コンテンツマーケティングとは、顧客に有益な情報(コンテンツ)を提供し、売上アップやファン化を目指すマーケティング戦略です。
本記事では、コンテンツマーケティングのメリットや効果、やり方を初心者向けにわかりやすく説明します。
また、ゴンドラ管理職社員へコンテンツマーケティングについて、インタビューしていますのでぜひ、ご覧ください。
先輩!このサイト知っていますか?猫缶を販売している企業が運営しているんですけど、面白いアレンジレシピがたくさん載っていて話題になっているんです!
へぇ~。なるほど、たしかにレシピがおいしそうでついついこの猫缶を買いたくなっちゃうね。コンテンツマーケティングのメリットをちゃんと引き出せていて感心するなぁ。
そのコンテンツマーケティングって最近よく聞くんですけど、そんなにメリットが多い施策なんですか?
INDEX
コンテンツマーケティングのメリット・効果
コンテンツマーケティングには、次のようなメリット・効果があります。
- 企業にとっての資産になる
- 中長期的な費用対効果が高い
- SNSと相性がよい
- ファンを育成できる
各メリットの詳細をみていきましょう。
企業にとっての資産になる
コンテンツマーケティングのために作成したブログ記事や動画などのコンテンツは、企業が削除しない限り半永久的に残り続けます。
一度作ってしまえば自動的に集客する仕組みが作れるので、企業にとって大きな財産となるでしょう。また、コンテンツ制作時のノウハウやアイデアも、企業の財産として今後の施策に役立ってくれます。
中長期的な費用対効果が高い
出稿するたびに費用がかかる広告とは違い、コンテンツマーケティングは制作さえしてしまえばコストを抑えられます。
コンテンツを制作したあとはSEO施策で集客できれば、高額なランニングコストは不要です。初期費用はかかりますが、中長期的に見るとかなりコストパフォーマンスが高い施策なのです。
SNSと相性がよい
最近の消費者は広告よりもSNSを通して情報収集することが増えてきたので、SNSに絡めた施策の実施の重要度が増しています。オンラインのコンテンツを活用するマーケティング施策は、SNSと相性抜群。
そのため、コンテンツマーケティングは現代の消費行動にマッチした施策だといえるのです。発信した記事や動画がSNSで拡散されれば、費用をかけることなく広告出稿以上の効果が得られるかもしれません。
ファンを育成できる
有益な情報を発信して自社サイトや動画チャンネルなどに注目してもらえるようになれば、ブランドのファン獲得にもつながります。
「このブログはすごく有益だから、商品も信頼できる」「ブランドの世界観やコンセプトが好き」このように思ってもらえれば、他の企業との競争に負けない優位性を確立できます。
コンテンツマーケティングのデメリット・注意点
メリットが豊富なコンテンツマーケティングですが、次のようなデメリットに気をつけながら実施する必要があります。
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 費用と手間がかかる
どのようなことなのか、詳しく説明します。
成果が出るまでに時間がかかる
コンテンツマーケティングには、成果が出るまでに時間がかかるという注意点があります。コンテンツを作って発信しても、それがすぐにお客さまの目に触れて拡散されることは少ないです。
例えば、自社サイトを立ち上げて記事をいくつか作成しても、記事の数が少なければユーザーは「情報量が多いほかのサイトのほうが有益だな」と思うでしょう。
また、数回更新しただけで放置された状態だと「情報が古そう」「更新されていないサイトなんだ」と思われ、離脱されてしまいます。
SEOの観点からも、コンテンツが少なかったりメンテナンスをしていなかったりするサイトは、不利になる可能性があります。コンテンツマーケティングを成功させるには、時間をかけてコンテンツを作り続けることが重要です。
費用と手間がかかる
コンテンツマーケティングには、一定の費用やコストが不可欠です。コンテンツ制作には多くの費用がかかりますし、メディアやSNSを運用する人材も必要になるでしょう。「とりあえず記事や動画を作ってアップロードすればよいわけではない」と、理解しておく必要があります。
加えて、コンテンツマーケティングで成果を出すためには継続的な取り組みが必要となるため、長期的なリソースを確保しておかなければいけません。投資したコストを回収するまでの時間を理由に、成果を実感する前に施策を中断してしまうケースも多いようです。
デメリットもありますが、営業や広告にはないメリットがたくさん……!コンテンツマーケティング、やらない手はないですね!!
