マーケ用語集 GLOSSARY LIST
あ
IoT(アイ-オー-ティー)
「IoT(Internet of Things)」とは、さまざまなモノがインターネット経由で通信することを指します。日本語に直すと「モノのインターネット」という意味を持っており、従来はインターネットに接続されていなかったモノをサーバーやクラウドサービスに接続して、相互で情報を交換できるようにする仕組みです。
今までは、パソコンやスマートフォンなどのIT端末しかインターネットに接続されていませんでした。IoTの普及によって、スマートスピーカーやテレビ、車や工場の機械などあらゆるモノをインターネットに接続し、情報を収集・可視化して問題の解決や利便性の工場を目指すことが可能となるのです。
IoTでは、以下のようなことが実現できます。
- モノの操作:離れたモノをリモコンなどで遠隔操作する
- モノの状態を確認:センサーにデータを蓄積して、機械などの状態を収集する
- モノ同士の対話:任意のモノ同士でデータを送受信して連携する
IoTが浸透していけば、たとえばスマートフォンからの家電操作や遠隔医療の実施、生産や物流ラインの無人化、自動運転や交通状況の正確な把握などを実現することができます。
すでに、IoTは私たちの日常生活やビジネスに多くの影響を与えていますが、これから重要度が増して身近なものになっていくでしょう。
ちなみに、IoTの社会実装をするために欠かせない技術のひとつとして、現在「5G」が注目されているよ!5Gは、従来よりも高速・大容量・低遅延・多数同時接続が特長の次世代ネットワークのことなんだ。あわせて押さえておこうね!
AISAS(アイサス)
「AISAS」とは、顧客の購買行動プロセスを説明するためのフレームワークのひとつです。インターネットで得た情報をもと顧客が商品を購入するまでのプロセスを表しています。
「注意(Attention)」→「興味・関心(Interest)」→「検索(Search)」→「行動(Action)」→「共有(Share)」の頭文字です。それぞれのプロセスごとの詳細は、以下のとおりです。
- Attention:Web広告やSEO、SNSを通して顧客に商品やサービスを知ってもらう段階
- Interest:商品を知った見込み客が、商品に興味や関心を抱く段階
- Search:商品に興味を抱いた見込み客が、インターネットを使って商品を調べる段階
- Action:商品を検索・比較した見込み客が、購買に至る段階
- Share:商品を購買した顧客が、SNSで口コミやレビューを投稿してシェアする段階
このように、AISASはインターネットの普及により発展したフレームワークです。シェアしてもらう仕組みを作ることで、新たな注意や興味・関心を招くという好循環につながりやすいという利点があります。
なお、AISASにはBtoB商材が適しています。反対に日用品などは話題性に欠けるため、AISASには向いていません。自社商品がAISASに向いているかどうかをよく検討し、より拡散されやすい商材や仕組みを作ることが大切です。
消費者の行動を分析するときは、基本となる「AIDMA」や、インターネットでの購買行動を分析する「AISCEAS」なども活用できるよ。フレームワークは数多く存在しているから、必要なものを見極めよう!
ITP(アイ-ティー-ピー)
「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」とは、ユーザーのプライバシーを守るため、Apple製品のブラウザである「Safari」に搭載されたトラッキング防止機能のことです。
私たちがスマートフォンやパソコンを使ってWebサイトを訪問するときは、「Cookie」と呼ばれるシステムでユーザーの行動が一時的に記録されています。
記録されたCookieの情報は、ユーザーに行動や興味に適した広告を表示する「リマーケティング広告」などに使用されます。
たとえば、賃貸物件を探すために不動産サイトを訪問するとCookieにその記録が残り、不動産に関する広告ばかりが表示されるようになるのです。
ITPはこういったトラッキングを防止し、CookieやWebサイトにおける行動データの取得を制限する効果があります。
Cookie機能の制限は、ユーザーにとってはプライバシーが保護されるというメリットがありますが、事業者にとっては「リマーケティング広告の配信が制限される」「広告の効果測定ができなくなる」といったデメリットが生じてしまいます。
ITPと関係が深い「Cookie」と「リマーケティング広告」という言葉についても、しっかりとチェックしておこう!どちらも、Webマーケティングではとても重要な言葉だよ。
AIDMA(アイドマ)
「AIDMA」とは、消費者の購買決定プロセスを説明するためのフレームワークのひとつです。「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字を取った言葉です。それぞれのプロセスの詳細は、以下のとおりです。
- Attention:商品やサービスを認知する段階
- Interest:顧客が商品やサービスへ興味関心を抱く段階
- Desire:顧客が商品やサービスを手に入れたいと意欲を抱く段階
- Memory:顧客に商品を購入しようと思わせるためにリマインドする段階
- Action:商品を実際に購入する段階
AIDMAは、ペルソナの設定やマーケティング施策の立案に役立ちます。それぞれの段階ごとに顧客の購買プロセスを理解すれば、各プロセスで適切なアプローチの方法が見えてきます。
消費者の行動を分析するには、購入後のSNSのシェア行動までを分析する「AISAS」、インターネットで購買行動を取るときの行動を分析する「AISCES」などがあるよ。フレームワークは数多く存在しているから、必要なものを見極めて活用しよう!
IP(アイ-ピー)
「IP(Internet Protocol)」とは、複数の通信ネットワークを相互に接続し、ひとつの大きなネットワークを構築するときの通信規約(プロコトル)のひとつです。
プロコトルにはいくつかの種類がありますが、IPは「ネットワーク上の各機器にIPアドレス(住所のようなもの)を割り当て、それをもとにデータを送信する仕組み」のプロコトルを指します。
プロコトルをわかりやすく言い換えると、コンピューター同士の通信を行うときに必要なルールです。現在、市場にはさまざまなパソコンやサーバーが存在していますが、それぞれのメーカーや機種によって通信の規格やルールが異なってしまうと、スムーズに通信することができなくなってしまいます。
そこで、共通のルール(プロコトル)を用意しておくことで、あらゆる機器同士でもやり取りできるようにしているのです。なお、IPアドレスには以下の2つの種類があります。
- グローバルIPアドレス:全世界で通用するただひとつのアドレス
- プライベートIPアドレス:自宅や会社内のみで使用され、ほかのネットワークで重複する可能性があるアドレス
また、インターネットに接続するたびに新しいアドレスが割り振られる「動的(可変)IPアドレス」、常に同じアドレスが割り振られる「固定(不変)IPアドレス」といった割り振られ方の違いもあります。用途や料金が異なるため、機器ごとに最適なIPアドレスの種類や割り振り方を選ぶことが大切です。
プロコトルには、ほかにも「HTTP」や「HTTPS」、「FTP」などさまざまな種類があるみたいです…!たくさんあってややこしいですが、余裕がある人はぜひチェックしてみてくださいね!
アウトバウンド
「アウトバウンド」とは、「内から外」を意味する言葉です。もともとは、観光業界で「日本から海外に観光へ行くこと」を指していました。
マーケティングにおいては、マスメディアやDM、テレアポや訪問などを通して消費者にアプローチし、積極的に商品を売り込むアウトバウンド型マーケティングを意味します。
他方で、コンテンツやSNSなどの発信を通じて消費者に見つけてもらい、見込み顧客として育成するマーケティングを「インバウンドマーケティング」と呼びます。
情報を積極的に発信して消費者に直接訴えかけるのが「アウトバウンドマーケティング」、情報を発信して消費者が自発的に流入するように導くのが「インバウンドマーケティング」だと区別しておきましょう。
近年の消費者はアウトバウンドマーケティングを嫌う傾向にあから、ターゲット層に合わせて使い分けたり組み合わせたりすることが大切だよ。それぞれの手法や特徴についてしっかりと理解しておこう!
アクイジション
「アクイジション」とは、新規顧客を獲得するためのマーケティング手法を意味する言葉です。マーケティング手法そのものだけではなく、新規顧客を獲得するための経費やプロセスを意味する場合もあります。
受動的な顧客の獲得ではなく、能動的に自社のサービスや商品に興味を抱いている消費者を見つけ出し、購買につなげるための積極的なアプローチがポイントです。具体的には、以下のような施策が例として挙げられます。
- 展示会に参加して名刺交換と商品の紹介をする
- SNSで広告を打ち出す
- ユーザーにとって有意義な情報を発信し、興味を持ってもらう
- チラシをポスティングする
サービスを成長させるための思考フレームワークのひとつに、「AARRRモデル」というものがあります。AARRRモデルでは、コンバージョンにつながる施策を以下の5つのフローに分けて考えていきます。
- Acquisition(新規顧客の獲得)
- Activation(利用開始)
- Retention(継続利用)
- Referral(他ユーザーへの紹介)
- Revenue(収益の発生)
アクイジションはコンバージョンを目指すうえで重要となる最初のステップなのです。アクイジションは、広告の配信などすぐに効果が出る「短期的な施策」と、コンテンツの配信によるファン化などの「長期的な施策」の組み合わせが大切です。
顧客一人あたりの獲得コストを「CPA(Cost Per Acquisition)」と言うよ。CPAが低ければ低いほど、効率的に顧客を獲得できているということになるんだ。
アソシエーション分析
「アソシエーション分析」とは、顧客が商品を購入するときの購入パターンや履歴を分析し、商品の売れ行きについて関連性を導き出すマーケティングのデータ分析手法です。
アソシエーション分析を行えば顧客が将来的に行う購買行動を導き出せるため、効果的な訴求方法が見えてきます。アソシエーション分析では、たとえば以下のようなことがわかります。
- 商品Aと商品Bを一緒に購入することが多い
- Aのような条件の場合、商品Bと関連カテゴリCの商品が一緒に売れる
上記のように分析で得られる相関関係は、「アソシエーションルール」と呼ばれます。なお、分析は「マシーンラーニングモデル」という形式を用いて行われます。
「IF(仮に~なら)」「THEN(こうなる)」という2つのパートが重要視されており、以下の3つの指標を使用することが一般的です。
- 支持度(Support):Aを購入した顧客のうち、一緒にBを購入した顧客を確率として算出した値
- 確信度(Confidence):AとBの購入が同時に発生する割合を表した値
- リフト値(Lift):AがBの購入率をどれほど持ち上げるのかを表した値
アソシエーション分析は、顧客が購入しようとする商品の上位モデルを提案する「アップセル」や、関連商品を提案する「クロスセル」に役立ち、売上の向上に貢献してくれます
アソシエーション分析の手法のひとつとして、顧客の購入履歴から消費行動の法則性を見出す分析手法である「バスケット分析」があるよ。アソシエーション分析は小売業以外でも利用されるけど、バスケット分析は購買行動のみに対して行なわれるんだ。
アップセル
「アップセル」とは、顧客が購入した商品よりも高額な上位モデルの商品を勧めるマーケティング手法です。顧客あたりの単価向上を狙えるため、より収益の向上を目指せます。以下のような営業がアップセルに該当します。
- クレジットカードの一般カードからゴールドカードへのアップグレードを勧める
- パソコンの購入時にメモリが多い上位モデルを提案する
従来のマーケティングでは、顧客数の増加が重要でした。しかし、近年は顧客と良好な関係を構築して長く付き合うことで、将来的な純利益貢献(LTV:ライフタイムバリュー)を高める考え方が主流になってきています。
そのため顧客の数よりも質を重視し、一人ひとりに最良の提案をするアップセルで売上を伸ばすやり方が重視されるようになりました。
しかし、顧客との信頼関係がないと、アップセルは「ゴリ押し」「押し売り」と判断されてしまう危険性があります。アップセルを成功させるには、リードナーチャリングなどを通して顧客とコミュニケーションをとることが非常に重要です。
アップセルとセットで使われることが多い言葉として、「クロスセル」というものがあるよ。クロスセルは、購入が決まった商品以外の商品や関連商品を勧めるマーケティング手法なんだ。こっちもしっかりと覚えておこうね!
アトリビューション
「アトリビューション」とは、マーケティングの成果を測定する際、成果に直接つながった接点だけではなく、成果に至るまでに通過した広告やメディアなどの貢献度を分析・評価することです。日本語で間接効果と呼ばれることもあります。
消費者は、商品の購入に至るまでに多くの広告と接点を持ちます。たとえばECサイトでパソコンを購入した消費者が、たまたま訪れた外部サイトの広告で見かけたパソコンに興味を持ち、比較サイトでほかの商品と比較し、自社のECサイトで購入に至ったとしましょう。
このように、消費者は購入までにさまざまな接点や道のりを経ており、どの接点が意思決定により貢献していたのかを判断することは難しいものです。しかし、広告の効果を高めるためにはそれぞれの接点の貢献度を可視化して評価し、注力すべき広告媒体を見極めることが欠かせません。
効果的なマーケティングを行うためには、成果だけではなく要因についても考えることで、よりコンバージョンにつながりやすい流入経路を明確化し、最適なコンテンツの配信やコストの分配を行うことが肝心なのです。なお、アトリビューションには基本的な5つのモデルがあります。
- ラストクリック:成果に結びついた最後の接点に貢献度合いを100%割り当てる
- ファーストクリック:成果に結びついた最初の接点に貢献度合いを100%割り当てる
- 線形:成果に結びついた消費者が接点を持ったすべての広告へ貢献度合いを均等に割り当てる
- 接点ベース:最初と最後の接点の比重を重くして、すべての広告へ貢献度合いを均等に割り当てる
- 減衰:最後の接点の比重を最も重くして、最初の接点に向かうにつれ評価の割合が小さくなるように割り当てる
アトリビューションを行わないままマーケティングを実施してしまうと、顧客とのコミュニケーションに歪みが生じたり、適切な施策を実施できなかったりすることもあるため注意が必要です。
近年は、GoogleアナリティクスやGoogle Adwordsなどでもアトリビューションを確認することができるようになったので、気軽に活用してみてもいいでしょう。
ちなみに、アトリビューションを効果的に行いたいのであれば、ビジネスの結果を蓄積できる「MA」の導入がおすすめだよ!ツールによっては人力では難しい分析も可能で、施策の自動化によってより効果的なマーケティングが行えるんだ。
アドイン/アドオン
「アドイン/アドオン」とは、アプリケーションの機能を追加するために作成されたソフトウェアやそのための操作です。
アドインは「すでに搭載されている機能を使えるように追加する」という意味で、一例としてExcelに標準搭載されている分析機能を有効にすることが挙げられます。
対してアドオンは、「外部から機能を追加・インストールする」という意味で、Chromeの拡張機能が一例として挙げられます。それぞれには若干のニュアンスの違いがありますが、同じ意味で使う人も多いです。
シンプルな標準機能を搭載したソフトウェアに対し、一部のユーザーが必要な機能やデザインをアドオン(アドイン)することで、カスタマイズ性や使い勝手のよさが格段に向上します。ソフトウェアの提供・開発者のみならず、個人が拡張機能を開発して配布することもよくあります。
ちなみに、WordPressなどで使える「プラグイン」という機能も、アドオンの一種だよ。それぞれの語句を区別する必要があるシーンはそんなにないから、まとめて「拡張機能」と覚えておけば大丈夫!
アドネットワーク
「アドネットワーク」とは、複数の広告媒体を集めて広告配信ネットワークを作り、その媒体にまとめて広告を配信する仕組みです。
広告主が出稿した広告はアドサーバーと呼ばれる場所を経由し、アドネットワークの傘下にある各媒体へ一度に掲載されます。
つまり、広告主はアドネットワークに出稿することで、広告を複数のメディアに掲載できるようになるのです。アドネットワークの具体例には、以下のようなものがあります。
- GDN(Googleディスプレイネットワーク)
- YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)
- Facebook Audience Network
- nend(ネンド)
従来は広告を掲載する媒体ごとに出稿の依頼や金額の交渉などをする必要がありましたが、アドネットワークを通すことで効率よく広告を打ち出せます。また、アドネットワークが広告の効果を測定してレポートを作成してくれる点も大きなメリットです。
ただし、事業やターゲットにマッチしないメディアに広告が掲載されるデメリットもあります。企業のブランディングによっては適さない場合もあるため、注意しましょう。
アドネットワークや広告媒体を個別に管理し、広告効果を最適化するツールに「DSP」というものがあるよ。アドネットワークと混同されやすいけど、DSPはあくまでツールだから広告枠を持っていないよ。しっかりと区別しておこう!
Adobe Analytics
「Adobe Analytics」とは、マーケティング関連の機能に特化したツールである「Adobe Experience Cloud」に含まれているアクセス解析ツールです。Google Analyticsと同様にWebサイトへのアクセスを測定でき、広告効果の測定やSEO施策を講ずるときに役立ってくれます。
Adobe Analyticsの強みは、Adobeツールとの連携のしやすさと測定精度の高さです。また、レポート機能が非常に充実している点、メールやアプリケーションなどマルチチャネルのデータを収集できる点も特徴的でしょう。
20年間分析ノウハウを蓄積してきたAdobeの技術を活かし、人工知能や機械学習などを活用しながら行う高度な分析を得意としています。
ただし、カスタマイズ性が高いため、ある程度システムについての知識がないと活用しにくいというデメリットがあります。
手軽さを求めるのであれば、Google Analyticsのほうが向いているかもしれません。また、Adobe Analyticsは有料、Google Analyticsは無料です。
「Google関連のツールをよく使う」「手軽に使えるツールがいい」というときはGoogle Analytics、「Adobe関連のツールをよく使う」「より高度な分析をしたい」というときはAdobe Analyticsが向いています。
Adobe Analyticsは高度知識を要するツールなので、導入後に企業やサイトに向けた講習を受けることも可能だよ。ただし講習は有料だから、希望するときは注意しようね!
アドボカシーマーケティング
「アドボカシーマーケティング」とは、企業やブランドを支援・擁護してくれる顧客と信頼関係を構築するために、お客さま目線のサービスを提供するマーケティング手法のことです。
アドボカシー(Advocacy)は、「支援」や「擁護」といった意味を持つ言葉です。熱狂的な顧客を獲得することで、長期的に選び続けてもらえる企業やブランドを目指せます。
支援者となってくれた顧客は商品を買ってくれるだけではなく、商品を知人に勧めたり、インターネットでの口コミで発信を行ったりして貢献してくれます。
そのためアドボカシーマーケティングは、IT技術が発展して情報収集しやすくなった現代の市場において、とても大切な考え方なのです。
支援者や擁護者を集めるためには、単に商品を安く売ったり、目先の利益を追求したりする施策だけでは不十分です。長期的な関係性を築くためには、顧客のためになることを追求し、厳しい意見への対応や消費者のニーズを満たせるサービスの提供などに取り組むことが欠かせません。
たとえ一時的に企業の不利益となる施策であっても、顧客の目線に立って誠実かつ信頼を獲得できる対応をすることが、アドボカシーマーケティングにおいては重要となります。
アドボカシーマーケティングの重要性が高まったのは、現在の市場が「企業主導」から「顧客主導」になってきているからなんだ。支援者になってくれた顧客は、情報発信を通して企業とともにマーケティングを行う重要な存在になってくれるよ。
アフィリエイト
「アフィリエイト」とは、インターネットを活用した広告プログラムのひとつです。 Webサイトの管理者が自分のメディアでサービスを紹介し、そのページを訪問したユーザーによるサービス購入で報酬が発生する、成果報酬型の広告です。
自分のブログで旅行サイトを運営していて、ほかのユーザーが掲載されているリンクから旅行を申し込んだ場合、管理者は成果に応じた報酬が得られます。また、 アフィリエイトは 以下の4者によって成り立っています。
- 広告料を支払う「広告主」
- 広告を掲載する「Webサイト」
- 広告主とWebサイトをつなぐ「ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)」
- Webサイトを訪問する「ユーザー」
一般的に、広告の掲載申請や報酬の支払いはASPを通して行われます。
※略語:アフィ、アフィリ
「アフィリエイト」広告を自分のメディアに掲載している管理人を「アフィリエイター」と呼ぶよ。自分が管理するブログなどのメディアはもちろん、TwitterやInstagramを活用したアフィリエイトも増えてきているんだ。
アルゴリズム
「アルゴリズム」とは、一般的には数学やプログラミングで問題や課題を解決に導くためのプロセスを指します。マーケティングにおいては、検索エンジンがさまざまな指標を用いて検索順位を決定するためのルールやロジックを指します。
検索結果を左右するアルゴリズムの指標は200以上あると言われていますが、公平性を保つために公開はされていません。、一部わかっているルールもあるため、そのルールに対する対策を行って上位表示を目指すことを「SEO」と言います。検索エンジンのアルゴリズムに影響を与える要素は、大きく分けると以下の2つに分類できます。
- クエリ依存型要素:ユーザーが入力したキーワードや関連情報、地理的情報や個人情報
- クエリ非依存型要素:サイトに集まっているリンクなどの情報
検索エンジンのアルゴリズムは頻繁にアップデートされており、順位は絶えず変動しています。Web制作担当者はアルゴリズムの変動を分析し、アップデートに対応できるサイト作りが重要です。
Googleは、ユーザーにとって質のいいサイトが上位表示されるように日々アップデートしているんだ。つまり上位表示を目指すためには、検索エンジンではなくユーザーの利便性を最優先にすることが大切なんだ。
アロケーション
「アロケーション」とは、プログラムが起動するとき、そのプログラムに必要となるメモリ領域をOSが確保することを意味します。
「メモリアロケーション」と呼ばれることもありますが、もともとは資源などの適切な割り当てを意味する言葉でした。アロケーションには以下の2つの種類があります。
- 静的メモリアロケーション:実行時に固定的に領域を確保して、終了するまで開放しない方式
- 動的メモリアロケーション:実行時に必要な容量を伝え、不要になったら開放する方式
プロセッサの中に存在する記憶装置であるレジスタに割り当てることを「レジスタアロケーション」と呼んだり、IPアドレスの割当などをアロケーションと呼ぶこともあります。「割り当て」という意味で柔軟に使われる場合もあるため、文脈に合わせて柔軟に判断しましょう。
アロケーションの意味を理解するためには、OSやメモリという言葉についてもしっかりと理解しておく必要があるよ。せっかくだから、あわせてチェックしておこうね!
アーカイブ
「アーカイブ」は、「保存記録・公文書」という意味の英単語で、IT領域ではデータを長期保存するためにファイルやデータをひとつにまとめることを意味しています。
複数のデータをまとめて圧縮・保存する場所や圧縮したデータそのもの、記録形式を指すこともあります。アーカイブを行う目的は、主に以下の2つです。
- メールや電子文書など、削除したくないが利用頻度の低いデータを長期保管するため
- データを圧縮保存し、容量を減らしたり整理したりするため
アーカイブデータはいつでも元に戻せるため、必要なときは復元すれば再度閲覧できます。データをアーカイブしておくことで、ファイルの管理をしやすくなったり保存や送信にかかるデータ量を抑えたりする効果が得られます。
アーカイブに使うファイル圧縮ソフトは「アーカイバー」と呼ばれ、希望に応じてzipやCABといったさまざまなファイル形式に変換することが可能です。
最近は身近なツールにもアーカイブ機能が搭載され、GmailやInstagramでも利用できるようになってきました。この機能を使えばメールや投稿などを削除することなく別の場所に保存できるため、データを整理したいときに役立ちます。
アーカイブは「バックアップ」という言葉と間違えやすいから注意しよう!バックアップとは、重要なデータをコピーしておき、破損や消失に備えることを意味するよ。目的が大きく違うから、しっかりと区別しておこう!
ARPU(アープ)
「ARPU(Average Revenue Per User)」とは、ユーザー1人あたりの平均売上額です。サブスクリプションや通信事業など、毎月課金を行うサービスで用いられることが多い指標で、「ARPU(円)=収益÷ユーザー数」の計算式で算出されます。ユーザー数には非課金ユーザーも含まれます。
例えば、月間の売上が500万円のサービスにおいて総ユーザー数が500人の場合、「ARPU(円)=5,000万円÷500人=1万円」ということになるわけです。ARPUを計算すれば、顧客1人あたりの平均売上が算出でき、事業の売上規模が把握できるようになります。
顧客1人あたりの売上を伸ばせば事業規模を拡大できるため、ARPUが重要な指標だと考えられているのです。ARPUを向上するためには、購入頻度を向上させることや上位モデルをおすすめする「アップセル」、関連商品をおすすめする「クロスセル」などが有効です。
どの施策を行うにせよ、顧客満足度が高い状態でないと効果が薄いので、まずはお客様に満足してもらえるサービスの提供が基本となります。
類義語として、「ARPPU」という用語も押さえておこう!ARPUと似ているんだけど、有料ユーザー1人あたりの平均売上を指すんだ。無料ユーザーと有料ユーザーを区別したいソーシャルゲームなどでよく用いられる指標だよ!
RFM分析(アール-エフ-エム-ブンセキ)
「RFM分析」とは、顧客を分析するための手法の一つです。購買行動によって顧客をグループ分けして可視化することで、それぞれの特性に合ったマーケティング施策を実行できるようになるという効果があります。RFM分析では、以下の3つの指標を用いて顧客分析を行います。
- Recency(最終購入日):最後に商品を購入したかを抽出し、直近ほど高く顧客をランク付け
- Frequency(購入頻度):購入頻度を抽出し、購入頻度が高さから顧客のランク付けや満足度の把握
- Monetary(購入金額):購入履歴を分析し、総額が大きいほど高く顧客をランク付け
上記の指標で顧客を「優良顧客」「非優良顧客」「新規顧客」「安定顧客」「離反顧客」といったグループに分けられれば、顧客にとって最適なタイミングやニーズに合わせたアプローチをすることが可能となります。
また、すべてのランクが低い顧客は購入につながる可能性が低いため、マーケティング対象から外すことでムダなアプローチを省くという選択肢も見えてきます。
ただし、RFM分析は購入頻度の低い高額な商品の分析には向いていません。購入される商品の特性や購買心理については考慮されない点にも注意が必要です。RFM分析を活用する際は商品の特性を考慮しつつ、顧客心理なども総合的に踏まえながらマーケティング施策を考案することが非常に大切です。
RFM分析は多くのデータと手間がかかるから、人力で行うことは難しいよ。MAやCRMといったツールを上手く利用しながら分析すると、コストも時間も抑えることができるから、ぜひ活用してみてね!
ROI(アール-オー-アイ)
「ROI(Return On Investment)」は、投資した費用に対してどれほど利益が発生したのかを計測する指標です。広告やマーケティングの効果など、支払いが発生する施策の費用対効果を数値化したものです。
ROIが高いほど、少ない投資額で効果が高くて効率的な施策が打ち出せているということになります。なお、ROIは「利益金額÷投資金額×100(%)」で算出できます。
たとえば、売上が1,000万円、原価が300万円、投資額が200万円だった場合、利益は「1,000万円-300万円-200万円=500万円」となり、ROIは「500万円÷200万円×100=250%」ということになるわけです。
投資額以上の利益が発生している場合は、100%よりも高い数値が算出されます。このようにROIを求めると、「施策が成功しているのか」「価値があるのかどうか」を客観的な数値で判断できるようになります。
ROIを計算するときは、目標とする数値や利益の設定、どこまでを投資額に含めるのかを明らかにしておくことが大切です。広告の掲載やメール配信、セミナー開催など、施策ごとにROIを算出して効果測定や改善策を講ずることが、マーケティング効果を高めるコツです。
ROIと似た言葉として「ROAS」というものがあるよ。どちらも広告費用の回収率を意味しているんだけど、ROIは「投資に対する利益」、ROASは「売上効果」を示すものなんだ。どちらも、数字が大きいほど施策が成功しているということになるよ!
RTB(アール-ティー-ビー)
「RTB(Real-Time Bidding)」とは、オンライン広告を入札するための仕組みのひとつです。オンライン広告の取引市場において、広告枠に対して1インプレッションが発生するごとに、リアルタイムで広告枠を売買する入札方式です。
この際、もっとも高い金額で入札をした購入者の広告が表示されます。ベースとなっているのは、一般的なオークション形式の広告入札です。それをリアルタイムで行うのが、RTBです。
たとえばとあるメディアの広告枠が販売されており、A社が300円、B社が250円、C社が200円の価格を提示したとき、もっとも高い入札価格を提示したA社の広告が表示されます。入札結果はスピーディーに確認でき、広告もタイムラグなしで配信されます。
RTBではインプレッション単位で入札が行なわれるため、不要な広告費を減らせるところがメリットです。広告主とメディアがリアルタイムでつながることで、広告主はより最適な広告の配信が可能となり、メディアは最高額の収益が得られるようになり、ユーザーは有益な情報を閲覧できるようになります。
ちなみに、RTBでは最低入札額(フロアプライス)を設定することができるんだ。広告主はこの価格以上の金額で入札しないと、そもそもオークションに参加できないよ。
RPA(アール-ピー-エー)
RPAとはロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)の略称です。RPAは従来、人間のみが対応可能とされていた作業や、より高度な作業を人に代わって実施できます。RPAで活用される技術は次のとおりです。
- ルールエンジン
- AI
- 機械学習を含む認知技術
RPAは上記の技術を駆使し、人に代わり、生産性の上昇を大きくサポートします。
また、全世界では2025年までに事務的業務の1/3の仕事がRPAに置き換わると言われています。特に、日本国内では、少子高齢化による労働人口の減少が大きな課題のひとつです。RPAは、労働人口減少の直接的な解決策としても、大きな期待を集めています。
昨今の情勢やDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れに合わせて、RPA関連の市場は拡大中です。「面倒な作業はすべてロボット」このような未来も決して、遠くないのかもしれません。
例えば、クラウド型RPA「AUTORO(オートロ)」では、日々の単純作業をノーコードで誰でも簡単に自動化できるよ。手軽にRPAツールを導入したい人はぜひ、チェックしてみてね。
アーンドメディア
「アーンドメディア」とは、SNSなどを通して第三者によって情報が発信される外部メディアです。一般的には、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSと同義の言葉として扱われています。
自社が提供したコンテンツの評判やユーザーと構築した信頼によって獲得したメディア上の認知と言えるため、「獲得」を意味するアーンドという名称がついています。
アーンドメディアはユーザーの意見が自由に表現されるため、消費者からの信頼度が非常に高い点が特徴です。コストを掛けずに多くのユーザーに効果的な情報を届けることができるというメリットがある反面、拡散される情報をコントロールできないというデメリットもあります。
良い情報だけではなく悪い情報も拡散されやすいですが、興味を持ってくれる層への露出が増えれば、ターゲティング広告に匹敵する効果を得られるでしょう。
ちなみに、今回紹介した「アーンドメディア」とお金で購入できる広告枠である「ペイドメディア」、自社が運営する「オウンドメディア」は、3つ合わせてトリプルメディアと呼ばれているよ。これらを組み合わせることで、効果の高いマーケティングが目指せるんだ。
い
IaaS(イアース/アイアース)
「IaaS(Infrastructure as a Service)」とは、仮想化技術を活用して、CPUやメモリなどのハードウェアリソースをインターネット経由で提供するサービスです。従来はシステムを構築するときに、サーバーやハードウェアを自社で購入し、運用やメンテナンスをする必要がありました。
IaaSを導入すれば、自社でサーバーなどのハードウェアを保有していなくても、インターネット上で必要なだけサーバーやストレージなどの利用が可能となります。リソース構成はユーザーが自由に選択でき、そのリソース上にアプリケーションの構築が可能です。
ストレージや演算機能を含む基礎的コンピューティングリソースが提供されるため、自社でミドルウェアを導入してからアプリケーションを実装する必要があります。SaaSやPaaSよりも自由度が高いぶん、専門的な知識が必要になる点に注意しましょう。
IaaSと似た言葉に、「SaaS」と「PaaS」というものがあるよ。SaaSはアプリケーションまでを含むソフトウエアを提供するもの、PaaSはミドルウェアまでを含むプラットフォームを提供するものだよ。まぎらわしいけど、区別しておこう!
