潜在顧客とは、自社の商品やサービスをまだ認知していない、または自分が抱えている悩みやニーズに気づいていない顧客層のことです。
マーケティングの成功には、潜在顧客の獲得が欠かせません。
この記事では、潜在顧客と顕在顧客、見込み顧客の違いや獲得の流れをご紹介します。
今日の会議で、部長が「これからは潜在顧客の発掘に力を入れよう」って言っていたんですけど、潜在顧客ってどのような顧客のことなんですか?
潜在顧客は、まだ僕たちの商品やサービスを認知していない状態の顧客層のことだよ。
マーケティングを行ううえでとっても大切な顧客だから、今日は潜在顧客についてしっかりと学んでみようか!
潜在顧客の意味とは?
潜在顧客とは、まだ自社の商品やサービスを知らない顧客層、もしくは自分が抱えている悩みやニーズに気づいていない顧客層のことです。 課題を抱えつつもニーズがまだ顕在化していないため、こちらから適切なアプローチを行わなければ購買につながる可能性が低い点が特徴的です。
逆説的にいえば、潜在顧客にしっかりとアプローチしてニーズを自覚させられれば、自社の顧客になってくれる可能性が高くなります。
そのため、企業はさまざまなマーケティング施策で潜在顧客の不安や悩みを顕在化させ、自社商品やサービスにつなげることが大切なのです。
うちの会社でいうと、「なんとなく集客率が悪いな~と思いつつも、何が問題でどうやったら集客率をアップさせられるかわからない」というお客さんが潜在顧客に該当するかな。
なるほどぉ!そういったお客さんなら、Web集客やWebマーケティングをお手伝いするうちのサービスを知ってくれれば、利用してくれるかも!
ところで、潜在顧客と似ている言葉っていくつかありませんでしたっけ…?
潜在顧客と顕在顧客、見込み顧客の違い
潜在顧客と似ている言葉として、「顕在顧客」と「見込み顧客」の2つが挙げられます。 ここでは、それぞれの意味について学んでみましょう!
顕在顧客
顕在顧客とは、自社を認知していないものの、自分の課題やニーズを明確に理解している顧客層のことです。 課題やニーズがわかっているので、それを解決できる商品やサービスに高い関心を持っています。
そのため、抱えているニーズに応えられる商品やサービスを提供できることをアピールできれば、自社の実顧客になってくれる可能性が非常に高いのです。
見込み顧客(リード)
見込み顧客(リード)とは、自社の商品やサービスに興味を持っており、何らかのきっかけで実顧客になってくれる確度が高い顧客層のことです。 すでに自社に対して高い関心を持っているので、商品のメリットや独自性などをしっかりと伝えられれば、購入や契約につなげられる可能性は高いでしょう。
潜在顧客よりも顕在顧客、顕在顧客よりも見込み顧客のほうが購入・契約の可能性は高くなるよ。
ということは、顕在顧客や見込み顧客へのアプローチを重点的に行ったほうがいいのではないでしょうか?どうして部長は、潜在顧客の獲得に力を入れているんですか?
マーケティングで潜在顧客が重要な理由
契約確度の高さでいえば顕在顧客や見込み顧客のほうが高いため、「手間をかけて潜在顧客にアプローチするよりも、顕在顧客や見込み顧客に集中したほうがいいのではないか」と考える方も多いかもしれません。
しかし、マーケティングでは潜在顧客の獲得も非常に重要だと考えられています。 なぜなら、潜在顧客は顕在顧客や見込み顧客の何十倍も存在しているためです。
すべての顧客は、もともと潜在顧客から始まります。そこから顕在顧客になり、見込み顧客、実顧客、自社のファンへと育っていきます。 つまり無数に存在している潜在顧客を獲得できれば、顕在顧客や見込み顧客の数が大幅に増えて、売上拡大につながるのです。
顕在顧客や見込み顧客へのアプローチだけでは、獲得できるお客さんの数に限りがあるんだ。だから、数が多い潜在顧客から顕在顧客・見込み顧客へと育成していく必要があるんだよ。
たしかに……。うちの会社を知っている人より、知らないけどニーズを抱えている人のほうが多い気がします!