ところでビギニャー君。コンテンツマーケティングがどんな施策なのか、ちゃんと理解できているかな?いい機会だし、おさらいしておかない?
えへへ、実はざっくりとしか理解できていないんですよね……。先輩、ぜひ勉強させてください!
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、文字通りさまざまなコンテンツを活用したマーケティング手法です。しっかりと理解を深めるためにも、ここでは以下の5項目について説明します。
- コンテンツマーケティングをわかりやすくいうと?
- コンテンツマーケティングの具体例
- コンテンツマーケティングの目的
- コンテンツマーケティングが重要な理由
- コンテンツマーケティングと関連用語の違い
それぞれを詳しくみていきましょう。
コンテンツマーケティングをわかりやすくいうと?
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを通じてコミュニケーションをとり、商品が売れる仕組みを作るマーケティング手法です。顧客に寄り添う有益な情報を発信し、自社に興味を抱いてもらう「インサイドセールス」の入り口に活用されます。積極的に商品を売り込んだり購入を促したりする行為は、コンテンツマーケティングには含まれません。
コンテンツマーケティングの具体例
次のような取り組みがコンテンツマーケティングに含まれます。
- ペット用品を扱うECサイトが猫の情報マガジンを郵送する
- パソコンメーカーが最新機種の魅力をYouTube動画で説明する
- 化粧品メーカーが美肌に関する情報をブログで発信する
SNSや動画、企業ブログ、メルマガなどのオンラインのコンテンツだけではなく、セミナー開催やDMの送付などのオフラインの取り組みも活用されます。
このように、顧客にとって有益な情報を発信すること全般がコンテンツマーケティングに含まれ、オンライン・オフラインは問いません。
コンテンツマーケティングの目的
コンテンツマーケティングの目的は、次の3つです。
- 集客・認知拡大
- 顧客育成
- 関係性の構築
ユーザーの興味を引くコンテンツを配信すれば、新しい見込み顧客を獲得できます(集客・認知拡大)。コンテンツを通して商材の魅力やブランド理念を伝えることで、見込み顧客を自社顧客へ転換できます(顧客育成)。自社顧客になったあともコンテンツを通して定期的にコミュニケーションをとれば、ブランドへの愛着心や信頼感を築けるでしょう(関係性の構築)。
コンテンツマーケティングは、集客から成約、継続利用やリピート促進まですべてのプロセスで効果を発揮してくれる施策なのです。
コンテンツマーケティングが重要な理由
コンテンツマーケティングが重要視されるようになった理由は、従来の広告メインのマーケティング手法が通用しにくくなったためです。広告の掲載数や競合となる企業・商品が増えてきているため、広告を出稿したからといって必ず成果が得られるとは限らなくなりました。
また「広告疲れ」を感じている消費者も多く、過度に広告を出している企業に対してマイナスのイメージを抱く方も増えてきています。そのため、自社から積極的に売り込む営業ではなく、お客さまから興味を持ってもらうためのコンテンツマーケティングが重要性を増してきているのです。
コンテンツマーケティングと関連用語の違い
コンテンツマーケティングと関連する言葉として、「SEO」と「Webマーケティング」があります。ここでは、各関連用語の意味をみておきましょう。
SEO
SEOはコンテンツマーケティングの成果を高めるための施策のひとつです。
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索ユーザーにとって有益なコンテンツを提供することで、検索エンジンの上位表示を目指します。日本語に直すと「検索エンジン最適化」という意味になります。
SEO施策では、検索エンジンから高い評価を得るために高品質なコンテンツを多くアップロードしたり、キーワードやサイト構造を最適化したりします。
記事コンテンツなどを提供するときは、検索エンジンで上位表示されれば多くの集客が見込めるため、SEOの実施が不可欠です。
Webマーケティング
Webマーケティングとは、売上向上や認知拡大を目的に行われる、Webを使ったマーケティング手法全般を指します。コンテンツマーケティングは、Webマーケティング施策でよく用いられる手法のひとつです。Webマーケティングには、他にもSEOやSNSマーケティング、Web接客などいろいろな手法が含まれます。
売り込み感を抑えつつしっかりと訴求できるのが、コンテンツマーケティングのいいところなんだよ。
ところで先輩!コンテンツマーケティングって、具体的にどんなコンテンツを使って訴求していくんですか?