1:5の法則
「1:5の法則」とは、新規の顧客を1人獲得するためには、既存顧客に販売するときの5倍ものコストがかかるという法則です。新規顧客の獲得は非常に重要ですが、コストがかかるうえに利益率が低い傾向にあります。
そのため、マーケティングの際は新規顧客獲得以上に既存顧客の維持が肝心であると考えられているのです。たとえば、新規顧客の獲得には広告の出稿やアウトバウンド営業、展示会への出展などが必要になります。これらの活動には当然コストがかかりますが、成約につながる顧客は一握りです。
それに対し、既存顧客は一度商品やサービスを購入しているため、再購入の心理的抵抗感が低くリピートしてもらいやすいという特長があります。
中長期的に商品を購入し続ける生涯顧客の育成を目指したいときは、既存顧客のロイヤルティを高める施策が非常に大切です。
ただし、新規顧客を獲得しなければ企業の利益拡大は難しいでしょう。マーケティング成果を得るためには、どちらからに偏るのではなく新規顧客と既存顧客の両方にバランスの取れたアプローチが欠かせません。
ちなみに、関連する法則として「5:25」の法則というものもあるよ。この法則は、顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善されるという法則なんだ。マーケティングの基本となる考え方だから、しっかりと押さえておこうね。
インサイドセールス
「インサイドセールス」とは、社内で行う非対面の営業活動を指します。メールや電話、ダイレクトメールなどでターゲットや顧客とコミュニケーションを取り、商談の獲得や関係性の強化を目指していく手法です。「内勤営業」や「リモートセールス」と呼ばれる場合もあります。
もともとは国土が広くて訪問営業が難しいアメリカで生まれた手法で、見込み客とのコンタクトから契約、アフターフォローまですべて非対面で行うことを指していました。
日本では、獲得した見込み客とコミュニケーションを取りながら顧客の育成やアポイントの獲得を目指すためにインサイドセールスを行うケースが多く、実際の商談や契約などは従来の訪問営業(フィールドセールス)に引き継ぐことが多くなっています。
この方法であれば移動の手間を最小限に抑えられるため、短時間で効率的な営業が可能となります。情報収集が容易になった影響で、近年の購買活動は消費者主導のものになりました。
従来の訪問して売り込むスタイルのフィールドセールスでは、不信感を抱かれたり「押し売りだ」と思われたりするリスクが高まりつつあるため、コミュニケーションを取りながら購買意欲を高めるインサイドセールスに注目が集まっているのです。
インサイドセールスは効率的かつ成約率が高いうえ、少人数でも効果的な営業活動ができるというメリットがあります。ただし、対面営業を好む企業もまだまだ多いため、取引先に応じた使い分けが大切です。
どこまでの業務をインサイドセールスで行うべきかは、企業や商材によって異なるよ。一般的に潜在顧客を育成するためにインサイドセールスが効果的だと言われているんだ。潜在顧客の育成を「リードナーチャリング」と呼ぶよ。
インスタントウィン
「インスタントウィン」とは、SNSのフォロワーを獲得するために行われるキャンペーン施策です。具体的には、その場で当選結果がわかる懸賞機能システムを指します。インスタントウィンを行うと、消費者の購買促進につながり、拡散力の向上が可能です。
店頭で「公式LINEを追加すると、商品が当たります」と案内された経験がある方は多いでしょう。フォローや拡散といった条件を満たしたユーザーに対してキャンペーンの当選結果を知らせるのが、インスタントウィンなのです。インスタントウィンには以下の3つの種類があります。
- フォロー&リツイート
- QRコードやシリアルコードの読み込み
- レシート画像のアップロード
インスタントウィンは短期間でフォロワーを増加させて、商品を効果的に宣伝できるメリットがあります。ただし、景品表示法やSNSの利用規約に違反してしまう恐れもあるため、適切な運用が大切です。
インスタントウィンを行うときは、ツールを利用することが一般的だよ!ツールの導入だけであれば5万円程度でスタートできることもあるから、コストを抑えつつ効率的にフォロワーの獲得が目指せるんだ。
インバウンドマーケティング
「インバウンドマーケティング」とは、WebサイトやSNSで有益なコンテンツを発信し、ユーザーに自社を見つけてもらい見込み客を育成し、購買を目指すマーケティング手法です。
従来の顧客を見つけて追いかける手法とは異なり、ユーザーのニーズを汲み取って発信することで商品やサービスを見つけてもらい、支援しつつ購買につなげる点が特徴です。インバウンドマーケティングを実践するときは以下の3つのステップが重要になります。
- Attract(惹きつける):有益なコンテンツやコミュニケーションを通してユーザーを惹きつける
- Engaged(信頼の構築):ユーザーの課題に対する解決策の提供で信頼関係を構築する
- Delight(満足):サービスや商品の提供でユーザーの目標達成をサポートする
インバウンドマーケティングで必要となるコンテンツの作成や分析、運用は非常に手間とコストがかかるものですが、コンテンツが資産として蓄積される点が大きなメリットです。購入意欲が高いユーザーを獲得しやすく、ブランドのイメージ向上効果や高い費用対効果が得られます。
営業マンの訪問やDMの送付による商品の売り込みを「アウトバウンドマーケティング」と言うよ。近年は、アウトバウンドマーケティングに対する抵抗感が高まってきているから、インバウンドマーケティングが重視されるようになったんだ。
インバウンド
「インバウンド」とは、「外から内」を意味する言葉です。もともとは、観光業界で「外国人の日本への観光」を「インバウンド」と表現していました。
マーケティングにおいては、Webサイトやブログなどを通して役立つコンテンツを発信し、ユーザーに見つけてもらうことで見込み顧客を獲得・育成するマーケティング手法を指します。
従来のマーケティングは、DMやテレアポ、訪問などを通して企業が売りたい商品を一方的に宣伝する「アウトバウンド型」でした。
一方でインバウンドマーケティングでは、消費者がWeb検索やメディアの閲覧、SNSなどの交流を通じてメッセージを受け取り、自発的に企業や商品へ興味を抱くように導きます。
近年は、アウトバウンドマーケティングに対して悪いイメージや不信感を抱く消費者が増えているため、インバウンドマーケティングの重要性がより高まっています。
インバウンド型のマーケティングを成功させるためには、「コンテンツマーケティング」と「ソーシャルメディアマーケティング」が必要不可欠だよ。それぞれのマーケティングの特徴について、しっかりとおさらいしておこうね。
インフルエンサー
「インフルエンサー」とは、SNSなどのソーシャルメディア上に多数のフォロワーを抱え、強い影響力をもつ人物です。
フォロワーが数千~1万人程度の人をナノインフルエンサー、1万人~10万人をマイクロインフルエンサー、10万人以上をミドルインフルエンサー、数十万人以上をメガインフルエンサーと呼びます。
近年はインフルエンサーの影響力をマーケティングに利用し、自社の商品を宣伝してもらう「インフルエンサーマーケティング」が注目されるようになってきました。
インフルエンサーはInstagramやTwitter、YouTubeなどを通して活動をしていますが、それぞれのSNSでは適している商材やターゲット層が異なるため、自社に合ったインフルエンサーの見極めが大切です。
インフルエンサーマーケティングはターゲット層にリーチしやすく、ブランドの認知度を向上させる効果が高い利点があります。
ただし、消費者にPRだということを気付かれないようにPRする「ステルスマーケティング」になりやすい点に注意が必要です。
インフルエンサーマーケティングは効果的な施策である反面、炎上の原因となるケースもあるため、慎重に行なう必要があります。
最近はインスタグラマーやユーチューバーとして活躍するインフルエンサーが増えてきましたね!アメリカの調査によると、2021年のインフルエンサーの経済効果は425億円、今後は1,000億円近くまで市場規模が広がると予想されているそうです!
imp(インプ)
「imp(impression)」とは、広告が表示された回数を意味します。また、SNSの投稿が表示された回数もimpと表現し、広告や投稿が1回表示されると「1imp」とカウントされます。
インプレッションの定義は、広告の出稿先により異なるため注意が必要です。ユーザーに見える位置に入ったものを1impとするメディアもあれば、ユーザーの目に入っていなくても、ページ上のどこかに表示されていれば1impとするメディアもあります。
なお、見える位置に入った広告だけをカウントすることを「ビューアブルインプレッション」と呼びます。インプレッションを増やしたい場合は、広告予算を増やす、キーワードの入札単価を上げる、登録キーワード数を増やすなどの対策が有効です。
広告を出稿する際は、インプレッションを増やすだけではなく、クリック率を高めることも非常に重要です。インプレッションが高くても効果がともなわない広告の場合は、何らかの対策が必要になります。なお、インプレッションと混同されやすい単語がいくつかあります。
- PV:ユーザーがWebページを閲覧した回数
- リーチ:特定の広告を見たユーザーの人数
- エンゲージメント:SNSなどにおいて、投稿に対してユーザーがアクションを起こした回数
意味の違いを理解し、しっかりと区別しておきましょう。
広告の効果を測定するときは、「クリック数÷インプレッション数×100」で算出されるクリック率(CTR)という指標が重要になるんだ。広告がユーザーに興味を持たれているかどうかを測る大切な指標だから、あわせて押さえておこう!
インプレッションシェア
「インプレッションシェア」とは、広告が配信できるはずだった機会のうち、実際に配信された回数の割合を表す言葉です。広告を出稿したからといって、条件に合うすべてのターゲットに広告が配信されるわけではありません。
予算や広告ランクが影響して優先度が低くなってしまい、配信に至らないケースも多々あります。インプレッションシェアとして実際に広告が配信された割合を把握することで、より多くのユーザーへ広告を届けるのための改善策を導き出せるようになるのです。
なお、インプレッションシェアは、以下の式で算出できます。
「インプレッションシェア(%)=広告が配信された回数÷広告が配信可能だった機会×100」
たとえば、広告を配信できる機会が1,000回あって、実際に配信されたのが200回だった場合、「200÷1,000×100=20%」ということになるのです。
広告が配信できるはずだった回数は、広告の品質や承認状況、ターゲットの設定など多くの要因で算出されるため、運用者が容易に計算することは難しいものです。
ただし、Google広告などで表示項目を追加すれば、簡単にインプレッションシェアを確認できるようになります。キーワードの最適化や改善点の分析をするためにも、しっかりと設定を行って数字をチェックしておきましょう。
ちなみに、広告の配信機会に対して、キャンペーンの予算不足やオークションランクの低さによって広告が配信されなかった回数の割合を、「インプレッションシェア損失率」と言うよ。より正確な効果測定のために、こっちも気にしておこうね!
インプレッション
「インプレッション(impression)」とは、Webサイト上に掲載された広告が見られた回数のことを指します。 TwitterやFacebookなどのSNSの投稿が見られた回数のことをインプレッションと呼ぶこともあります。
インプレッションは、「広告数×ページの表示数(PV)」で算出することが可能です。 1つのWebページに同じ広告が2つ載っているときは、1回見られるたびに2インプレッションカウントされます。 このサイトが3回見られたときは、2件×3PV=6インプレッションということになるのです。
ただし、メディアによってインプレッションの定義は異なります。
- 広告が一部でも見られればカウント
- 広告がすべて見られてはじめてカウント
メディアごとの定義を正しく把握し、広告の効果測定のためのインプレッション活用が大切です。
ちなみに、Webページが見られた回数を「ページビュー(PV)」と言うよ。Webマーケティングではマストで覚えておきたい単語だから、しっかり押さえておこうね!
EFO(イー-エフ-オー)
「EFO(Entry Form Optimization)」は、日本語に訳すと「エントリーフォーム最適化」の意味をもつ言葉です。会員登録フォームや資料請求フォームなどの入力完了率を高めるため、入力フォームの改善を目指します。たとえば、以下のような施策がEFOの例として挙げられます。
- 入力項目の数を減らして負担を減らす
- 利用しやすいレイアウトに変える
- ボタンの大きさや色を最適化する
- 文字の大きさを見やすくする
- プライバシーポリシーを明示して安心して利用できるようにする
入力フォームまで到達したユーザーは、商品やサービスに興味を持っている可能性が非常に高いです。そのため、EFOを実行すると、コンバージョン率を向上させられます。EFOとともにサイトを訪れたユーザーが入力フォームまでたどり着けているかどうかを検証する動線の改善も大切です。
EFOは費用対効果が高く、すぐに取り組める施策なんだ。エラーをリアルタイムで教えてくれたり、入力フォームに自動入力できるようにしたりするEFOツールもあるんだ。より効率的にEFOを進めたいときは、活用してみてね!
eCPM(イー‐シー‐ピー‐エム)
「eCPM(effective Cost Per Mille)」とは、実際にはインプレッション課金型ではない広告の費用を「表示1,000回あたりのインプレッション単価(CPM)」に換算した指標です。
クリック課金型の広告などに活用する指標で、課金形態にかかわらず、インプレッションを得るためにどれくらいのコストがかかるのかを把握するために使用されます。Web広告には、以下のようにさまざまな課金形態が存在しています。
- クリック数に応じて料金が発生する「CPC(Cost Per Click)課金」
- 動画の視聴回数に応じて料金が発生する「CPV(Cost Per View)課金」
- 成約数に応じて料金が発生する「CPA(Cost Per Acquisition)課金」
インプレッション課金でない広告の費用をCPMとして表したものが、eCPMというわけです。異なった課金形態の広告がいくつも存在していると、広告の費用や効果を正しく比較できません。そのため、いろいろな広告の料金をeCPMという1つの基準にまとめて、同じ基準で比較する必要があります。
「eCPM(円)=広告費÷インプレッション数×1,000」で算出されます。CPC課金型の広告に100万円かけて、クリック数が1,000回、インプレッション数が10万回だった場合、以下のように計算できます。
- CPC(1クリックの単価)=100万円÷1,000回=1,000円
- eCPM=100万円÷10万回×1,000=1万円
この結果から、クリック単価が1,000円の広告が1,000回表示されるときは、1万円の費用がかかることが読み取れるのです。
広告表示1,000回あたりの収益額を表す「RPM」という指標もあるよ。コストではなく収益額に着目しているから、広告の効果を評価するときはRPMのほうが適しているという意見も多いんだ。
う
ウェビナー
「ウェビナー」とは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた言葉で、Web上で開催されるオンラインセミナーです。ウェビナーの配信形式には、3つの種類があります。
- リアルタイム方式:配信時間を決めてセミナーをライブ配信する
- 録画方式:あらかじめ録画した動画をWeb上に公開して配信する
- 疑似ライブ方式:セミナー動画を配信しつつ、質疑応答などをリアルタイムで行う
ウェビナーを使って自社の情報を発信し、見込み客の購買意欲を高める手法を「ウェビナーマーケティング」と言います。
ウェビナーマーケティングは、コストと手間を押さえつつ、今までリーチできなかったユーザー見込み客の集客も可能なため、近年非常に注目されている手法です。
ウェビナーマーケティングでは、見込み客の育成を行うこともできるよ。見込み客を育てて購買につなげることを「リードナーチャリング」と言うから、合わせて覚えておこう!
Webフォント
「Webフォント」とは、あらかじめWebのサーバー上に置かれているフォントや、インターネット上で提供されているフォントを呼び出して、ホームページに表示させるシステムです。
ホームページデータを取得するときにフォントデータも一緒に取得するため、どのような端末でも指定されたフォントが正しく表示される点が特徴的です。
そもそも、フォントには「Webフォント」と「デバイスフォント(システムフォント)」の2種類があります。 デバイスフォントとは、パソコンやスマートフォンのOSに最初からインストールされているフォントのことです。
データを取得することなく表示できるため、表示速度が早いというメリットがありますが、端末にインストールされていないフォントは表示できないというデメリットがありました。
対して、サーバーに上がっているフォントを読み込むWebフォントの場合、デバイスに左右されることなくデザイン性の高いフォントを表示させられます。 ただし、Webフォントの使用にはライセンス料がかかる場合があり、読み込みに時間がかかる点もデメリットです。
デバイスの影響を受けないWebフォントを使うと、パソコンでもスマートフォンでも見やすいホームページを作成できます。 しかし、日本語は文字数が多くデータ量も大きいため、日本語対応のWebフォントはまだまだ少ないのが現状です。
Webフォントにはいろいろなものがあるけど、代表的なフォントとして「Google Fonts」というサービスがあるよ。無料で利用できるから、興味がある方はぜひ試してみてね。
Webhook(ウェブフック)
「Webhook」とは、アプリケーションの更新情報をほかのアプリケーションに通知する仕組みです。「イベントトリガー」と呼ばれることもあり、通知を送る条件やイベントは自分で設定ができます。以下のようなものがWebhookの一例です。
- ToDoリストアプリに項目が追加されたとき、メールやチャットアプリで通知を受け取る
- お気に入り登録をしたブログが更新された際、SNSで通知が来るように設定する
Webhookを行うときは、HTTP通信と呼ばれる通信方式でサーバーに通知を出す要求を送る「POSTリクエスト」を行います。APIと似ていますが、APIは「アプリケーションとプログラムをつなぐ仕組み」です。Webhookは単に「通知を送る仕組み」です。しっかりと区別しておきましょう。
また、APIは要求しないとレスポンスしてくれませんが、Webhookは更新されるたびに自動で通知を出してくれるようになるという違いもあります。
身近なところでいうと、SlackやChatWork、TwitterやLINEなどがWebhookに対応しているみたいです!みんな、Webhookを知らないうちに活用しているんですね~!
え
HTML(エイチ-ティー-エム-エル)
「HTML(Hyper Text Makeup Language)」とは、Webページを構築するときに用いられる言語のひとつです。最も一般的な言語で、Web上で公開するテキストやレイアウトなどを定義する役割を持っています。
「サイトの見た目を変化させるための指示書を書くときに使われる言葉」と理解しておけば問題ないでしょう。実際にWebページを構築するときは「HTMLタグ」と呼ばれる、“<>”でくくられた命令を入力していきます。このタグの内容により、文字の大きさや色、改行などを表現できるようになるのです。
また、HTML言語で記述した電子メールを「HTMLメール」と言います。HTMLメールでは、今までのテキスト形式のメールでは表現できなかった文字の着色やフォントサイズの変更、表の使用が可能になっており、伝えられる情報が増えました。企業のメールマガジンではHTMLメールが採用されるケースが多い傾向にあります。
HTMLと同様、文章のスタイルを指定する言語として「CSS」というものがあるよ。HTMLは文章構造全体を指定する言語であるのに対し、CSSは吹き出しをつけたり背景にグラデーションを付けたりと、装飾について指定できる言語なんだ。
SEM(エス-イー-エム)
「SEM(Search Engine Marketing)」とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを活用して、顧客やコンバージョンを増やすための施策全般のことです。日本語に直すと「検索エンジンマーケティング」という意味になります。
SEMの手法として、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)やリスティング広告、ディスプレイ広告が含まれます。
検索エンジンを利用するユーザーは、商品の知識や情報などを求めています。その際に、SEOの実施によってキーワードの検索ニーズを満たせるページや広告を表示させられれば、効率よく認知度やコンバージョンの増加を狙うことが可能です。
反対にSEMを行わないと、ニーズを抱えているユーザーの獲得チャンスを逃すことになってしまいます。近年はインターネットで情報収集することが当たり前になってきているため、集客したい企業にとってSEMは非常に重要なのです。
なお、SEMはSEOと混同されやすいですが、SEOはインターネット検索で上位表示を目指す施策、SEMはユーザーのインターネット検索を通じて顧客獲得を目指す施策であるという違いがあります。SEMのほうがより包括的な意味を持っているため、しっかりと区別しておきましょう。
中長期的にSEMを行いたいときはSEO、すぐに成果を得たいときはリスティング広告やディスプレイ広告が適しているよ!予算や目的に合わせて最適なSEMの手法を見極めようね!
SEO(エス-イー-オー)
「SEO(Search Engine Optimization)」とは、日本語で検索エンジン最適化を意味する言葉です。検索エンジンのオーガニック検索で上位にコンテンツを表示させるために、さまざまな設定や施策を実行するマーケティング手法を指します。SEOでは以下のような施策が行われます。
- キーワードの最適化
- 内部、外部リンクの設置
- 検索ニーズに沿ったコンテンツ作成
- サイトやページの信頼性向上
SEOで表示されるサイトは広告で表示されるものよりもクリックされやすい傾向にあります。SEOが成功して検索エンジンの上位に表示できれば、広告費を抑えて効果的なマーケティングができるでしょう。
日本における検索エンジンのシェアの90%をGoogleが占めており、Yahoo!の検索エンジンのアルゴリズムもGoogleのモノを借用しているため、SEOではGoogle向けの対策が一般的です。
検索順位を決定するルールやロジックを「アルゴリズム」というよ。SEOでは、わかっている一部のアルゴリズムに対して対策を取っていくことになるんだ。Webマーケティングではよく出てくる言葉だから、あわせて覚えておこう!
SSL(エス-エス-エル)
「SSL(Secure Sockets Layer)」とは、Webブラウザサーバーの間で行なわれるデータ通信を暗号化して送受信する仕組みを指します。
インターネット上でやり取りされる氏名や住所、クレジットカード番号等の個人情報などは第三者から狙われやすいです。したがって、SSLで通信を暗号化し、盗聴や改ざんを防ぐことが重要です。SSLを実装しているサイトは、URLに「http」ではなく「https」と表示されます。SSLの仕組みは以下のとおりです。
- 通信しているデバイス間で「ハンドシェイク」と呼ばれる認証プロセスを通して、両方のデバイスが通信先として間違っていないか検証する
- データに運営者情報が含まれた「SSLサーバー証明書」を付与し、データが改ざんされていないという整合性を提供する
近年は一般の消費者にもSSL家の仕組みはサーバー証明の重要度が認知されるようになってきており、使用するWebサイトを見極めるひとつの指標になってきています。
SSL化していないと顧客を危険に晒すだけではなく、信頼度を低下させる原因となるため、企業は必ずSSL化してセキュリティ対策の万全さをアピールする必要があります。
SSLは何度か更新されていて、よりセキュアなものになっています。3.0まで更新を重ねたあとは「TLS1.0」という名称に変更されていますが、機能や役割は同じです。SSLの方が認知度は高いため、両者をまとめてSSLと呼ぶことが多いです。
SSP(エス-エス-ピー)
「SSP(Supply Side Platform)」とは、メディアが広告枠の販売を効率化したり収益を最大化したりするためのシステムを指します。メディアが広告枠や価格、出稿希望条件などを設定すると、SSPは自動で条件に合致する広告のうち、もっとも高い掲載料を支払ってくれるものを選んで配信してくれます。
メディアは広告の選定や配信を自動化できるため、運用コストを軽減して高い利益を得られるようになるのです。また、メディアに訪問したユーザーの情報や広告枠を一元管理し、リアルタイム入札を行う役割もはたしています。
SSPには、ユーザーの種類が豊富で広告入札が盛んに行われるメディアと非常に相性が良いです。対して、同一ユーザーや類似オーディエンスが多く、広告枠に対する取引が少ないメディアでは、収益よりもSSPのコストのほうが高くつく可能性があります。
ほかにも、広告主側の広告効果を最大化するためのプラットフォーム「DSP」や、DSPとSSPの精度を高めるためのプラットフォーム「DMP」というものがあるよ。Webマーケティングには欠かせない用語ばかりだから、それぞれの意味を押さえておこうね!
SNS
「SNS(Social Networking Service)」とは、スマートフォンとパソコンを使ってコミュニケーションを促進し、社会的なネットワーク構築を支援するサービスです。有名なSNSとしては、FacebookやTwitter、LINE、Instagramなどが挙げられますが、国内外に様々なSNSが存在しています。
以前は電話やメールが主流となっていましたが、近年はSNS上のコミュニケーションが主流となってきました。個人間の連絡も、SNS上のメッセージ機能を活用する人が増えてきています。
企業がSNSを通して消費者とコミュニケーションを取り、ブランドの理解を促したりファンを獲得したりする活動を「SNSマーケティング」と言います。
SNSアカウントの運用、SNS広告の配信、インフルエンサーマーケティングの実施が、SNSマーケティングの一例です。消費者による口コミやレビューは大きな話題となり、ブランドの認知拡大や売上向上に役立ってくれます。
実際、商品購入時にSNSの情報を参考にする消費者が増えてきているため、今後のマーケティングにおいてSNSの存在はますます欠かせないものになっていくでしょう。
近年は、SNSマーケティングの中でも、影響力をもつインフルエンサーに自社商品やサービスをPRしてもらう「インフルエンサーマーケティング」が注目を集めているよ。訴求力の高いPRができる手法だから、ぜひ活用してみてね!
SFA(エス-エフ-エー)
「SFA(Sales Force Automation)」とは、営業を支援してくれるシステムを指します。顧客の情報や商談化案件を一元管理できるツールで、どのような営業活動やマーケティング施策が商談成立につながったか分析し、次の営業活動に活かすために使用されます。SFAで管理できる情報は、以下のようなデータです。
- 顧客の情報
- 商談の進捗
- 見積書作成
- タスク管理
- 売上予想
- 営業履歴
- 日報
- 活動分析
SFAツールを導入すると営業業務の効率化や情報共有が可能となるため、業務効率の改善効果が得られます。また、営業プロセスの見える化によって課題の発見や再現性の向上と、より良いマーケティング施策の考案に役立てられます。
ちなみに、SFAと似たツールに「CRM」というものがあるよ。SFAは営業を支援するためのツールであるのに対して、CRMは顧客を管理することを目的としたツールだから、区別して覚えておこう。
SMS(エス-エム-エス)
「SMS(ショートメッセージ)」とは、電話番号を宛先として送受信できるメッセージサービスです。スマートフォンに搭載されているメッセージアプリに短い文章を送ることができ、異なるキャリア同士でもメッセージの送受信が可能です。
電話番号さえわかればメッセージが送信できますし、ポップアップ表示による視認性の高さから、企業からのアンケート送信やお客様サポートの案内、安否確認などに活用されることも増えてきました。
ただし、送信する際は文字数によって料金が発生して文字数の上限も存在しているため、緊急時以外や長いメッセージはほかの連絡ツールを活用したほうがいいケースもあります。
とはいえ、迷惑ボックスなどに振り分ける可能性があるメールなどと比べると、SMSは圧倒的に開封率が高いです。戦略的に活用すれば、ビジネスチャンスを拡げる効果的なツールとなってくれるでしょう。
SMSは、ほかの連絡ツールと組み合わせながら使うことがおすすめだよ。確実に見て欲しい連絡はSMS。SMSだとコストがかかりすぎる一斉送信をするときはメールやLINEを活用するなど、目的に合わせて使い分けよう!
SDGs(エス-ディー-ジーズ)
「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは「持続可能な開発目標」という意味を持ち、人間がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標を指しています。
もともと、2001年に国際サミットでSDGsの前進である「MDGs(ミレニアム開発目標)」が定められていましたが、2015年に達成期限を迎えたことを受け、新しい世界の目標としてSDGsが定められました。
SDGsでは、貧困や飢餓、健康や教育、エネルギー、経済成長、まちづくり、環境保護、世界平和などを含む17つのゴールが掲げられており、さらにその内容は169のターゲットから構成されています。
地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っていて、発展途上国のみならず先進国自身も取り組むべき普遍的な目標だとされています。
日本はSDGs関連に9億ドルの支援、30億ドルの取り組み、日本円にして総額約4,000億円の投資をすると発表しました。現在、日本政府だけではなく企業や教育機関も積極的にこの目標へ取り組んでおり、私たちの身近な生活にもSDGsは密接に関わっています。
SDGsには「食品ロスを解消する」「ジェンダーの平等を実現する」など、私たちにとって身近な目標もたくさん含まれているんだ。一人ひとりがSDGsを「自分ごと」として捉えて取り組んでいくことが、目標達成には欠かせないよ。
SDKスプーフィング
「SDKスプーフィング」とは、端末でのインストールやイベントの発生を水増しして発生させる攻撃のことです。正規に見えるインストールやイベントを生成し、広告費を水増しして請求することが目的です。
SDKスプーフィングを行うために、不正業者は通信内容の盗聴や改ざんを行う「MITM」と呼ばれる攻撃を行います。そして、暗号化された通信内容の解読などを行ってインストールなどのロジックを解析します。
その結果を悪用して、不正に動作させたいアプリに対して正規のように見える偽のインストールなどを実行させていくのです。
不正に使われる端末は実在し、ソース自体も正規のものです。そのため、SDKスプーフィングは誰にも気づかれることがなく実行されてしまう点に注意が必要です。
SDKスプーフィングの被害は2017年頃から深刻化しましたが、現在は高度な技術が用いられるようになり、より不正検出が困難になってきています。
SDKスプーフィングは、実際には見られていない広告表示や発生していないコンバージョンになりすまして費用を請求する、「アドフラウド」の手法のひとつなんだ。アドフラウドにはほかにもさまざまな手法があるから、あわせてチェックしておこう!
SMOT(エス-モット)
「SMOT」とは、P&G社が提唱した消費者が購買行動を決める瞬間に関するメンタルモデルのことです。消費者自身が商品を購入して使用したうえで商品の良し悪しに判断を下し、今後も継続してリピート購入をするかどうかを判断する瞬間のことを指します。
SMOTにおいては、商品の購入者が実際に商品を使用して高い満足度を得られるかどうかというポイントが非常に重要となります。万が一満足度が低い場合、ほかのメーカーの商品に乗り換えられてしまう可能性が高いためです。
そのため、リピーターや優良顧客を獲得するためには、SMOTの満足度を高められるように顧客のニーズに合った商品やサービスを提供することが大切なのです。
逆を言えば、SMOTを重要視した施策を実施できれば、一気に商品やブランドのファンを増やすことができます。アフターサービスの徹底や同じ商品のリピートを促す施策はもちろん、関連商品の試供品やクーポンを届けるなど、より自社に興味を持ってもらえるような施策を実施すると、さらに高いマーケティング効果が得られるでしょう。
SMOTの関連用語として、「消費者は店頭の陳列棚を見て3~7秒で購入意思決定する」と考えるFMOT、「消費者は店頭に行く前から情報収集して何を書くのかを決めている」と考えるZMOTという理論があるよ。あわせて意味をチェックしておこうね!
NFT(エヌ-エフ-ティー)
「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」とは、ブロックチェーン技術を活用した代替不可能なデジタル資産です。改ざんや破壊が難しい唯一無二の電子的な資産になります。少しわかりにくいので、ここでは「ブロックチェーン」と「トークン」の2つの言葉を言い換えてみましょう。
- ブロックチェーン:取引の流れを鎖のように繋げて記録し、様々なネットワークに分散して保存し、データの破壊や改ざんなどを防ぐための技術
- トークン:ブロックチェーンの技術を使った、インターネット上で取引される財産
上記の言葉がざっくりと理解できると、NFTがどのようなものかイメージしやすくなるでしょう。従来、デジタルデータは誰でも複製や再配布ができていたので、量産しやすく希少価値がありませんでした。
そこで、NFTとして過去の購入者や所有者のデータを記録して非代替性の証明を行い、唯一無二の希少価値を持たせることが可能となり、資産として売買や投資に活用できるようになったのです。
現在はデジタルアートや音楽、トレーディングカードなど様々な分野のNFTが生まれており、デジタルアートが多額の金額で取引された事例もあります。
今後、NFTの注目度はますます高まっていくことが予想されているため、売買を行うための「NFTマーケットプレイス」のサービスを提供する事業者が急増しています。
取引時の手数料や法整備など、NFTには課題も多く存在しているんだ。正しい知識を身につけて、自己責任で投資やビジネスに活用することが大切だよ。
FMOT(エフ-モット)
「FMOT(First Moment Of Truth)」とは、消費者が店頭で商品の購入を決める瞬間のメンタルモデルです。「店頭での数秒」のことをFMOTと呼ぶこともあります。
FMOTは2004年にP&G社が提唱したもので、消費行動調査で「消費者は店頭で商品の陳列棚を見て、3~7秒で購入するかどうかを判断している」ということを明らかにしました。
P&G社はこの結果を受け、新規顧客を獲得するためには店頭のプロモーションが肝心であると仮定。そこでFMOTの考え方を活かし、消費者目線でパッケージデザインや商品陳列、ポップや接客などのインストア(店内)プロモーションに力を入れたところ、大きな成果を上げることができました。
FMOTは、店舗内でのプロモーションが購入の意思決定に大きな影響を与えるという理論です。この理論に対して、Googleは2011年に「消費者は店舗に足を運ぶ前に情報を収集し、何を購入するかを事前に決めている」という内容のZMOTを提唱しました。
以前はFMOTの考え方が主流でしたが、インターネットが普及した現代では、ZMOTのうほうが重要になってきています。
FMOTと関係が深いメンタルモデルとして、実際に商品を使ったあとにリピート購入を検討する「SMOT」や、リピーターとして定着する「TMOT」というものがあるよ。関連用語として押さえておこうね!
MEO(エム-イー-オー)
「MEO(Map Engine Optimization)」とは、マップエンジン最適化のことです。わかりやすく言うと、Googleマップの検索で上位表示させる施策のことを指し、「ローカル検索」「ローカルSEO」などと呼ばれることもあります。
たとえば、「新宿区+居酒屋」というキーワードでGoogle検索すると、新宿付近の地図とその周辺にある居酒屋が表示されますよね。この検索結果で上位に表示される店舗は多くのユーザーの目にとまるため、より集客効果が高まります。
逆に、順位が低い店舗はユーザーに見てもらえる機会が減るため、期待しているほどの集客が見込めないかもしれません。
つまり、実店舗の集客においてMEOは非常に大切な施策です。MEOで上位表示を目指すためには、以下のような施策が有効だとされています。
- Googleビジネスプロフィールに登録する
- Googleビジネスプロフィールの内容を充実させる
- 口コミ投稿を増やす
- 店舗情報のページタイトルに地名を入れる
SEOとMEOをセットで実施しておくと、より多くの集客効果を期待できるでしょう。
MEOは、SEOのGoogleマップ版だと考えておくとわかりやすいよ。MEOを実施するときはGoogleビジネスプロフィールへの登録が欠かせないから、何からやったらいいかわからないときは、まず店舗の情報登録から始めてみてね!
MA(エム-エー)
「MA(マーケティングオートメーション)」とは、新規顧客の獲得や見込み顧客の育成を自動化するための仕組みやプラットフォームです。
MAを行うためのツールを「MAツール」と呼び、マーケティングを効率化し、営業とデータを共有するために使われます。MAツールで自動化できることとしては、以下のようなものがあります。
- 見込み客のリスト化
- メルマガの配信
- スコアリングによる顧客の分類
- セミナーの管理
MAでマーケティングを効率化すると顧客との良好な関係構築ができるようになり、自社のブランド力向上に役立ちます。また、顧客獲得のプロセスが可視化されるため、営業生産性の向上が見込めるでしょう。
MAは見込み客を獲得して育成することを支援する効果がありますが、その先の営業活動を支援する「SFA」や、受注顧客の育成を行う「CRM」と連携することで、より効果的なマーケティングを行えるようになります。
「MA」「SFA」「CRM」は、どれも必ず押さえておきたいマーケティングを効率化する仕組みやツールだよ。アルファベットばかりで覚えにくいけど、きちんと区別して活用していこうね。
MAU(エム‐エー‐ユー)
「MAU(Monthly Active Users)」とは、月あたりのアクティブユーザーを意味しています。アクティブユーザーとは、一定の期間のうちアプリやWebサイトなどのサービスを1回以上利用したユーザーです。
どのようなサービスであっても、アプリをダウンロードしたまま起動したことがないユーザーや、アカウントを登録したものの利用実態のないユーザーは多く存在しています。
たとえば、登録ユーザーが100万人いて月間で半数がログインしていないソーシャルゲームと、登録者数が80万人いて月間で8割がログインしているソーシャルゲームを比較してみましょう。
この場合、それぞれのMAUは50万人と64万人となり、後者のほうがアクティブユーザーが多くて勢いのあるゲームだということがわかるでしょう。
MAUが少ない場合は、サービスの内容や機能、使い勝手や価格などのいずれかに問題があるということになります。ユーザーにとって本当に価値のあるサービスを提供するためにも、MAUの把握は欠かせません。
ちなみにMAUと同じような指標として、1日あたりのアクティブユーザー数を表す「DAU(Daily Active Users)」や、1週間あたりのアクティブユーザー数を表す「WAU(Weekly Active User)」というものもあるよ。
LTV(エル-ティー-ブイ)
「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」とは、ある顧客から生涯にわたって得られる利益を意味しています。マーケティングには、新規顧客を獲得するコストは既存顧客に商品を販売するコストの5倍かかることを意味した「1:5の法則」をいう言葉があります。
既存顧客のLTVを向上させることは、企業が継続して利益を獲得するための重要なテーマです。LTVは「顧客の平均購入単価×平均購入回数」で計算されます。LTVを高めるときは、平均顧客単価の底上げや収益率の向上、購入頻度の増加などが効果的です。
また、顧客が企業に対して愛着を抱くことを意味する「顧客ロイヤリティ」もLTVを高めるうえで非常に重要だと言われています。
有益な情報を発信する、既存顧客向けの特典を発信する、ブランドイメージを高めるなどといった手法が、顧客ロイヤリティの向上には有効です。この際、見込み客の管理や育成を効果的に行なうツールである「MA」を活用すると、効率的にLTVの向上を目指せます。
ちなみに、LTVを向上させるために顧客の購入単価を上げたいときは、上位モデルを提案する「アップセル」や、関連商品を提案する「クロスセル」が有効だよ。LTVの向上を目指している企業は、必ず押さえておこう!
LP(エル-ピー)
「LP(ランディングページ)」とは、ユーザーが検索結果や広告などを経由して、最初にアクセスするページを指します。たとえば、「〇〇株式会社 会社案内」と検索したとき、表示されたのがその企業の会社案内のページであれば、そこがLPです。
ただし、上記の意味は広義のLPであり、マーケティングにおいては狭義のLPを意味することのほうが多いです。この場合のLPは、アピールしたい商品のサービスの訴求を行い、コンバージョンまで導く導線を敷いたWebページのことを指します。
1ページで完結する縦長の構成になっていることが多く、必要な情報やCVにつながるリンクがすべてまとめられている点が特徴です。
LPは、広告を見たユーザーの購買意欲を大きく左右する効果がある広告です。サービスの概要やベネフィット、口コミなどを情報をコンパクトにまとめ、お問い合わせや商品購入などのアクションを促すページに仕上げることを意識しましょう。
ちなみに、お問い合わせボタンや商品購入ボタンなど、コンバージョンにつなげるリンクを「CTA」と言うよ。Webマーケティングでは頻出のワードだから、必ず押さえておこう!
LPO(エル-ピー-オー)
「LPO(Landing Page Optimization)」とは、日本語でランディングページ最適化という意味を持つ言葉です。ランディングページ(LP)をユーザーのニーズに応じて最適化し、コンバージョン率(CVR)を高めるマーケティング手法のことです。ランディングページには以下の2つの意味があります。
- 検索や広告などを通し、ユーザーが最初に訪問するページ
- 申し込みや売上の増加を目的として作られた、1ページで完結する専用のページ
LPOは、2つ目の意味に対して使われることが一般的です。ネット広告を出稿して集客をしてもなかなか成約に至らない場合、ランディングページに問題がある場合があります。
このランディングページの問題を見つけ出して解消するLPOを行うことで、コンバージョン率を高めてマーケティング施策の費用対効果を高めることができるのです。そのためLPOを行うときは、解析ツールを用いた現状の把握が非常に重要となります。LPOの手法は抱えている問題によって異なりますが、以下のような施策が用いられます。
- 最初に目に入る情報(ファーストビュー)を目を引く画像にする
- コンテンツの掲載順序を入れ替えて離脱を防ぐ
- 画像や動画を増やして情報を伝えやすくする
- ランディングページの表示速度を早くする
- 入力フォームのボタンに動きをつけることで目を引いてクリック率を上げる
- スマートフォンユーザーが多い場合は、モバイル端末に適したページにする
なお、LPOはWebディレクターやSEOコンサルタントが行うことが一般的ですが、自社で対応することが難しい場合は、専用のツールを活用することも可能です。
LPOを行うときは、複数のパターンを比較してより効果が得られる施策を見極める「ABテスト」が有効だよ。いくつかLPを用意して、もっとも優れているLPを採用することで、効率的に成約率の向上を目指せるんだ。
エンゲージメント
「エンゲージメント」とは、企業とユーザーの親密さや結びつき、絆や共感などを意味する言葉です。エンゲージメントを数値化したものをエンゲージメント指標と言います。エンゲージメントの一例としては以下のようなものが挙げられます。
- ユーザーに向けてSNS発信を行い、共感を促して商品購入につなげる
- 商品を愛用しているユーザーが、知人にその商品をおすすめする
- 丁寧なサポートで購買の動機を後押しする
エンゲージメントを高めると、ユーザーは商品に興味を持ち、Webサイトを訪問したりSNSの拡散に参加したりする機会が増えるでしょう。その影響が周囲にも広がり、より多くの見込み客に認知してもらうキッカケになるのです。
ユーザーとのつながりや関与を強めることを重視したマーケティングを、エンゲージメント・マーケティングと言うよ。近年はSNSや動画などを使ったエンゲージメント・マーケティングの重要性が高まってきているんだ。
エンハンスト
「エンハンスト」とは、2013年2月6日にGoogleから発表された仕様変更のことを指し、エンハンストキャンペーンと呼ばれることもあります。エンハンストキャンペーンは、変化する人々の生活環境やマルチデバイス化していく時代の流れを見据えて行われました。
具体的には、ユーザーの検索意図と時間帯や地域などといったコンテキストを踏まえた、関連性の高い広告を表示させることで、あらゆるデバイスに最適なタイミングでユーザーに情報を提供できるようにした仕様変更を指します。
これにより、さまざまなデバイスが1つのキャンペーンとしてみなされ、各デバイスの入札単価や広告を1つのキャンペーン内で管理できるようになりました。
今まではPCやタブレットごと、デバイスと地域ごと、などというようにキャンペーンを分けて管理していたため、エンハンストキャンペーンによって大幅に効率化を図れるようになったのです。
ただし、エンハンストには「スマートフォン限定の配信ができなくなる」「デバイスごとの品質スコアが確認できない」などのデメリットもあります。なお、Google広告は2013年7月22日にエンハンストキャンペーンに強制移行されています。
ちなみに、Yahoo!プロモーション広告でもほぼ同じ内容の仕様変更である「ユニファイドキャンペーン」が行われているよ。あらゆるデバイスを統合運用することは、機会損失を防いで効率的な広告運用に効果的なので、存分に活用していこうね!
