは?

キャッチコピーとは、商品やサービス・企業広告などにつけ、お客さまの興味や関心を引き付ける宣伝文句のことです。

商品や企業の魅力を一言で表した言葉で、広告はもちろんのこと、ECサイトやWebサイトなどあらゆる場面で活用されています。キャッチコピーとして有名な文言を挙げると、たとえば以下のようなものがあります。

キャッチコピーの例

  • やめられない止まらない、カルビーかっぱえびせん(カルビー:かっぱえびせん)
  • 吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機。(Dyson)
  • すぐおいしい、すごくおいしい。(日清食品:チキンラーメン)
  • インテル入ってる(intel)

このように、魅力的なキャッチコピーは消費者の耳に残り、商品やブランドへの興味関心をかき立てますよね。キャッチーなフレーズは、マーケティングにおいて非常に効果的なのです。また、キャッチコピーは目的に応じて以下の2つに分類できます。

キャッチコピーの種類

  • イメージキャッチコピー:印象に残ることを目的に作られたもの
  • セールスキャッチコピー:購入やお問い合わせなど、行動を促すために作られたもの

キャッチコピーを作るときは、目的に合わせて考えていくことが大切です。

シニヤン

このサイトでいうと、「なんとなくのマーケティングを、必然に変える。」がキャッチコピーに該当するかな。

ビギニャー

なるほど~、なんとなく言葉の意味はわかりました…!ところで、どうしてキャッチコピーを作る必要があるんですか?

キャッチコピーってどうして大切なの?

マーケティングにおいてキャッチコピーが大切な理由は、3つあります。

お客さまの記憶に残れる

魅力的なキャッチコピーは記憶に残りやすく、一発でお客さまに覚えてもらえるというメリットがあります。たとえば、intelがどのような製品を販売しているのか具体的に知らなくても、「インテル入ってる」という言葉を知っている方は多いかもしれません。

そのような方がパソコン売り場でインテルの製品を見ると、「これがインテルか!どんな製品なんだろう?」と興味が湧くことでしょう。

反対に、キャッチコピーがなくてインテルの名前すら知らない方の場合、インテルの製品は目にとまりにくいことが考えられます。キャッチコピーはお客さまの記憶に残り、新しい行動を促す効果があるのです。

購入を促進できる

キャッチコピーには行動を促す効果もあります。本の帯に「今すぐ始めたい 新時代のマーケティング辞典」という文言が記載されていたとします。

すると、「この本を今のうちに読めば差がつけられるかも!」「今すぐ始めないとまずい!?」と“今が買いどき”であることを伝えられ、行動を促せます。商品の効果や強調言葉を入れると、より効率よくコンバージョンにつなげる導線を作れるのです。

企業のブランドを確立できる

キャッチコピーは、企業ブランディングにも効果的です。

  • 水と生きる/サントリー
  • カラダにピース/カルピス

上記のようなキャッチコピーは企業やブランドの価値観や提供価値を表したものであり、なんとなく見ただけで企業の取り組みがイメージできますよね。

「カルピスは体にやさしい飲料を作っているんだな」といったように、消費者のなかで共通認識が生まれ、自社ならではの強みを確立する手助けになってくれるのです。

ビギニャー

へぇ~、キャッチコピーって作るとメリットが盛りだくさんなんですね!

シニヤン

そうなんだよね。だから、ビギニャー君もぜひ相談してくれたお客さんと一緒に、魅力的なキャッチコピーを作ってみてね!

ビギニャー

でも、僕キャッチコピーの考え方を知らないんです……。

キャッチコピーの考え方

キャッチコピーを考える手順は、以下のとおりです。

ターゲットと目的を明確にする

はじめに、「キャッチコピーを届けたいターゲット」と「何を伝えてどうなって欲しいのか」について整理しましょう。たとえば、飲料メーカーの場合は「一般の消費者」がターゲットになりますし、マーケティングツールを販売する会社の場合は「企業のマーケティング部」がターゲットになるでしょう。

また、キャッチコピーを作る目的によって、イメージキャッチコピーとセールスキャッチコピーのどちらにすればいいかが変わってきます。

見ている人全員に訴求する言葉より、特定の誰かに訴求する言葉のほうが強いインパクトを残せます。キャッチコピーの方向性を決めるためにも、まずは基本となるターゲットと目的を明確にしましょう。

②商品やブランドの強みを明らかにする

次に、自社商品やブランドの強みを明らかにします。この際、フレームワークを使うと自社の強みを洗い出しやすくなります。

おすすめのフレームワーク

◎SWOT分析

  • 内部環境:Strength(強み)、Weakness(弱み)
  • 外部環境:Opportunity(機会)、Threat(脅威)