じゃあ、コンテンツマーケティングを実施しているうちの社員さんに質問してみよう。渡辺さんお願いします〜。
ゴンドラ管理職社員にコンテンツマーケティングについて聞いてみた
株式会社ゴンドラ CMO直下 マーケティング室 室長 渡辺さんにコンテンツマーケティングについてインタビューしました。
部署内での業務について簡単にご説明をお願いします。どのような部署でどのようなお仕事をしていますか?
マーケティング室では主に、オウンドメディア「LIFT」の運営やコーポレートサイトの管理、販促活動、社内外の広報活動を行なっています。また、社内で使用するツール導入や仕組み作り等、全社に跨る幅広い業務を担当しています。
LIFTを運営し始めたきっかけはなんですか?
2020年コロナ禍でオンライン商談、在宅勤務を余儀なくされた時期に、ゴンドラもマーケティングオートメーションの本格的な導入とインバウンド獲得、ブランディングとして、オウンドメディアのプロジェクトが立ち上がりました。
そこから約1年を経て、「LIFT」が2021年8月に公開されました。
私は当時、立ち上げプロジェクトには参画していなかったのですが、公開直前2021年3月頃からプロジェクトに参画し、現在は運営責任者をさせてもらっています。
コンテンツマーケティングのメリットは何だと思いますか?
何と言っても、ブランディング、インバウンド獲得、または運用方法によっては、両方行うことができる点です!
短期間で成果が出るものではないので、中長期的に運営する体制が必要ですし、簡単に成果が出るものではないため、PDCAを回しながら勝ちパターンを見つける必要があります。
「LIFT」は正直、公開から1年ぐらいは、アクセスが伸長せず、できることは何でもしましたが、内部対策を改めて実施したことをきっかけにオーガニック流入数は5倍以上伸長しました!
コンテンツマーケティングの難しいところを教えてください。
やはり、短期的には成果がでない事です。「成果」はコンテンツによって指標が異なりますが、どんな指標であってもです。また、成果が出たとしては、事業内容や方針によっては、本質的ではない成果であれば、成果ではない、と判断されてしまいます。
ゴンドラでは、そういった成果のズレが起きないように、営業部門や関係する部門と情報共有やヒアリングを重ねて、本質的な成果とは?という点を常に意識しながら運用するようにしています。
それでもやはり「本質的な成果」に拘ると、日々ブラッシュアップが必要です。
LIFTを運営する際に、MAツールをどのように活用していますか?
MAツールも企業規模や目的によって選定するツールが異なると思います。ゴンドラでは、導入当初はアンノウンマーケティングやナーチャリングを強化したいという方針から、特定のページや閲覧したページ数に応じてポップアップを出すことや、アクションに対してタグ付けをする、ということを実施しました。
また、ホワイトペーパーDL用のフォームを作成したり、メール配信をしたり、とナーチャリング観点でも活用しています。コーポレートサイトでは、ブランディグとしてアクセス企業を分析したり、ポップアップも利用したりしています。
LIFTを運営してきた中で、コンテンツマーケティング戦略の成果が出た成功事例等があれば教えてください。
LIFTを通じて、ゴンドラを知っていただける機会が増えたことですね。また、イメージキャラクターの「ビギニャー」「シニヤン」のファンもいて、LINEスタンプとしても3種類提供しています。
すべて内製で制作、運営をしているので、そのことでオウンドメディアを立ち上げたい、リニューアルしたいと相談をいただく機会も増えました。
ゴンドラは統合型支援を強みとしていますが、その点においてコンテンツマーケティングはどのような役割を果たせますか?