AI(エー-アイ)
「AI(Artificial Intelligence)」とは、人間の知的振る舞いを人工的にソフトウェアで再現したものを指します。現在のAIは、「機械学習」と呼ばれる技術が中心となっています。
AIはアルゴリズムを通してデータから反復的に学習し、法則を見つけ、人間のような柔軟さで多様なタスクを自律的に実行できるようになるというものです。AIの活用事例としては、以下のものがあります。
- ECサイトのレコメンド機能
- 工場における不良品検知機能
- 不動産の机上査定
- 医療現場における画像診断
上記のようにAIは私たちの身近なものになりつつあり、今後も活用する企業は増えていくでしょう。
AIの機械学習を発展させ、人間の神経をまねて作った「ニューラルネットワーク」により、さらに強力なデータの分析と学習を可能にしたものを「ディープラーニング」といいます。近年のAIの急速な発展を支える重要な技術なので、あわせて押さえておきましょう。
AIで自己学習が可能になれば、蓄積してきたデータが企業にとっての財産となります。企業は、AIを通して必要な答えを取得すると、利益の大きいビジネスやマーケティングが可能となり、競争率を高められるようにになるでしょう。AI技術が進歩する今後は、良質なデータの保有が成功のカギになると言えそうです。
AI技術が学習するときは、アルゴリズムと呼ばれる「さまざまな指標を用いて課題を解決するためのルールやロジック」が重要になるんだ。アルゴリズムはAIだけではなく、SEOを学ぶときも使われる言葉だよ。Webマーケティング担当者は、必ず押さえておこうね!
ASP(エー-エス-ピー)
広告主とアフィリエイターを仲介する広告企業のことを「ASP(Affiliate Service Provider)」と呼びます。ASPはブログなどを運営するアフィリエイターと広告主をマッチングして、成果の測定や支払いなどを管理する役割を果たしています。代表的なASPとしては、以下のようなサービスがあります。
- A8.net
- バリューコマース
- Amazonアソシエーション
広告主はASPと連携することで、広告主と個別で契約を結ぶことなく様々な媒体に広告を掲載できるようになります。アフィリエイターはASPを通してあらゆる商品リンクや広告を選択でき、広告を通してコンバージョンが発生した場合、報酬の受け取りが可能です。
ASPを通して広告を掲載してくれるメディアの運営者を「アフィリエイター」と呼ぶよ。マーケティングでは必ず押さえておきたい基本の言葉だから、しっかりと知識を身につけておこうね。
ABテスト(エー-ビー-テスト)
「ABテスト」とは、Webマーケティングにおいてコンバージョン率を最適化する「CRO(Conversion Rate Optimization)」を行うためのひとつの手法です。具体的には、複数パターンの施策を用意し、どのパターンがもっとも高いコンバージョン率を得られるのかについて検証する手法を指します。
たとえば、Webサイトの広告Aと広告Bの2パターンを用意し、より高いコンバージョン率が得られる広告がどちらかを検証することをABテストと言います。ABテストという名称ですが、3パターン以上で検証することも可能です。ABテストで検証できる内容としては、以下のようなものがあります。
- ファーストビュー領域
- メインビジュアル
- バナー広告の画像やテキスト
- ボタン周り
- CTAボタン
- 見出しやページタイトル
- 離脱動線
ABテストはさまざまなツールで実施できますが、代表的なものとしてGoogleが無料で提供する「Googleオプティマイズ」があります。ABテストをうまく活用すれば、コストをかけずにコンバージョン率を継続的に増やせるでしょう。
ABテストをおこなうときは、Aは「従来のもの」Bは「新しいもの」を比較することが一般的だよ。Webだけではなく、さまざまなマーケティングで用いられる手法なんだ。たとえば、DMやパッケージデザインに関してABテストを行うこともあるよ。
API(エー-ピー-アイ)
「API(Application Program Interface)」とは、アプリケーション、ソフトウェアとプログラムを繋ぐものです。近年は異なるネットサービスの機能を共有する「WebAPI」という概念が広がってきました。以下のものがAPIとして公開されています。
- SNSなどのWebサービスを自社サイトに埋め込むAPI
- ホームページの店舗地図にGoogle Mapを埋め込むAPI
- ブログ上でYouTubeを再生できるAPI
APIを「公開」すると、ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に公開することになるため、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できます。公開されたAPIで外部アプリケーションとプログラムを組み合わせることで、効率的に新しいアプリケーションの開発が行えるのです。
APIは開発者と利用者の両方のニーズを満たすことができるんですね~。アプリケーションやWebサイトを制作するときに活用できるよう、しっかりと覚えておかなきゃです!
お
オウンドメディア
「オウンドメディア」とは、自社で保有するメディアの総称です。Webマーケティングでは、自社で運営・情報発信するブログやコラムサイトのことを意味することが多いです。
商品カタログのように一方的な宣伝を行うのではなく、商品とは切り離してターゲット層のニーズに合わせた有益なコンテンツを発信し、潜在顧客の獲得を目指すことを目的に運用されます。
オウンドメディアの集客には時間がかかるため、はじめから大きな収益を得ることは難しいです。しかし、根気強く運営していけば長期的な財産となり、競合と差別化して見込み客と深い信頼関係を構築できます。
マーケティングにおいて重要とされているメディアには3つあり、「トリプルメディア」と呼ばれているよ。ここには、オウンドメディアのほかにも「ペイドメディア」「アーンドメディア」というものが含まれるから、それぞれについて知識をつけておこう!
オプトアウト
「オプトアウト」とは、個人情報の取得や利用などをユーザーの意思にもとづいて行うシステムにおいて、事前確認なく送られてくる宣伝広告の受け取りや、個人情報を利用されることについてユーザーが拒否することを意味します。
許可無く宣伝広告をメールで送りつけることを意味することもあり、こういったメールを「オプトアウト・メール」と呼びます。
とあるECサイトの会員全員に自動で送付されるメルマガを停止申請する場合、アプトアウトを行なったということになるのです。
また、建物の持ち主からの許可なくストリートビューを掲載している「Googleストリートビュー」も、オプトアウト方式サービスの一例として挙げられます。写真の掲載を承諾しないときは、申し出れば対応してもらえるシステムになっています。
企業がマーケティング活動を行う際は、オプトアウトの方法を明記しないと、顧客からの信頼を大きく失ってしまうため注意が必要です。
日本では2008年に改正された「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」により、オプトアウト・メールが禁止されました。
オプトアウトの反対語として「オプトイン」という言葉もあるよ。オプトインは、情報を受け取ったり情報を利用されたりすることについて、許諾することを指すんだ。こっちもあわせてチェックしておこう!
オプトイン
「オプトイン」とは、個人情報の取得や利用などをユーザーの意思にもとづいて行うシステムにおいて、企業からの情報を受け取ることや個人情報の利用を、あらかじめ許諾することです。
ユーザーの許諾を受けて配信する広告宣伝メールを「オプトイン・メール」と言います。オプトインの顧客は、企業やサービスに対して興味を持っていると判断できるため、積極的に販促活動を行うことで高い成約率が期待できます。
オプトインに対し、企業からの情報受け取りや個人情報の利用を拒否することを「オプトアウト」と呼び、許可なく宣伝広告メールを送り付けることを「オプトアウト・メール」と言います。
日本では2008年に改正された「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」により、オプトアウト・メールが禁止されました。
従来は「メールが不要なときは配信停止する形式」のダイレクトメールが採用されていましたが、現在は「メールの受信を希望している人にのみメールを送信する」というオプトイン方式のダイレクトメールの採用が義務付けられています。
さらに、海外では個人情報の取得をオプトイン方式で行うことが義務付けられており、ユーザーの許可がないとCookieを取得できなくなっています。今後、日本でもこういった流れになる可能性は十分に考えられるでしょう。
「オプトイン」と「オプトアウト」は、会議でもセットで使われることが多い言葉です!両方の意味をしっかりと区別して覚えておかなきゃですね!
オムニチャネル
「オムニチャネル」とは、企業が作った商品やサービスが消費者に届くまでの経路(チャネル)が、すべて連携・統合されている状態です。
Webサービスや店舗、SNSなどチャネルの違いを意識させず、シームレスな購入体験ができる点が大きな特長となっています。
複数チャネルの存在を「マルチチャネル」、それぞれのチャネルで情報が連携されていることを「クロスチャネル」と言いますが、オムニチャネルはこれらのチャネルから一歩進んだ状態を指しているとイメージしましょう。チャネルの違いは以下のとおりです。
- マルチチャネル:店頭とECサイトの在庫情報が連携されていないため、自分で調べる必要がある
- クロスチャネル:店頭でECサイトの在庫を確認できるが、店頭からの注文はできない
- オムニチャネル:店頭でECサイトの在庫を確認でき、そのまま注文・支払いして自宅で受け取れる
このように、オムニチャネルであればユーザーはどの販路からもスムーズに購入でき、どこのチャネルからでも均一な顧客体験が可能です。
近年のユーザーは、店舗やECサイト、SNSなどさまざまなチャネルを渡り歩くようになってきたため、買いたいタイミングで購入できる仕組みになっているオムニチャネルの重要性が高まってきています。
近年は「オムニチャネル」を導入して集客率や売上アップを叶えている企業が増えてきているみたいです!オムニチャネルはすぐに導入できるものではないので、今から少しずつ取り組んでいくことが大切ですね!
O2O(オー-ツー-オー)
「O2O(Online to Offline)」とは、インターネット広告やWebサイトなどのオンラインで情報を発信し、集めた見込み客をオフラインに誘導して購買を促すマーケティング戦略のことです。SNSのフォロワー限定のクーポンを発行し、実店舗での使用を促すことがO2Oの手法として挙げられます。
インターネットの発展により、近年の消費者はインターネットを経由して情報を得るようになりました。実店舗に足を運ぶ際にインターネットやSNSで検索を行って商品情報を調べるなど、オフラインのシーンでもオンラインの情報が重要度を増しています。
反対に、ECサイトでは体験ができない実店舗ならではの購買体験があると、オフラインの店舗が再評価されていることも事実です。
そのため、オンラインとオフラインの両方を活用し、相乗効果を狙うO2Oのようなマーケティング施策が注目され始めているのです。なお、O2Oと似た考え方がほかにも3つあるので、それぞれの違いをしっかりと理解しておきましょう。
- OMO:オンラインとオフラインを融合させ、区別しないという概念
- マルチチャネル:複数の流入経路を持ち、それぞれを活用する
- オムニチャネル:自社が保有するすべてのチャネルを連携させる
O2Oを活用すれば新規顧客やリピーターの効率的な獲得、即効性のあるマーケティング施策の打ち出しなどが可能です。
O2Oは、オムニチャネルの概念に含まれるとも考えられているよ。だけど、オムニチャネルは顧客の誘導は行なわずに顧客の利便性を高めるための施策で、O2Oは来店を促すための施策だから、それぞれは目的が全く違うということを理解しておこう!
OMO(オー-エム-オー)
「OMO(Online Merges with Offline)」とは、オンラインとオフラインの垣根を越えたマーケティング概念のことです。日本語に直すと、「オンラインとオフラインを融合する」という意味を持っています。
オンラインとオフラインの境界線をなくし、顧客一人ひとりに最適なサービスを提供することで、顧客体験の向上がOMOの目的です。以下のようなものがOMOの一例として挙げられます。
- 店頭にチャットボットを設置してオンラインの在庫やレビューを確認できるようにする
- 店頭に設置されたディスプレイでさまざまな服を試着できるようにする
- オンラインでアカウント登録と顔認証を行っておけば、顔認証で店頭の支払いができるようにする
OMOは、あらゆる販売網を通して顧客との接点を増やすマーケティング手法である「オムニチャネル」と似ていますが、それぞれは考え方が全く異なります。OMOはオンラインとオフラインを融合させて区別しないことで、購買行動だけではなく顧客体験にも影響を与えます。
他方でオムニチャネルは、さまざまな販売経路で顧客と接点を持ち、一貫性のある購買体験を提供する戦略です。OMOは顧客体験の向上、オムニチャネルは販売促進が目的となっているため、それぞれを区別しておくことが大切です。
ちなみに、OMOと似た概念として「O2O」というものがあるよ。これは、オンラインからオフラインへの顧客誘導を行う販売促進手法全般を意味しているんだ。オンラインで実店舗のみで使えるクーポンを発行するといった手法が、例として挙げられるよ。
OOHメディア(オー-オー-エイチ-メディア)
「OOH(Out Of Home)メディア」とは、家の外で触れるメディアの総称です。駅やラッピング車などに掲載されている広告、大型ビジョン、デジタルサイネージ、アドバルーン広告など、自宅以外で目にするすべての広告がOOHメディアに該当します。
OOHメディアは多くの人の目に触れるため、効率よく広告をユーザーに届けることができ、訴求効果の持続性が高い点が大きな特徴です。
また媒体の規格による制限が少ないため、自社ならではの特色を反映しやすく、印象的な広告を制作しやすいメリットがあります。
ただし、自治体によっては屋外広告に関する規制が設けられているケースがあります。規制に沿った広告を制作することが大切です。
一方、広告の場所やサイズ、接触シーンがさまざまで効果測定をしにくいというデメリットもあります。近年はOOHのデジタル化が進み、「DOOH(Digital Out Of Home)」が広く活用されるようになりました。
OOHには、公共交通機関に掲載される「交通広告」と繁華街やビルなどに掲載される「屋外広告」、そのほかのOOHメディアの3つに分類されるんだ。それぞれの広告で与えるインパクトや訴求効果が異なるので、使い分けが大切だよ。
オーガニック検索
「オーガニック検索」とは、ユーザーがキーワードを検索したときに表示される、広告を除いた検索結果です。広告などを含まない純粋な検索結果を指すことこから、「自然検索」「ナチュラル検索」と呼ばれることもあります。
Webマーケティングと検索したとき、最上部に表示されるのはお金を払って表示される広告です。これに対して、オーガニック検索はお金に左右されず、検索エンジンのアルゴリズムによって表示順位が決定されます。
Webマーケティングで重要となるSEO(検索エンジン最適化)は、オーガニック検索でより上位に表示されることを目指す施策です。広告費をかけずに流入数を増やせるため、オーガニック検索で上位表示されることを目指す企業が多いのです。
ちなみに、検索結果に表示される広告を「リスティング広告」と呼ぶよ。リスティング広告は、ユーザーにクリックされると料金が発生する仕組みになっているんだ。
OTT(オー-ティー-ティー)
「OTT(オーバー・ザ・トップ)」とは、インターネット通信を通じて提供される動画配信や音声通話、SNSなどといったマルチメディアサービスや提供事業者を指します。OTTサービスには、インターネットサービスプロバイダ(ISP)や通信事業者などのインフラ業者は含まれません。
こういったサービスは従来、ISPや通信事業者によって提供されていました。しかし、近年はユーザーが自ら希望するOTTサービスに登録すれば、インターネット経由で自由にコンテンツへアクセスできるようになってきています。
インターネット回線を活用することで、インフラの枠を飛びこえてコンテンツが届けられるようになったことから、「雲の上」を意味するオーバー・ザ・トップという名称で呼ばれるようになったのです。主なOTTサービスとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 動画配信:YouTube、Netflix、アマゾンプライム・ビデオ
- 音声配信:Apple Music、Spotify、radiko
- 音声通話:LINE、カカオトーク、Skype
- SNS:Twitter、Facebook、Instagram
近年OTTが急速に普及したのは、インターネット通信の高速化やデバイスの進化、嗜好の多様化によるライフスタイルの変化が大きく影響していると言われています。
技術の進化により、OTTはパソコンだけではなくモバイル端末やテレビなどでも気軽に利用でき、マーケティングや広告配信にも影響を与えるようになってきました。
パーソナライズ化した広告の配信やユーザーエンゲージメントの向上、広告コストの削減に効果的であるため、今後さらなる活用が期待されています。
近頃は、通信事業者がOTTサービスを開始する動きも出てきているんだ。NTTドコモが提供する「dビデオ」が、例として挙げられるよ。こういった取り組みをすることで、通信事業者は回線を提供するだけの状態になる「土管化」を防ごうとしているんだ。
か
開封率
「開封率」とは、メールマーケティングで一斉配信したメールマガジンが、どれほどの割合で開封されているのかを示す指標です。「開封率(%)=開封数÷有効配信数×100」で算出でき、開封率が低いとマーケティング効果が下がる一因になると考えられています。
たとえば送信数が6,000通で、送信エラー数が1,000通、開封数が2,500通の場合、以下のように計算ができます。
- 有効配信数=6,000-1,000=5,000通
- 開封率=2,500÷5,000×100=50%
なお、海外のマーケティング会社の調査によると、平均開封率は19.84%程度だということがわかっています。業界によって数値には大きな差があり、高い業界では30%を超え、低い業界では6%にとどまっています。
そのため「◯%を目指そう」とは一概に言えませんが、メールマガジンでマーケティング効果を得るためには、開封率を追ってトライアンドエラーの繰り返しが欠かせません。
メールマガジンの開封率を上げるためには、迷惑メールだと判定されるような内容を避けること、魅力的な件名の設定などが有効です。
また、「ビジネスパーソン向けのメールは休日」「主婦向けのメールは平日昼間」など、ターゲットに開封されやすい曜日や時間帯にメールの送付も効果的です。
開封率を上げるために有効なのが、複数の施策を実視し、効果の高い施策を見つける「ABテスト」という手法だよ。メールマーケティングでは、送信日時を変えたり件名を工夫したりしながら複数の施策を繰り返し検証し、もっとも効果の高いアプローチ法を探していくことが大切なんだよ。
回遊率
「回遊率」とは、1訪問あたりのPV数です。回遊率は「PV数÷訪問数」で求めることが可能で、回遊率が高いほど訪問者のエンゲージメントの高さを意味します。
たとえば、300PVあるサイトの訪問数が100だったとき、回遊率は「300PV÷100=3」ということになります。単純計算で1人のユーザーあたり3ページ回ったということになるわけです。
しかし、回遊率が高ければユーザーからの評価が高いサイトだと、すべてのケースで判断できるわけではありません。
「欲しい情報がなかなか見つからずに、サイト内を何度も行き来している訪問者がいる」ことも考えられます。離脱したくてもできない状態の訪問者が多いと回遊率は高くなりますが、サイト訪問者の満足度は低下してしまいます。
反対に回遊率が低い場合は、「一発で必要な情報が見つけられるサイトに仕上がっている」というポジティブな要因が影響しているケースもあります。分析の際は回遊率の数字だけではなく、滞在時間やコンバージョン率といったさまざまな要素を見て複合的な判断が大切です。
回遊率とともにエンゲージメントも向上させるためには、訪問者のニーズを満たせる質の高いコンテンツの作成やCTRの設置、UI・UXを高めることが大切です。ユーザー目線に立ったコンテンツの提供が、メディアの回遊率ひいてはコンバージョン率の向上には欠かせません。
ちなみに、回遊率はGoogleアナリティクスで調べられるよ!サイト全体のユーザーサマリー内の「ページ/セッション」の数字が回遊率だから、ぜひチェックしてみてね!
カスタマージャーニー
「カスタマージャーニー」とは、顧客が商品を購入・利用するまでのプロセスのこと。商品をどのように認知し、接点を持ちながら購買まで至るのか、その道のりを旅に例え、時系列的に可視化したもののことです。
消費者の価値観は年々多様化してきており、店頭やマスメディアだけではなく、SNSやまとめサイトなど多彩な接点を商品と持つようになってきました。
このように複雑化したニーズや行動の見込み顧客を自社の顧客やファンになってもらうためには、顧客の辿る旅(行動)全体を可視化し、それに応じたマネジメンを行うことが欠かせないのです。
なお、カスタマージャーニーを考えるときは、カスタマージャーニーを地図上の旅のようにまとめた「カスタマージャーニーマップ」を作成します。
カスタマージャーニーマップのまとめ方はさまざまですが、顧客の行動を時系列に整理し、接点(タッチポイント)別の心理や行動について一覧化することが一般的です。
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の心理を理解したうえで施策を立案できるようになりますし、関係者間で認識が一致するため、スムーズかつ最適な連携を目指せます。
カスタマージャーニーを作成するときに大切になるのが、商品やサービスを利用してくれるであろう詳細なユーザー像である「ペルソナ」だよ。ペルソナをしっかりと設定することで、ユーザーの心理や行動を具体的に把握できるようになるんだ。
カスタマーエクスペリエンス(CX)
「カスタマーエクスペリエンス(CX:Customer Experience)」とは、商品やサービスを利用したときにおける顧客視点の体験のことです。
商品だけではなく、店員やコールセンターの対応、アフターサービスなどといった、購入前から購入後までのすべての体験が評価対象です。顧客体験や顧客経験価値などと呼ばれることもあります。
たとえばパソコンメーカーにおいて、商品の差別化や競争力を強化するため、シリーズ内で搭載する機能を変えながらいくつもの機種を開発したとしましょう。
この場合、パソコン個々の機能は充実して便利なものになるかもしれませんが、顧客にとってはどれを選べばいいかわかりにくく、帰って不便に感じられてしまうケースがあります。このような施策は企業目線でしかなく、顧客視点に立ってみるとCXが低いと言わざるを得ません。
技術の発展により、近年は機能や性能、価格といった単純な価値で商品の差別化を図ることが難しくなりました。そこで、商品に顧客が抱く感情の価値を上乗せすることで、顧客が得られる価値を押し上げて差別化することが重要になりつつあるのです。
CXを向上させることで、リピーターや口コミの獲得、競合との差別化や顧客ロイヤルティの向上などといった効果が得られます。
CXの向上には、さまざまな視点から顧客データを収集してニーズを把握し、一人ひとりに適したアプローチをすることが肝心です。
CXと似た言葉に、顧客の満足度を表す「カスタマーサティスファクション(CS)」や、商品の利用のみから得られる体験を表す「ユーザエクスペリエンス(UX)」というものがあるよ。こちらもあわせて押さえておこう!
カスタマーエンゲージメント
「カスタマーエンゲージメント」とは、企業が顧客との間に築いた信頼関係や親密さを表す言葉です。カスタマーエンゲージメントを獲得できれば他社と差別化が図れ、多くの企業・商品から自社を選び続けてもらえるようになります。カスタマーエンゲージメントを獲得する方法としては、以下のような施策が考えられます。
- SNSやチャット上のスピーディーな顧客対応を心がける
- 顧客層ごとにパーソナライズドされたメールマガジンを配信する
- ブランドのファン向けにコミュニティサイトを立ち上げる
「スマホといえばApple」「掃除機といえばDyson」など、商品やサービスがほしいと思ったときに真っ先に特定の企業が思い浮かぶ人は多いかもしれません。このような企業は、顧客からの高いカスタマーエンゲージメントを獲得できているということになります。
顧客との信頼関係があれば、多少の価格差があっても問題にされることがなく、価格競争に巻き込まれることも防げます。カスタマーエンゲージメントを重視したマーケティングを行えば、時代やニーズの変化に左右されず、長期的に安定した利益を見込めるようになるでしょう。
カスタマーエンゲージメントと似た意味をもつ言葉に、「ロイヤルティ」というものがあるよ。ロイヤルティは顧客が企業に対して抱いている「感情・愛着心」のことを指すんだ。似ていてややこしいから、それぞれの意味をしっかりとチェックしておこう。
カニバリゼーション
「カニバリゼーション」とは、自社の商品同士が競合し、お互いに売上を奪い合っている状態です。日本語に直すと、「共食い」という意味を持つ言葉です。
自社が低価格PCでシェアが取れそうだったのに、自社内で似たような価格帯・機能を持つ別シリーズのPCを発売してしまい、同じメーカーの中でシェアの奪い合いになってしまうケースがカニバリゼーションに該当します。
カニバリゼーションが起きてしまうと、自社商品でつぶし合いが起きてしまい、経営資源をムダにするリスクがあります。また、競合代謝に対する競争力が弱まってしまい、売上の減少が生じることもあるでしょう。
反対に、あえてカニバリゼーションを創出することで、既存商品に興味を示さなかった顧客層を取り込むという戦略を取ることもあります。
また、競合他社の商品に対してカニバリゼーションを創出することで、シェアを奪取することに成功するケースもあります。カニバリゼーションはリスクがある一方で、経営戦略としては有効な場合もあります。メリットとデメリットの双方を理解し、よく検討して活用していきましょう。
ターゲット層の絞り込みや、商品の差別化が曖昧だとカニバリゼーションは起きやすいよ!しっかりとターゲットを設定して、企業内で意思疎通を行いながら商品を作ることが、カニバリゼーションを防ぐためには肝心なんだ。
間接コンバージョン
「間接コンバージョン」とは、初回のサイト訪問では成果(コンバージョン)に至らなかったが、後日別の方法でサイトを訪問し、成果につながることを意味します。「アシストコンバージョン」と呼ばれることもあります。
1回のサイト訪問で成果につながればいいのですが、広告をクリックした人がそのまま成約につながることは多くありません。実際には一度サイトを訪問し、その後オーガニックサーチやSNS、メルマガなどで複数回接点を持つことで、成約に至るケースのほうが多い傾向にあります。
コンバージョンとユーザーの中間地点となる接点が、間接コンバージョンの計測においては大切です。間接コンバージョンを計測すれば、ユーザーが最終着地に至るまでの経路がわかるようになり、購買促進の手がかりが見つけられます。
間接コンバージョンに対し、広告をクリックしたユーザーが離脱することなくコンバージョンに至ることを「直接コンバージョン」と言うよ。マーケティングの際は、直接コンバージョンと間接コンバージョンを分けて分析することが肝心なんだ。
カンプ
「カンプ」とは、広告やWebサイトなどを制作する際に、制作物の仕上がりを確認するために作られる完成イメージのことです。
デザインカンプとも呼ばれるもので、包括的レイアウトという意味を持った「Design Comprehensive Layout」を省略した呼び方です。
カンプは、クライアントへの提案や制作メンバーとのデザインやアイデアを共有するためには欠かせないものです。
カンプとして具体的な見本を提示することで、コミュニケーションの中で齟齬が生まれることを防ぎ、詳しいデザインの決定が可能です。
広告やWebサイトを制作するときは、制作するページの構成図となるサイトマップを作成し、ワイヤーフレームでコンテンツを大まかに配置します。
その後、カンプで制作物の完成形をイメージできるようにして、それに基づいてプログラムを行っていく流れが一般的です。
カンプは完成形の見本となるため、ユーザビリティを意識しながらフォントや文字サイズ、余白やバナーサイズなど、細かいところまで正確に表すことが大切です。
カンプを作成するときは、PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを使用することが一般的だよ。カンプのデータをもとにその後のコーディングが行われるから、とにかく正確に作成することが求められるんだ。
外部リンク
「外部リンク」とは、あるWebサイトのページから外部のサイトのページへとリンクを貼ることです。自社で運営しているサイトに別の参考サイトへのリンクを貼ったり、外部のサイトが自社サイトにリンクを飛ばしたりしているときは、外部リンクに該当します。
「内から外」「外から内」の両方を外部リンクと言うため、文脈からどちらなのかを読み取る必要があります。外部へのリンクは「発リンク」や「アウトバウンドリンク」、外部からのリンクは「被リンク」や「インバウンドリンク」と呼ぶこともできるため、区別したいときはこういった言葉を使ってもいいでしょう。
外部からリンクをもらうことでユーザーに見つけてもらいやすくなるほか、SEOの評価を高めて検索順位を上げる可能性があるというメリットがあります。
また、関連性の高いページや詳しい情報が記載されたサイトと自社サイトを繋ぐことで、ユーザービリティの向上が目指せます。
ただし、順位操作を目的とした悪質な外部リンクは、反対に検索順位を落とす原因となるため注意が必要です。メディアは、自社のページと関連性の高い「良質な外部リンク」を獲得することが非常に重要です。
とあるサイト内の特定のページから同一サイト内の別ページにリンクを飛ばすことは「内部リンク」と呼ばれているよ。上位表示を目指すのであれば、内部リンクと外部リンクの両方を最適な形で設置することが大切なんだ。
き
機械学習
「機械学習」とは、コンピューターに大量のデータを学習させて、自動的にタスクの遂行システムを構築する技術です。AIシステム(人工知能)を生成するための手法のひとつで、「ML(Machine Learning)」と呼ばれることもあります。機械学習は、具体的に以下の3つの学習方法でシステムを構築します。
- 教師あり学習:正解のデータを繰り返し学習させ、正解となる出力を可能にする手法
- 教師なし学習:大量のデータを学習させ、特徴やパターンから正解を判断の判断を可能にする手法
- 強化学習:出力される結果に点数をつけ、理想的な結果を出すための行動を学習させる手法
機械学習の技術は、身近なところでは以下のような場面で活用されています。
- スマートフォンの顔認識機能
- 車の自動運転
- ECサイトのレコメンド機能
- チャットボット機能
一般的に言われている機械学習では、データの中の要素が結果にどのような影響を与えているのか(特徴量)を人間が判断し、調整しながら精度を上げていく必要があります。
それに対し、データのパターンやルールの発見はもちろん、特徴量の定義づけや学習などをすべて自動で行う学習を「ディープラーニング」と言います。ディープラーニングでは、機械学習よりも効率的かつ精度の高いAIシステムを生成することが可能です。
ディープラーニングも、厳密に言うと機械学習の手法のひとつなんだ。人間の神経をまねて作った「ニューラルネットワーク」という機械学習技術を何層にも重ねることで、学習・分析能力を強化したものがディープラーニングなんだよ。
キャズム
「キャズム」とは、顧客に新しい商品やサービスを浸透させるときに乗り越えないといけない障害や溝を意味します。新しい商品やサービスが出たとき、すぐに多くの人に受け入れてもらうことはできません。
一定の認知度に達したあとは、深い溝や障害を乗り越えないと、市場開拓をすることはできないとされているのです。この考え方を、「キャズム理論」と言います。キャズム理論は以下の5つの消費者タイプをもとに展開されています。
- イノベーター:商品の先進性や新規性への価値を感じ、最初期に商品やサービスを採用する層
- アーリーアダプター:メリットを重要視し、普及可能性の高いものをいち早く採用する層
- アーリーマジョリティ:アーリーアダプターの影響を受け、話題の商品やサービスを採用する層
- レイトマジョリティ:周囲の動向を見定め、採用を検討する層
- ラガード:保守的で、伝統や文化になるまで採用しない層
キャズム理論では、上記のうちアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に大きなキャズムが存在していると考えられています。これは、「新しさ」だけで採用を検討する層が限られているためです。
商品やサービスを普及させるためには、キャズムを超えて「新しいモノ」から「安心して使えるモノ」に認識を変化させていく必要があります。
キャズムを超えるためには、実績や数字を提示して安心感を与え、ユーザビリティの向上、市場を狭くしてシェアを獲得するといった手法が有効です。
ちなみに、キャズム理論のベースとなっているのが「イノベーター理論」なんだ。この理論では、キャズム理論でも言及されている消費者タイプの分類を定義し、商品やサービスが受け入れられるプロセスを説いているよ。あわせてチェックしておこう!
キャッチコピー
「キャッチコピー」とは、企業やサービス・商品などの魅力を一言で的確に表す宣伝文句です。意外性のある一言で、ブランドの特徴をコンパクトにまとめたキャッチコピーを作成できれば、消費者の心が掴めます。有名なキャッチコピーとしては、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- タワーレコード:NO MUSIC NO LIFE
- 株式会社ロッテ:お口の恋人
- 株式会社ファミリーマート:あなたと、コンビに、ファミリーマート
- インテル株式会社:intel inside/インテル入ってる
- コスモ石油株式会社:ココロも満タンに
キャッチコピーで訴求したい内容は、サービスや商品だけではありません。企業の印象を良くし、自社の最終的な目的へ誘導するための「キッカケ」づくりのために、キャッチコピーを作成する場合もあります。
キャッチコピーを作成するときは、ターゲットのニーズや課題を踏まえ、訴求できるキーワードの組み合わせが有効です。すぐに理解できるリズム感のある文章で、驚きや発見、ベネフィットが感じられるオリジナリティのある内容を意識すると、魅力的なキャッチコピーを作成できるでしょう。
類似語として「キャッチフレーズ」も押さえておこう!キャッチフレーズは、販売促進以外の目的でも幅広く使われる決り文句を指すよ。たとえば、映画ターミネーターの「I’ll be back.」が一例として挙げられるよ。
キャリアメール
「キャリアメール」とは、docomoやau、SoftBankなどの通信事業者が提供するEメールサービスです。docomoであれば「@docomo.ne.jp」、auであれば「@ezweb.ne.jp」、SoftBankであれば「@softbank.ne.jp」のメールアドレスで利用できるサービスが、キャリアメールと呼ばれています。
キャリアメールは端末に直接メールが届く「プッシュ通知方式」であるのに対し、GmailなどのWebメールはブラウザやアプリを使ってWebサーバー上でメールを確認する必要がある「プル型情報配信方式」であるという違いがあります。
キャリアメールで使える絵文字や記号は、Webメールでは使えない場合があるそうです!仕事でキャリアメールを使うときは、機種依存文字を使わないように注意したいですね~!
キュレーション
「キュレーション」とは、インターネット上の情報を収集・選別・編集し、つなぎ合わせて公開して新しい価値をもたせることを指します。
図書館や博物館などの館長を意味する「Curator」という言葉が語源となっており、ビジネスやWebマーケティングなどでも活用されるようになりました。
インターネットには多くの情報が溢れているため、自分に必要な情報を探したり見極めたりすることが難しいと感じている人は多いかもしれません。
多くの情報を選別して活用しやすいようにまとめているのが、「キュレーションメディア」や「キュレーションサイト」、「まとめサイト」などといったメディアなのです。キュレーションメディアの一例としては、以下のようなサイトが挙げられます。
- Togetter
- Newspicks
- グノシー
- Smartlog
キュレーションメディアは非常に便利ですが、不特定多数が投稿した情報がまとめられるため、根拠のない内容が掲載されたり著作権上の問題が生じたりするリスクがあります。
キュレーションメディアを立ち上げたり活用したりするときは、リスクを理解したうえで情報を取捨選択することが肝心です。
過去には、著作権の問題があるとしてキュレーションメディアが公開休止に追い込まれた事例もあるそうです!キュレーションをビジネスで活用するときは、細心の注意を払わないといけないですね……!