◎QPC分析品質(Quality)、価格(Price)、利便性(Convenience)

◎3C分析:顧客や市場(Consumer)、競合(Competitor)、自社(Company)

自社の強みを反映したキャッチコピーを作れれば、より目的を達成しやすい文言になります。

ターゲットの課題を明確にする

キャッチコピーは、ターゲットの課題と自社のアピールポイントがマッチしていなければ効果を発揮してくれません。そのため、ターゲットの課題についてもしっかりと整理しておきましょう。

アンケートなどを活用すると、正確にターゲットの課題を把握できます。ターゲットの課題と自社の強みがズレている場合、もう一度ターゲットの選定や自社分析を行ったほうがいいかもしれません。

ターゲットと自社を結びつける言葉を作る

ここまでの下準備ができたら、あとはターゲットの課題と自社の強みを結びつける言葉を考えるだけです!

マーケティングツールの価格に課題を感じている人をターゲットにするなら「業界最安値」という言葉、操作性に課題を感じている人であれば「10分でマスターできる操作性」という言葉を入れると効果的かもしれません。

自社の強みだけを全面的に押し出したキャッチコピーでは、単なる企業の自己満足になってしまいます。必ず、「ユーザーの課題」と「自社が伝えたいこと」を紐づけることを意識してくださいね!

ビギニャー

う~ん。ちょっと考えてみたんですけど、なかなかコレ!っていうのが思いつかないです……。僕もおしゃれなキャッチコピーを考えたいのにな。

シニヤン

キャッチコピーを作るときは、ちょっとしたテクニックがあるから、それについて教えておこうか。

魅力的なキャッチコピーを作るテクニック

ここからは、魅力的なキャッチコピーを作るテクニックを具体的にご紹介します!

短くリズムよくする

キャッチコピーは、目に入った一瞬が勝負!短くわかりやすく、リズム感のいいものにしましょう。目安は20文字程度、長くても40文字以下にすると印象に残りやすくなります。韻を踏めると、心地よいリズム感を生み出せますよ。

〈例〉

  • はやい、うまい、やすい(吉野家)
  • NO MUSIC,NO LIFE(タワーレコード)

具体的な数字を盛り込む

数字を盛り込むと、商品やブランドに対して具体的なイメージを抱いてもらいやすくなります。売上実績だけではなく、店舗数や来店数など、工夫次第で盛り込める数字は無数にあります。

〈例〉

  • やっぱりイナバ100人乗っても大丈夫(稲葉製作所)
  • 日本中の山本さんが、一人一台もっていることになる。(セガサターン)

心理テクニックを活用する

心理テクニックを活用してキャッチコピーを作ると、より効果を高められます。ここでは、代表的な心理テクニックの例を3つご紹介します。

  • アンカリング効果:最初に目にした情報によってその後の判断が左右される効果。
    (例:通常価格1,000円→セール価格800円)
  • 同調効果:ほかの人が利用していると、自分も利用したくなる効果。
    (例:10人に1人が利用している!)
  • 希少性の法則:提供数が限られていると、商品価値が高いとみなされやすくなる効果。
    (例:限定10名様限定)

オノマトペを盛り込む

オノマトペとは、音・声、物事の状態や動きなどを言葉に表したものです。オノマトペを盛り込むことで、言葉から音や風景をイメージしてもらいやすくなり、より強い印象を残せます。

〈例〉

  • ピッカピカの1年生(小学1年生)
  • 夏、できた!は、ぐんぐん育つ。(ティップネス・キッズ)

強い表現に言い換えてみる

表現の幅が広い日本語には、同じ意味を持ちつつ、強調してくれる言葉が多数存在しています。こういった強調してくれる言葉に言い換えることで、強いインパクトを残せるようになります。

〈例〉

  • おすすめ→買わなきゃ損、絶対に外せない
  • 安い→年に1度の大特価、出血大サービス

メリットや将来のイメージでワクワクさせる

キャッチコピーを作るときは、お客さまに自分ごと化してもらうことが大切!実際に利用したときのメリットや将来のイメージを与えられるキャッチコピーで、より商品やサービスを身近に感じてもらいましょう。

〈例〉

  • マーケター必見!3か月で売上が2倍になる広告の作り方
  • そうだ 京都、行こう(JR東海)

疑問形にする

人間は、疑問を投げかけられると思わず答えたくなってしまうもの。キャッチコピーに疑問形を入れて、少しの間でも思考を巡らせてもらえれば、普通のキャッチコピーよりも印象に残りやすくなります。

〈例〉

  • 3か月で売上を2倍にするマーケティング法
    →3か月で売上を2倍にするマーケティング法、知っていますか?