運営方針によって、幅広いテーマを扱うことが可能で、BtoBでもBtoCでも、商材、サービス問わず活用することができます。
ゴンドラでは、Web広告、CRM、システム開発、クリエイティブ制作等、幅広く支援させていただいていますが、各サービスについて発信することができ、かつ複合的に活用することで相乗効果が発揮できる運用について、今後さらに発信していきたいと思っています。
また、インターネットやSNS等、情報が溢れている時代だからこそ、情報元を重視するユーザーも確実に増えていると思います。その中で、ユーザー側に情報元として選んでもらうためには、蓄積したコンテンツや身元がはっきりしている発信元の信頼というものが必要ですので、運用し続けることで信頼も蓄積できると考えています。
読者のみなさまに、お伝えしたいことはありますか?
いろいろお話しさせてもらいましたが、ゴンドラがオウンドメディアを運営してまだ2年半です。有名なメディアにはまだまだ程遠い状況ですが、短期的ではなく中長期的に運営していること、定期的に現在地や方向性を見直す機会を設けることで、チャレンジしてみたいことや新しい企画を考えたり、運用することでメディアも成長し、またプロジェクトメンバーの成長にも繋がっていると実感することができています。
コンテンツマーケティングは、とにかく更新をし続けること、中長期的に運用が必要であることを念頭に運営することをおすすめします!
渡辺さん、ありがとうございました〜!コンテンツマーケティングについて少し、理解が深まりました!
よかった。よかった。インタビューをした甲斐があったね。
ところで先輩!コンテンツマーケティングって、具体的にどんなコンテンツを使って訴求していくんですか?
コンテンツマーケティングの代表的な種類
コンテンツマーケティングに活用できるコンテンツの種類は、以下のように多岐にわたります。
- オウンドメディア(記事コンテンツ)
- 動画
- SNS
- メール
- ホワイトペーパー
- LP(ランディングページ)
- プレスリリース
ここからは、それぞれのコンテンツについて深掘りしていきます。
オウンドメディア(記事コンテンツ)
コンテンツマーケティングでもっとも代表的な手法が、オウンドメディアの運用です。自社サイトにブログ記事をアップロードして、ユーザーの興味を引いたり商材への理解を促進したりすることを目指します。ブログ記事といっても、企業や担当者の日常を配信するわけではありません。
企業や商材に関連する情報など、ユーザーが求める有益情報を提供する必要があります。オウンドメディアの運用は、検索上位を目指すSEO施策とともに実施することが一般的です。
動画
近年注目を集めているのが、動画コンテンツの活用です。ユーザーにとって有益な動画やユニークな動画を制作し、オウンドメディアやYouTube、TikTokなどのプラットフォームに投稿して集客を狙います。
視覚と聴覚に訴求できる動画コンテンツには、強いインパクトを残せるというメリットがあります。ただし、制作に多くの時間とコストを要する点に注意が必要です。動画を制作するリソースがない場合は、ウェビナーなどのイベントを撮影して動画コンテンツとして配信するのもひとつの手です。
SNS
X(旧:Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSも、マーケティングで重要となるコンテンツです。各SNSでは、ユーザー層やアクティブユーザー数、好まれる投稿が大きく異なるため、自社商材と相性のよいプラットフォームを選ぶ必要があります。
双方向のコミュニケーションをとりやすいSNSは、ブランディングやファンの育成に効果的です。有益情報を発信するだけではなく、ユーザーとの交流も積極的に行いましょう。
メール
一斉配信するメールマガジンやシナリオに沿って配信されるステップメールも、コンテンツの一部です。見込み顧客に直接商品を売り込む営業メールとは異なり、有益情報の提供やコミュニケーションを通じて顧客を育成していく点が特徴です。
ただし、どれほど顧客にとって利益のあるメールを送信しても、開封されなければコンテンツマーケティングとしての効果は得られません。メールを送信するときは、魅力的なタイトルをつけてユーザーの心を惹きつける必要があります。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、お役立ち情報や自社商材についてまとめた資料を指します。自社サイトやオウンドメディアなどで配布され、ユーザーは企業名や氏名、連絡先などを入力して資料をダウンロードします。企業は有益情報を提供する代わりに、見込み顧客の情報を手に入れることが可能です。