KV(キー-ビジュアル)
「KV(キー-ビジュアル)」とは、Webサイトやパンフレット、カタログなどにおいてメインになる画像を指します。最も目立つ場所に配置されるため、Webサイトを開いたとき目に入るファーストビューに表示させる画像、もしくは動画を指すことが一般的です。
同じ意味の言葉として「MV(メインビジュアル)」と呼ぶこともあります。キービジュアルは、ロゴやイメージフォト、シンボルマークやキャッチコピーなどを組み合わせて制作します。
商品画像やサービス名などを盛り込み、メッセージを可視化してひと目で伝わるものにすることが大切です。キービジュアルが抽象的だと、どのようなサイトなのかが一瞬で判断できず離脱につながってしまう危険性があるため注意が必要です。
KV(キービジュアル)を表示させるページ上部の領域を「FV(ファーストビュー)」と呼ぶよ。ファーストビューはユーザーに与える第一印象を大きく左右するから、Web制作のなかでも非常に重要度が高いと言われているんだ。
く
Cookie(クッキー)
「Cookie」とは、ユーザーがブラウザでWebサイトを訪問したときに、ユーザーの情報を一時的に保存する仕組みや保存した情報を指します。
Cookieで保存される情報はさまざまで、IDやパスワード、メールアドレスなどの属性情報や、Webサイトの訪問回数などのアクセス情報などが一例として挙げられます。保存されたCookieは、たとえば以下のような場面で活用されます。
- 接客:自動ログインや買い物かごの保持、入力フォームへの自動入力
- 集客:一度サイトを訪れた人に、ピンポイントで自社の広告を表示する
- 分析:再訪者や広告にアクセスしてくれたユーザーを管理する
ただし、近年はセキュリティやプライバシーの観点からCookieの取り扱いが問題視されています。Cookieを使うことで、第三者から勝手にログインされる、個人情報が流失するなどのリスクがあるためです。
世界では、Appleが「Safari」にCookieの機能を制限するITPを搭載したり、EUがIPアドレスやCookieなどの保護や取り扱いについて盛り込んだGDPRを制定したりするなどの動きがあります。
日本でも、今後Cookieの取り扱いについての規制がかかる可能性が高いため、しっかりと情報収集を行うことが大切です。
ちなみに、Cookieを活用したマーケティングツールに「MA(マーケティングオートメーション)」というものがあるよ!あわせて覚えておこう!
クラウド
「クラウド」とは、インターネットを通じてサービスを提供する形態を指します。ユーザーはクラウドを利用すると、サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラやソフトウェアを持たなくとも、ネットワークを通じてさまざまなサービスを使えるようになります。
イメージとしては、雲(クラウド)の中にあるコンピューターを、インターネットを通じて地球上のさまざまなユーザーが利用しているような感じです。
従来は手元のパソコンの中にあるデータやソフトウェアを利用していましたが、クラウドサービスではコンピューターの物理的な所在を意識しません。
インターネットを通じて利用する「Google Map」や「Yahoo!メール」などがクラウドサービスの一種に分類されます。クラウドサービスには以下のような種類があります。
- SaaS:ネットワークを通じてソフトウェアを提供するサービス
- PaaS:アプリケーションを稼働させる開発環境(プラットフォーム)を提供するサービス
- IaaS:サーバーや記憶装置などのインフラ機能を提供するサービス
クラウドサービスを利用すれば、サーバーやソフトウェアを所有する必要がなくなり、必要なときに必要なだけインターネットを通してサービスを利用できます。システム構築の手間や時間を短縮でき、自社のメンテナンスが不要になる点が大きなメリットとして挙げられます。
近年はクラウドサービスが当たり前になってきたから、ピンとこない人も多いかもしれないね。パソコンにインストールして使う「Excel」はクラウドではなく、インターネット上で使う「スプレッドシート」はクラウドだとイメージするとわかりやすいよ。
クラスタリング
「クラスタリング」とは、バラバラなものの集まりを集団(クラスター)にまとめ上げるという意味をもつ言葉で、別名「クラスター分析」と呼ばれる場合もあります。
マーケティングにおいては、多くの情報の中から仮説を導き出し、情報の関連性を明らかにしていく「多変量解析」のひとつとして活用されます。主に、市場調査や顧客情報の分析などに用いられることが多い手法です。クラスタリングは、以下の2つに分類できます。
- 階層的クラスタリング:トーナメントのように似たものを集め、後からクラスターの数を決めるアプローチ
- 非階層的クラスタリング:クラスターにする数を決め、決めた数のグループにサンプルを分けていくアプローチ
性別や年齢階層別など、はじめから分類基準が明確なデータを集団に分けることはクラスタリングに該当しません。外的基準が明確でないデータを分析する場合に用いることが多い点に注意しましょう。
クラスタリングを行うと、顧客層の特性分けやブランドのポジショニングが可能となり、顧客のニーズを捉えた商品開発や効率的なマーケティングが目指せます。
性別や年齢などの人口統計的変数や地理的変数、購買行動変数による分類は、「セグメンテーション」と呼ぶよ。セグメンテーションのための明確な観点がわからないという場合に用いられるのが、クラスタリングなんだ。
クラスター
「クラスター」は、ビジネスにおいて多くの集団の中から似た者同士を集めた小さな集団という意味で使用されます。もともとブドウの房を意味する英単語で、群れや集団という意味を持つ言葉でした。
マーケティングでは、異なる性質のものが混同する集合体から類似した性質のものを集めてクラスターを作り、利用しやすいデータにする「クラスター分析」を行うことがあります。
分析したデータは、メニューを分類して最適なセットを作る、顧客を「高級品志向タイプ」「流行追求タイプ」などに分類し、それぞれに合ったアプローチをするなどといったマーケティング戦略に活用できます。
この手法は、市場調査や顧客アンケート、顧客情報の分類などに用いられることが一般的です。注意したいのは、性別や年齢、居住地域などのように基準がはっきりとしている集団に分けることはクラスター分析と呼べないところです。
クラスター分析は、外的基準が曖昧な情報を分析する際に活用される手法だということを押さえておきましょう。なお、クラスター分析には以下の2つの種類があります。
- 階層型クラスター分析:データ間の類似度と非類似度を計算し、特定の「距離測定方法」を用いてグループ分けする
- 非階層クラスター分析:最終的なクラスター数を決めたあとに、自動でグループ分けする
クラスター分析を行う際は、担当者の主観が入らないように注意する必要があります。クラスター分析だけでは分析できない対象があることも理解してきましょう。
クラスター分析の結果は100%性格なものではないから、絶対視することは避けたほうが安心だよ。ほかの手法と組み合わせながら、より正確な調査結果を追求することが大切なんだ。
クリックインジェクション
「クリックインジェクション」とは、アプリを使ってユーザーのデバイスを乗っ取り、一見正規のものに見えるエンゲージメントを作成し、「CPI広告」の広告費を水増し請求するアドフラウドの手法です。
アドフラウドとは、無効なインプレッションやクリックによって広告の成約件数や効果を水増しする不正な広告のことを指します。CPI広告は、アプリのインストールと初回の起動によって広告費が発生する広告です。
クリックインジェクションの影響を受けてしまうと、アプリを初期起動するためにタップした際に不正なアプリを割り込ませる処理が行われます。その結果、偽のエンゲージメントが発生して余計な広告費を請求されてしまうのです。
クリックインジェクションが実行されれば、広告費が無駄になるだけではなく、正しい効果測定ができなくなったりマーケティングの意思決定に悪影響を与えたりするおそれがあります。
なおクリックインジェクションは、Android端末に多く2018~2019年頃にもっとも被害が多い手口でしたが、現在は減少傾向にあります。
クリックインジェクションは、「クリックスパム」が高度化したものだと言われているよ。クリックスパムも注意したいアドフラウドの1つだから、関連用語としてあわせてチェックしておこうね!
クリックスパム
「クリックスパム」とは、ユーザーの同意や意図なしに広告のクリックを大量に実行するアドフラウドです。アドフラウドとは「広告詐欺」や「広告不正」とも呼ばれるもので、無効なクリックやインプレッションで広告の成約件数や効果を水増しする不正な広告のことです。
アドフラウドは、広告主から広告費を不正に搾取することを目的に作成されます。クリックスパムによって意図しないクリックを大量に実行されてしまうと、余計な広告費用を請求されてしまうおそれがあります。
また、正しい広告効果の測定を不可能にしたりデータの信憑性を落としたりして、マーケティングの意思決定に悪影響を与えてしまう点にも注意しましょう。
なおクリックスパムは、広告を表示させずにバックグラウンドで行われたり、不正なアプリをバックグラウンドで動作させて行われたりすることが一般的です。
ユーザー自身は広告を目にすることがないため、クリックスパムが行われていることを全く認識できないことがほとんどなのです。Yahoo!とGoogleは、このクリックスパムを徹底的に排除する方針で、怪しい広告があれば調査を実行しています。
この際、クリックスパムなどの不正が判明した場合は広告主への広告費請求を取り消し、不正業者には法的措置を講ずるなどの対策を行っています。
クリックスパムは、クリック回数に応じて広告費が課金される「PPC広告」を悪用した手口だよ。なかには、同業他社にクリックスパムを実行して、広告費を多く払わせたり広告の出稿を邪魔したりする悪い業者もいるから注意しようね。
クリックスルーアトリビューション
「クリックスルーアトリビューション」とは、訪問者が広告をクリックし、アトリビューションウィンドウの期間内にアクションを実行した数のことを指します。
アトリビューションとは、コンバージョンに至るまでの経路のうち、直接的な接点だけではなく間接的な接点に対しても貢献度を割り当てる考え方のことです。
アトリビューションウィンドウとは、訪問者が広告を閲覧したりクリックしたりしてからアクションを実行するまでの日数のことを指します。
たとえば、アトリビューションウィンドウを28日間に設定すると、コンバージョンの28日前までに生じたアクセスやクリックなどに貢献度が割り当てられるのです。測定期間は、1日、7日、28日などの日数に変更できます。
クリックスルーアトリビューションでは、訪問者が広告をクリックし、その後設定した日数以内にコンバージョンに至った回数がカウントされるのです。クリックスルーアトリビューションを測定することで、広告の目標への貢献度、コンバージョンに至りやすい商材・至りにくい商材を評価できます。
ちなみに、関連用語として「ビュースルーアトリビューション」というものもあるよ。こっちは、ユーザーが広告を閲覧し、クリックしないままアトリビューションウィンドウ内にアクションを実行した数を計測する指標なんだ。区別して覚えておこうね!
クロスセル
「クロスセル」とは、顧客が購入しようとしている商品とは別の商品、もしくは関連する商品を提案するマーケティング手法です。パソコンを購入する顧客に対し、セキュリティソフトや高性能なモニターを提案して、セットで購入してもらうことがクロスセルの一例として挙げられます。
ECサイトで商品を購入する際、関連商品を表示することも代表的なクロスセルの手法です。クロスセルを成功させるために、割引や送料無料などの特典を付与するケースも少なくはありません。
クロスセルを行うと顧客一人あたりの単価がアップしますし、良好な関係の構築に役立ってくれます。新規で顧客を獲得するよりも少ないコストで売上の向上が目指せるので、非常に効率的で有効な戦略です。
ただし、一歩間違うと押し売りになってしまうため注意が必要です。顧客一人ひとりに合った提案をするためには、多くの経験や知識が必要になります。
クロスセルと似たような言葉として、「アップセル」というものがあるよ。アップセルは、顧客が購入しようとしている商品の上位モデルや高額モデルを提案し、単価アップを狙うマーケティング手法だよ。こっちもしっかりと覚えておこう!
クロスチャネル
「クロスチャネル」とは、企業が作った商品やサービスが消費者に届くまでの経路(チャネル)が複数存在しており、チャネル同士で顧客や在庫の情報が連携されている状態です。複数のチャネルが連携されていない状態を「マルチチャネル」と言います。
クロスチャネルでは、チャネル問わず顧客情報が蓄積し、実店舗からECサイトの在庫を確認し、顧客に利用案内できる特長があります。店舗で使用したポイントカードをECサイトと連携して、店舗とECサイトの両方で使えるようにすることも可能です。
ただし、クロスチャネルでは各チャネルで連携を取っているものの、お互いに独立している点に注意しましょう。店舗に在庫のない商品の料金を支払って、ECサイトから自宅に配送してもらうことはできません。この場合、顧客が自分でECサイトから注文しなくてはいけないのです。
クロスチャネルの連携をさらに強化・統合したものが「オムニチャネル」です。オムニチャネルでは、チャネルの違いを意識させないシームレスな購入体験が叶います。店舗に在庫がない商品をその場で支払いし、ECサイトから自宅に配送する手配をしてもらえるようになるのです。
クロスチャネルだけでは顧客体験の均一化ができないため、同じブランドのサービスとして認識されにくい傾向にあります。均一な顧客体験を目指すのであれば、オムニチャネルも検討する必要があります。
「クロスチャネル」と「オムニチャネル」の違いは少しわかりにくいから、しっかりとそれぞれの意味を押さえておこうね!
Google Adwords
「Google Adwords」は、Googleが提供する広告主向けの広告出稿サービスです。Google Adwordsは以前の呼び名で、現在は「Google広告」と呼ばれています。
Google Adwordsを使うことでGoogleの検索結果はもちろん、Googleと提携している個人ブログやWebサイトにも、自社の広告を出稿することができるようになります。
Google Adwordsでは、検索キーワードに連動して表示する「検索広告」やサイトやアプリ上にバナーを表示する「ディスプレイ広告」、YouTubeコンテンツに表示させる「動画広告」3種類の広告を掲載できます。
Google Adwordsで広告を出稿する際は、自由に予算を設定することが可能です。料金が発生するのはユーザーが広告をクリックしたときのみですが、クリック単価は入札形式で決まるため注意が必要です。広告出稿が多い人気のキーワードの場合、クリック費用が高くなりやすい傾向にあります。
検索エンジントップシェアのGoogleに広告を掲載できるほか、スピーディーで効果的が高い点、低コストである点がメリットです。
ただし、Googleと提携していないサイトには広告が掲載されないため、Yahoo!などといったほかの広告出稿サービスとの併用も検討する必要があります。
Google Adwordsと似た広告サービスとして、Google AdSenseがあるよ。AdSenseは運用サイトにGoogleの広告を掲載することで広告収益を得たい「サイト運用者向け」のサービスだから、区別しておこうね!
Googleアナリティクス
「Googleアナリティクス」とは、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールです。Webサイト内にトラッキングコードと呼ばれるタグを貼り付けることで、訪問者数だけではなくサイト内の行動を計測・分析することができます。Googleアナリティクスでは以下のようなことが分析できます。
- 流入元
- 流入キーワード
- 検索順位
- 性別や年齢などのユーザーの属性
- 閲覧ページ
- 滞在時間
- コンバージョン率
Googleアナリティクスでアクセス解析することで、自社サイトにたどり着いたユーザーの反応を把握でき、サイトの改善に役立てられます。
なお、2020年1月に「Googleアナリティクス4プロパティ(GA4プロパティ)」が発表され、これまでのGA(UA:ユニバーサルアナリティクス)に取って代わってデフォルトになることがアナウンスされました。
GA4は、ユニバーサルアナリティクスでは対応していなかったWeb+アプリのアクセス解析にも対応しており、GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などのデータ規則に対応した計測ができるようになっています。
GA4とユニバーサルアナリティクスには、ほかにもさまざまな違いがあるよ。今後ユニバーサルアナリティクスからGA4に切り替わっていくことは確実だから、しっかりと違いを理解しておこう!
Google Search Console
「Google Search Console」とは、Googleが提供している解析ツールです。Googleアナリティクスとは異なり、以下のような内容を取得できます。
- 検索キーワードごとの表示回数やクリック数、平均掲載順位
- SEOにおけるページの問題点
- ページの処理速度
- セキュリティや手動ペナルティの問題確認
- 被リンクの状況
- モバイルユーザビリティ
サーチコンソールで「サイトがクリックされる前のデータ」を分析し、アナリティクスで「サイトがクリックされたあとのデータ」を分析するというのが、一般的な使い方です。
もちろん、双方のツールを連携させることも可能です。サーチコンソールとアナリティクスをセットで活用することで、より高い成果を目指せるようになります。
サーチコンソールは、Googleアカウントを持っていれば無料で利用できるツールだよ。Webサイトの効果向上を目指しているは、必ずアナリティクスと一緒に導入しておこうね!
け
検索エンジン
「検索エンジン」とは、検索窓と呼ばれるボックスに調べたい単語を入れてボタンを押すと、あらゆるWebサイトから検索ワードと関連性の高いコンテンツを見つけ出し、表示してくれるシステムのことです。
言葉で聞くと少しわかりにくいかもしれませんが、私たちが日常的に使っているGoogleやYahoo!、Bingといったものが該当します。
検索エンジンは、仕組みによって以下の2つに分類されます。
- ディレクトリ(住所)型:人力でWebサイトの収集や登録を行うタイプ
- ロボット型:プログラムが自動的にWebサイトの収集や登録を行うタイプ
インターネットが登場した当初はディレクトリ型が主流でしたが、Webサイトが激増した影響で人力での登録が難しくなったため、現在はロボット型が主流になっています。
なお、ロボット型の検索エンジンが情報を収集するときは、以下の3つのプロセスを経ることになります。
- ロボットがインターネット上の情報を発見し(クロール)
- 情報をデータベースに登録し(インデックス)
- キーワードとの関連性をアルゴリズム(検索エンジンの基準)でランキング付けする
そして、検索窓にキーワードが入力されたときに、関連性の高い情報から順に表示させるのです。
検索エンジンは、ユーザーが求める情報を正しく早く伝えることを重要視しています。その目的を達成するために、日々アルゴリズムの改良が行われており、この改良のことを「アルゴリズムのアップデート」といいます。
検索エンジンで検索されたとき、自社サイトを上位表示させるための施策のことをSEOというんだよ。Webマーケティングにおいて、SEOは非常に重要な施策なんだ。
検索クエリ
「検索クエリ」とは、ユーザーが検索エンジンの検索窓に入力した語句のことです。そもそも「クエリ(query)」はITの専門用語で、「データベースに対する問い合わせ」という意味があります。
つまり検索クエリとは、Googleなどの大きなデータベースに情報を問い合わせるための語句という意味を持つのです。
たとえば、検索エンジンで「SEO 方法」と検索したとき、この「SEO 方法」が検索クエリだということです。なお、検索クエリはおもに以下の3つに分類することが可能です。
- ナビゲーショナルクエリ:「YouTube」や「Amazon」など、特定のサイトへ行くための検索クエリ
- トランザクションクエリ:「パソコン 購入」など、購入や問い合せといった行動を目的とした検索クエリ
- インフォメーショナルクエリ:「SEO 方法」など、情報収集のための検索クエリ
検索クエリは、Google広告やYahoo!広告、Googleアナリティクスなどで確認できます。検索クエリを分析することでユーザーのニーズが把握でき、成果につながる広告運用やSEO施策の考案に役立てられます。
検索クエリと似た言葉として「キーワード」があるよ。キーワードは広告の運用者などが広告掲載の際に用いる単語の組み合わせを指すんだ。検索クエリはユーザー側が検索した単語の組み合わせであるため、全く異なる意味を持つ言葉であることを押さえておこう!
KGI(ケー-ジー-アイ)
「KGI(Key Goal Indicator)」とは、日本語で経営目標達成指標と訳される言葉です。わかりやすく言うと、経営やビジネスの戦略上で定めた最終的なゴールのことを指します。
目標が数値化されていない場合、達成度合いを日常的かつ継続的に確認することが難しくなります。そのため、客観的な数値として測定できる尺度で示す必要があるのです。
なお、KGIに至るまでの中間目標のことを「KPI(Key Performance Indicators)」と言います。KGIがWebサイトからの成約を50%アップすることだった場合、KPIは「コンテンツを月に30本アップロードする」「WebサイトのPV数を5,000アップする」などといったものが設定できます。
このように、KGIは結果を測定する指標で、KPIはそれまでの過程を見るための指標ということなのです。KGIを設定するときは、必ず数値として成果を測定できるものにしなくてはいけません。定量的な目標でないと、メンバー間で認識のズレが生まれてしまう恐れがあるためです。
また、KGIとKPIは、それぞれが結びついていることが肝心です。適切にKGIを設定することで目標の明確化やモチベーションの向上が目指せるので、マーケティング戦略を立てる際は、必ずKGIとKPIを設定するようにしましょう。
近年は、「OKR(Objective and Key Result)」という言葉も注目されているよ。目標と成果指標の1つを設定して運用することで、個人と組織のパフォーマンスを連動させる指標なんだ。あわせて押さえておこう!
KPI(ケー-ピー-アイ)
「KPI(Key Performance Indicator)」とは、「重要業績評価指標」を意味する言葉です。 設定した大きな目標を達成するためにクリアしなくてはいけない小さな目標が、どれほど達成されたかを判定するために使われる指標です。
ある商品紹介ページで新規顧客を100人獲得することを目標に設定した場合、達成に至るまでには「サイト訪問者を1万人に増やす」「お問い合わせ数を増やす」などの小目標を達成する必要があります。
この小目標の達成率を測る指標が、KPIなのです。KPIの目標値を設定するときは、数値などで明確に成果を計測できるもので、努力や工夫で達成できる現実的な内容にすることが大切です。
一度設定したKPIは繰り返し見直し、適切な内容に修正しながら業務の振り返りや改善に活かしていきます。
ちなみに、達成したい大きな目標のことを「KGI」と呼ぶよ。KGIはKPIとセットで使われることが多い言葉だから、ここでしっかりと覚えておこう!
ゲーミフィケーション
「ゲーミフィケーション」とは、ゲームが持つ人を楽しませて熱中させるための要素や考え方を、ゲーム以外の分野で応用する取り組みです。
ゲームの独特の仕組みや発想を活用し、ユーザーを惹きつけ、意欲の向上やロイヤルティの強化がゲーミフィケーションの目的です。ゲーミフィケーションを活用すると、人々のやる気を高め、目標達成に近づける効果が得られます。
たとえば、飲食店の顧客に「公式LINEの登録」や「料理5品注文」などといった課題を提示し、それをクリアするごとに特典を与えるという手法を用いれば、マーケティングや販売促進にゲーミフィケーションを取り入れることが可能です。
ゲーミフィケーションは企業が売上を向上させるためだけではなく、社員の生産性を向上させるために導入される場合もあります。実際にゲーミフィケーションを行う際は明確な目標を設定し、課題と報酬を決めることが肝心です。
ゲーミフィケーションは、あくまで商品のよさを引き出すための手段のひとつだよ。ケーム化することが目的にならないよう、気をつけながら活用していこうね!
こ
広告ランク
「広告ランク」とは、検索結果に連動して表示される「リスティング広告」の掲載順位を決める指標のことです。リスティング広告を出稿するとき、何番目に自社の広告が表示されるかは、この広告ランクによって決定されます。広告ランクは、以下の要素によって評価されています。
広告ランク=品質スコア×入札単価+広告表示オプション
このことから、品質スコアもしくは入札単価のどちらかを上げることができれば、広告ランクは上げられるということがわかるでしょう。それぞれの要素の意味は以下のとおりです。
- 品質スコア:広告の品質を10段階で評価した指標
- 入札単価:1クリックあたりに支払う上限額
- 広告表示オプション:広告主が利用できる「電話番号表示」や「価格表示」などのオプション
入札単価を上げることは簡単にできますが、品質スコアはキーワードとの関連性やクリック率などで決定されるため、簡単に上げることはできません。
この仕組のおかげで、単に広告に多くの予算を使っている企業だけが広告枠を独占することを防げ、ユーザーにとって有益な広告が適切に表示される仕組みになっているのです。
広告ランクや品質スコアの向上は、広告コストの最適化や成果の向上に欠かせない施策だよ。広告ランクと密接な関係を持つ「品質スコア」についても、関連記事でしっかりと理解しておこうね!
交通広告
「交通広告」とは、電車やバス、飛行機など公共交通機関に掲載する看板やポスター広告の総称です。乗り物の中はもちろん、乗り場や構内に設置された広告も交通広告と呼びます。
誰でも通勤やレジャーで電車や飛行機を利用するときに、吊り広告やデジタルサイネージを目にしたことはあるでしょう。交通広告は私たちの生活になじみ深いものであり、無意識に繰り返し目にするため、訴求効果が非常に高い広告だとされています。
また、公共交通機関を利用した交通広告は、視認性が高いうえに信頼度が高くなりやすい点も大きな魅力です。媒体の種類が豊富で予算やペルソナの行動に合わせた展開ができるため、サービスの特性に合わせて展開しやすい広告として活用されています。
交通広告を含む屋外広告を「OOH(Out Of Home)メディア」と呼ぶよ。屋外に設置された大型ビジョンやラッピングカーなど、屋外の広告はすべてOOH広告に分類されるんだ。覚えておこうね!
コホート
「コホート」とは、簡単に言うと仲間グループのことを意味しています。同じ属性を持つユーザーの集団を指しており、グループ分けする際の要素はどのようなものでも問題ありません。
たとえば「同じ店舗で同じ商品を購入したユーザー」や「20代のユーザー」などといった条件を設定し、グループ分けしたものをコホートと呼びます。
マーケティングでは、「コホート分析」という手法がよく用いられます。年齢や世代、時代などといった要素でユーザーをグループ分けし、その集団の行動について分析することで、施策の効果や今後の行動予測、ニーズに合った商品開発に役立てていくのです。
なお、Googleアナリティクスにおけるコホート分析は、ユーザーを日別に分けて行動を分析する機能のことを指します。たとえば、ある週にWebサイトへ訪問したユーザーが何割再訪問してくれるのか、その後14日にどれくらいコンバージョンに至ったかについて分析することが可能です。
同じ時期に訪問してくれたユーザー(コホート)は、異なる時期に訪問してくれたユーザーと比べるとニーズや流入経路が似ています。そのため、定着率や改善策を判断しやすいというメリットがあるのです。
Googleアナリティクスのコホート分析は、「ユーザを初獲得した日」をグループ化して定着率やコンバージョン数などを分析する手法なんだ。一般的なコホート分析のようにいろいろなグループ分けができるわけではないから、気をつけようね!
コモディティ
「コモディティ」とは、商品やサービスの品質や性能、ブランド力や価格などに大きな差がなくなり、顧客にとって「日用品のようにどれも同じようなもの」になってしまう状況を意味するマーケティング用語です。
市場参入時は高い付加価値をもっていた商品も、時間が経って競合が増えると市場価値が低下してしまい、一般的な商品になることが多々あります。セブン-イレブンが初めて販売を開始したコンビニコーヒーは、当時革新的な商品で多くの人に愛されていました。
しかし、現在はほかのコンビニも続々とコーヒーを販売しはじめたので、消費者の中で「コンビニコーヒーはどこでも買える」という認識になっています。商品やサービスの価値が大衆化してしまう現象を、コモディティ化と言います。
コモディティ化してしまうと、他社との差別化を図ることが難しくなり、価格競争に巻き込まれ顧客を競合に取られる可能性があります。コモディティ化を防ぐには、他社とは違う競争軸の確立が欠かせません。
たとえばコンビニコーヒーであれば、「無料トッピングを豊富に用意する」「豆にこだわる」「従来よりも香りが立つマシンを導入する」といった戦略が考えられるでしょう。また、モノだけではなくお客さまに提供できる体験を充実させることも重要です。
商品やサービスの開発時だけではなく、その後の提供方法や提供できる顧客体験を工夫すると、「自社ならでは」の商品が生まれてコモディティ化を防げるでしょう。
コモディティ化を防ぐためには、顧客目線の商品やサービスを考えることがとっても大切なんだ!お客さまの立場になってみて「多くの企業からあえて自社を選んでもらうメリット」を提示できるマーケティングを意識してみてね!
コンシューマ
「コンシューマ(consumer)」とは、消費者や購入者を意味する言葉です。ビジネスやマーケティングでは、おもに商品やサービスを利用する最終利用者を指します。
企業向けの商品やサービスと区別するために使用される場合が多く、一般の消費者に向けた商品やサービスを「コンシューマー製品」、個人向けの商品市場を「コンシューマー市場」と呼びます。
なお、コンシューマーはあくまで最終利用者を指すため、「購入者=コンシューマー」とは限らない点に注意しましょう。たとえばランドセルを購入する場合、購入者はその両親ですが、最終利用者であるコンシューマーは子どもです。
他方で、コンシューマーを商品やサービスを購入する可能性があるすべての人であると捉えるケースもあります。このようにコンシューマーには複数の意味があるため、共通認識を持って行き違いが生まれないようにしましょう。
似たような言葉に「カスタマー」というものがあるよ。カスタマーは顧客や取引先を意味していて、たとえば卸売業者にとっては小売業者がカスタマーに該当するよ。カスタマーはあくまで顧客で、最終利用者であるコンシューマーではないから区別しておこうね!
コンテキスト
「コンテキスト」とは、英語で「文脈」を意味する言葉です。「状況」や「脈絡」、「前後関係」などといった意味で用いられることが多く、「どのような段階を踏んで現状に至ったのか」ということを指して使われるとイメージしておけば問題ないでしょう。
ビジネスやシーンやIT用語としてコンテキストを使用する場合、利用者の意図や状況、環境や基準となる条件などを指すことが多いです。
マーケティングにおいては、消費者の心理や背景を理解し、それにふさわしい商品を提供することを「コンテキスト・マーケティング」と言います。日時や場所、行動などの条件に最適なタイミングで商品を提供することで、購買意欲を効率的に向上させることができます。
代表的なコンテキスト・マーケティングとしては、Google AdWordsが具体的な例として挙げられます。Google AdWordsは検索キーワードや検索者の目的・状態を踏まえて広告を配信できるため、購買の可能性を高めて、ユーザーからの信頼を勝ち取ることができます。
コンテキストは、特定の何かを指すのではなく曖昧な概念を意味する言葉だから、使用されるシーンで意味が少しずつ異なってくるんだ。コミュニケーションの齟齬が生まれないよう、注意しながら使用してね!
コンテンツマーケティング
「コンテンツマーケティング」とは、ユーザーにとって有益なコンテンツを配信することで見込み客を育成し、購買につなげたりファンを獲得したりするマーケティングの手法です。実際に、化粧品メーカーでコンテンツマーケティングを行うときの事例を見てみましょう。
- コンテンツの配信:SNSで美容お役立ち豆知識を配信する
- 見込み客の育成:検索でSNSに辿り着いたユーザーにフォローしてもらう
- コンバージョン:実際にブランドの商品を購入してもらう
- ファンの獲得・拡散:SNSや商品のファンを獲得し、さらに購買や拡散を目指す
なおコンテンツマーケティングの手段は、以下のように多岐にわたります。
- 自社ブログやSNSで有益な情報を配信する
- 業界マガジンなどを定期的に郵送する
- イベントやセミナーの開催
クーポンを配布する、自社のカタログを郵送するなどの、サービスを直接的に売り込むアプローチはコンテンツマーケティングには含まれません。
あくまで、有益な情報を配信して潜在的なニーズを満たし、見込み客の育成やファンの獲得を目指していくことをコンテンツマーケティングと呼びます。
ちなみにコンテンツマーケティングは、見込み客に見つけてもらい、自社のサービスに興味を持ってもらう「インバウンドマーケティング」の一種だよ。近年注目されているマーケティング手法のひとつだから、あわせて覚えておこう!
コンバージョン(CV)
「コンバージョン(CV)」とは、Webサイトにおける最終的な成果を指します。マーケティングにおける最大の目的は、コンバージョンの効率的な獲得です。
コンバージョンは運営するサイトや提供するサービスによって異なります。たとえば、以下のような行動がコンバージョンに該当します。
- ECサイト→商品購入
- 製品の紹介サイト→お問い合わせ、資料請求
- 情報発信サイト→会員登録、メルマガ登録
マーケティング施策を考えるときは、まず「何をもってコンバージョンとするのか」明らかにすることが重要です。
なお、Webサイト訪問者の中でコンバージョンに結びついた割合を「CVR(コンバージョンレート)」と言います。
サイト流入経路やページごとのCVRを計測することで、改善策が見えてきてより効果的な広告にブラッシュアップできるようになります。
広告の効果を測定するときは、必ずCVR(コンバージョン率)が測定されるんだ。マーケティングでは頻出する言葉だから、しっかりと覚えておこう!
コーディング
「コーディング」とはプログラミングの一環で、Webサイトを組み立てる作業のことです。Webサイトをブラウザで表示するためには、プログラミング言語でコードを書いてコンピューターに指示を出さなくてはいけません。
あらかじめ作成したWebサイトのデザインや設計図をもとにHTMLやCSSといったコードを書き、Webサイトに反映させて見える形にすることがコーディングと呼ばれる作業です。
また、マーケティングにおいてはアンケートの自由記述(FA:Free Answer)の選択肢化を指す場合もあります。コーディングは自由回答の内容から類似する回答をまとめてカテゴリー化し、膨大な自由回答を少数の選択肢に絞り込んでいくことで、回答を定量化して集計しやすくする手法です。
この作業は「アフターコーディング(AC)」と呼ばれることもあり、カテゴリー化された「代表的な項目」をアフターコード表と言います。
コーディングには2つの意味があるのですね!両方の意味を押さえて、区別して使えるようにしなきゃですね!
コーポレートサイト
「コーポレートサイト」とは、その企業に関するいろいろな情報を伝えるために作られるホームページです。企業と様々なステークホルダー(利害関係者)をつなぐ媒体で、顧客やビジネスパートナー、採用希望者など、多くの対象者とコミュニケーションを行うために存在しています。
コーポレートサイトには、企業概要や自社商品のWebカタログ、企業コラム、採用情報、社員紹介、IR情報など、あらゆる情報を掲載します。こういった情報を掲載したサイトは、企業にとって「名刺」のような役割を果たす大切なツールとなってくれるのです。
コーポレートサイトを作成しておくと、企業広告や採用広告として活用できますし、ビジネスチャンスの拡大やカスタマーサポートをスムーズにすることができます。掲載内容は企業ブランディングに直結するため、自社の確立したいイメージに沿って掲載コンテンツを決めることが大切です。
コーポレートサイトは、企業のイメージや利益を向上させる効果があるから、専門知識を持ったWeb制作会社に作成を依頼すると効果的だよ!情報量が多かったり適切な情報が掲載されているとユーザーが迷ってしまうから、注意しよう。
コールドリード
「コールドリード」は、自社商品やサービスに対する関心が低く、直近で購買行動に移る可能性が低い顧客です。
今すぐに購買行動を起こす可能性はなくても、現在は情報収集段階で今後顧客になってくれる可能性があるため、継続したフォローが非常に重要です。
たとえば、セミナーで名刺交換をしたが商談に至らなかった人などがコールドリードに該当します。コールドリードの人数は非常に多いため、従来のマーケティング手法では全員をフォローすることができませんでした。
しかし、近年はIT技術が発達してきたため、メールマガジンやコンテンツの配信などで継続的なアプローチを行えるようになってきています。
コールドリードを購買行動につなげるために育成することを、リードナーチャリングと言います。
ちなみに、購入の可能性が高い見込み客を「ホットリード」、一定の購入意欲が見られる見込み客を「ウォームリード」と言うよ。マーケティングではすべてのリード(顧客)に対するアプローチが求められるから、それぞれの言葉の意味を理解しておこう!