⑧感情を刺激する

感情を刺激するキャッチコピーは共感を得られやすく、「私もそうなりたい!」「どうにかしたい!」という感情を想起させやすいものです。

プラスの感情はもちろん、不安やコンプレックスといったマイナスの感情を刺激するのもとっても効果的。ターゲットの目線に立ち、感情を刺激する文言を考えてみましょう。

〈例〉

  • 今さら聞けない マーケティングの基本
  • 本当に大丈夫?間違いだらけのマーケティング法

ギャップを利用する

ギャップは、インパクトを与える効果と独自性を印象付ける効果が強いテクニック!「え、意外!!」と思わせるギャップを盛り込めると、好奇心を刺激できます。

〈例〉

  • 罪なきからあげ(湖池屋)
  • 四角いスイカ(縞王)
ビギニャー

わぁ、すごい!具体的なテクニックを知っていると、初心者の僕でも魅力的なキャッチコピーが考えられそうです!

シニヤン

よかった!ぜひ参考にしながら考えてみてね。

シニヤン

ちなみに、どうしてもキャッチコピーが思いつかないときの考え方のヒントとして、こういうのもあるよ。

キャッチコピーが思いつかないときの考え方

キャッチコピーが思いつかないときは、これからご紹介する5つの考え方を実践してみてください!

お客さまの声を聞いてみる

キャッチコピーに困ったときは、まずアンケートやヒアリング、口コミなどを通して既存のお客さまの声に耳を傾けてみましょう!catch-copy.jpg何度も自社商品を利用しているということは、どこかに強い魅力を感じているということ。そこから、消費者のニーズや自社の強みを見つけられるかもしれません。

ターゲットの行動に焦点を当ててみる

ターゲットの行動に焦点を当てると、今まで見えていなかった課題や困りごとを発見できるかもしれません。課題を明らかにできれば、そこに訴求するキャッチコピーを作りやすくなります。

おすすめは、ターゲットと同じ行動を取ってみること。それが難しい場合は、カスタマージャーニーマップを作成して分析するのも有効です。

メリットだけではなくデメリットを考える

キャッチコピーを作るときは、ついつい自社の強みや商品を利用するメリットを軸にしがち。しかし、この方法で魅力的なコピーが作れないときは、使わなかったときのデメリットに商店を当ててみてはいかがでしょうか。

デメリットは、不安や恐怖といった消費者の感情を刺激できるため、強い印象が残せるキャッチコピーに仕上げられます。

検索ワードを見てみる

商品やブランドのWebサイトがある場合は、検索ワードを見てみるのもひとつの手です。検索ワードにはユーザーのニーズが反映されており、ターゲットが何を求めているのかを一発で把握できます。

自社サイトを検索するときのワードはもちろん、検索エンジンで検索されることが多いワードを知ることも大切です。分析ツールやキーワードツールを活用し、ニーズや検索されやすいワードを反映したキャッチコピーを考えてみましょう!

今あるキャッチコピーを参考にする

どうしてもキャッチコピーが思いつかない場合は、既存のキャッチコピーを参考にするという方法もあります。「競合他社がどのような要素をキャッチコピーに盛り込んでいるのか」がわかればユーザーのニーズを掴めますし、有名なキャッチコピーを参考に自社らしくアレンジすることも可能です。

もちろん、参考にしたことが丸わかりの“パクリキャッチコピー”はだめですが、そこからインスピレーションを得ることは問題ありません。

ビギニャー

よし、これで僕もじゃんじゃんキャッチコピーを作ってお客さんの役に立つぞ~!

シニヤン

ちょっと待って、キャッチコピーの作成には注意点もあるんだよ。

キャッチコピーを作るときの注意点

キャッチコピーを作るときは、煽りすぎてはいけません。過度に煽ったり不安を与えたりするキャッチコピーは嫌悪感を抱かれやすく、お客さまから悪いイメージを持たれてしまうおそれがあります。

不安やコンプレックスを刺激することもテクニックのひとつだと紹介しましたが、「買わないと失敗します!」といった大げさに煽るキャッチコピーは、誇大広告だと認識されかねません。できることなら、マイナスの感情ではなくプラスの感情を刺激するキャッチコピーを作れるといいですね。

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