そのため、顧客リストを収集したい場合におすすめの手法です。他にも、セミナー開催時や商談時にホワイトペーパーが活用されることもあります。
LP(ランディングページ)
LPは、ユーザーが広告などのリンクをクリックしたときに表示される、商材について説明する縦長のページを指します。オウンドメディアとは異なり、情報提供から申し込みフォームの入力まで1ページで完結している点が特徴です。LPの強みは、流入経路ごとに訴求内容を最適化できる点です。
例えば、広告KWが「ビジネス パソコン」の場合はビジネスパーソン向けの訴求、「動画編集 パソコン」の場合は動画編集機能に特化した訴求と、コンテンツの内容を最適化できます。ニーズにあわせて複数のLPコンテンツを用意できれば、クロージング力の強化につながるでしょう。
プレスリリース
プレスリリースは、企業の経営や事業に関するニュース、新商品についての情報を報道関係者に知らせるための配信を指します。プレスリリースを配信すれば多くのユーザーに情報を届けられますし、メディアに取り上げられる可能性もあります。
そのため、自社のニュースを広く露出させたいときに有効です。プレスリリースの配信方法には、「専用のメディアに掲載してもらう方法」と「自社サイトに掲載する方法」の2種類があります。
コンテンツマーケティングで活用できるコンテンツって、こんなにあるんですか!?
そうなんだよね。コンテンツマーケティングを始めるときは、ターゲットやニーズに応じて自社にあったコンテンツを見極めないとね。
コンテンツマーケティングの始め方……。とっても気になるけど、難しそうです。
コンテンツマーケティングの始め方
コンテンツマーケティングを始める手順は、以下のとおりです。
- ペルソナと目標の設定
- カスタマージャーニーマップの作成
- コンテンツの設計と作成
- 効果測定と改善を繰り返す
各プロセスの詳細を説明します。
ペルソナと目標の設定
「どのような情報」を「誰に届けたいのか」をしっかりと考えることで、発信すべき情報や最適な戦略が見えてきます。ペルソナとは、自社の商品を買ってもらいたい具体的な人物像です。
性別や年齢だけではなく、職業や趣味、家族構成など細かい要素まで想定してリアルな人物像を作り上げることで、ニーズや課題が明確になります。
また、最終目標(KGI)と中間目標(KPI)の両方を設定しましょう。たとえば、KGIが「ECサイトの売上1.5倍」の場合、「自社ブログの月間PV数を2万に増やす」「週に3本コンテンツを発信する」などのKPIが設定できます。
最終的なゴールとそこに至るために必要な目標を細かく設定することで、今何をすべきかがはっきりします。
カスタマージャーニーマップの作成
「何を・どの順番で伝えればいいのか」を明確にするためにも、ペルソナのニーズや行動、感情を整理できる「カスタマージャーニーマップ」を作成しておきましょう。
商品の認知から比較・検討、購入までのフローを整理し、顧客の心理・行動や接点、課題などを可視化します。各フローにおいて、企業と顧客の接点や必要となるコンテンツは大きく変わってきます。作成したカスタマージャーニーマップは、今後のコンテンツ設計における基本的な指針となってくれるでしょう。
コンテンツの設計と作成
ここまでに整理した情報をもとに、具体的なコンテンツ設計と作成に取りかかります。なお、コンテンツの内容や発信する媒体は1つとは限りません。
集客段階ではSNSでお悩み解決情報を発信し、検討段階では自社ブログで商品紹介をしたりセミナーに誘導したりなど、いろいろな媒体や情報を組み合わせることが大切です。
しっかりとコンテンツが設計できたら、実際に制作しましょう。自社でコンテンツを制作することが難しい場合は、外部の企業に委託することもひとつの手です。依頼の際はペルソナや具体的なコンテンツの内容についてヒアリングされるので、しっかりと情報をまとめておくとスムーズでしょう。
効果測定と改善を繰り返す
コンテンツの発信後は、解析ツールやユーザーの反応を見ながらコンテンツごとの成果を測定しましょう。測定結果によっては、コンテンツやプラットフォームの見直し、SEO施策を実行する必要が出てきます。繰り返しPDCAサイクルを回して、常に施策を改善し続けることが大切です。
コンテンツマーケティング、思っていたよりも始めやすいかも……!SNS投稿やブログ記事の作成とかなら、初心者でも取り組みやすいですね!