5:25の法則
「5:25の法則」とは、顧客離れを5%改善することで利益率が25%改善される法則のことです。売上を向上させるために新規顧客を獲得するという手段もありますが、新規顧客の獲得は既存顧客に商品を販売するときの5倍のコストがかかるという「1:5の法則」もあります。
そのため、新規顧客を獲得するよりも既存顧客にアプローチし、顧客離れを防いで売上を向上させるほうが企業の利益につながりやすいと考えられているのです。
また、既存顧客は紹介などを通して新規顧客をもたらしてくれますし、リピートする際に上位サービスを購入することも考えられるため、利益率の向上に貢献する可能性が非常に高いです。
一度サービスを購入した顧客であれば、販売活動の際に商品の説明にかける時間を削減できるため、時間的・人的コストを抑えて商品を販売できるという利点もあります。
顧客離れを防いで利益率を上げるためには、既存顧客の優遇や定期的な情報発信、各顧客に合ったアプローチが有効です。
今回紹介した既存顧客のフォローも大切だけど、もちろん新規顧客の獲得も大事だよ。どちらかだけに偏るのではなく、新規顧客にも既存顧客にもバランスよくアプローチしていくことが大切なんだ。
5W1H(ゴ-ダブリュー-イチ-エイチ)
「5W1H」とは、あらゆるビジネスシーンで活用できるフレームワークです。5W1Hは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字を取った言葉です。マーケティングで5W1Hを活用する際は、以下のような内容を考えていきます。
- When:いつ商品を販売するのか、いつ顧客の購買意欲が高まるのか
- Where:商品をどこから仕入れてどこに提供するのか
- Who:誰が商品を利用するのか、誰にメリットがあるのか
- What:何を提供するのか、ターゲットが抱えているどの課題を解決できるのか
- Why:なぜ商品を利用するのか、ターゲットの抱える問題や願望はなにか
- How:どうやって販促活動をして集客するのか、競合はどうやってプロモーションしているのか
5W1Hは、商品開発だけではなく企業コンテンツの作成、マーケティング戦略の立案などにも活用できます。また、社内でのコミュニケーションや経営戦略の考案にも役立つ基本のフレームワークなので、身近なところから実践してみてください。
ちなみに、5W1Hに「hou mach(いくら)」が加えた5W2Hや、「hou many(どのくらい)」が加わった5W3H、5W2Hに「whom(だれに)」が加わった6W2Hといった派生系のフレームワークもあるよ!必要に応じて使い分けよう!
さ
サイトマップ
「サイトマップ」とは、サイト全体の構造を地図のようにわかりやすく一覧でまとめたページを指します。サイトマップがあるとユーザーはもちろん、Googleなどの検索エンジンにサイトの内容を伝えやすくなります。
結果的に、目的のページへたどり着きやすいサイトに仕上がり、SEO効果も期待できるでしょう。サイトの規模が大きかったり、内部・外部リンクが少なかったりする場合は、サイトマップを作っておきましょう。なお、サイトマップには以下の2つの種類があります。
- HTMLサイトマップ:サイトに訪れたユーザーに対し、サイトの構造を知らせるリンク集
- XMLサイトマップ:検索エンジンにサイト内のページを知らせるためのサイトマップ
せっかくWebサイトを作っても、検索エンジンに認識されなければ検索結果として表示されることはありません。
なお、サイトマップはWordPressのプラグインや無料のツールなどで簡単に作成可能です。手間を掛けずにユーザビリティの向上とSEO効果の両方を目指せるため、積極的に活用しましょう。
ちなみに、Googleによると「サイトのサイズが小さい」「サイト内の重要なページをすべてリンクしている」「検索に表示させたいページが少ない」というサイトは、サイトマップを作成する必要がないと言及しているよ!必要に応じて作成しようね!
SUCCESsの法則
「SUCCESsの法則」とは、相手に伝えたいことを記憶に深く刻んだり、気持ちを動かして興味を引いたりする効果がある法則です。
「Simple(簡潔)」「Unexpected(意外性)」「Concrete(具体的)」「Credible(信憑性)」「Emotional(感情に訴える)」「Story(ストーリー性)」の6つの要素で構成されています。
それぞれの要素で意識したいポイントは、以下のとおりです。
- Simple:誰が聞いても理解できる言い回しや内容
- Unexpected:インパクトがあり、話題性が高い
- Concrete:具体的な根拠や事例
- Credible:専門家の意見や推薦、これまでの実績
- Emotional:問いかけや共感
- Story:開発秘話や今までの経緯 など
プレゼンテーションやコンテンツ・広告を作成するときは、上記の要素を盛り込むことで効果的な訴求が可能となります。
複数のアイデアがあるときは、それぞれの要素に点数をつけることで、もっとも説得力のあるアイデアを見極められるよ。ぜひアイデアの立案時だけではなく、評価時にもSUCCESsの法則を活用してみてね。
サテライトサイト
「サテライトサイト」とは、本サイトの集客やSEOを目的に、本サイトとは別に立ち上げるサイトのことです。本サイトとの関連性を隠して立ち上げたサイトや、本サイトとは別のドメインで立ち上げたサイトを指すことが多いです。
たとえば、サテライトサイトをいくつか作って本サイトへのリンクを貼れば、本サイトの被リンク数を増やせて検索順位の向上が目指せます。また、美顔器の商品紹介をしている本サイトとは別に美容のお役立ちサイトを作って本サイトへリンクを飛ばすことで、本サイトだけではカバーしきれない潜在客の獲得を目指せるのです。
ただし、現在のGoogleでは低品質なサイトからのリンクが多いサイトには低い評価が付けられ、上位表示されないようになっています。したがって、被リンク数を稼ぐためだけに大量にサイトを作成することは、逆効果になってしまうことを理解しておきましょう。
本サイトと関連するテーマでユーザーに役立つ高品質なサテライトサイトを作成することが、本サイトの集客やSEOには欠かせません。
ちなみに、サテライトサイトは独自ドメインで作らないと、本サイト内のコンテンツのひとつだと認識されてしまうから気をつけてね!また、IPアドレスも異なったものを使用する必要があるよ。
サブスクリプション
「サブスクリプション」とは、商品やサービスを購入して所有するのではなく、必要なときに必要な分だけ利用できるビジネスモデルを指します。支払った料金に応じてサービスが利用できるサービスを「サブスクリプションサービス」と呼び、近年主流になりつつあります。
動画配信サービスの「Netflix」や音楽配信サービスの「Apple music」などがサブスクリプションサービスに含まれます。一般的に、サービスの使用量や回数ではなく利用する期間で料金を請求するビジネスモデルを意味しますが、「サブスクリプション=定額制課金」ではないため注意しましょう。
割合としては少ないですが、必要な分だけ課金する従量制のサブスクリプションサービスも存在しています。近年は飲食店やアパレルなどといったさまざまなサブスクリプションサービスが登場しており、ユーザーは常に最新の商品やサービスを料金に応じて利用できます。
企業は中長期的に顧客とのつながりを持てるので、継続的な収益向上を目指せます。
今後企業が利益を生み出すためには、顧客に「継続して使い続けたい」と思ってもらうようなサービスの提供が大切なんだ。サブスクリプションサービスを活用すると、顧客が生涯を通して企業にもたらす利益「LTV」を効率よく高められるよ。
サムネイル
「サムネイル」とは、画像などを一覧表示しやすいよう、アイコン大のサイズに縮小された画像のことです。スマートフォンやパソコンで撮影した画像や動画を閲覧する際、小さめのサイズの画像や動画が一覧になって表示されているものを目にしたことがある人は多いでしょう。
このように、視認性の高い状態になるように小さく表示された画像や動画が、サムネイルと呼ばれているのです。サムネイルは、Webサイトやインターネットサービスで使用されることもあります。
例えばAmazonなどといったECサイトでは、商品画像をその都度読み込むのではなく、サムネイルを複数表示させることで一覧性を高めて商品を比較しやすくしています。
また、もとのサイズでは大きすぎるデータをサムネイルで表示することで、表示スピードを早めたりデータ量を減らしたりする効果も得られるでしょう。
なお、サムネイルは無料の画像編集アプリで作成することも可能です。Web制作の際は、サムネイルも活用するとユーザにとって使いやすいサイトの制作が目指せます。
サムネイルの類義語として、「アイキャッチ」というものがあるよ。アイキャッチとは、ブログやコンテンツでユーザの目を惹くために設定される画像なんだ。サムネイルは縮小した画像のことで、アイキャッチを縮小したものもサムネイルと呼ばれるよ。
SaaS(サース)
「SaaS(Software as a Service)」とは、インターネットを経由してアプリケーションをレンタルする事業者やサービス形態のことです。ユーザーがアプリケーションやソフトウェアをインストールするのではなく、インターネット経由で利用する形態を指します。インターネットを経由して利用する「Gmail」や「Dropbox」などがSaaSの一例です。
SaaSの利用を希望するとき、ユーザーはサービスの申し込みを行えば、その日からシステムを利用可能です。このスピード感と手軽さがSaaSの大きな強みなのです。
SaaSの登場で、ソフトウェアは所有するものではなく「利用するもの」に変化してきました。それにともない、売り切り型からサブスクリプション型のビジネスモデルが主流になりつつあります。
SaaSの台頭とともに注目されるようになった「サブスクリプション」は、一定期間ごとに料金を支払うことで、期間中サービスや商品を使用できる形式のビジネスモデルを指すよ。今後主流になっていくことが予想されるから、しっかりと押さえておこうね。
サーバー
「サーバー」とは、インターネットのユーザーの要求に対し、それに応じたデータを提供するコンピューターやプログラムのことです。
Webサイトを閲覧するときは、ブラウザにURLを入力してエンターキーを押します。このとき、私達(クライアント)はサーバーに閲覧したいサイトの住所(IPアドレス)を問い合わせ、表示させるように要求しているということになります。
要求を受け取ったサーバーが求められているWebサイトの情報を提供することで、サイトが閲覧できるようになるというわけです。
ちなみに、サーバーには大きく分けると2つの種類に分けられます。
- 物理サーバー:レンタルサーバーや専用サーバーなどの、物理的に存在するサーバー
- 仮想サーバー:VPSやクラウドなど、1台の物理サーバー上で複数のOSを動かすサーバー
また、メールサーバーやアプリケーションサーバーなど、いろいろな機能を提供するソフトウェアとしてのサーバーもあります。
作成したホームページのデータを保管するときは、自社でサーバーを導入する必要があります。サーバーを導入するときは、自社でサーバーを購入して設置する「自社サーバー」と、サーバー会社からサーバーを借りる「レンタルサーバー」のどちらかから選ぶことが可能です。
ちなみに、ホームページを開設するときはサーバーだけじゃなくて「ドメイン」も必要になるよ。ドメインは、インターネット上の住所のようなものなんだ。Web制作の基本となる言葉だから、こっちもしっかりと押さえておこうね。
し
CMS(シー-エム-エス)
「CMS(Content Management System:コンテンツ管理システム)」とは、誰でも簡単にWebサイトを作成・コンテンツ配信を行えるシステムのことです。
本来、Webサイトを作成するときはHTMLやCSSなどといったさまざまな言語を用いて、1ページずつWebページのデータを作成して管理しなくてはいけませんでした。
対して、CMSを利用するとWebサイト上に画像データやテキスト、テンプレートなどのデータを保存しておけば、CMSが必要に応じてデータを組み合わせ、自動的にWebページを作成できるようになります。システムによっては、テンプレートを選択してテキストを入力し、画像をドラッグ&ドロップするだけで簡単にWebサイトを作成することも可能です。
CMSを利用すれば専門知識がなくてもWebページの更新や追加ができるようになりますし、複数人でサイト運用を分業化することもできます。
マルチデバイスに対応していてSEOに有効なので、サイトの利便性向上や上位表示を目指したいときにも利用がおすすめです。
ちなみに、近年はCMSとMAやCRMなどを組み合わせることでアクセス解析だけではなく、見込み客のスコアリングやページの最適化などの機能も利用できるシステムが増えてきているよ!CMSは、マーケティングツールとしても進化してきているんだ!
シェアリング
「シェアリング」とは、共有を表す言葉です。近年は、モノや空間などといったあらゆる資産の個人間での貸し借り(共有)を仲介するサービスや経済概念である、「シェアリングエコノミー(共有型経済)」が注目されてきています。
シェアリングエコノミーでは、企業が主体となってモノやサービスを提供するのではなく、個人間でのやり取りが基本となります。
貸主は自分が持っている資産やスキルを活用することで報酬を得ることができ、借主はリーズナブルな価格で利用できる点が大きなメリットです。シェアする資産は有形・無形を問わず、おもに以下の5つに分類することが可能です。
- モノ:フリマアプリやレンタルサービスなど
- 空間:貸し会議室や民泊など
- 移動:カーシェアリングやシェアサイクルなど
- スキル:Webデザインや語学教室など
- お金:クラウドファンディングなど
新しいマーケティング手法としてシェアリングエコノミーを活用する企業も増えてきています。第三者が「商品を売りたい企業」に「見込み客」を紹介するリファラル営業が、シェアリングエコノミーを活用したマーケティング手法の一例として挙げられます。
シェアリングエコノミーが広まった背景には、スマートフォンやSNSの普及で、個人がコミュニケーションを取りやすくなったことが大きく影響しているみたいです!今までは個人間での利用がメインでしたが、今後はどんどん企業も参入していきそうですね!
CRM(シー-アール-エム)
「CRM(Customer Relationship Management)」は日本語に直すと「顧客関係管理(顧客管理)」という意味で、顧客の情報を集めて分析して、顧客満足度を高めるマーケティング手法を指します。 たとえば、CRMの手法として挙げられるのは以下の通りです。
「自社ECサイトの顧客情報を蓄積し、購入商品やお問い合わせ内容を分析。その結果から、興味を抱きそうな商品のクーポンを配信」
広義では、顧客と良好な関係を構築して継続的な取引を目指すことを意味する言葉ですが、現在は顧客管理のためのITツールを「CRM」と呼ぶことが増えてきました。 CRMツールで利用できる機能の一例としては、以下のようなものがあります。
- 顧客管理:顧客の情報や行動履歴などを蓄積
- 顧客分析:人気商品の傾向を分析し、新規ユーザー獲得を目指す
- 問い合わせ管理:問い合わせの内容やメールの管理
- 販促機能:メールマガジンの配信やイベントの顧客リスト作成
企業は、CRMを活用して適切なコミュニケーションや情報発信を行うことで、リピーターの獲得や商品をほかの見込み客に広めてくれる優良顧客の育成を目指していきます。
顧客との関係構築を目的にしている「CRM」に対して、見込み客の情報を収集して育成することを「MA」、実際の営業活動について管理することを「SFA」と呼ぶよ。情報収集して管理する点では共通しているけど、用途が違うからしっかり区別しておこう!
CGM(シー-ジー-エム)
「CGM(Consumer Generated Media)」とは、口コミサイトや掲示板など、一般のユーザーが自ら情報を発信し、コンテンツが出来上がっていくメディアです。
コンテンツが豊富なサイトは検索エンジンからの評価が高まるため、ユーザーの活動が活発なCGMであれば検索で上位表示されやすくなります。CGMと言っても、種類はさまざまです。
- SNS:TwitterやInstagram、YouTubeなどのオンライン上のコミュニティサービス
- 口コミサイト:食べログや@cosmeなど、ユーザーレポートによって商品を比較できるサイト
- キュレーションサイト:NewsPicksやTogetterなどテーマに沿ってコメントをまとめたサイト
- ブログサービス:noteやアメーバブログなど、ユーザーが自由にブログを投稿できるサイト
- ナレッジコミュニティ:WikipediaやCookpadなど、知識を共有できるサイト
- 掲示板:5ちゃんねるなど、上記のあらゆる機能を包括したCGMサイト
CGMはユーザーが自発的にコンテンツを投稿して蓄積してくれるため、うまくいけば検索で上位表示され、大きな影響力を持つメディアになる可能性があります。
反対に、ユーザーの投稿が思うように増えない、スパム投稿が多くてサイトの評判が悪くなるなどといったリスクもはらんでいます。
CGMを通じた口コミマーケティングやバズマーケティングなどの重要性が高まりつつありますが、リスクも理解したうえでのCGM活用が重要です。
ちなみに、一般ユーザーによって作成されたブログやSNSなどの文章、画像や動画などは「UGC(User Generated Content)」と呼ばれるよ。CGMは、UGCが集まってメディアとして成り立っているものであると考えておこう!
CTR(シー-ティー-アール)
「CTR(Click Through Rate)」とは、クリック率です。広告が表示されたときにクリックされた割合が分かります。
広告への誘導効率を測ることができ、どれほどユーザーに興味を持ってもらえるか客観的な指標となります。一般的に、CTRの平均は1%前後だと言われていますが、広告の種類や業界によって平均値は異なります。
「CTR(%)=クリック数÷インプレッション数×100」で算出できます。インプレッション数が5,000のサイトで500回広告がクリックされたら、CTR=500÷5,000×100=10%ということになるのです。
CTRが多いとそれだけサイトへの訪問数が増えるため、広告効果が高いということになります。また、CTRが高い広告は良質な情報だと判断され、クリック単価が低くなるメリットがあります。
ちなみに似たような言葉として、1クリックあたりの単価のことを表す「CPC(Click per Cost)」や、コンバージョン率を表す「CVR(Conversion Rate)」というものがあるよ。非常に混同しやすいから、しっかりと区別しておこう!
CTA(シー-ティー-エー)
「CTA(Call To Action)」とは、Webサイトの訪問者に対して具体的な行動への誘導、もしくはそのためのテキストのことです。何をCTAとするのかは、メディアや商材によって異なります。以下のようなものがCTAにあたります。
- お問い合わせ
- 商品の購入
- セミナー申込み
- 無料の資料請求
- メルマガ登録
- お試しセットの購入
行動を促すために「今なら無料の資料請求に、ぜひお申し込みください」と掲載されたテキストもCTAと呼びます。
マーケティングの際は、単にアクセス数を稼ぐだけではなく成約に繋げなければいけません。そのゴールに導くためのプロセスとしてCTAを設置することで、効果的なマーケティング戦略になるでしょう。
CTAは、多くのユーザーが訪問するページやコンテンツエリアの下部への設置が効果的だとされています。
CTAの先にある最終的な目的のことを「CV(コンバージョン)」というよ。コンバージョンを獲得するためにはCTAを工夫する必要があるから、常にCTAの効果を測定して改善していくことが大切なんだ。
CDP(シー-ディー-ピー)
「CDP(Customer Data Platform)」とは、企業が蓄積している顧客データを管理するためのプラットフォームのことです。企業が効果的なマーケティングをするためには、顧客のデータを集めたり分析したりする必要があります。
ここで収集する顧客データには、個人情報のほかにも行動履歴や属性情報など、多種多様なものが含まれます。CDPを導入することで、Webサイトや会員情報などを通して自社で取得した膨大なデータ(1st partyデータ)を収集・統合して、まとめて管理することが可能となるです。
ただし、CDPは情報を管理するためのプラットフォームで、Web接客などを行うアウトプット機能はありません。そのため、MAなどのほかのシステムと連携して活用することが欠かせないのです。
インターネットの発展により消費者が自身で情報収集できるようになった今、顧客の心をつかむためには一人ひとりにマッチした提案をする「One to Oneマーケティング」を実施することが重要です。
そのため、顧客ごとのデータを効率的に管理して、情報をマーケティングに活用しやすくするCDPの必要性が高まってきています。
CDPの関連用語として、情報を管理して広告配信を最適化する「DMP」というものもあるよ。DMPは広告配信に特化したプラットフォームで、CDPはあらゆるマーケティング施策に対応できるプラットフォームなんだ。しっかりと区別しておこう!
CtoC(シー-トゥー-シー)
「CtoC(Consumer to Consumer)」とは、プラットフォームやサービスを通じて、個人の消費者同士がモノやサービスを売買するビジネスモデルのことです。
近年利用者が増えているフリマサイトや、スキルを売買するプラットフォーム、家政婦のマッチングアプリなどが代表的な一例として挙げられます。日本語に直すと、「個人間取引」と表現されます。
CtoCビジネスは、個人が在庫を持たずに自分の資産やスキルをお金に変えられる点が大きなメリットです。また利用者には、企業が提供する商材よりも安く商品やサービスの提供を受けられるというメリットがあります。一方で、トラブルが生じたときの対処が難しいという注意点も存在しています。
こういったCtoCビジネスが普及した背景にあるのが、「シェアリングエコノミー(共有経済)」という新しい考え方です。企業が提供する商品やサービスではなく、個人が持つ資産をシェアすることに着目したこの考え方は、さまざまな市場の常識を覆しつつあります。
ビジネスモデルを表す言葉には、ほかにも「BtoB(企業→企業)」「BtoC(企業→消費者)」「BtoG(企業→行政)」など、さまざまなものがあるんだ。余裕がある人は、一緒に覚えておこうね!
CPE(シー-ピー-イー)
「CPE(Cost Per Engagement)」とは、1エンゲージメントあたりの広告コストのことです。CPEは、以下の式で算出することが可能です。
CPE=コスト÷エンゲージメント
100万円のコストを広告にかけ、10万回エンゲージメントが発生した場合、CPEは「100万円÷10万回=10」ということになるのです。
マーケティングにおいてエンゲージメントとは、顧客と企業との「つながり」や「反応」のことを指します。エンゲージメントの定義は商品やサービスによって異なりますが、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- SNS広告におけるリツイートやクリックなどのアクション
- アンケートへの個人情報の入力
- 広告に2秒以上カーソルを合わせた
- 広告をタップやスワイプした
なお、エンゲージメントに対してコストがかかる広告のことを「CPE広告(エンゲージメント課金広告)」と呼びます。Twitterに広告を掲載した場合、その広告がリツイートされたときに費用が生じる広告が、CPE広告だということになります。
CPE広告は商品やサービスに興味を持ってもらうために出稿される広告で、購入などのコンバージョンが目的の場合には適していない点に注意しましょう。
CPE広告はサービスへの関心を集めるときに有効だけど、取り扱っている媒体が多くないんだ。現在は、SNSを中心とした媒体のみがCPE広告を取り扱っているよ。インターネットを活用したマーケティング以外には向いていないから、気をつけてね。
CPA(シー・ピー・エー)
「CPA(Cost Per Acquisition)」とは、1件のコンバージョンを獲得するために費やした広告コストで、Web広告で重要視されている指標のひとつです。「CPA(円)=広告コスト÷コンバージョン数」で算出できます。
広告費に100万円使って、サービスが1,000個売れたときのCPAは「100万円÷1,000個=1,000円」ということになります。サービスを1つ売るために1,000円の広告コストが使われていることもわかるでしょう。
CPAの数字を比べたとき、より数字が低いほうが効果の高い広告だと評価できます。つまり、広告AのCPAが500円、広告BのCPAが800円だったとき、広告Aのほうが安い費用で効率的に集客できていると判断されます。
CPAに関連のある言葉として、「1件の注文を獲得するためにかかった費用」を表すCPOというものがあるよ。それぞれの違いは「何を獲得する費用なのか」というポイント。似ている言葉なので、しっかりと区別しておこう。
CPM(シー-ピー-エム)
「CPM(Cost Per Mille)」とは、インターネット広告が1,000回表示されるために必要となる広告費のを指します。インプレッション1,000回あたりの費用を意味するため、インプレッション単価とも言われます。
あくまでインプレッションをもとに価格を算出するため、クリックされるかどうかは関係ありません。ちなみに、1,000回表示するごとに課金される広告形式を「CPM課金(インプレッション)」と呼びます。
CPMは「広告費用時にかかるコスト÷表示回数×1,000」で算出されます。広告費を100万円かけて1,000万回のインプレッションがあった場合、100万円÷1,000万回×1,000=100円になり、「広告を1,000回表示させるために100円のコストがかかった」ということがわかるのです。
表示させるメディアによって異なりますが、大体10~500円程度がCPMの相場になります。
ちなみに、類義語として1クリックごとの広告費を意味する「CPC」という言葉があるよ。「CPC課金(クリック課金)」は、広告がクリックされる度に広告費が発生する課金方法なんだ。CPMとよく比較される指標だから、区別しておこうね。
CPO(シー-ピー-オー)
「CPO(Cost Per Order)」とは、注文1件にどれくらいの費用がかかったのかを表す指標です。「CPO(円)=広告費÷注文数」で算出でき、CPOが低いほど広告の効果が高いことになります。
たとえば、100万円の広告を出して500回商品が購入された場合、CPO=100万円÷500=2,000円ということになります。つまり、1つの商品を販売するために2,000円の広告費がかかっているわけです。
より効率よくマーケティングしていくためには、できるだけCPOを下げる施策が大切です。
ちなみに、似たような言葉に「CPA」という言葉あるよ。CPAは「1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用」を表すんだ。「何を獲得するための費用なのか」が違うから、区別しておこうね。
CPC(シー-ピー-シー)
「CPC(Cost Per Click)」とは、1クリックあたりの広告費用です。クリックされるたびに料金が発生する、リスティング広告などの「クリック課金型」の広告に用いられます。
「CPC(円)=コスト÷クリック数」で算出されます。広告を出稿するために50万円使って100回クリックされた場合は、CPC=50万円÷100=5,000円ということになるのです。CPCは広告でユーザーをサイトに誘導するための費用なので、低ければ低いほど費用対効果が高くなります。
CPCは一般的に、競合他社とのオークションによって決定されます。ただしオークションの際は、上限CPCの入札金額だけではなく、広告の質も評価されて広告順位が決定されることを理解しておきましょう。
ちなみに、CPCと似たような用語に「CPM(Cost Per Mille)」というものがあるよ。CPMは広告が1,000回表示されときに発生する費用のことを指すから、両方覚えておこうね!
CVR(シー-ブイ-アール)
「CVR(Conversion Rate)」は、成約率です。コンバージョン(CV)を達成した割合が分かります。CVRを求めるには、「CVR(%)=CV数÷サイト訪問数(セッション数)×100」の式で計算します。
サイト訪問者が1,000人のサイトで、50人が商品を購入した場合、「CVR=50÷1000×100=5%」と求められます。
CVRを求める目的はさまざまですが、最大の目的は効率の良いコンバージョン数の増加です。同じ訪問者数でも、コンバージョン数が多くなればCVRは高くなり、効率的なマーケティング施策が打ち出せていると判断できます。
反対にCVRが低い商材がある場合は、何らかの理由でサイトから離脱しているユーザーが多いことになるため、改善するための施策を打ち出す必要があるでしょう。CVRは業界、商材や広告の媒体によっても大きな違いが出るため、目安や平均値の把握が重要です。
CVRを求めるときに重要となるコンバージョン(CV)は、マーケティングのときに絶対に覚えておきたい必須ワードだよ。しっかりと覚えておこうね。
ジオグラフィック
「ジオグラフィック」とは、地理学的な統計の属性データのことです。在住地域や地域ごとの気候、独自の文化や人口密度、都市化の程度などがジオグラフィックに含まれます。
マーケティングを行う際は、同じ属性やニーズを持つユーザーの塊を意味する「セグメント」が肝心となります。ジオグラフィックは、このセグメントの切り口のひとつなのです。
ジオグラフィック属性で顧客をセグメントすることで、各要因に適したアプローチの方法や品揃え、マーケティング施策の考案などに役立てることが可能です。
ジオグラフィックを活用したマーケティング施策の一例として、カップうどんが挙げられます。カップうどんのなかには関西と関東でカップうどんの出汁を変え、地域ごとに好まれる味に仕上げている商品があることは有名でしょう。
このようにジオグラフィックを用いれば、地域の特性ごとにアプローチ方法を変えることが可能となります。ジオグラフィックを取り入れてマーケティングを行うことで、売上の向上や売れ残り防止などといった効果が期待できるのです。
地理学的な統計データであるジオグラフィックに対し、人口統計学的な統計データは「デモグラフィック」と呼ばれているよ。デモグラフィックは性別や年齢、所得や家族構成といったデータでセグメンテーションを行うことを意味しているよ。
GNSS(ジー-エヌ-エス-エス)
「GNSS(Global Navigation Satellite System)」とは、人工衛星を利用した全世界測位システムの総称です。1980年代にアメリカが開発した「GPS(GPS:Global Positioning System)」は有名です。
ほかにも日本の「みちびき」やヨーロッパの「Galileo」などといった衛星測位システムが存在しており、これらをまとめてGNSSと呼んでいます。
いくつもの衛星測位システムを活用することで、山やビルに囲まれた場所でも十分な電波を受けられ、正確な位置情報を調べられるようになります。そのため、正しい位置を測定するためにはGPSを含む複数のGNSSを活用する必要があるのです。
これらの人工衛星を使って測位した位置情報は、航空機や船舶、カーナビ、地図アプリなど幅広いシーンで活用されています。
ちなみに、日本のGNSS「みちびき」は2010年に初号機が打ち上げられて、今は合計4機も使えるらしいです!将来的には7機体制になる予定なので、より精度の高い測位ができるようになるかもしれませんね!
GA4(ジー-エー-フォー)
「GA4」とは、2020年10月にリリースされた最新版の「Googleアナリティクス4プロパティ」を指します。これ以前のGoogleアナリティクスのバージョンは、ユニバーサルアナリティクス(UA)と呼ばれており、今後はUAからGA4に完全移行されます。GA4のアップデートでは、以下のようなポイントが変更されました。
- 機械学習による分析と予測:ユーザーが購入する確率・離脱する確率などを予測
- UIのリニューアル:レポートメニュー名が増え、表やレイアウトが大幅に変更
- 評価がイベント方式に:従来のページビューごとの評価からイベントごとに変更
- プライバシーに配慮:データ規制・トラッキング防止機能などに対応
- Web+アプリの計測:従来別で計測する必要があったデータが統合可能に
GA4へのアップデートによって、より深いデータの活用が可能となりました。また、従来はそれぞれで計測していた「Webサイト」「iOS」「Android」のデータが一箇所に集約できるようになっており、ユーザーの行動を一気に把握できるようになった点が大きなメリットです。
「Googleアナリティクス(GA)」は、Googleが提供する無料の解析ツールだよ。Webコンテンツや広告の効果を測定するときは必ず押さえておきたいツールだから、しっかりと覚えておこうね!
GDPR(ジー-ディー-ピー-アール)
「GDPR(General Data Protection Regulation)」とは、EUで制定された個人データの保護や取り扱いについて定めた法令です。対象となるデータはEU圏内のものだけですが、日本国内でEU圏内に住むユーザーの個人情報などを取り扱う際は、そのデータも対象となります。GDPRの対象となる個人データの一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 氏名や住所、電話番号
- 身体的、生理学的、遺伝的、精神的、経済的、文化的、社会的固有性に関する要因
- クレジットカード情報
- オンライン識別子
特徴的なのは「オンライン識別子」と呼ばれる、個人のIPアドレスやCookieといったインターネット上で個人を特定するための情報も個人データに含まれる点です。
もしも自社サイトにEU圏からのアクセスがある場合、IPアドレスやCookieなどの個人情報を取得する際は、必ずユーザーの同意が求められます。
法令に違反した場合は、最高で法人の全世界における売上の4%、もしくは2,000万ユーロ(約25億円)の高い方を罰金として支払う必要があるため、十分に注意しましょう。
ちなみに日本でも、プライバシー保護の観点から端末識別子の取り扱いについての規制が見直されているよ!今後マーケティングに影響を与える可能性が高いから、しっかりと情報収集しておこう!
GDN(ジー-ディー-エヌ)
「GDN」とは、Googleでディスプレイ広告を配信する広告ネットワークのことです。わかりやすく言うと、いろいろなメディアに広告をまとめて配信する仕組みのことを指します。
Webサイトを閲覧していて、画像やアニメーションで表現される「バナー広告」を目にしたことがある人は多いかもしれません。こういった、Webサイトやアプリの広告スペースに表示される広告のことを「ディスプレイ広告」と呼び、Googleが配信するディスプレイ広告のみを限定してGDNと言うのです。
GDNを利用すると、Googleと提携している200万以上のWebサイトや65万以上のアプリに広告が配信されます。配信先が非常に多く、身近なもので言うと個人ブログやGmail、食べログなどといったサイトやYouTubeなどに広告を表示させることが可能です。
なお、GDNは広告に興味がありそうなユーザーに対して配信される「リスティング広告」とは異なり、幅広い層に向けて配信されます。提携サービスが非常に多く、法人以外のサイトとも提携している点が特徴的です。
ちなみに、Yahoo!でディスプレイ広告を配信する広告ネットワークは「YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)」と呼ばれているよ。YDNは提携サイトだけではなく、Yahoo!関連のサービスにも広告が配信できるんだ。
ZMOT(ジー-モット)
「ZMOT(Zero Moment of Truth)」とは、顧客は事前に商品について調査していて、すでに来店前には購入品を決めているというマーケティング理論のことです。この理論はGoogleが2011年に提唱したもので、インターネットが普及した現代における消費者の意思決定モデルを示しています。
この理論では、お客さまは来店した瞬間(1=First)ではなく、来店前の瞬間(0=Zero)の状態で企業と出会い、商品の購入を決めているということになります。実際、欲しい商品があるときに自宅で口コミなどを検索して、買いたいものを決めてから店舗へ足を運んだことがある人は多いかもしれません。
顧客は来店前に購入の意思決定をしているので、ZMOTの段階で競争に勝つことが重要になってきます。しがたって、インターネット上で情報発信をすることが、ECサイトを持つ企業だけではなく実店舗がメインの企業にとっても重要となってきているのです。
ZMOTを意識したマーケティング戦略を実施するためには、とにかく検索してもらうためのきっかけづくりと消費者が求める情報の発信が肝心です。消費者が好感を抱いてシェアしたくなるようなコンテンツを提供する「コンテンツマーケティング」の仕組みづくりができると、ZMOT段階での顧客獲得が目指せるでしょう。
ZMOTの前には、顧客は店頭で購入する商品を判断する「FMOT」や、購入した商品を実際に使用することで継続購入を判断する「SMOT」といったマーケティング理論も提唱されていたんだ。関連用語としてあわせて押さえておこうね!
す
SWOT分析(スウォット-ブンセキ)
「SWOT分析」とは、企業の内部環境や外部環境を客観的に分析し、効果的な経営戦略を立てるために用いられる基本のフレームワークです。
企業が事業を営む際は、競合や市場トレンド、法律などといった「外部環境」と、自社の資産やブランド力、商品価格や品質などといった「内部環境」を考慮しなければいけません。
この2つの環境をプラスの要因とマイナスの要因に分けて分析することで、マーケティング施策の考案や経営資源の最適化を実現することが可能です。
なおSWOT分析で分析する要素は、以下の4つです。
- Strength(強み):自社が持つ強み、技術力の強さ、顧客数など
- Weakness(弱み):自社が苦手とすること、できていないこと、競合に劣っている点
- Opportunity(機会):ビジネスチャンスとなる環境の変化
- Threat(脅威):自社の強みを打ち消すリスクがある環境変化
強みと弱みは内部環境、機会と脅威は外部環境に分類されます。ただし、SWOT分析は、単なる現状の把握に過ぎません。
SWOT分析の要素が埋まったら、「強み × 機会」「強み × 脅威」「弱み × 機会」「弱み × 脅威」を組み合わせて、「クロスSWOT分析」を行いましょう。クロスSWOT分析まで行うことで、実際に計画に落とし込める具体的な戦術や戦略が見えてきます。
外部環境を分析するためのフレームワークとしては、ほかにも「PEST分析」や「ファイブフォース分析」があるよ。複数のフレームワークを組み合わせることでより効果的な戦略が見えてくるから、ぜひ活用してみてね!