ところで、潜在顧客ってどうやってアプローチしたら顕在顧客になってくれるんですか?
潜在顧客へのアプローチ手法
潜在顧客を顕在顧客・見込み顧客に育成していくときは、さまざまなアプローチが有効です。
- インバウンドマーケティング
- アウトバウンドマーケティング
代表的な手法を2つご紹介します。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、ユーザーに自社を見つけてもらうことで潜在顧客を育成していくマーケティング手法です。 こちらから積極的に商品を売り込むのではなく、ユーザーのニーズを汲み取って発信することで、潜在顧客のニーズ顕在化や商品・サービスを見つけてもらうことを目指します。
代表的なインバウンドマーケティングの手法
- コンテンツマーケティング:自社メディア(オウンドメディア)などで有益な情報を発信する
- SEO:自社メディアが検索上位で表示されるようにさまざまな施策を実行する
- SNS:X(旧:Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSで有益な情報を発信する
- ホワイトペーパー:問題解決に役立つ情報を記載した資料を配布し、自社サービスにつなげる
アウトバウンドマーケティング
マスメディアやDM、テレアポや訪問などを通して潜在顧客にアプローチし、積極的に商品を売り込むマーケティング手法です。 こちらから積極的に商品を売り込む点が、インバウンドマーケティングと大きく異なります。
アウトバウンドマーケティングの手法
- テレアポ:ターゲットに電話し、現状の聞き出しなどを通じてアプローチ方法を探る
- メルマガ:有益な情報を掲載したメールを配信し、ニーズの顕在化や自社商品の認知向上を目指す
- DM:潜在顧客に対してパンフレットやチラシを送付して認知向上を目指す
- Web広告:ターゲットの行動や興味に合わせた広告を表示し、ニーズを顕在化する
- セミナーや展示会:多くの人が集まるセミナーに出展し、認知度を高める
潜在顧客へのアプローチ手法は紹介したとおりなんだけど、潜在顧客をしっかりと獲得するためには正しい手順で働きかける必要があるんだよ。
え?単にテレアポしたりSNSで発信したりするだけではダメなんですか?
実はそうなんだよ。次は、潜在顧客を獲得するときの流れを紹介するね。ト
潜在顧客を獲得する流れ
潜在顧客を効果的に獲得する流れは、以下のとおりです。
- 潜在顧客を見つける
- 潜在顧客との接点を持つ
- 潜在顧客にアプローチする
- 顕在顧客・見込み顧客へ育成する
各ステップの詳細を解説します。
潜在顧客を見つける
潜在顧客は、まだニーズが顕在化していなくて自社を知らない人たちなので、こちらから探し出さない限り接点を持つことはできません。 そのため、まずはどのような人が潜在顧客なのかを分析して見つけ出す必要があります。 潜在顧客を探し出すときは、以下の2つの作業をしてみましょう。
STP分析
市場の細分化(セグメンテーション)、狙う市場の決定(ターゲティング)、ターゲティングした市場の中における自社の立ち位置を決定する(ポジショニング)ためのフレームワークです。
「自社の顧客がどのような市場にニーズを持っているのか」「自社の独自性は何なのか」を分析し、顧客になってくれそうな人物像を考えてみましょう。
ペルソナの設定
STP分析で導き出した人物像をもとに、潜在顧客になり得る架空の顧客像(ペルソナ)を作成します。 年齢や性別、職業、地域といった属性情報だけではなく、趣味嗜好やライフスタイル、家族構成など、できるだけ具体的に作成することが大切です。
潜在顧客との接点を持つ
自社にとっての潜在顧客を定義できたら、実際に潜在顧客と接点を持つためにアプローチしましょう。 このとき、潜在顧客の行動を予測して施策に反映することが大切です。
たとえば「50代の主婦」をターゲットにする場合、若者向けのSNSで発信するよりも、ニュースメディアやレシピサイトに広告を出稿したほうが効果的かもしれません。 このように、設定した潜在顧客のペルソナによって最適な接点の持ち方は変わります。
潜在顧客にアプローチする
潜在顧客と接点を持てたら、より興味関心を引き出すためにアプローチをしましょう。 潜在顧客の属性や興味関心に合わせてアプローチ方法を変えることが非常に重要です。