最近はコンテンツの制作について相談できる企業が増えているから、挑戦しやすくなったと思うよ。とはいえ、やみくもにコンテンツを作って発信するだけだと、あんまり成果は得られない可能性があるんだ。
そうなんですか?コンテンツマーケティングで成果を出すためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
コンテンツマーケティング戦略で成果を出すコツ
コンテンツマーケティングを成功させるために、以下のコツを押さえておきましょう。
- ユーザーファーストな発信をする
- ツールを活用する
- 適切にキーワードを選定する
- コンテンツプロモーションを行う
- BtoB・BtoCでコンテンツを使い分ける
各項目の詳細をみていきましょう。
ユーザーファーストな発信をする
コンテンツマーケティングを実施するときは、ユーザーファーストな発信を心がけましょう。「企業が伝えたいこと」と「ユーザーが知りたいこと」は、必ずしも一致しているわけではありません。
企業が伝えたいことだけを羅列したコンテンツはユーザーにとって退屈なものになりやすく、早々に離脱されてしまう可能性があります。
そのため、ユーザーが求めている情報を提供することが何よりも重要なのです。ユーザーに満足してもらえるコンテンツを作成できるように、顧客理解を深めてニーズをしっかりと分析しておきましょう。
また、情報の内容だけではなく、アクセスのしやすさや使いやすさ、理解のしやすさなども意識してみてください。コンテンツ利用時の快適性を向上できれば、繰り返しコンテンツを利用してもらえる可能性が高まります。
ツールを活用する
コンテンツマーケティングの際は、業務を効率化・自動化するツールの活用が欠かせません。必要になるツールは企業によって異なりますが、一例として次のようなものが挙げられます。
- Webサイト制作や更新を効率化する「CMS」
- 対策KWを見極める「キーワードツール」
- 上位表示をサポートする「SEOツール」
- ユーザーの行動を把握する「解析ツール」
- リード情報の管理や活用を促進する「マーケティング支援ツール」
特に、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどの解析ツールは、オンラインで行うコンテンツマーケティングでは不可欠です。必要に応じて、アプローチを自動化できるMAツールや、顧客の情報を管理できるCRMなども積極的に活用しましょう。
適切にキーワードを選定する
コンテンツマーケティングにおいて、キーワード選定は成果を左右する重要な要素です。検索数が多いキーワードはニーズが高いため、上位表示させられれば多くの集客が見込めます。
しかし、ニーズに比例して競合も多くなる点に注意しましょう。反対に、検索数が少ないキーワードは競合が少ないですが、ニーズも少ないことが想定されます。
あえて競合が少ないキーワードで上位表示を目指し、検索してくれるわずかなユーザーを確実にキャッチするという戦略も有効です。キーワードを選定するときは、ペルソナや戦略の目的を明確にしておくことが大切です。
コンテンツプロモーションを行う
コンテンツを作成・発信しても、ユーザーに見つけてもらえなければ意味がありません。よりコンテンツの露出を増やすには、検索エンジン以外の方法でもコンテンツを見つけてもらう施策(コンテンツプロモーション)を実施する必要があります。コンテンツプロモーションは、以下のような方法で行うことが可能です。
コンテンツプロモーションの方法
- SNSや広告の活用→見込み顧客に有効
- メルマガやDMの活用→既存顧客に有効
- インフルエンサーに紹介してもらう→ターゲット層に有効
ターゲットや目的に合わせて、自社に最適な方法でコンテンツをPRしましょう。
BtoB・BtoCでコンテンツを使い分ける
コンテンツマーケティングはBtoB・BtoCの両方に効果的な施策ですが、それぞれで適しているコンテンツの内容は異なります。BtoBの場合、商材の機能やベネフィットを合理的に伝え、意思決定を後押しするコンテンツが好まれます。
そのため、導入事例や導入後の実績、意思決定者の理解を促す内容のコンテンツを優先的に制作することがおすすめです。