スクリーニング調査
「スクリーニング調査」とは、調査対象者の条件を抽出するために、本調査の前に行う事前調査です。スクリーニングとは、「ふるい分ける・選抜」といった意味を持つ言葉です。
「20代・女性・既婚者・会社員」という特定の条件の相手を対象に調査をしたい場合、対象者が条件にマッチしているかどうかを先に確かめる必要があります。この本調査に必要な調査対象を絞り込む調査が、スクリーニング調査なのです。
あらかじめ調査を行うことで、本調査の経費を削減したりサンプルの精度を向上させることが可能です。ただし、対象者が多すぎる場合はコストがかさんでしまいますし、本調査の前に離脱されてしまうと意味がなくなってしまうというデメリットもあります。
スクリーニング調査を行うときは、本調査の意図を推測されやすい質問や、回答者の負担になるような大量の質問は避けるようにしましょう。
スクリーニング調査は、「事前調査」や「プレ調査」と呼ばれることもあるよ!不特定多数の人にアンケートの謝礼を支払うとコストがかかりすぎるから、対象を絞り込んでから本調査に進むと、とっても経済的かつ効率的なんだ。
スコアリング
「スコアリング」とは、見込み客(リード)を属性情報や行動情報に基づいて点数化し、アプローチの優先順位をつけることです。リードスコアリングと呼ばれることもあります。スコアリングを行う際は、下記の判断基準を用いることが多いです。
- 属性(アトリビュート):見込み客である企業の規模や担当者の役職などに対してスコアをつける
- 活性(アクティビティ):見込み客の行動の活性度に対してスコアをつける
- 興味(インタレスト):見込み客がどれほど商品に興味を持っているのかに対してスコアをつける
上記のような基準でスコアリングを行なえば、見込み客の確度を数値で可視化することができるようになり、それぞれに適した施策の考案に役立ちます。
優先順位が高い順にアプローチできるようになれば営業生産性が向上し、収益サイクルの強化や営業部門とマーケティング部門の連携が図れるようになるでしょう。
なおスコアリングを行う際は、まず全体像を把握して消費者の購買行動を洗い出してから、購買に繋がる可能性が高い見込み客に対して高い得点を加算していく手法が一般的です。
よりスコアリングの効果を高めるためにも、継続的に精度を見直し、より自社に合った判断基準にブラッシュアップすることが大切です。
ちなみにスコアリングは、マーケティング業務を自動化するMAの機能に含まれていて、自動化することができるよ!算出されたスコアがすべて正しいとは限らないから、ほかのデータも踏まえたうえで総合的に判断することを意識してね。
ステマ(ステルスマーケティング)
「ステマ(ステルスマーケティング)」とは、広告やプロモーションと分からないように、宣伝するマーケティング手法を指します。「サクラ」や「ヤラセ」に類似した手法です。以下のようなケースがステマに該当します。
- 企業からのPR依頼を隠し、SNSに称賛のコメントを記載
- 消費者に依頼してグルメサイトに良い口コミを投稿
- 一般人のブログを装って特定の商品を紹介
ステマは、海外では違法行為として規制されている行為です。日本にはまだステマを直接的に規制する法律はありませんが、詐欺罪に該当したり「不当景品類及び不当表示防止法」、「不正競争防止法」に違反する可能性があるため注意が必要です。
そもそも倫理的な問題が大きく消費者から信頼を失うリスクが高いため、ステマは決して行なってはいけません。企業はステマを防止するためにも、マーケティングに関する正しい知識とPRに適した表現方法を身につけることが大切です。
インフルエンサーマーケティングを行うときは、とくにステマに気を付けないといけないよ。しっかりと認識をすり合わせて、「PRだとわかる投稿」を作成してもらうよう徹底しようね!
スニペット
「スニペット」とは、コンピューターの画面上で表示される、概要などをまとめた短い文章を意味します。検索結果として表示されたページのタイトルやURLの下に表示される、説明文を指して使われることが多い言葉です。
スニペットを読むと、どのようのWebページなのかが簡潔に理解できます。スニペットには以下の3つの種類があります。
- スニペット:「meta description」と呼ばれるタグに記載した内容が表示
- リッチスニペット:画像やリンク、レビューなどテキスト以外の情報も表示
- 強調スニペット:検索結果の上部に検索キーワードの回答となるテキストが表示
スニペットはユーザーにとって「案内板」のようなものであるため、記載内容を最適化するとPVを伸ばす有効な手法となり得ます。
特に強調スニペットは最上位に表示されるため、SEO効果が高いとされています。強調スニペットは検索エンジンが選びますが、検索結果への回答が採用されることが多いので、見出しや本文を質問への解決策となるように最適化すると、選ばれる可能性が高まるかもしれません。
「meta description」は、ページの内容を100文字程度にまとめた、概要や要約のようなものだよ!HTMLのソース上に記載するものなんだ。Webコンテンツを作るときは、SEOのためにも必ずmeta descriptionを記載しようね。
スパムレポート
「スパムレポート」とは、スパムを手動で報告するGoogleの機能です。利用者はGoogle検索でスパムサイトを発見したとき、スパムレポートのサイトから通報できます。
ただし、寄せられた報告は手動によるサイト削除などには使われることなく、アルゴリズムの改善やウェブマスターへの通知などに活かされます。
2019年にGoogleから発表された情報によれば、2019年に報告を受けた件数は約23万件で、そのうち82%に何らかの措置を講じたことが発表されています。
利用者が日々スパムレポートを活用することで、よりGoogle検索結果の精度が上がり、安全かつ適切なサイトが表示されるようになります。利用者によるスパムレポートはGoogleにとって大切な情報源なので、積極的に協力しましょう。
スパムレポートは、Googleサーチコンソールからできるそうです!「スパムレポート」で検索しても同じ画面が表示されますよ。僕もスパムページを見つけたらきちんと報告しようっと!
スモールワード
「スモールワード」とは、検索回数が少ないキーワードのことを意味します。スモールワードが単体で検索されることは少ないですが、検索規模が大きいビッグワードと一緒に検索されることが多く、競合が少ないというメリットがあります。そのため効果的に活用できれば、少ない検索数でも高い成果につなげることが可能です。
たとえば、駅チカのコンセントカフェを探したいとしましょう。このとき「コンセントカフェ」がビッグワードで、「コンセントが使える〇〇駅のカフェ」がスモールワードとなります。ほかにも、複合キーワードである「カフェ 〇〇駅 コンセント」で検索する人もいるでしょう。
こういった複合キーワードやビッグワードよりも、競合が少ないスモールワードのほうが上位表示されやすく、成果も得られやすいこともあります。
ただし、スモールワードだけでは訪問者数の大幅な増加は見込めません。上位表示を目指すのであれば、サイト内のコンテンツを充実させたり内部リンクや外部リンクを最適化したりすることで、SEOに有利なサイトになるよう育成する必要があります。
そして、徐々に検索規模が中くらいの「ミドルワード」、検索規模が大きい「ビッグワード」で上位表示を目指していくことが肝心なのです。
ちなみに、適切なキーワードの選定や内部リンク・外部リンクの最適化などで、SEOに有利に働くサイトに育成することを「ドメインパワーを上げる」と言うんだ。スモールワードの活用は、ドメインパワーを上げたいときに有効な施策なんだよ。
せ
セグメンテーション
「セグメンテーション」とは、市場を分析して細分化し、顧客を分類することです。セグメンテーションで市場や顧客を同じニーズや特性をもつグループに分割すると、自社が生き残れるターゲット顧客層の選定が可能となります。セグメンテーションでは以下のような基準で市場や顧客を分類します。
- 地理的変数:都道府県、市町村、気候、土地文化など
- 人口変動変数:年齢、性別、家族構成、年収、職業など
- 心理的変数:ライフスタイル、価値観、性格、好みなど
- 行動変数:購入状況、購入頻度など
従来のマーケティングは、ユーザーを特定せずに大量の対象者にアプローチする「マスマーケティング」が主流でした。
しかし、消費者の価値観が多様化した現代の市場では、従来のマスマーケティングではニーズに答えられなくなってきており、セグメンテーションによるピンポイントのアプローチの重要性が高まってきています。
近年はIT技術の進化やSNSの普及により、従来活用しにくかった個人情報を用いたセグメンテーションを行ないやすくなりました。今後、競争優位性を確立して企業利益を向上させるためには、セグメンテーションの活用はより欠かせないものになっていくでしょう。
セグメンテーションと相性がいいアプローチ法としては「リスティング広告」や「ディスプレイ広告」、「コンテンツマーケティング」などが挙げられるよ。こういった手法を検討している企業は、ぜひセグメンテーションを活用してみてね!
セグメント
「セグメント」とは、集団やまとまりを指標にもとづいて区切ったもののことです。マーケティングにおいては、ユーザーの年齢や性別、職業や地域などによって集団を区分し、分けられた顧客層を「セグメント」と呼びます。
またビジネス全般においては、単に区別された要素のことをセグメントと呼ぶこともあります。「20代女性」「管理職男性」などが、セグメントの一例です。
似たような言葉に「ターゲット」というものがありますが、こちらはセグメントされたグループのうち、特定のグループを対象にすることを指します。「20代」と「30代」で分けられたセグメントのうち、「30代」を対象とすることをターゲットと言うのです。
セグメントは、自社のサービスや商品を効果的に訴求するための施策を考えるときにおこなわれます。どのようなターゲットに向けて訴求するのかについて考えるときには、セグメントの設定が欠かせません。
まずはセグメントを行い、そのうえで具体的なターゲットに向けて施策を考案していくというのが、マーケティングの一般的な流れとなります。
ちなみに、セグメントを行って顧客層を分類していく行為を「セグメンテーション」と言うよ。セグメンテーションは「セグメントをする行為」、セグメントは「分類された顧客層」という違いがあるから、区別しておこうね!
セッション
「セッション」とは、ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの一連の行動を指します。1回サイトに訪問して、そのサイトから離脱するまでの流れを「1セッション」と呼びます。
セッションが切れる定義は解析ツールによって異なりますが、以下のパターンが多いです。
- 30分以上操作されなかったとき
- 流入経路・参照元が変わったとき
- 日付が変わったとき
なお、セッションと混同しやすい指標として「PV(ページビュー)」があります。PVは、単にページが開かれた回数を指すので、セッションとはカウント方法が異なるため注意しましょう。
たとえば、WebサイトのAページにアクセスし、サイト内のBページを見てからAに戻った場合、セッションは1でPVは3になります。少しややこしいですが、区別して覚えておきましょう。
セッションに似た言葉には、PVのほかにも「UU(ユニークユーザー数)」というものがあるよ。サイトに訪問したユーザーを表す指標で、期間中は同じユーザーが何回訪問しても1UUとしてカウントされるんだ。この言葉についても覚えておこうね!
セールスプロモーション
「セールスプロモーション」とは、「Sales:販売」と「Promotion:促進」を組み合わせた複合語で、見込み客を購買行動につなげるためのあらゆる販売促進活動を指します。セールスプロモーションの手法としては、具体的に以下のようなものがあります。
- キャンペーンプロモーション:期間限定でキャンペーンを行い、プレゼントなどを提供する
- イベントプロモーション:イベントを通じて自社のサービスを紹介し、アピールする
- ダイレクトマーケティング:DMやポスティングなどで直接商品を売り込む
- インストアプロモーション:サンプル販売や特売など、販売店で行うプロモーション
またセールスプロモーションには、以下の3つの種類があります。
- 一般の顧客に向けた「消費者向けプロモーション」
- 小売業者や卸売業者に向けた「流通業者向けプロモーション」
- 社員に向けた展示会や表彰施策などの「社内向けプロモーション」
セールスプロモーションは広告やPRと混同されやすいですが、広告はサービスの認知を促すことです。PRは利害関係者との関係を構築することを指します。広告やPRは売上の向上だけが目的ではないのに対して、セールスプロモーションは売上が重要という違いがあります。
セールスプロモーションと広告などを組み合わせてマーケティングすることを「プロモーションミックス」と言うよ。ニーズやメディアの多様化により、これからはプロモーションミックスの重要性がますます高まっていくことが予想されているんだ。
そ
ソーシャルメディア
「ソーシャルメディア」とは、誰もが情報を発信でき、人と人がコミュニケーションを取り、社会的なつながりが広がるように設計された媒体を指します。
ソーシャルメディアでは「クモの巣」状に発信者と受信者がつながり、ユーザーは受け取り手であると同時に送り手にもなり、相互作用によって拡散が起こることが大きな特長です。
SNSと間違えやすいですが、SNSはソーシャルメディアのひとつであり、同意義ではありません。ソーシャルメディアの一例としては、以下のようなサービスが挙げられます。
- TwitterやFacebookなどのSNS
- @cosmeなどの口コミサイト
- Yahoo!知恵袋などの相談サイト
- YouTubeなどの動画配信サービス
- ブログ
従来のマスメディアとの違いとしては、マスメディアが一方的な情報発信しかできないことに対し、ソーシャルメディアは発信者と受信者双方で情報のやり取りができる点が挙げられます。近年は、ソーシャルメディアを宣伝やPR活動に活用する「ソーシャルメディアマーケティング」に注目が集まってきています。
ソーシャルメディアを悪用し、宣伝であることを悟られないようにする「ステルスマーケテイング」やフェイクニュースの発信などを行う悪質なユーザーや企業もいるんだ。消費者には、より正しい情報を見極める力が求められるようになっているよ。
た
タイアップ広告
「タイアップ広告」とは、企業がメディアや媒体に広告費を支払い、自社の商品やサービスを宣伝する手法です。広告主とメディアが協力して出す広告であるため、「協力・提携」を意味するタイアップ(tie up)という言葉が使用されています。「記事広告」や「記事広」と呼ばれることもあります。
タイアップ広告は、第三者による発信で中立性や客観性を担保でき、ターゲットに応じた発信で共感を得られやすいメリットがあります。メディア媒体を正しく選定すれば、そのブランド力や信頼度を使えるという点もタイアップ広告の大きな強みです。
ただし、費用が高くて記事の掲載までに時間がかかるデメリットもあります。費用はメディアによって異なりますが、50~数百万円、ビッグメディアになると1,000万円以上の費用がかかることもあるでしょう。依頼して掲載までは平均1か月ほどかかるため、時間に余裕を持った依頼が大切です。
ちなみに、タイアップ広告を掲載するときは必ず「広告」や「PR」といった文言を記述する必要があるよ。広告だということを隠してPRすると「ステルスマーケティング」になってしまい、企業のイメージを大きく低下させてしまうから気をつけてね!
タグ
「タグ」とは、広告の計測やアクセス解析のツール、SEOなどといった多様な機能をサイトに組み込むためのコードのことです。たとえばGoogleアナリティクスでアクセスを解析するとき、サイトに指定されたコードを設置した経験がある人は多いでしょう。タグには以下の3つの種類があります。
- htmlタグ:ページ情報やページ上のテキスト、画像やリンクなどを表示させるためのコード
- ツール用タグ:GoogleアナリティクスやABテストツールなどを使用するためのコード
- コンバージョンタグ:購入数や申込数などを測定するためのコード
タグが正しく実装できないと、広告やサイトの成果を正しく分析できなくなります。最悪の場合、サイトが適切に表示されなくなる恐れもあるため、しっかりと確認とテストを行なってからタグを設置することが大切です。
タグの数は膨大になりやすいから、タグマネージャーの活用がおすすめだよ。タグの管理を一元化できるから、非常に便利なんだ。Googleサービスのタグを一元管理できる「Googleタグマネージャー」が、代表的なサービスとして挙げられるよ。
タグマネージャー(GTM)
「タグマネージャー(GTM)」とは、Googleが提供するタグマネジメントツールです。そもそもタグマネージャーは、タグをまとめて管理するツールのことを指します。
メディアの運営時は解析タグや広告タグといった多くのタグを扱うことになりますが、毎回毎回タグを追加するためにコードを編集することが面倒だというときは、タグマネージャーを活用すると作業を効率化できます。
タグマネージャのコードをサイトの全URLに仕込んでおけば、コードを編集することなくタグの追加や修正などが行えるようになるのです。
タグマネージャーは多くの企業が提供していますが、なかでもGoogleのGTMは操作方法がわかりやすく利便性も高いため、多くの利用者数を獲得しています。Google製品であるため、GoogleアナリティクスやGoogle広告と相性がいい点も大きなメリットです。ほかにも、GTMには以下のようなメリットがあります。
- バージョンの管理が可能となる
- タグを管理しやすくなる
- タグが設置しやすくなる
- 公開前にプレビューできる
事前にアカウントを登録しておく必要がありますが、GTMの機能は無料で利用できます。Web制作を効率化できるツールなので、メディアの運営者はぜひ活用してみてください。
ちなみに、タグマネージャーには「Yahoo! タグマネージャー」や「Adobe Analytics」といったサービスがあるよ。使いやすさやGoogle製品との互換性がGTMの強みだけど、自分が使いやすいと感じるものを導入して問題ないよ。
ダイナミックプライシング
「ダイナミックプライシング」とは、需要と供給の状況に合わせて商品やサービスの価格を変動させる戦略を意味します。「動的価格設定」や「価格変動制」、「変動料金制」といった名称で呼ばれることもあります。
身近な例として、ホテルの宿泊費をイメージするとわかりやすいかもしれません。平日や長期休暇がない期間、ホテルの宿泊費は非常に安く設定されていますが、週末や行楽シーズンは宿泊費が一気に高くなります。
週末や行楽シーズンはホテルの需要が供給を上回り、値段を上乗せしても利用してもらうことが可能なため、ダイナミックプライシングで価格が調整されているのです。
企業はダイナミックプライシングを活用することで、需要が高い時期に収益をアップでき、需要が低い時期は価格を安くして在庫の抑制を図ることができます。
また顧客側にも、需要が低い時期は低価格でサービスを受けられるというメリットがあります。価格が安い時期に利用した顧客がサービスを気に入り、何度もリピートしてくれる優良顧客に成長する可能性もあるでしょう。
このように、ダイナミックプライシングは企業と顧客の両方にとってメリットがある仕組みです。以前は月別の利益や経費などのデータから手動で価格を導き出していましたが、最近はAIを搭載したツールを活用して時期ごとに最適な価格を決定している企業が増えてきています。
ダイナミックプライシングの際は、周辺イベントや天候、競合の状況、話題性なども加味されて価格が決定されるよ。メリットが多い仕組みだけど、過剰に価格を上乗せすると顧客の反感を買うリスクもあるから、注意しながら活用しようね!
ダイレクトレスポンスマーケティング
「ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Marketing)」とは、見込み客から直接的な反応を得ることを目的としたマーケティング手法です。
たとえば、「今すぐお電話でお問い合わせください」と電話番号を掲載し、視聴者のアクションを促している通販番組を見たことがある人は多いでしょう。この手法が、ダイレクトレスポンスマーケティングの一例として挙げられます。
通常、マーケティングは一方的なイメージやブランドの認知を目的に行われるため、企業から発信するだけの一方通行の関係性になりがちでした。
一方でダイレクトレスポンスマーケティングでは、販売側が広告やWebサイトなどで発信した内容に対して、問い合わせなどで反応したくれた消費者に直接アプローチしていきます。
幅広いターゲットにアプローチするプッシュ型営業とは異なり、自発的に反応してくれた購買意欲の高い見込み客に絞って売り込めるため、コストを抑えて効率よく営業ができるというメリットがあります。
ダイレクトレスポンスマーケティングを行う際は、「広告による見込み客の収集」「情報提供による見込み客の育成」「キャンペーンやクーポン、販売方法などによる販売促進」の3つのステップを踏むことが効果的です。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、気軽にアクションを取りやすいインターネットを通したマーケティングに適した手法です。今よりさらにマーケティング効果を高めたい場合は、積極的に活用してみるといいでしょう。
ちなみに、収集した見込み客を育成することを「リードナーチャリング」と呼ぶよ。リードナーチャリングは、ダイレクトレスポンスマーケティング以外にもさまざまなマーケティング手法で用いられる、マーケティングでは欠かせないプロセスなんだ。
ち
Tips(チップス)
「Tips」とは、問題解決に役立つちょっとしたアドバイスやヒントを意味する言葉です。非常に重要なものではないため、知らなくても困りはしないけれど、知っていると便利なコツやテクニックをTipsと言います。なお、Tipsは使われるシーンによって異なった意味を持つ言葉です。
- ビジネスシーン:問題解決のためのアドバイスやヒント
- IT業界:ソフトウェアやコンピューターを操作するときに役立つ小技やテクニック
- 投資信託:消費者の物価指数の変動に応じて増減する「物価連動国債」
投資信託のシーン以外で使われるときは、基本的に助言やヒント、アドバイスの意味で覚えておけば問題ないでしょう。
僕も先輩からたくさんのTipsを教えてもらっています!Tipsは「あまり知られていない」という意味を含むこともあるみたいです。「秘密の裏技」みたいな感じがするから、Tipsをたくさん持っていると仕事上手になれたみたいで嬉しくなりますね!
チャットボット
「チャットボット」は、コンピューターが自動でお問い合わせに対応してくれるコミュニケーションプログラムです。チャットで送られてきた会話に対して自動で応答してくれるため、FAQなどの対応をチャットボットで行う企業が増えてきています。チャットボットと言っても、2つの種類に分類できます。
- 人工知能型(AI搭載型):機械学習の技術搭載で、学習しながら会話内容を改善する
- シナリオ型(人工無能型):あらかじめ設定されたパターンに応じて応答する
シナリオ型であってもセマンティック検索(意味検索)ができるため、質問文の意味に合った会話形式で返答ができます。
業務を効率化するために、お問い合わせ対応や商品注文などの定型業務で活用されることが多いです。近年はチャットボットを使った告知などにより、SNSマーケティングの効果を高める手法が注目されてきています。
チャットボットは、顧客への対応を管理する「MA(マーケティングオートメーション)」と組み合わせることで、より高いマーケティング効果が得られると考えているよ。MAについてもしっかりと確認しておこう!
チャネル
「チャネル」とは、企業が作った商品やサービスが消費者に届くまでの経路を意味します。マーケティングチャネルと呼ばれることもあり、おもに以下の3つの種類に分けられます。
- 販売チャネル:小売業者やEコマースなど、顧客へ商品やサービスを販売する経路
- 流通チャネル:流通業者や小売業者など、商品やサービスを見せたり届けたりする経路
- コミュニケーションチャネル:インターネットマスメディアなど、顧客とやり取りするための経路
また、チャネルの形態によって以下の3種類に分類可能です。
- マルチチャネル:チャネルが複数存在すること
- クロスチャンネル:複数のチャネルが存在し、かつ顧客管理(CRM)システムなどを活用してチャネルを横断して情報を管理すること
- オムニチャネル:実店舗やECサイト、マスメディアやSNSなどすべてのチャネルを統合・連携した状態のこと
近年は、インターネットやスマートフォンの普及により消費者がメーカーから直接商品を購入できるようになったため、チャネルが単純化してきました。
その一方で、実店舗だけではなくさまざまな方法で消費者と関わりをもつ「オムニチャネル」が重要視されるようになりました。商品特性やターゲットに合わせ、効率的に販売できるチャネルを複数組み合わせることが大切です。
「マルチチャネル」「クロスチャンネル」「オムニチャネル」の3つのチャネル形態は、マーケティング戦略を考えるときに重要になるみたいです!とくにオムニチャネルは今後の主流となっていくので、必ず押さえておきたいですね!
直帰率
「直帰率」とは、ユーザーが最初に訪問したページだけを閲覧し、そのままサイトから離脱してしまう割合を指します。以下のような行動が直帰だと判断されます。
- LPを見たあと、ほかのサイトへ移動する
- LPを見たあと、ブラウザを閉じる
- LPを見たあと、何も操作しないまま放置する
なお、直帰率(%)は「直帰したセッション数÷全セッション数×100」で求められます。1日10セッションのページAがあったとき、4セッションがページを訪問したあとすぐに離脱し、6セッションが同サイト内の別ページに移動した場合、ページAの直帰率=4セッション÷10セッション×100=40%になるのです。
直帰率は、ページごとのユーザー行動を分析する際に重要となる指標です。「どうして直帰してしまうのか」を分析することで、改善すべきポイントを洗い出せるようになります。
ちなみに直帰率と似た言葉として、全セッションで離脱した割合をページごとに表した数値である「離脱率」というものがあるよ。直帰は離脱の一部に含まれるんだ。広告効果を分析するときに重要となる指標だから、区別して覚えておこう!
て
ティザー広告
「ティザー広告」とは、意図的に商品の要素を隠し、消費者の注目を集めることを目的とした広告手法です。もともとは、英語で「焦らす」という意味がある「Tease」からきています。
ディザー広告に使うWebサイトを「ティザーサイト」と言います。大きなキャッチコピーだけを載せて「coming soon」と記載したサイトや、カウントダウンだけを公開する広告を見た経験がある方は多いかもしれません。これが、ティザー広告やティザーサイトの代表的な手法です。
大きな要素や最低限の情報だけを提示すると、消費者に「もっと知りたい!」と思わせることが可能です。好奇心や興味を刺激すると、商品ページやホームページへ誘導できるようになり、高い集客効果を得られます。特に、類似商品と差別化を図りたいときに用いられる手法です。
効果が高いプロモーション手法である一方、制作難易度が高いというデメリットがある点に注意しましょう。商品やサービスの情報を隠しすぎてしまうと、商品の概要や広告の意図がまったくわからないものになってしまい、集客効果が得られない恐れがあります。
反対に、情報を公開しすぎてしまうとティザー広告として成り立たなくなってしまいます。近年は多くの企業が使うティザー広告に良い印象を抱かない消費者もいるため、活用は慎重に検討しましょう。
ティザー広告と同様の手法を用いた写真やイラストを「ティザービジュアル」、映像を「ティザー映像」と言うよ。それぞれを効果的に組み合わせて活用すると、ユーザーの期待値や興味を高められるんだ。
TD(ティー-ディー)
「TD(Title&Description)」とは、広告における広告文のタイトルと説明文のことです。タイトルとディスクリプションは、検索結果に連動して表示される「リスティング広告」などを含むWeb広告の効果を左右する重要な部分です。
タイトルとディスクリプションを最適化することで、クリック率やコンバージョン率の向上を目指せるようになります。TDを設定するときは、ガイドラインで使用不可な文字や表現をしっかりと把握しておくことが大切です。
媒体によっては、記号を使った強調表現や特定のターゲットへの訴求表現を禁止しているケースがあるため、可能な表現の範囲内で効果的なTDを設定することを意識しましょう。
また、媒体によってはタイトルと説明文のどちらかしか掲載されない、説明文が途中までしか表示されなくて省略されてしまうというケースもあります。見え方も意識しながら、最適なTDを作成していきましょう。
効果的なTDを設定するためには、「サービス内容をわかりやすく書くこと」「新情報で興味を引くこと」「好奇心を掻き立てる内容にすること」などが大切らしいですよ!このポイントを意識して、さっそくTDを設定してみましょう!
TMOT(ティー-モット)
「TMOT(Third Moment of Truth)」とは、顧客が商品を利用するなかで愛着が高まり、リピーターになる瞬間のメンタルモデルのことです。利用者がブランドや商品の価値を最大に感じる、「愛用する瞬間」と言い換えることもできます。
もともと、マーケティングでは消費者とブランドの接点を「真実の瞬間(Moment Of Truth)」とし、以下のような理論が展開されていました。
- ZMOT(Zero Moment of Truth):顧客は来店前に購入品を決めているという考え方
- FMOT(First Moment Of Truth):店舗内でのプロモーションが購入の意思決定に影響を与える考え方
- SMOT(Second Moment Of Truth):商品を使用して、リピートするか判断する考え方
TMOTは、以上のマーケティング理論の一歩先にある考え方です。何かを買うときはZMOTからTMOTの4つのステップを踏むため、消費者は1回の購買行動につき最大で4回もの評価を下すことになります。
TMOTの満足度を高めるためには、顧客のロイヤルティを高めて、商品やブランドの熱狂的なファンになってもらう必要があります。
そのためには、顧客に満足してもらえるブランド戦略や商品企画はもちろんのこと、適切なコミュニケーションの継続が大切です。レビューの投稿やSNSでの拡散が生まれ、ほかの消費者がZMOTにつながるというサイクルが実現します。
SMOTは「商品に満足したし、もう一回買ってもいいかな」という状態、TMOTは「期待以上の商品だから、ずっとこの商品を愛用したい!」という状態なんだ。ファンを増やすためには、SMOT以上の価値を提供してTMOTを目指す必要があるよ。
テキストメール
「テキストメール」とは、テキストだけで構成されているメールのことです。私達が作成している一般的なメールが、テキストメールであると認識してもらって問題ありません。
文字や記号だけで作成されているシンプルな形式であるため、専門知識が不要で受信者の環境やメールソフトに影響されることなく表示できるというメリットがあります。
また、データ容量が軽くてセキュリティソフトにはじかれる可能性が低い点も大きな強みです。とくに、営業担当が顧客に個別で送るメールや業務連絡などは、シンプルで軽いテキストメールが適しています。
たとえテキストメールであっても、段落や箇条書き、飾り文字や記号などを活用することで視覚的に見やすいメールを作成することは可能です。
ただし、テキストメールでできる装飾には限界があります。またメールの開封数を測定することが難しいという点にも注意が必要です。メールのクリック以外で詳しい効果測定をしたい場合、別で何らかの施策を講ずる必要があります。
文字のみで構成するテキストメールに対して、HTML言語で構成するメールを「HTMLメール」というよ。文字色や大きさ、フォントや画像などを入れて自由にレイアウトできる点が、HTMLメールの大きな特長なんだ。
テールワード
「テールワード」とは、検索エンジンでキーワード検索をするとき、検索結果を絞り込むために使うキーワードのことです。
たとえば「居酒屋」で検索してしまうと、検索結果があまりにも多く表示されてしまうため、ほしい情報が手に入れられませんよね。そこで「居酒屋 串焼き 新宿」といったテールワードを含めることで、地域や目的などを絞り込んで必要な情報をピンポイントで手に入れられるようになるのです。
「居酒屋」のような検索数が多いビッグワードでは、上位表示を目指すことは難しいものです。しかし、「居酒屋 串焼き 新宿」のような検索結果が絞り込まれるキーワードは競合が少ないため、上位表示を目指しやすくなります。そのため、テールワードはSEOにおいて非常に重要な役割を持っているのです。
テールワードを含めて検索するユーザーは明確な目的を持っていることが多いため、自社サイトへ誘導できればコンバージョンにつながりやすいというメリットがあります。「SEOで上位表示を目指している」「コンバージョン率を高めたい」という場合は、テールワードを活用したSEO施策の実施が大切です。
検索結果を絞り込むために複数の語句を組み合わせたキーワードのことを、「ロングテールキーワード」と呼ぶこともあるらしいです!検索数は少ないですが、コンバージョン率は高いキーワードなんですよ!
ディスクリプション
「ディスクリプション」とは、検索結果として表示されたサイトのタイトル下に表示される、コンテンツの内容を簡単にまとめた文章のことです。
検索エンジンでキーワードを検索した際、検索結果は上から「URL」「タイトル」「文章」の順で表示されます。この3番目に表示される「文章」が、ディスクリプションに該当します。
ディスクリプションはHTML形式で表記し、コンテンツの内容を検索エンジンやブラウザに伝えるためのメタタグの1つです。
ディスクリプションで設定した文章はWebページ内には表示されませんが、検索エンジンに対してどのようなページなのかを示す役割を果たしており、SEOで上位表示を目指す上では欠かせないのです。
また、ディスクリプションは検索結果にも表示されるため、ユーザーにコンテンツの内容を伝えることでクリックを促進する効果があります。
実際に一部の調査では、ディスクリプションがあるページとないページでは、あるページのほうが5.8%クリック率が高いことがわかっています。
なお、ディスクリプションには表示できる文字数の上限があるため、それに収まるように作成することがおすすめです。
Googleにおけるディスクリプションの表示文字数は110文字程度が目安ですが、最初の60文字までにもっとも伝えたい内容を記載しておくと効果的だと言われています。
ディスクリプションを作成するときは、狙っているキーワードやコンテンツを読むメリット・ベネフィット、競合他社と差別化を図る内容を含ませることが大切だよ。ちょっと手間はかかるけど、ページごとに最適なディスクリプションを作成するようにしてね!
ディスプレイ広告
「ディスプレイ広告」とは、広告枠を設けているWebサイトやアプリに表示される広告全般を指します。画像はもちろん、動画やテキスト形式の広告もディスプレイ広告と呼ばれます。バナーで表示されることが多いため、バナー広告と呼ばれることも多いです。
たとえばWebサイトを見ているとき、ページの下部や内部、下部などに広告画像が表示されているのを目にしたことがある人は多いでしょう。このサイト内に埋め込まれているのが、ディスプレイ広告なのです。
ディスプレイ広告の種類は主に2つで、Googleの「GDN(Googleディスプレイネットワーク)」、Yahoo!の「YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)」があります。ユーザーの属性や行動履歴によって表示される内容が変わるため、潜在層へのアプローチや認知度拡大に役立ってくれます。
ディスプレイ広告は、検索結果に連動して表示される「リスティング広告」とよく比較されるんだ。それぞれの違いや特長についてよく理解しておこう!
DtoC(D2C)
「DtoC(Direct to Consumer)」とは、メーカーが自社で企画・製造した商品を直接ユーザーに届けるビジネスモデルです。
通常企業で作られた商品は、卸売業者や店舗などの中間業者を経由してユーザーに届けられますが、DtoCでは自社でECサイトを構築し、ダイレクトにユーザーへ商品を届けます。
一般の消費者を対象にしているという観点ではBtoCと共通していますが、中間業者を挟まないところが大きな違いです。DtoCの特長は、下記の2つです。
- 手数料が不要
- 一貫性のあるブランディングができる
製造から販売まで自社で行えるため、利益率が高くてブランドの希望通りのイメージを作りやすいという利点があります。その一方で、認知されるまでに時間がかかる点や社内にノウハウが必要な点がデメリットとして挙げられます。
DtoCと間違われやすい言葉には、「BtoC」のほかにも「SPA」というものがあるよ。BtoCは中間業者を挟むビジネスのことで、SPAは商品の製造から販売までを行うアパレル業者のことだよ。それぞれでは少し意味が異なるから、区別しておこう!
ディレクトリマップ
「ディレクトリマップ」とは、Webサイト内の全ページのタイトルや記事内容、URLなどをまとめた一覧表です。Webサイトを制作する会社によって作成されることが多く、制作管理や作業者同士の情報共有のために活用されます。
なお、ディレクトリマップはインターネット上に公開されるものではないため、ユーザーの目には入りません。具体的には、以下のタイミングでディレクトリマップは活用されます。
- 制作を受注して企画提案や見積りを提示するとき
- 新規でサイトを立ち上げるときの大枠となる構造作りをするとき
- サイトリニューアルときの不足コンテンツを探すとき
- サイト運用にともないコンテンツを管理するとき
- SEO施策の立案やライバル調査をするとき
ディレクトリマップがあるとサイトの構成の考案や制作管理がしやすくなるため、Web制作のときは必ず作成しましょう。「一度作成したら終わり」ではなく、更新反映させながらより良いサイトの作成に生かすことが大切です。
ディレクトリマップはサイトマップと混同されやすいけど、サイトマップはWebサイトのコンテンツを一覧に表示したページなんだ。ユーザーが目当てのページを探すための地図が「サイトマップ」だから、管理が目的のディレクトリマップとは区別しておこうね!
DSA(ディー-エス-エー)
「DSA(動的検索広告:Dynamic Search Ads)」とは、Googleが提供する検索連動型広告機能です。DSAを利用すると、広告主のWebサイトと関連性が高いキーワードで検索しているユーザーに対し、ニーズを満たせるであろう広告を自動で生成・出稿できます。
広告主が設定するのは、「入札単価」「LP」「広告の説明文」の3項目のみ。あとはGoogleがキーワードやタイトル、広告文などを自動で設定してくれます。
従来はキーワードの選定や登録、広告の作成を人が行う必要がありましたが、DSAではこういった作業を自動化できるため、広告主の負担が大きく削減されるでしょう。
キーワード登録では拾えない検索語句にもアプローチ可能なので、想定外のキーワードやターゲットを発見できて成果を向上させやすいメリットもあります。
「商品の数が多い」「情報の更新頻度が高い」など、キーワードや選定や広告作成に時間がかかるサイトに向いている広告機能です。
DSAには多くのメリットがあるけど、意図しないキーワードでも広告が配信されてしまうというデメリットもあるよ。従来の広告も併用しながら、取りこぼしを防ぐためのサブの施策としての活用がおすすめだよ!