また、アプローチの際は、顧客の情報を引き出す工夫をしてみましょう。 顧客のメールアドレスや属性などを蓄積できれば、より効果の高い次のアプローチへステップアップできるためです。
「サンプルプレゼント」「抽選への参加」といったキャンペーンの開催、セミナーなどへの申し込みなどを通して、情報を入力してもらう手法が一般的です。
顕在顧客・見込み顧客へ育成する
潜在顧客と接点を持って適切なアプローチを続ければ、どこかのタイミングで顕在顧客・見込み顧客に成長してくれるはずです。 潜在顧客から次のフェーズに転換したタイミングで自社商品やサービスにつなげられれば、購入してもらえる可能性は高くなるでしょう。
ただし、人の力だけですべての顧客を管理し、購入確度を判断することは難しいものです。 マーケティング活動を自動化できるMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用し、効率的に顧客を育成することがおすすめです。
どんな人が潜在顧客になってくれるのかを分析して、それに合わせてアプローチ方法を考える必要があるんですね!
そうそう。やみくもに「Webマーケティングやりますよ!」っていろんな人に営業かけても、ニーズが顕在化していない潜在顧客には刺さらないからね。
ほかにも、潜在顧客の獲得を成功させるためのコツは存在しているんだよ。
潜在顧客の獲得を成功させるコツ
潜在顧客の獲得を目指すときは、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 一人ひとりにあったアプローチをする
- 効果測定をする
- マーケティングツールを活用する
各ポイントを解説します。
一人ひとりにあったアプローチをする
ニーズが多様化し、商品やサービスが市場にあふれかえっている近年。 単に良い商品を開発して宣伝するだけでは、自社製品を消費者に選んでもらうことは難しくなってきました。 そんな近年の市場において差別化のために必要なのが、「One to Oneマーケティング」です。
「One to Oneマーケティング」は、お客さま一人ひとりの興味・関心や行動に合わせて、個別でコミュニケーションを取る手法です。
「この人はECサイトに来てくれたから、閲覧していた商品に似ている商品のクーポンを配布しよう」 「この人はSNSをフォローしてくれたから、コメントを残してコミュニケーションを取ろう」
上記のように、潜在顧客一人ひとりに適したアプローチはまったく異なります。 すべての潜在顧客に同じアプローチをしても十分な効果は得られないので、アプローチのパーソナライズ化を意識してみてください。
効果測定をする
いくらアプローチを繰り返しても、反応がなければ意味がありません。 実施した施策に関しては定期的に効果測定を行い、より効果的なアプローチ方法を探し出すヒントとして活用しましょう。
今行っているアプローチ方法では効果がないのであれば、ほかの方向からアプローチする必要があります。 いろいろな施策が打てるように、多彩なコンテンツを用意しておくことが大切です。
マーケティングツールを活用する
「One to Oneマーケティング」や効果測定、多彩なアプローチを実施するためには、多大な時間と労力が必要になります。 施策をすべて人が行なうことは無理なので、マーケティングツールを活用することがおすすめです。
マーケティングツールの種類
- MAツール:見込み顧客(リード)を管理したり育成したりするときに活用するツール
- ABM:リードの管理やそれぞれに適したアプローチを実施してくれるツール
- SFA:顧客の情報や商談の進捗を一元管理できる営業支援システム
- CRM:お客さまの基本的な情報や属性を管理し、顧客との関係性をマネジメントするためのツール
このなかで潜在顧客の獲得や育成に役立つのは、MAツールです。 また、潜在顧客を定義する際は、自社の顧客を分析できるCRMが役立ちます。 ぜひツールを活用しながら、潜在顧客を効率的に獲得してみてください。
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WRITING 執筆
LIFT編集部
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