対してBtoCでは、いかに顧客の心を惹きつけるかが重要となります。したがって、顧客のニーズに寄り添った内容や動画や画像を使った楽しいコンテンツを多く制作できると効果的です。
コンテンツマーケティングでは、とにかくユーザー目線に立って戦略を練ることが大事なんだ。それさえ理解できていれば、成果を出すことは難しくないと思うよ。
ふむふむ、勉強になります!インターネットでのマーケティングが当たり前になってきているし、コンテンツマーケティングって今後もっと重要性が増していきそうですよね。
おっ、その通り。ビギニャー君、鋭いね。だからこそ、コンテンツマーケティングの最新事情も押さえておかないとね。
コンテンツマーケティング市場規模と最新トレンド
コンテンツマーケティングを導入する企業は、年々増加しています。実際、SNSで企業アカウントを運用したりオウンドメディアで情報発信したりすることは、今や企業にとってスタンダードな取り組みになりつつあります。
それでは、現在コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業はどれくらい存在しており、どのような手法が注目されているのでしょうか。ここでは、コンテンツマーケティングの市場規模と最新トレンドについて説明します。
コンテンツマーケティングの市場規模と平均費用
コンテンツマーケティングの市場規模に関する最新の発表はありません。しかし、どれほどの企業がコンテンツマーケティングに取り組んでいるのかを見れば、その注目度の高さはうかがい知れます。
サイトエンジン株式会社の調査によると、75%以上の企業が「週に1度何らかのコンテンツを配信している」ことが判明しました。
また、月々のコンテンツマーケティングは301~500万円の予算をかける企業が最も多いとわかっています。事業によって月々の予算は異なりますが、多くの企業がコンテンツマーケティングに注力していることが読み取れるでしょう。
Webを使ったマーケティングの重要性が一層高まっている背景もあり、コンテンツマーケティングは今後ますます市場規模が拡大すると予想されます。
最新のコンテンツマーケティングトレンド
コンテンツマーケティングで競合他社と差別化を図るためには、最新トレンドを押さえた施策を実施する必要があります。今後コンテンツマーケティングで重要となるのは、次のようなポイントです。
- 「E-A-T」から「E-E-A-T」へ
- コミュニティ育成の重要性
- 動画コンテンツの市場が拡大 ・音声コンテンツへの注目度が向上
- クリエイターとのパートナーシップが重要
各ポイントの詳細をみていきましょう。
「E-A-T」から「E-E-A-T」へ
「E-A-T」とは、Googleが検索順位を決定する際に重要視する指標です。「E-A-T」には、次の3つの要素が含まれます。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
この「E-A-T」に「Experience(経験・体験)」の指標を加えた「E-E-A-T」の4要素を重要視することが、2022年12月にGoogleより発表されました。「Experience(経験・体験)」では、作成者がどれほどコンテンツに関する実体験や経験を持っているかを評価します。
つまり、「単に商品を紹介するコンテンツ」よりも、「商品を使った経験があるユーザーが紹介するコンテンツ」のほうが高く評価されるということです。今後は、インターネットなどの情報をまとめただけのコンテンツが評価されにくくなる可能性があります。
コミュニティ育成の重要性
消費者は情報収集だけではなく、コミュニケーションの手段としてインターネットを活用することが増えました。そのため、情報を提供することに加え、企業と消費者、消費者同士が交わり情報交換できるコミュニティを形成することの重要性が増しています。
消費者は、自分と同じコミュニティに属している企業や、同じ価値観をもつ企業から積極的に商品を購入する傾向にあります。コミュニティを形成して消費者からの共感を得られれば、顧客の囲い込みや売上向上につなげられるでしょう。
動画コンテンツの市場が拡大