DSP(ディー-エス-ピー)
「DSP(Demand-Side Platform)」とは、広告出稿の費用対効果を高めるためのプラットフォームです。広告枠の買い付けから効果の分析まで自動で行い、複数のアドネットワークやアドエクスチェンジに広告配信を行うことができます。
従来は広告を出稿したいメディアごとに枠を購入していましたが、DSPでは自動でターゲットを分析してリアルタイムで広告に入札を行い、必要なときに配信してくれます。
広告主はターゲットや予算を設定し、広告を出向すればDSPが最適な広告配信を一元管理で行ってくれるので、負担を抑えて効果の高いマーケティングをしたいときに最適です。
ただし利用料がかかるため、アドネットワークなどを手動で運用するときと比べて、どちらが費用対効果が高いのかを慎重に比べる必要があります。
DSPと似たような言葉として「アドネットワーク」というものがありますが、以下のように意味が異なるため注意しましょう。
- アドネットワーク:複数の広告媒体に一気に配信するためのシステム
- DSP:複数のアドネットワークを一元管理するためのツール
広告主の収益を最大化するDSPに対し、広告を掲載するメディア側の収益を最大化するプラットフォームを「SSP」と呼ぶよ。両者は切っても切り離せない関係にあるから、どちらも覚えておこうね。
DX(ディー-エックス)
「DX(デジタルトランスメーション:Digital Transformation)」とは、進化したテクノロジーを活用し、人々の生活をより快適でいいものへと変革していく概念のことです。
経済産業省では、「企業がビジネス環境の変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに製品やサービス、ビジネスモデルを変革し、業務や組織、プロセス、企業文化などを変革し、優位性を確立すること」と定義しています。
近年、さまざまな産業で新しいデジタル技術が活用され、今までにないビジネスモデルを展開する新規参入者が増えてきました。
以前より競争が激しくなった市場のなかで企業が優位性を高めるためには、DX化によって生産性の向上や顧客ニーズへの対応が必要です。
また、新型コロナウイルスの影響で業務がオンライン化したことも、DX化の重要性を高めるひとつの要因となっています。DXは、私たちの身近なところにも豊富に存在しており、以下のような取り組みがDX化に該当します。
- 銀行口座の開設から取引までがオンラインでできるインターネットバンキング
- 企業における経費申請や決済手続き、振り込みなどがすべてシステム上で可能な経理システム
- 顧客の行動を分析してクーポンやおすすめメニューを配信したり、待ち時間のストレスを軽減したりするアプリの導入
企業がこのようなDXに取り組むことで、競争力の向上や多様なニーズへの柔軟な対応、事業継続性の確保などが可能です。
なお、デジタル技術の力で生産性を向上させる「IT化」と、業務プロセスやビジネスモデル自体を変革する「DX化」は異なる性質を持っているので、しっかりと区別しておきましょう。
ビジネスでDXを進める際は、全社的な取り組みが欠かせません。DXへの深い理解やデジタル人材の育成が必要になってくるため、早期に取り組みを始めることが肝心です。
ちなみに、DXの実現に欠かせないデジタル技術として、「IoT」や「AI」、「5G」、「クラウド」、「モバイル」の5つが挙げられるよ!DXを理解するためには重要な関連用語だから、あわせてチェックしておこう!
DDos攻撃(ディードス-コウゲキ)
「DDos(Denial of Service attack:サービス拒否攻撃)」とは、サーバーをパンクさせることを目的としたサイバー攻撃のひとつです。
特定のWebサイトやサーバーに対して大量のアクセスやデータの送信などを行うサイバー攻撃を「DoS攻撃(Distributed Denial of Service attack:分散型サービス拒否攻撃)」と言い、この攻撃を複数のコンピューターから大量に行うことを「DDos攻撃」と呼びます。
DDos攻撃の被害に遭うと、サーバーやネットワーク機器に大きな負荷がかけられてパンクしてしまいます。その結果、サイトへのアクセスが阻害されたり遅延が起きたりしてしまい、企業の信頼度が低下してしまったり金銭的なダメージを被ってしまったりするのです。
DDosは複数のコンピューターから攻撃を行いますが、攻撃者が複数人いるわけではありません。1人の攻撃者がマルウェアを使ってほかの人のコンピューターを複数乗っ取り、それを踏み台にして一気に攻撃を仕掛けます。
一般人のデバイスがサイバー攻撃に悪用されてしまうため、攻撃を仕掛けた犯人の割り出しが難しい点に注意が必要です。DDos攻撃は、単純な嫌がらせや妨害、抗議活動や強迫行為、ほかの攻撃の目隠しなどとして行われます。
対策法としては、頻繁に攻撃を仕掛けるIPの特定や、海外サーバーからのアクセス遮断が有効ですが、攻撃元が次々に変わるため対処が難しい傾向にあります。DDoS攻撃の対策ツールもありますので、活用しておくと安心でしょう。
「Dos攻撃」と「DDos攻撃」の違いは、攻撃拠点となるコンピューターの台数だよ。Dos攻撃は1台のコンピューターで大量に攻撃を仕掛けるんだけど、DDos攻撃は複数台のコンピューターから大量に攻撃するんだ。ややこしいけど、区別しておこうね!
ディープラーニング
「ディープラーニング(Deep Learning)」とは、人間の指示がなくともコンピューターが自ら学習し、人間が行うような判断を自動で下せるようにする技術です。近年のAI(人工知能)の急速な発展を支えており、実用化が進んでいます。
AIシステムは、機械に膨大なデータを学習・分析させる機械学習の技術が用いられています。この技術を発展させ、人間の神経をまねて作った「ニューラルネットワーク」を何層にも重ねたものが、ディープラーニングです。
機械学習よりも、さらに強力なデータの分析と学習が可能であるところが特徴です。ディープラーニングを活用すると、以下のようなことが可能となります。
- 顔認証による個人の自動判別
- 写真に写った顔の感情分析
- 音声認識
- 音声入力
- 自然言語処理
- 産業機器の異常検知 など
単なる機械学習とディープラーニングの違いは、人間が特徴量(対象の特徴を数値化したもの)を定義する必要がない点です。たとえば赤りんごと青りんごがある場合、従来の機械学習では「色を識別せよ」と定義することで判別が可能となっていました。
対してディープラーニングでは、赤りんごと青りんごの特徴を自動で抽出し、定義づけされなくても自動で判別できるのです。ディープラーニングでは特徴量の学習が自動でできるため、非常に高い精度を誇り、人間の認識精度を超えることもあります。今後は、自動運転や医療研究などさまざまな分野への活用が期待されています。
ニューラルネットワークは機械学習の技術のひとつで、ニューラルネットワークを活用した機械学習の手法がディープラーニングということだよ。少しわかりにくいんだけど、どちらも機械学習のひとつだと覚えておこうね。
デシル分析
「デシル分析」とは、顧客を10等分して、売上貢献度の高い優良顧客層を見極める分析手法のことです。購入履歴から購入金額の高い顧客を上から順にデシル1~10のランクに分け、購入比率や売上構成比を算出することで、どの顧客へのマーケティングに力を入れるべきかを明確化します。
たとえば、1,000名の顧客がいる場合は、Excelなどで購入金額順に顧客を並べ、上から100名ずつ10等分します。次に、全体の売上に対して「それぞれのグループがどれくらいの購入金額の割合を占めているのか」「各グループの売上比率はどれくらいなのか」などを計算することで、どこのグループを重要視すればいいのかがわかるのです。
デシル分析は、マーケティング活動の費用外効果の改善はもちろんのこと、自社課題の発見にも役立ってくれます。ただし、顧客ごとの細かい分析や問題発見をすることは難しいため、あくまで大まかな分析やほかの分析をサポートするひとつの材料として活用することが重要です。
顧客をグループ分けする分析手法としては、「RFM分析」というものもあるよ。これは、「いつ・どれくらいの頻度で・いくら購入したのか」という3つの指標で顧客を分類する手法なんだ。デシル分析と一緒に活用されることも多いから、あわせて押さえておこう!
デジタルサイネージ
「デジタルサイネージ」とは、商業施設や駅、街頭などにディスプレイやプロジェクターなどの映像装置を設置し、情報を発信するシステムです。いわゆる「電子看板」で、広告を掲載する媒体として活用されています。
デジタルサイネージは、情報を表示する「画面」と情報を取り込んで操作する「コントローラー」の2つを用いて再生する仕組みです。さらに、内蔵された情報のみを表示する「オフライン使用」とインターネットに接続してWeb上の情報を表示する「オンライン再生」の2つの使用法があります。
従来、商業施設や駅で情報を発信するというとポスターや看板などが一般的でした。しかし、デジタルサイネージではデジタル映像機器を用いて、多くの情報を手軽に発信できるようになりました。
動画再生やタッチパネルとしての使用が可能なデジタルサイネージも増えてきており、消費者のニーズに合わせてリアルタイムな情報を配信できるようになった点がメリットです。
ただし、ある程度の初期費用がかかる点や、故障などの機器トラブルが発生するリスクを理解して活用しなくてはいけません。
電子化されていない単なる広告を「サイネージ」と呼ぶんだけど、近年はデジタルサイネージを省略してサイネージと呼ぶことも増えてきているんだ。サイネージという言葉がどちらの意味で使われているのか、文脈から読み取る必要があるんだ。
デジタルフォレンジック
「デジタルフォレンジック」とは、犯罪捜査や法的紛争などで法的な証拠性を明らかにするために、コンピューターなどの電子機器に残っている記録を収集したり分析したりする技術のことです。
フォレンジックは「法廷」や「鑑識」、「科学捜査」などといった意味を持つ言葉なので、デジタルフォレンジックは「デジタル鑑識」という意味であると考えるとわかりやすいかもしれません。
たとえば、不正アクセスや情報漏えいがあったとき、サーバーや通信記録から怪しい操作がないかを分析したり、破壊されたデータを復元して証拠を見つけたりすることが、デジタルフォレンジックの一例として挙げられます。
また、定期的にデジタルフォレンジックをを通して監査を行うことで、不正が発生することを防ぎ、有事の際に迅速な対応ができるようになるというメリットがあります。デジタルフォレンジックの代表的な手法としては、以下の3つを押さえておきましょう。
- コンピューターフォレンジック:コンピューター上に保存された情報を調査する技術
- モバイルフォレンジック:スマートフォンなどのモバイル機器上に保存された情報を調査する技術
- ネットワークフォレンジック:ネットワーク上の通信ログ(パケット)を調査する技術
上記のようなデジタルフォレンジックで得られた情報は、法的措置を取るときの証拠になります。IT技術の発展とともにサイバー攻撃のリスクが増加している現代の日本において、デジタルフォレンジックはますます重要性が増していく技術だと言えるでしょう。
デジタルフォレンジックを行なうときは、操作ログやデータのバックアップが取れる環境と、得られた証拠を保全できる環境を整えておくことが大切なんだ。知識のない人がむやみに行おうとすると証拠を消してしまうこともあるから、専門家へ相談すると安心だよ!
デモグラフィック
「デモグラフィック」とは、人口統計学的な統計の属性データのことです。デモグラフィックには、性別や年齢、居住地域、所得、家族構成、職業などといった属性が含まれています。
マーケティングを行う際は、同じ属性やニーズを持つユーザーの塊を意味する「セグメント」を意識することが重要です。デモグラフィックは、このセグメントの切り口のひとつです。
デモグラフィックは、マーケティングの際に顧客ターゲットを決定したり、商品のプロモーション方法や価格の設定、新規出店の判断材料などに活用されます。消費者行動との関連性が強いうえに公的データが手に入りやすいため、よくビジネスやマーケティングではよく用いられています。
ただし、デモグラフィックだけでは「なぜ消費者がそのような行動をするのか」が分析しにくいため、表面的な理解しかできないケースもある点に注意しましょう。
そのため、地域の人口や文化に着目した「ジオグラフィック」や、個人の心理的な属性に着目した「サイコグラフィック」などといった、複数のセグメンテーションを組み合わせることが肝心です。
ちなみに、ジオグラフィ(地図)とデモグラフィックをかけ合わせた「ジオデモグラフィックス」という手法もあるよ。デモグラフィックの属性を地図上に反映させたデータのことで、新規出店の判断などに活用されるんだ。
データサイエンティスト
「データサイエンティスト」とは、数学や統計学、プログラミング、機械学習などの理論を活用し、膨大なデータを分析して洞察を導き出す「データサイエンス」を行なう人です。
近年のビジネスでは、できるだけ多くの情報を蓄積し、活用することが求められるようになってきました。しかし、単なるビッグデータではそのまま活用できないため、データサイエンティストが有益な情報を導き出し、ビジネス上の課題解決に活用していく必要があるのです。
飲食店の過去の売上データを加工し、曜日別・時間別に来客数を可視化し、注文の傾向を分析し、食材の仕入れ量を決める判断材料を提供するなどが、データサイエンティストの一連の作業です。
今後も各企業が蓄積するデータ量は増えていき、そのデータを活用したAI技術の進歩が予想されます。データサイエンティストは、年々需要が高まりつつある非常に将来性のある仕事だと言えます。
企業においては、優秀なデータサイエンティストの確保や育成が今後のビジネスを成功させるカギとなるでしょう。
データサイエンティストになるために特別な資格が必要になることはないよ。その代わり、データを分析する情報処理能力や「ITスキル」、データサイエンスを運用できるようにする「データエンジニア力」、課題を理解したうえで解決する「ビジネス力」の3つのスキルが求められるんだ。
データフィード最適化(DFO)
「データフィード最適化(DFO)」とは、アフィリエイトなどの集客チャネルに登録する商品データを最適化し、ECサイトの新規顧客を獲得する施策のことです。
そもそもデータフィードとは、リターゲティング広告やアフィリエイト広告、商品リスト広告などの広告配信に登録する商品のデータを、配信先のプラットフォームのフォーマットに変換して送信する仕組みです。
DFOでは配信先のフォーマットに変換して送信するだけではなく、キーワードを見直したりカテゴリを最適化したりして、データを登録していきます。
画像内に説明キャプションを埋め込んだり状況に応じて商品データを修正したりと、随時データを更新して精度と鮮度を上げていくことで、より効果的に顧客へアプローチしていくのです。
こういったDFO作業を人力で行うことには限度があります。作業を効率化して効果を最大化するためには、ツールの導入によってDFOを自動化することがおすすめです。
DFOツールを使えば、商品データの自動生成やプラットフォームごとのフォーマットへの変更、商品情報の更新を自動化できるから、リンク切れや在庫切れなどのトラブルを未然に防げるよ。こういった更新運用が負担になっている企業は、ぜひ検討してみてね!
データベース(DB)
「データベース(DB)」とは、集積・整理された情報の塊、もしくは情報を管理するシステムを指します。コンピューター上で管理するデータをデータベースと呼ぶことが一般的ですが、紙にまとめた顧客情報や電話帳などもデータベースと呼ぶことが可能です。
顧客情報を氏名や電話番号の項目ごとに整理していつでも呼び出せるようにしたものや、商品をジャンルごとに分類して在庫として登録したりしたものが、データベースと呼ばれます。データベースには以下の3つの種類が存在しています。
- 階層型データベース:データを階層のように構成し、ツリー構造にまとめたデータベース
- ネットワーク型データベース:データを網状に構成し、相互に結びつけてまとめたデータベース
- リレーショナルデータベース(RDB):Excelのような表形式でまとめたデータベース
単に情報を集めるだけではなく、整理して活用できるものに加工し、必要なときに取り出せるようにしたものがデータベースに該当します。企業はバラバラな状態のデータをまとめ上げると、効率的な業務の遂行やマーケティング施策の考案に役立てられるようになります。
データベースを自動で管理したり運用したりするシステムとして「データベース管理システム(DBMS)」というものがあるよ。人為的ミスを防ぎながら効率的にデータベースを運用できる便利なシステムだから、必要に応じて導入を検討してみてね!
データマイニング
「データマイニング」とは、統計学や人工知能などを駆使し、データを分析して傾向やパターンを発見する手法を指します。データマイニングでは「発生確率の予想」や「データの特徴ごとの分類」「関連性の抽出」が可能です。
膨大な量のビッグデータをマーケティングに活かすためには、ただ情報を集めるだけではなく、データマイニングによる「使用できる知識」の発見が大切です。
データマイニングでは顧客の購買行動などを分析して購入率や商品の分類などを導き出し、マーケティング施策の考案に役立てていきます。データマイニングは以下の2種類に分類されます。
- 機械学習:蓄積されたデータをもとに、人工知能を用いて新しいパターンやルールの知識を発見
- 統計分析:回帰分析や因子分析を用いて、仮説や目的に沿って課題解決に必要なデータを集め分析
実際にデータマイニングを行うときは、ツールを活用することが一般的です。ツールがあれば人工知能や統計学の深い知識がなくても、マーケティングに活かせる傾向や戦略を発見できるようになります。
ちなみに、データマイニングには様々な手法があるんだ。データの類似性にもとづいて分類する「クラスタリング」や、特定の事象が起きるか・起きないかを分析する「ロジスティック回帰分析」などが代表的な手法として挙げられるよ。
DMP(ディー-エム-ピー)
「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」とは、インターネット上に蓄積された多様な情報データを一元管理して分析し、広告配信などの最適化を実現するプラットフォームのことです。
データには自社の顧客データや購買情報、資料請求の入力フォームなどで収集した見込み客データなど、さまざまな種類があります。
また、オンラインショップ上の顧客の行動を記録したログデータや実店舗におけるPOS(販売時点情報管理)データなども、企業が保有するデータの種類として挙げられます。
複数のデータを1ヵ所に蓄積・分類し、分析やレポーティングを行い、ほかのマーケティングツールと連携できるようにするのが、DMPなのです。DMPは大きく分けると2つの種類があります。
- パブリックDMP:データ提供企業が保有しているユーザーの属性情報や行動履歴など、自社だけでは把握できないさまざまな情報を取得できる
- プライベートDMP:自社独自で保有している行動履歴や購買履歴などのマーケティングデータと外部データを組み合わせて管理できる
DMPを活用すればマーケティングデータを一元管理することができ、消費者の指向性や興味関心を可視化できるようになります。
また、今まで気づけなかった新たなターゲットの発掘、マーケティング効果の向上などが見込めます。ただし、まとまった初期費用やランニングコストなどがかかるため、費用面に気をつけながら導入を検討することが大切です。
DMPはあくまでデータを管理するためのものであり、データの活用は行ってくれないんだ。データをMAと連携させることで、フェーズごとに最適なアクションを自動で行えるようになるよ。可能であれば、DMPとMAはセットで使いたいね!
と
トラッカー(Tracker)
「トラッカー(Tracker)」とは、人の行動やシステムの挙動、データなどの情報を収集・監視するためのツールやシステムなどを意味する言葉です。たとえば、ITの世界では以下のようにさまざまなトラッカーが使用されています。
- Cookieなど、Webサイトの訪問者やオンラインサービスの利用者の行動を追跡して記録する技術
- 広告などのパフォーマンスを分析するために用いられる計測用のURL
- GPSなどで取得した位置情報などを送信し、パソコンやモバイル端末などを通して閲覧するシステム
このように、追跡や情報収集をするためのさまざまな技術全般をトラッカーと言うと理解しておけばいいでしょう。Webや広告制作の際にトラッカーと言うときは、Cookieなどの追跡技術を指すことが多いです。
トラッカーは、一人ひとりに合った広告を配信するリターゲティング広告の表示やECサイトのおすすめ欄の表示、会員情報やログイン情報入力の簡略化など、さまざまなシーンで役立っています。
トラッカーを使って追跡することを「トラッキング」と言うよ。近年はプライバシー保護の観点から、トラッキングを規制する取り組みが行われるようになってきたんだ。広告やWeb制作に影響が出るかもしれないから、最新の情報に注目しておこうね!
トラッキング
「トラッキング」とは、システムの挙動やデータの動向などの情報を収集し、監視することです。日本語に直すと「追跡する」という意味を持ち、特定のユーザーのサイト内やサイト外の動きを追跡し、分析することを意味するマーケティング用語として使われています。
トラッキングでは、たとえば「ユーザーがサイト内のどの項目をどれくらい閲覧したのか」「どのページからのコンバージョンが多かったのか」などといった情報を分析することが可能です。
トラッキングで得られたこういった情報は、サイトの運営者にとっては有益なもので、サイトや広告の効果改善につなげるヒントとして活用されています。トラッキングを行うためのツールにはさまざまなものがありますが、一般的に使用されることが多いのは「Cookie」です。
なかでも、サードパーティCookieと呼ばれるものを用いれば、ユーザーが自社サイト以外のどのようなサイトを利用しているかを追跡することも可能となります。
サイトや広告の運用者にとってはメリットが多いトラッキングですが、自分の行動を追跡されることに嫌悪感や不快感を抱くユーザーがいることも事実です。
日本では2020年に個人情報保護法が改正され、Cookie情報の取り扱いの見直しが進んでいます。サイトや広告の運営者は過度なトラッキングを避け、ユーザーのプライバシーを侵害しない工夫をすることが大切になります。
近年はブラウザアプリのSafariにトラッキングを防止する機能である「ITP」が搭載されるなど、トラッキング対策が注目されつつあるよ!スマートフォンのプライバシー設定にはトラッキングを拒否する設定もあるから、気になる人はやってみてね!
トラフィック
「トラフィック」とは、ネット上を行き来するデータ量のことを指します。アクセス数と混同されることが多いですが、1日の総アクセス数ではなく一定時間中のアクセスにともなう通信量を意味する点に気をつけましょう。
トラフィックがあまりにも大きい場合、サイトの表示が遅れたりレスポンスが遅くなったりする可能性があります。
なお、Webマーケティングでトラフィックという言葉を使うときは、サイトへの流入元を意味することが多いです。この場合のトラフィックは、流入元によって以下の3種類に分類することが可能です。
- ノーリファラー:メールマガジンやブックマークなどからの直接流入
- 検索:GoogleやYahoo!からの検索流入
- 参照サイト:別サイトのリンクからの流入
トラフィックが多い時間帯や流入元を分析することで、より多くの人に情報を届けたり集客したりする施策が見つかります。
ちなみに関連用語として、消費者に広告をクリックさせることで、自社のサイトやLPに誘導する効果を「トラフィック効果」と言うんだ。トラフィック効果は良い広告効果のひとつの指標となり、「クリック数」や「クリック率」で計測できるよ。あわせて覚えておこう!
トリプルメディア
「トリプルメディア」とは、マーケティングで重要となる、消費者が接触する3つのメディア分類です。トリプルメディアに含まれるのは、以下のメディアです。
- お金で購入できるマス広告やインターネット広告などの「ペイドメディア」
- 企業が自社で所有する「オウンドメディア」
- FacebookやInstagramなどの「アーンドメディア」
どのメディアを使うかで、コストと効果が大きく変わってきます。一般的には、ペイドメディアで認知度を上げ、オウンドメディアで自社への理解を深めてもらい、アーンドメディアでファンの獲得や拡散を狙う施策が最も効果的です。マーケティングではそれぞれのメディアの役割を整理し、時系列的に使い分けて相互利用することが大切です。
トリプルメディアを構成する3メディアは、それぞれにメリット・デメリットがあるんだ。各メディアの特徴をしっかりと整理しておこうね。
トロイの木馬
「トロイの木馬」とは、デバイスに不正かつ有害な操作を行うために作成された、悪意のあるソフトウェア(マルウェア)の一種です。
悪質ではない、もしくは有用性の高いプログラムであるかのように見せかけてユーザーにダウンロードさせ、悪意のあるソフトウェアに感染させるというのが、トロイの木馬の特徴です。
たとえば、パソコン向けの文章ファイルやスマートフォン向けのお役立ちアプリなどを装ってユーザーのデバイスへ侵入するなど、気づかれることなく感染していきます。
またトロイの木馬には、感染後に攻撃者が自由にデバイス内にアクセスするための「バックドア」が作られることが多い傾向にあります。その結果、感染したデバイスから個人情報の抜き取りや新たなプログラムのインストールなど、さまざまな被害に遭ってしまうのです。
トロイの木馬の怖いところは、特定のデバイスに密かに感染し、長く滞在して情報を抜き取ることが目的である点です。ユーザーは自分の意志でトロイの木馬をインストールしていますし、バッテリーの異常な消費や不審な動作などが行われないため、感染に気がつくことは非常に難しいでしょう。
気づいたら預金口座が空っぽになっていた、知らないうちにデバイスをサイバー攻撃に悪用されていたなど、取り返しのつかない状態になってしまうケースも多々あります。
OSを最新に保つ、ウイルスソフトをインストールするなど、対策をしながらデバイスを使用することを心がけましょう。
ちなみに、マルウェアには「トロイの木馬」のほかにも、「コンピューターウイルス」や「スパイウェア」など、さまざまな種類があるんだ。メールの添付ファイルや不正サイトへのアクセス、アプリケーションなどがおもな感染経路だから、日頃から注意してデバイスを使うことが大切だよ。
トンマナ
「トンマナ」とは、広告やWebコンテンツの制作において、色調などのデザインや文章のスタイルなどを統一するルールを指します。
調子・様式の意味を持つ「トーン(tone)」と、様式・作風の意味を持つ「マナー(manner:様式・作風)」を合わせた「トーン&マナー」という言葉の略称です。
トンマナを設定すべき要素としては様々なものがありますが、配色や素材、レイアウトやフォント、文体などが挙げられます。商材や企業のブランディングにおいては、コンセプトや雰囲気を統一し、一貫性をもたせることが非常に重要です。
トンマナを設定してユーザーに与える印象を統一すると、サービスを認識してもらいやすくなりますし、広告やコンテンツを制作するときに不採用の確率を低減させられます。トンマナを設定し、マーケティングに成功した一例としては、以下の企業が挙げられます。
- スターバックス:ブランドカラーのグリーン
- コカ・コーラ:コーポレートカラーの赤
- ユニクロ:正方形で鮮やかな赤を使ったロゴ
トンマナを正しく設定してコンテンツを制作できると、商品や企業のブランド価値の上昇が狙えます。反対に、トンマナに沿わないコンテンツを作成してしまうと、統一性がなくなってユーザーに違和感を与えてしまいますし、同一ブランドだと認識してもらいにくくなります。
ブランディングを成功させるためには、適切なトンマナを設定し、それを貫くことが欠かせません。
トンマナがあると、コンテンツ制作をスムーズにする効果もあるのですね!企業ブランドに沿ったコンテンツを作成するためにはもちろん、デザイナーやライターへの発注をスムーズにするためにも、トンマナを活用できるといいですね!
.htaccess(ドット-エイチ-ティー-アクセス)
「.htaccess」とは、Webサーバーの動きをディレクトリ単位(ファイル・分類ごと)の指定や制御ができる設定ファイルです。Apacheをはじめ、いくつかのWebサーバーに対応しています。
通常、Webサーバー全体の制御はサーバーの管理者しか行なえません。しかし「.htaccess」を用いれば、レンタルサーバーであっても独自の設定が可能になります。.htaccessを利用すると以下のような機能が使えるようになります。
- ユーザーが古いホームページに訪れたとき、自動的に新しいページへ転送する(リダイレクト)
- ホームページにIDやパスワードによる認証を追加し、アクセス制限をかける(BASIC認証)
- 特定のIPアドレスからのみアクセスできるように制限をかける
- 404エラーが発生したときに表示させるページを指定する
「.htaccess」ファイルは一般的なテキストで構成されており、メモ帳で簡単に作成が可能です。便利な機能を持つファイルですが、Webサイトのレスポンスやセキュリティが落ちる可能性があるため、使用時は注意が必要です。
「.htaccess」ファイルを自動再生してくれるWebツールもあるよ。構文が複雑だと感じるときは、活用してみてね!
ドメイン
「ドメイン」とは、わかりやすく言うとインターネット上の住所で、Webサイトがどこにあるのかを示す情報として利用されています。Webサイトがどこにあるかは、ドメインに紐付いている「IPアドレス」というもので判別します。
IPアドレスは数字で構成されていて覚えにくいため、ドメイン名に変換してサイトの在り処を示しています。ドメインは、WebサイトのURLやメールアドレスに使用されています。ドメインは以下のようなものを指します。
- WebサイトURLの「https://」以降:LIFTであれば、「lift-mktg.com」の部分
- メールアドレスの@マーク以降:Gmailであれば、「gmeil.com」の部分
ドメインは自分で好きな文字列を取得する「独自ドメイン」、もしくは「サービスが提供しているドメイン」を利用できます。
LIFTのURLは運営会社である株式会社ゴンドラが独自に取得したドメインですが、GmailではGoogleが提供しているドメインを利用していることになるのです。
なお、インターネット上の住所となるドメインを取得して維持するためには、現実世界で土地や建物を取得・維持するときと同様に料金がかかります。維持費を払い忘れるとサイトが表示されなくなってしまうため、十分に注意しましょう。
ちなみに、独自ドメインのほうがSEO効果は高いと言われているよ。独自ドメインを取得しておいたほうが高い集客効果を得られるから、企業ホームページを制作するときは独自ドメインを取得しておこう!
な
内部リンク
「内部リンク」とは、サイト内の特定のページから、同じサイト内の別ページのリンクを貼ることを指します。たとえばおすすめのパソコンについて紹介しているページで、関連記事として同一サイトでパソコン周辺機器について紹介しているページにリンクを繋ぐことが、内部リンクの一例です。
内部リンクを設置すると、クローラーが巡回してページを認識してデータベース化する「インデックス」が行われやすくなり、検索結果に表示されやすくなります。
また、ページ同士の関連度が上がってSEOの評価が高まったり、ユーザーの滞在時間が長くなるといったメリットもあります。
内部リンクは、コンテンツ内の関連記事(アンカーテキスト)として設置するだけではなく、パンくずリストやグローバルナビ、サイド・フッターリンクなどにも設置可能です。
評価を上げたい重要なページに内部リンクを集めたり、サイトの構成を一覧で表示する「サイトマップ」を作成したりすることで、より内部リンクによるSEO効果とユーザービリティを高めることがかできます。
ちなみに、とあるサイトから別のサイトへリンクを飛ばすことを「外部リンク」と言うんだ。SEOの評価を高めるためには、内部リンクと外部リンクの両方を適切に設置することが大切なんだ。
ナーチャリング
「ナーチャリング」とは、集客した顧客(リード)の関心や興味を高め、購買や契約につなげる施策のことです。日本語になおすと「顧客育成」という意味を持ち、新規顧客の育成だけではなく、既存顧客をリピーターとして育成することもナーチャリングと呼びます。
ナーチャリングの具体的な手法としては、以下のようなものがあります。
- メールマガジンやステップメールの配信
- SNSにおける発信
- オウンドメディアの更新
- セミナーの開催
また、ナーチャリングは大きく以下の3つに分類できます。
- リードナーチャリング:見込み顧客を育成し、購買につなげる
- 既存顧客のナーチャリング:既存顧客を育成し、アップセルやクロスセルにつなげる
- 優良顧客のナーチャリング:自社への貢献度が高い顧客を育成し、より関係性を深める
マーケティングには、「既存顧客への販売コスト:新規顧客の獲得コスト=1:5」になる「1:5の法則」というものが存在しています。
新規顧客を獲得するリードナーチャリングはもちろん大切ですが、既存顧客や優良顧客を育成するナーチャリングも重要だと考えられています。
既存顧客のナーチャリングで目指す「アップセル」は上位・高額モデルの商品を提案するマーケティング手法、「クロスセル」は購入商品以外の商品や関連商品を提案するマーケティング手法だよ。効率的に一人あたりの単価をアップするために有効な方法なんだ。
に
ニューロマーケティング
「ニューロマーケティング」とは、脳科学の知識や技術を活用して、消費者の無意識の行動や感情の変化を読み取り、マーケティングに取り入れる手法です。従来、消費者が商品を購入するときは値段や味、デザインや使いやすさなどが決め手になっていると考えられていました。
しかし、実際には「美味しそうだと感じたから」という理由で購入したとしても、その理由を聞かれると明確な答えは出ず「なんとなく」と答える人が多いことがわかっています。ニューロマーケティングは、この言語化できない消費者の感情や行動を解き明かし、客観的に評価したり可視化したりする手法なのです。
今までは目に見えなかった消費者の心理を分析できれば、より消費者に選ばれる商品の開発や効果的なマーケティング施策の実施に役立てられます。ニューロマーケティングの際は、具体的に以下の3つの指標が重要だとされています。
- 生理指標:心拍数や脳派、前頭葉の血液量などの数値
- 行動指標:視線の動きや表情の変化など、心身の動きを分析したデータ
- 主観指標:アンケートや面接などの手法を洗練させ、感情や評価をより深く聞き出したデータ
ニューロマーケティングをすることで、消費者の本音を引き出して感情や行動を数値化できるメリットがあります。
しかし、無意識の意思決定プロセスを可視化することに倫理的な問題があると考えらる場合もあります。発展途上の技術であるがゆえに正確性が疑われる問題点もあります。今後、ますます成長していく分野ではありますが、現段階では慎重に活用しなければいけません。
科学は常に発展しているから、今活用されているニューロマーケティングの手法が数年後には覆されている可能性もあるんだ。まだまだ不確定要素も多いから、一部の数値だけを過信することは避け、仮説と検証を繰り返して精度を高めることが重要だよ。
ね
ネイティブ広告
「ネイティブ広告」とは、掲載される媒体へ自然に溶け込み、まるでコンテンツの一部であるかのように表示される広告のことです。
サイト内のコンテンツと同じフォーマットで表示させるので、ユーザーに「広告が多くてイヤだな」と嫌悪感を抱かせることなく、情報を届けられるというメリットがあります。
ネイティブ広告には複数の種類があるので、一例を紹介します。
- インフィード型:ブログやSNSなど、メディアコンテンツのように表示される広告
- 検索連動型:検索結果の一部であるかのように表示される広告(リスティング広告)
- レコメンドウィジェット型:おすすめ記事や関連記事など、レコメンド欄に表示される広告
- プロモートリスティング型:ECサイトや口コミサイトなどで検索したとき、最上部にスポンサー枠として表示される広告
ネイティブ広告は、ユーザーにストレスをかけることなく宣伝できるほか、クリックされやすかったり潜在層への訴求に効果的だったりと、メリットが豊富です。ただし、広告の作成に手間がかかり、ユーザーから反感をかってしまうおそれがあることに注意しましょう。
コンテンツの一部だと思ってクリックしたリンクから広告色が強いページに飛ばされると、ユーザーの反感をかいやすくなるよ。ネイティブ広告を掲載するときは、移動先のページの作り方にも注意が必要なんだ!
の
ノンターゲティング広告
「ノンターゲティング広告」とは、ターゲットを特定せずに配信するインターネット広告のことです。検索ワードやサイトのカテゴリ、ユーザーの属性などを考慮せずに広告を配信する「ターゲティングを一切しない広告」のことで、ブロード広告と呼ばれることもあります。
通常Web広告は、コンバージョン率を上げるためにユーザーの属性や行動に合わせた広告を表示させます。しかしノンターゲティング広告として、あえてユーザーを特定せずに広告を配信することで、以下のようなメリットが得られるのです。
- 広い層で商品やサービスの認知度が高まる
- サイトに訪れる多くのユーザーのデータを蓄積できる
- 幅広いターゲット層にアプローチできる
- 広告の入札価格を抑えつつ多くのユーザーを集められる
つまり、ノンターゲティング広告は訴求したいターゲット層が幅広い場合、もしくは明確になっていない場合に有効な広告なのです。
「サイトのアクセス数を伸ばしたい」「とにかく商品やサービスを知ってほしい」という場合は、広告の配信量が多くてインプレッション数が高められるノンターゲティング広告がおすすめ!商品やサービスを知ってもらう入口を作りたいときは、有効活用してみましょう。
ノンターゲティング広告は、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告の一種なんですよ!ターゲットを絞らずに配信するので、入札単価が低くなるところがポイントです!
は
ハードバウンス
「ハードバウンス」とは、メールマーケティングを行う際、ドメインやメールアドレスが存在しないなどの理由で宛先不明エラーになる状態を意味します。
「ユーザーに入力してもらったメールアドレスが間違っていた」「名刺を渡してくれた人が退職してしまった」などの理由でハードバウンスになるケースが多いです。
また一部のメールサーバーでは、メッセージがスパムであると判断された場合、メールをハードバウンスすることもあります。
ハードバウンスは、サーバーエラーなどといった一時的な理由ではなく、永続的な理由でメールの配信ができなかったことを意味しています。
そのためハードバウンスが生じた場合は、送信先のアドレスの見直しや修正、もしくは送信リストからの除外などといった対応が必要です。
サーバーのエラーやメールサイズの容量超えなど、一時的な理由でメールが送れないことを「ソフトバウンス」と言うよ。ハードバウンスとソフトバウンスは、合計して2%以内に収めることが理想なので、メール配信の際は気をつけよう!