コンテンツマーケティングのなかで今もっとも注目されているのが、動画コンテンツです。株式会社サイバーエージェントの調査によると、2022年時点の動画広告市場規模が5,601億円だったのに対し、2026年には1兆2,451億円に成長する見込みであることがわかっています。
YouTubeやTikTokの急速な普及をみても、動画市場が拡大していることは間違いないでしょう。動画広告はもちろん、自社ならではの動画コンテンツを配信することもマーケティング施策としては有効です。リソースがある企業は、積極的に取り組んでみるとよいでしょう。
音声コンテンツへの注目度が向上
動画コンテンツと同様に近年注目を集めているのが、音声コンテンツです。近年、誰でもラジオ配信ができる音声配信プラットフォームが次々にリリースされています。
また、SNS上で音声配信をする機能や、書籍などのコンテンツを音声で提供するサービスも注目されています。音声コンテンツは、仕事や勉強、家事の合間に「ながら聞き」できる点が大きな強みです。今後は、独自の音声コンテンツを配信する企業が増えていくかもしれません。
クリエイターとのパートナーシップが重要
クリエイターとパートナーシップを結び、一丸となってコンテンツを作り上げることも重要です。特に、有名人が商品をPRするインフルエンサーマーケティングは強い訴求力があり、さまざまな企業で取り入れられています。クリエイターやインフルエンサーとの協業は、SNSマーケティングや動画マーケティング、ライブコマースとの相性が抜群です。
今後注目度が上がるマーケティング戦略にはクリエイターの存在が欠かせないので、今のうちからノウハウを蓄積しておくことがおすすめです。
わわわ、先のことも見据えると、勉強しなくちゃいけないことがたくさんありますね。なんだか、何から始めればいいかわからなくなっちゃいました。
少しずつ理解を深めて取り組んでいけば大丈夫だよ。そうだ、コンテンツマーケティングへの第一歩として、企業の成功事例もみておこうか。
はいっ、お願いします!
アイデアが面白い!コンテンツマーケティングの企業成功事例
ここでは、ユニークなコンテンツマーケティングに成功している企業の事例を3つ紹介します。
トヨタイムズ
トヨタイムズは、トヨタ自動車株式会社が運営するオウンドメディアです。ユニークなテレビCMでも知られており、実際にCMを見て興味を抱いた方も多いのではないでしょうか。
トヨタイムズは、テレビCMに加えてWebサイト、X(旧:Twitter)、YouTubeなど複数メディアでコンテンツを配信。ご当地キャラクターとのコラボレーションや自動車ファンに向けた情報発信、企業の取り組みなどさまざまなコンテンツを展開しています。
記事コンテンツと動画コンテンツをうまく組み合わせ、ユーザーを飽きさせないメディアの構築に成功しています。
北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店は、株式会社クラシコムが運営するECサイトのオウンドメディアです。商品情報はもちろん、役に立つミニコラムや動画コンテンツも配信しています。ショートドキュメンタリーやオリジナルドラマなど、独自性の高いコンテンツが盛りだくさん。
見ているだけで日常が豊かになるような、こだわりやアイデアが詰まった情報を提供しています。メディアの世界観を気に入り、ブランドのファンになるユーザーも少なくありません。
ラクスルマガジン
ラクスルマガジンは、ネット印刷を提供するラクスル株式会社が運営するオウンドメディアです。チラシ販促やサービスの活用事例など、実際の企業名を挙げながら成果につながる集客戦略について紹介しています。
集客に悩む企業にとって、具体的な事例や施策に関するコンテンツは大いに役立ちます。「うちもラクスルを使ったら集客が成功するかも」と思わせてくれる、魅力的なコンテンツが豊富です。
事例で挙げた企業みたいなステキなコンテンツを作り上げるには時間がかかるけど、得られる集客やブランディング効果は絶大なんだよ。
勉強になります……!僕も、今度からはコンテンツマーケティングを戦略に取り入れてみようと思います!先輩、ありがとうございましたっ!
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