バスケット分析
「バスケット分析」とは、顧客がレジに持っていく買い物カゴ(バスケット)の中身を分析し、マーケティングに活かす手法です。買物カゴの中身を見れば、どの商品とどの商品が一緒に買われやすいのかわかり、新たなマーケティング施策を打ち出せるようになります。
バスケット分析の有名な事例として、おむつとビールのエピソードが挙げられます。これは、おむつとビールが一緒に買われることが多いことがバスケット分析により判明し、隣に陳列したところ売上が伸びたというエピソードです。
バスケット分析を行なうと、顧客の行動をより深く理解できるようになります。得られた結果を活かして販売活動を行なば、効率的に商品を販売できるでしょう。
なおバスケット分析は、実店舗はもちろんECサイトでも活用されています。ECサイトでおすすめ商品を表示するレコメンド機能は、バスケット分析の結果がもとになっています。
バスケット分析は、膨大なデータから「こうだったらこうなる」という関連性を見つけ出すアソシエーション分析の一種なんだ。アソシエーション分析をマンパワーで行なうと大変だから、データマイニングツールの導入がおすすめだよ。
バズ
「バズ」とは、短期間で爆発的に話題が広がり、多くのユーザーから注目を集めることを指します。主にインターネットやSNS、メディアなどで多くの人に拡散されることを指しており、「話題になる」と同意義だと認識しておけば問題ないでしょう。
バズはポジティブかネガティブな話題かは問わず、人気商品や話題の漫画、不祥事などさまざまな話題で使われる言葉です。
Twitterで何千人ものユーザーにリツイートされ、注目度が急上昇している投稿は「ハズってる」ということになります。Twitterの拡散だけが「バズる」と表現されるわけではなく、あらゆる媒体を対象としています。
また、人為的に口コミを発生させて商品やサービスを広めることを「バズマーケティング」と言います。バズマーケティングは、インフルエンサーに商品を使ってもらい、SNSやブログなどで情報を発信してもらう手法です。うまくいけば売上や認知度の大幅な向上に役立ってくれるため、近年さまざまな企業から注目を集めています。
ちなみに、口コミが広がることを意味する言葉には「バイラル」というものもあるよ。一気に話題が拡散するバズに対し、「バイラル」は人から人へウイルスのようにプラスの評価が伝わっていくニュアンスを持っているんだ。
バタフライ・サーキット
「バタフライ・サーキット」とは、Googleが新しく提唱した情報探索行動の構造を指します。情報探索行動と聞くとわかりにくく感じるかもしれませんが、消費者が商品やサービスを選ぶまでの一連の行動を意味していると考えるとわかりやすいでしょう。
消費者が購買行動を行う際は、「情報を探る」ことと「意志を固める」の2つの行動を繰り返しながら購買意欲を高めていくことです。Googleは具体的に、以下の8つの動機が消費者の情報探索をかき立て、購買行動につなげると提唱しているのです。
- さぐる:「気晴らしさせて」「学ばせて」「みんなに教えて」「にんまりさせて」
- かためる:「納得させて」「解決させて」「心づもりさせて」「答え合わせさせて」
バタフライ・サーキットでは、「さぐる→かためる」が一方通行にならずに、それぞれに行ったり来たりを繰り返しながら情報探索が行われると言っています。この消費者の情報探索行動の構造が蝶のように広がって見えることから、バタフライの名がつけられました。
徐々に購買意欲を高めていくバタフライ・サーキットに対して、瞬間的な購入モチベーションの上昇を「パルス消費行動」と言います。ネットショッピングをしていて、本来の目的ではなかった商品が目に入り、ほかの商品と比較することなく直感的に購入した経験がある人は多いでしょう。
これを「パルス消費」と言いますが、バタフライ・サーキットの一環として検索をしている際に、並行してパルス消費が起こりやすくなるという特徴があります。
ちなみに、バタフライ・サーキットが提唱される前は、消費者の行動が一方通行になると考える「AIDMA」「AISAS」という購買プロセスモデルが一般的だったんだ。この2つのモデルも、関連用語として覚えておこうね!
バックエンド
「バックエンド」とは、WebサービスやWebアプリケーションにおいて、ユーザーには見えないサーバーやデータベースの機能や処理などを担う部分・部品のことです。
たとえば、Webブラウザなどでユーザーがボタンをタップしたり情報を入力したときに、その指示や入力内容を計算・変換して処理し、データベースに送ったり情報を取り出したりする機能がバックエンドにあたります。
バックエンドの開発を行うエンジニアのことを「バックエンドエンジニア」と呼びます。 バックエンドエンジニアは、JavaやRuby、PHP、C#、Pythonといった言語で、データベースを設計・構築することに加え、システムの運用保守まで担当することが一般的です。
なお、Webサイトやアプリなどでユーザーの目に直接触れる部分(ボタンや入力フォームなど)のことを「フロントエンド」といいます。 フロントエンドとバックエンドはセットで使われることが多いので、両方覚えておきましょう。
関連用語として、バックエンド商品もあわせて押さえておきましょう!バックエンド商品は、「集客商品(フロントエンド商品)」を購入してもらったあとに販売する「本命商品」のことなんですよ~!
バックドア
「バックドア」とは、サイバー攻撃によって侵入されてしまった際、攻撃者によって秘密裏に作られる裏口のことです。バックドアがあることで攻撃者が自由に出入りできるようになり、深刻な被害に遭ってしまう可能性があります。バックドアは昔からある手法ですが、近年は手口が巧妙化しています。
- マルウェアに感染させてバックドアを作る
- 不正アクセスでコンピューターに侵入してバックドアを作る
- プログラム開発の際にバックドアを仕込んでおく
バックドアを作られてしまうと、ハッキングやデータ改善、個人情報の抜き取りやサイバー攻撃の踏み台としての悪用などといった被害に遭ってしまいます。
不審なWebサイトやメールを開かない、OSやセキュリティソフトを最新の状態に保つなど、日ごろからセキュリティ意識をもってコンピューターを利用することが肝心です。
バックドアは悪意のあるソフトウェアである「マルウェア」のうち、「トロイの木馬」で設置されることが多いよ。安全なソフトウェアやアプリを装ってデバイスにインストールさせる手法のマルウェアだから、危険性に気づきにくいんだ。
BANT条件(バント-ジョウケン)
「BANT条件」とは、企業が収集した情報データのうち、マーケティング活動を通して成果に結びつく可能性が高そうな案件を選別し、絞り込んでいくための4つの条件のことです。BANT条件は以下の項目で構成されており、これらを念頭にヒアリングすることで見込みが高い顧客を選別できます。
- Budget(予算):予算が確保できるかどうか
- Authority(決裁権):商談相手に決裁権があるかどうか
- Needs(必要性):自社の提案と企業のニーズがマッチしているかどうか
- Timeframe(導入時期):具体的な導入時期やプロセスをどのように希望しているのか
上記の条件がひとつでも欠けていると、商談は成立しません。BANT条件についてヒアリングすれば成約基準が明確化され、商談が円滑化されます。営業戦略の立案にも役立つため、営業部全体のレベルアップにも効果的です。
BANT条件はデータ化して蓄積し、営業活動の材料として活用することが大切だよ。BANT条件をデータ化するときは、営業支援システムであるSFAが最適なんだ。商談の成約率をアップさせるためにも、ぜひBANT条件をSFAと一緒に活用してみてね。
パブリッシャー
「パブリッシャー」とは、コンテンツを提供する主体となる事業者です。IT業界においてはゲームやプログラム、Webサイトなどの販売者や制作者、出版業界においては出版社のことをパブリッシャーと呼びます。
似た言葉である「デベロッパー」と混同されやすいですが、デベロッパーは開発者であり、パブリッシャーは配信や販売を行なうプラットフォームを持つ事業者のことです。
パブリッシャーには、自社で開発をせずに流通のみを行なうものと、社内にデベロッパー機能も兼ね揃えたものの2種類が存在しています。
マーケティングでは、アプリやWebサイトなどで広告を展開するための機能や枠などを広告主に提供する事業者を指すこともあります。Webサイトやアプリなどの広告スペースを広告主に販売して表示することが、広告業界におけるパブリッシャーの役割です。
パブリッシャーという言葉は、使われるシーンによって少し意味が異なってくるから注意しようね!基本的に、コンテンツやサービスを流通・運営する役割を持つ事業者だと覚えておくとわかりやすいよ。
パラメーター
「パラメーター」とは、コンピューターのプログラムに対し、処理の内容や挙動に影響を与えるために外部から投入されるデータを意味します。
パラメーターで与えられたデータによって出力や挙動が変わるため、プログラムの内部の構造を変えずに、変化を与えられるメリットがあります。
コンピューターのプログラムに対し「赤色と検索されたら赤色用のページを表示させる」といった情報を付加し、指定された動作をさせられるようになるというわけです。
なお、Webマーケティングで重要となるのは「URLパラメーター」というものです。サーバーを動かすためにURLの最後につける文字列のことを意味しており、これによって文字列の指示に応じた動きをさせられるようになります。
URLパラメーターは、URLのうしろに「?パラメータ名=パラメータの値」という形式で表示します。検索エンジンのGoogleで「Web広告」と検索する場合は「https://www.google.com/search?q=Web広告」という値を渡し、検索処理を行うことになるのです。URLパラメーターには、以下の2つの種類があります。
- アクティブパラメーター:指定した値によってサイトのコンテンツを変化させるパラメーター
- パッシブパラメータ:アクセス解析のトラッキングIDを指定して結果を分類する、サーバー上のプログラムを使用するためのパラメーター
Webマーケティングでは、Googleアナリティクスなどといった解析ツールでURLパラメーターは活躍します。広告のリンク先URLに流入経路別のパラメーターを付与しておくことで、流入元を正確に解析できるようにする使い方が多いです。
ちなみに、Googleアナリティクスでは、パラメーターの生成ツールが用意されているんですよ!僕みたいなパラメーター初心者でも簡単にURLパラメーターが作れるみたいなので、非常におすすめです!
パララックス
「パララックス(Parallax)」とは、ユーザーが行う動作を利用したWebサイトの表現技法のひとつです。日本語の意味は「視差」で、遠近差や方向、物の位置の差異という意味を持つ英語です。
Webデザインにおいては、ユーザーがWebサイトを閲覧している際、画面をスクロールする動きに合わせて各要素を移動させるスピード感を変えたり、配置を変化させたりする技法をパララックスと呼びます。
パララックスによってWebサイト内に視差を生み出し、立体感や奥行きを演出することができるのです。この技法を用いたサイトは、パララックスサイトと言われています。
パララックスを用いれば、ユーザーの興味を惹きつけて効果的にアピールポイントを強調できますし、オシャレでストーリー性のあるサイトに仕上げることが可能です。
ただし、あまりにも凝ったデザインにすると、表示スピードの低速化や使いにくさ、制作コストの増加に繋がるため注意が必要です。
すべてのページでパララックスを取り入れたりデータ量や情報を詰め込みすぎたりするのではなく、必要なポイントのみで活用すると、高い効果を発揮してくれるでしょう。
パララックスサイトは、すぐにコンテンツにたどり着きたいと考えているユーザーにとってはストレスになりやすいんだ。本当に自社サイトに必要な表現技法なのか、しっかりと考えたうえで採用しようね。
パンくずリスト
「パンくずリスト」とは、Webサイトのユーザーが現在閲覧しているページの階層構造上の位置を示して、リンクを設置したリストを指します。
ユニークな名称ですが、このパンくずリストという言葉は童話「ヘンゼルとグレーテル」の中で、主人公たちが道に迷わないようにパンくずを落としたエピソードが由来です。パンくずリストには、以下の3つの種類があります。
- 位置型パンくずリスト:今見ているページがどこに位置しているのかを表す
- 属性型パンくずリスト:今見ているページがどのカテゴリーに分類されているのかを表す
- パス型パンくずリスト:今見ているページにどのようにたどり着いたのかを表す
パンくずリストを利用すると、サイトの構造を認識しやすくなるため、ユーザービリティが向上します。また、検索エンジンがサイトの情報を収集(クロール)しやすくなることで、検索結果に表示されやすくなります。
Google公式でもパンくずリストの活用について推奨しているため、上位表示を目指すなら必ず設置しましょう。
パンくずリストを設置するときは、誰にでもわかりやすいカテゴリー分類にする、SEO用キーワードを含めるなどの工夫をすることが大切だよ。SEO施策としてだけではなく、ユーザーが使いやすいパンくずリストにすることを心がけよう!
PaaS(パース)
「PaaS(Platform as a Service)」とは、アプリケーションが稼働するためのハードウェアやOSなどのプラットフォームを、インターネット上のサービスとして提供する形態のことです。従来のシステム開発では、費用なネットワークやハードウェア、OSなどを自前で準備してからアプリケーションの開発に進む必要がありました。
しかし、PaaSを使えば、環境が整ったプラットフォームがネットワーク経由で利用できるため、いきなりアプリケーション開発が可能です。
PaaSを導入すれば、初期費用や運用コストを抑えられるでしょう。すぐに開発をスタートできるため、作業時間の削減にも役立ちます。
ただしセキュリティの管理が必要な点、24時間サーバーを稼働させるなど、開発環境によってはコストがかさんでしまう可能性がある点に注意が必要です。
PaaSと似た言葉として、「SaaS」と「IaaS」というものがあるよ。名前が似ていて言葉の意味も難しい単語だから、関連記事でしっかりとおさらいしておこう!
パーソナライズ
「パーソナライズ」とは、顧客一人ひとりの属性や趣味嗜好、行動などに合わせて最適な情報やサービスを提供するマーケティング手法を指します。
「ECサイトでの購入履歴からおすすめ商品の提案」や、「ニュースサイトでユーザーの居住地や年齢に合わせた記事表示」が、パーソナライズに当たります。以前は、多くの消費者を対象としたCMの放映やダイレクトメールの一斉送信が一般的でした。
しかし、近年はインターネットやスマートフォンの普及により、消費者は自ら情報を収集できるようになってきました。その影響もあり、従来のマーケティング手法では売上の向上や競合との差別化が年々困難になりつつあります。
したがって、顧客の趣味嗜好や行動に合わせた商品やサービスの提供によって、新規顧客の獲得や既存顧客の囲い込みを行なう必要性が高まってきています。
パーソナライズのメリットとしては、顧客満足度の向上や効率的なマーケティング、潜在ニーズの掘り起こしができる点です。ただし、憶測で進めるとイメージの低下を招いたり、本当に情報を必要とする人にアプローチできなくなったりするという注意点も存在しています。
パーソナライズを行なう際は、常にPDCAサイクルを回しつつ、より高い精度のパーソナライズができるよう、マーケティング戦略のブラッシュアップが大切です。
効果的なパーソナライズを実行するためには、顧客情報を収集・蓄積して見込み客を育成したりマーケティング施策を分析したりする「MAツール」の活用が欠かせないよ。パーソナライズを検討するときは、必ずMAツールの導入もセットで行なおうね。
パーパス
「パーパス」とは、目的や意図を意味して使われる言葉で、社会から存在価値を感じてもらい、ブランドが高い企業であり続けるために必要な「存在意義」です。
企業においては、経営戦略やブランディング戦略、マーケティングについて考えるときに重要視されています。以下がパーパスの例として挙げられます。
- 自社が存在している社会的な意味
- 商品やサービスを市場に届ける目的
- 仕事に取り組む意義
企業には、必ず「ビジョン」や「ミッション」があります。そのビジョンやミッションを掲げている理由や信念を深堀りし、「なぜこうなりたいのか」を明らかにするのがパーパスなのです。
明確なパーパスを持っていると、従業員が足並みをそろえて価値提供できるようになりますし、他社との差別化やブランディングに役立ちます。消費者やステークホルダー(利害関係者)からの信頼を得られるようになるので、企業が持続的に成長できる可能性が高まるのです。
パーパスの関連用語として、「MVV」というものがあるよ。これは、ミッション・ビジョン・バリューの略語なんだ。パーパスを考えるときは、MVVを明確にすることも欠かせないから、あわせてチェックしておこうね!
パーミッション
「パーミッション(permission)」とは、「許可」を意味する言葉です。ビジネスでは主に、顧客から許可をもらってマーケティング活動を行う「パーミッションマーケティング」を意味します。この考え方は、マーケティング専門家であるアメリカのセス・ゴーディン氏によって提唱されました。
たとえば、会員登録してもらう際にメルマガ送信の可否を確認し、許諾を得ている顧客にのみメルマガを配信する「オプトインメール」は、パーミッションマーケティングの代表的な例です。あらかじめ営業の許可を得ている意欲の高い顧客に絞ってアプローチできるので、反応が良く強引な勧誘になりにくいです。
本来、マーケティングはパーミッションマーケティングが基本であるべきだと考えられています。しかし、実際は見知らぬアドレスからメールが届いたりDMが届いたりと、ターゲットを絞らずに一方的に営業するマーケティング手法を取る企業が多いのが現状です。
近年は、企業が積極的かつ一方的に売り込む「プッシュ型」のマーケティングに嫌悪感を抱く消費者が増えつつあります。消費者のニーズに変化もあり、消費者から接触を得られてからアプローチする「プル型」のパーミッションマーケティングが普及してきています。
パーミッションマーケティングのように顧客主体のプル型活動は、インバウンドマーケティングとも呼ばれているよ。両方を上手に組み合わせ、顧客に見つけてもらったうえで望んでいる情報を届けることが、理想的なマーケティングの流れかもしれないね。
ひ
被リンク
「被リンク」とは、外部サイトに自社サイトのリンクが設置されることです。外部サイトからリンクされているという意味で「外部リンク」と呼ばれることもあります。他のサイトの記事コンテンツに参考サイトとして自社サイトが掲載されていたり、文中の資料として掲載されているケースが被リンクに該当します。
検索エンジンは、検索順位を決定するときに「ほかのサイトからどれくらい被リンクされているか」というポイントを考慮しているため、SEOでは被リンク獲得が非常に重要です。さらに、被リンクが増えてサイトの露出が増えれば、リンクによって訪問するユーザーも増えます。
以前は被リンクが多ければ上位表示されやすかったのですが、悪質なスパムが増えたため、現在はリンク数ではなく被リンクの質も重要視されています。
質のいい被リンクとは、ユーザーが自然な形で貼り付けたリンクを指します。購入して意図的に増やしたリンクや関連性の低いサイトからのリンク、隠しリンクなどは質の低い被リンクだと判断され、検索順位が下がるだけではなくペナルティを受けることもあるため注意しましょう。
被リンクを獲得するためには、魅力的なコンテンツの作成やユーザーニーズの把握、専門性の向上が有効です。
外部サイトに貼られた自社に対する「被リンク(外部リンク)」の一方で、自社サイトのページ内で貼っている自社のリンクは「内部リンク」と呼ばれているよ。被リンクだけではなく内部リンクも最適化することで、よりSEO効果が高まるんだ。
品質スコア/品質インデックス
「品質スコア/品質インデックス」とは、広告の品質を1~10のスコアで評価した指標のことです。品質スコアはクリック率やキーワードと広告との関連性などによって評価され、検索エンジンの検索結果に連動して表示される「リスティング広告」の掲載順位を決めるひとつの指標です。
キーワード別に表示されるもので、10に近づくほど高品質な広告だということになります。品質スコアが高いと、最低入札価格が低くなったりクリック単価が安くなったり、同じ入札価格でも掲載順位が上がるなどといった効果があります。
そのため広告予算を最適化するためには、品質スコアの改善が非常に重要なのです。すべての広告の品質スコアを最大値の10にすることは難しいので、目安としては5~7程度を目指すといいでしょう。5よりも低いときは、改善が必要な広告であると判断できます。
品質スコアの改善には、コンテンツの有用性やオリジナリティ、信頼性を高める対策や、ページの表示速度と操作性の改善、キーワードとの関連性を高める施策などが有効です。
ちなみに、Google広告では「品質スコア」と呼ばれ、Yahoo!プロモーション広告では「品質インデックス」と呼ばれているよ。名前は違うけど、どちらも広告を評価する指標なんだ。ツールなどによって呼び方が異なるから、注意しようね!
BI(ビジネスインテリジェンス)
「BI(ビジネスインテリジェンス)」とは、企業の情報システムなどに蓄積されている大量のデータを収集・分析して、その結果を企業戦略に反映させる仕組みです。
ビジネスインテリジェンスを行なうためのソフトウェアを「BIシステム」や「BIツール」と呼びます。ビジネスインテリジェンスは、具体的に以下の3つの目的で行なわれます。
- データの集積・統合
- データの集計・分析
- データの可視化
加工されたデータは、営業支援や経営支援、顧客分析や在庫分析など様々なシーンで活用されます。IT化が進み、企業が保有しているデータは膨大なものになりました。集積されたデータを分析したり加工したりして企業戦略や意思決定への活用は、現代におけるビジネスを成功させる要となりつつあります。
ビジネスインテリジェンスによって顧客行動を具体的に把握・分析して戦略に反映することで、顧客行動という根拠に基づいた行動指針が見えてきます。その結果、売上向上や新規顧客の獲得などを目指せるようになるのです。
ちなみに、BIシステムには無料のものと有料のものがあるけど、無料のものでは企業の経営判断につなげられるような高度な分析は難しいと言われているよ。コストはかかってしまうけど、有料のBIシステムを利用することがおすすめだよ!
ビッグデータ
「ビッグデータ」とは、様々な形をした、様々な性格を持った、様々な種類のデータです。従来のデータベース管理システムでは記録や管理が難しいようなデータを指しており、マーケティングでも頻出する用語です。
ビッグデータという「膨大な量の情報」をイメージするかもしれませんが、以下の4つの「V」の要素を併せ持つデータのことを指しています。
- データの量(Volume)
- データの種類(Variety)
- データの発生頻度・更新頻度(Velocity)
- データの価値(バリュー)
ビッグデータは、正しく加工して活用できる情報にすれば、マーケティングの意思決定をするときの判断材料になります。
曜日ごとのWebサイトの訪問数と月間の休日数のデータを持っている場合、両方のデータを組み合わせると、おおよその訪問数を予測でき、最適な更新頻度や時間を割り出せます。
なお、ビッグデータはそのままではマーケティングに活用することはできません。データを「統合」して「管理」し、「分析」を行い、活用できるデータに加工することが大切です。近年は人工知能(AI)を利用し、ビッグデータから最適な施策を導き出す技術も登場しています。
ビッグデータの分析手法としては、「クロス集計」や「ロジスティック回帰分析」、「クラスター分析」などといったものがあるよ。分析の方法によって得られるデータは異なるから、分析手法についても知識を身につけておこうね!
ビッグワード
「ビッグワード」とは、検索エンジンで多く検索される抽象的な語句のことです。具体的には、1単語のキーワードや競争が激しいキーワード、Webサイトにおいて重要なキーワードのことを指します。明確な定義はありませんが、検索規模が大きくて競争率の高いキーワードであると考えておけば問題ないでしょう。
ビッグワードは、「パソコン」「SEO」「広告」などといった大きくて抽象的なくくりであり、ビジネスのカテゴリーとして消費者にもよく知られている単語が多いです。ビッグワードでWebサイトや広告を上位表示できれば高い成果が得られますが、ほかの企業も同じことを考えているため、競争率は非常に高くなります。
ビッグワードで上位表示させるSEO施策は難易度が高いうえ、効果が出にくく費用がかかるデメリットがあります。そのため、検索規模が小さい「スモールワード」と組み合わせながら、ビッグワードでも上位表示されることを目指していく施策を実施することが一般的です。
検索結果数や競争率に応じて「ミドルワード」や「スモールワード」というものも存在しているよ。そのほか、複数の語句を組み合わせた「複合キーワード」という言葉もあるんだ。それぞれの意味についてもしっかりと押さえておこう!
ビュースルーアトリビューション
「ビュースルーアトリビューション」とは、利用者が広告をクリックすることなく、アトリビューションウィンドウ内にアクションに至ったインプレッションのことを指します。アトリビューションとは、利用者がコンバージョンが発生するまでに経由するあらゆる要素に貢献度を割り当てることです。
アトリビューションウィンドウとは、訪問者が広告と接点を持ってからアクションを起こすまでの日数を意味しています。たとえば、アトリビューションウィンドウを7日間にしているとき、コンバージョンが生じた7日前までのアクセスやインプレッションなどに貢献度が割り当てられます。
Webサイトの訪問者が広告を目にしてクリックしなかったが、その後設定した7日以内にその商品を購入した場合、ビュースルーアトリビューションとしてカウントされるというわけです。ビュースルーアトリビューションを測定することで、どのインプレッションがコンバージョンにつながる可能性があるのかについて、分析することができます。
また、商材やアカウントによって広告を目にしてから成約に至るスピードが違かったり、広告の貢献度が異なっていたりと、多くの発見が得られます。より高度な分析を行いたい場合は、ぜひ指標のひとつとして活用してみましょう。
関連用語として、「クリックスルーアトリビューション」も押さえておこう。この語句は、広告をクリックしてから一定期間内にアクションへ至った回数のことを指すんだ。どちらも重要な指標だからあわせてチェックしておいてね!
BtoC(B2C)
「BtoC(Business To Customer)」とは、企業対消費者間で取引するビジネスです。その名の通り、個人や一般のユーザーを対象として商品やサービスを販売することを指します。
購買までのスピードが早く、商材の価格が安い点が大きな特長です。経済的合理性だけではなく、デザインやイメージなどの心理面への訴求も求められるため、消費者の心に響くような商材を作ることが大切です。
有効なマーケティングの手法としては、SNSマーケティングやコンテンツマーケティング、メールマーケティングが挙げられます。
ちなみに、企業対企業の取引を「BtoB」と言うよ。マーケティングを考えるときは、BtoCとBtoBを比較しながら施策を立てていくことが多いから、両方覚えておこうね!
BtoB(B2B)
「BtoB(Business to Business)」とは、企業対企業間で取引するビジネスのことを指します。BtoBビジネスの一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 法人向けの融資
- ITシステムの構築
- 業務用製品の製造や販売
- 経営コンサルティング
企業を相手にするため、大きな金額が動くところが特徴的です。対消費者のビジネスとは異なり、多くの意思決定者を経る必要があるため、商品が購入されるまでの検討期間が長くなる傾向にあります。
経済的合理性が購買意欲を左右するため、継続的に顧客との接点を持ち、中長期的なマーケティング戦略を立てることが大切です。
企業が消費者に対してビジネス・マーケティングを行うことを「BtoC」と言うよ。BtoBとBtoCでは戦略の立て方が違ってくるから、それぞれの特徴についてきちんと理解しておこうね!
PR(ピー-アール)
「PR(Public Relations)」とは、企業とその企業が存在する環境や顧客を含むパブリックの間で、双方に利益がある関係を構築して維持するマネジメント機能です。以下のような活動がPRの例として挙げられます。
- 環境保護への取り組みを発信し、企業価値を高めてファンの増加を目指す
- 顧客や株主に対する情報発信により、深い関係を構築する
混同されやすい言葉として「マーケティング」や「プロモーション」などがあります。商品の売上向上を目指すのに対して、PRは全ての利害関係者との良好な関係構築を目指しています。売上の向上だけを目的としていない点が、両者の大きな違いです。
なお、PRはプロモーション活動を構成するひとつの要素です。プロモーション活動の一環としてPRが行われると覚えておきましょう。
PRはプロモーション手法のひとつで、プロモーションはマーケティング戦略のひとつなんだ。PRと混同されやすいプロモーションについても、しっかりと知識を身につけておこう!
PHP(ピー-エイチ-ピー)
「PHP」とは、動的なコンテンツを作るために使われるプログラミング言語です。動的なコンテンツとは、同じURLをクリックしても閲覧者の属性や時間帯によって表示内容が変わるコンテンツのことを意味します。
Webサイトに動きや変化をつけたり自動的に情報が更新されるようにしたりすることが可能な、表現の幅が非常に広いプログラミング言語です。PHPを使えば、たとえば以下のようなことができます。
- お問合せフォームの入力内容に合わせて確認画面の表示を変更する
- 常に最新の記事をトップページに表示する
- 日付や時間を自動で更新してサイト上の表示を変える
WordPressやYahoo!、ぐるなびといった有名なサービスの多くがPHPで開発されています。構文がわかりやすくシンプルなので、プログラミング初心者でも習得しやすい点が大きな特長です。Webアプリケーションの開発に特化しており、SNSやECサイトの開発など、非常に幅広い場面で活用されています。
ちなみにPHPは、HTMLの中に「何をしてほしいか」をシンプルに記述するだけでプログラミングできる「スクリプト言語」に分類されるよ。スクリプト言語には、ほかにも「JavaScript」や「Python」などがあるから押さえておこうね!
PDCA(ピー-ディー-シー-エー)
「PDCA」とは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返して、継続的に業務の改善を目指すフレームワークです。
1950年代に品質管理の父と呼ばれるW・エドワーズ・デミングによって提唱されたマネジメント手法で、業界や業種を問わずに利用されています。プロセスごとのポイントは、以下のとおりです。
- Plan(計画):目標とそれを達成するためのプランの作成
- Do(実行):立案した目標やプランにもとづいて段階的に実行して記録する
- Check(評価):実行した計画を実行し、達成度合いを評価する
- Action(改善):評価から明らかになった課題から改善点を探る
なお、上記の一連の流れを繰り返して循環させることを「PDCAサイクル」と言います。PDCAサイクルを回すと、早期の段階で効果を分析でき、効果的な改善策を見つけられるようになります。より良いマネジメントを可能にするため、Web制作のシーンでもよく活用されている手法です。
ちなみに、似たようなフレームワークとして「OODAループ」というものもあるよ。Observe(観察)・Orient(方針決定)・Decide(意思決定)・Act(行動)の頭文字を意味していて、観察をもとに方針を立てて行動に移す手法なんだ。
PV(ピー-ブイ)
「PV(ページビュー)」とは、Webサイト内の特定のページをユーザーが見た回数のことです。ユーザー数や訪問回数にかかわらず、ページが表示された回数を表します。
同じユーザーが1回サイトを訪問し、サイト内のAページからBページに行きAページに戻った場合、PV数は3(Aページ2、Bページ1)です。
ただし、PVは単純な表示回数を表すため、100PV中60PVが同じユーザーによる表示ということもありえます。
これでは意味がないので、どれくらいの人がサイトを見てくれたのかを正確に分析するために、一定期間内にWebサイトを見た人数を示す「UU(ユニークユーザー数)」という指標も使用します。
また、サイトの効果を正しく測定するためにも、PVとは別にサイトの訪問回数を数える「セッション数」と組み合わせて分析することも多いです。
PV数と似たような言葉として、訪問回数を表す「セッション数」と、訪問した人数を表す「UU(ユニークユーザー数)」、定期的にサービスを利用する人数を表す「AU(アクティブユーザー)」という指標があるよ。それぞれの意味を覚えておこう!
ふ
5G(ファイブ-ジー)
「5G」とは、第5世代移動通信システム(5th Generation)のことです。光や電波の周波数の変化を意味する「電磁スペクトル」と呼ばれる高周波数帯で動作することで、より高速度で大容量な通信ができるようになります。5Gの大きな特長は、以下のとおりです。
- 高速・大容量:コンテンツを数秒でダウンロードでき、容量の大きな動画も待ち時間無しで見られる
- 超高信頼・低遅延:通信の遅延が減り、安定した接続が実現する
- 多数同時接続:家電やウェアラブルデバイスなど、さまざまな機器を同時に接続できる
5Gを活用すると、4Gの20倍の通信速度、1/10の遅延、10倍のデバイスを同時接続して通信ができるとされています。
5Gが普及すると、車の自動運転や遠隔医療、VR・AR・MR、4K解像度・8K映像の配信などといったサービスにも役立てられるようになります。
さらに、スマートオフィスでの勤務やスマートショップでのマーケティングに活用することも可能です。今後のビジネスで欠かせない技術となっていくため、5Gには注目しておきましょう。
ちなみに、5Gで可能となる「あらゆる端末でインターネット通信が可能になること」を「IoT(Internet of Things)」と呼ぶよ。住環境や工場などにも5Gが普及していくことで、快適性や生産性の大幅な向上が期待されているんだ!
ファネル
「ファネル」とは、顧客が商品やサービスを購入するまでの意識変遷やプロセスを図式化したもののことです。日本語に直すと「漏斗」という意味を持つ言葉で、逆三角形の形をした器具のことを指しています。
消費者が自社の顧客になるまでは、いくつかのプロセスを経ることになります。商品やサービスを知る段階、興味関心を抱く段階、購入を検討するために比較評価する段階などが挙げられるでしょう。
前者になるほど人数が多く後者になるほど人数は減っていくため、図式化すると逆三角形状になり、漏斗という意味を持つ「ファネル」と表現されるのです。なお、ファネルには大きく分けると3つの種類があります。
- パーチェスファネル:「認知→興味関心→比較検討→購入」を図式化
- インフルエンスファネル:「発信→紹介→継続」と、顧客が商品の広告塔になるプロセスを図式化
- ダブルファネル:上記2つを組み合わせてより高い効果を生むためのファネル
ファネルを通して顧客の心理プロセスを可視化することで問題点が明確化され、どの段階の施策を見直すべきなのか、重点的にアプローチすべきなのかが見えてきます。
プロセスごとにモデル化したファネルに対し、認知から購入、顧客管理までを一気貫通でアプローチしていく施策のことを「フルファネル」と言うよ。単一の施策ではなく複数の施策を絡め合いながら実施することで、より顧客との関係性を深めることができるんだ。
ファンベース(ファン)
「ファンベース(ファン)」とは、ファンを基盤として経営やマーケティングを実施し、愛着心や信頼感を育成することで売上や事業の価値を高めていく考え方です。
そもそもファンとは、企業の商品やブランド、価値観などを支持してくれている消費者のことです。ファンベースでは、ファンからの愛着や共感、信頼感を増やす取り組みを通し、一緒に商品やサービスを磨き上げたり価値を創造していくことに重点を置いています。ファンベースの考え方が重要視されるようになった要因は、以下の3つです。
- パレートの法則:上位20%のファンが売上の80%を支えているという法則のこと
- 新規獲得の難化:人口減少による市場縮小、ニーズの多様化により新規獲得が困難となっている
- 影響力:口コミの影響力は非常に強いため、ファンに拡散してもらうことで新規獲得が目指せる
なお、ファンを生み出して育てるためには以下の取り組みが有効だとされています。
- ファンの意見に耳を傾け、ファンファーストな商品開発や経営をする
- 商品にストーリー性やドラマ性をもたせる、ファンと一緒に商品を作り上げるなど、愛着心を高める取り組みをする
- 誠実な対応や透明性を維持し、ファンの信頼を強める取り組みをする
今後は、少子高齢化による市場縮小や新規需要の低下、情報やニーズの多様化によってさらに新規顧客の獲得が難しくなっていくと考えられています。そのため、ファンを大切にして育てていくファンベースの考え方がより重要になっていくのです。
ちなみに、似たような言葉に「ファンマーケティング」というものがあるよ。ファンマーケティングは、ファンにお金を使わせて企業が利益を獲得するための手法だから、ファンベースとは意味が異なる点に注意しようね!
FV(ファースト-ビュー)
「FV(ファースト-ビュー)」とは、ユーザーがWebサイトを訪問したとき最初に目にする部分です。スクロールせずに目に入るページの上部エリアを指し、英語では「Above the fold」と言います。
ユーザーがページにアクセスするとき、ファーストビューで離脱してしまうユーザーは最大で60~70%と言われています。つまり、広告をクリックしてもらえても、半数以上のユーザーに離脱されてしまうのです。
サイトを制作するときは、ファーストビューを見た瞬間にメッセージが伝わるか、滞在時間をいかに長くできるか意識することが大切です。ファーストビューでは以下の内容を判断されます。
- ターゲットは誰か
- 読み進めることでメリットはあるのか
- 自分にとってのベネフィットは何なのか
ファーストビューの改善にはさまざまな施策がありますが、たとえば「お申込ボタンをファーストビューに入れる」「商品・サービス内容がひと目でわかるTOP画を設定する」などといった手法が一般的です。情報を絞りシンプルで伝わりやすいデザインこそが、ファーストビューを改善するコツです。
広告やLPの効果を引き出すためには、FV(ファーストビュー)が大切ということですね。もちろんほかの要素も大切ですが、ファーストビューの構成やデザインはしっかりと検討して制作するようにしましょう!
フィールドセールス
「フィールドセールス(field sales)」とは、顧客または見込み客のもとを直接訪問し、対話を通じて受注につなげる営業手法です。日本語にすると「外勤営業」という意味を持っており、現在の日本では多くの企業がこのフィールドセールスを採用しています。
フィールドセールスでは、相手と直接話しをして商品やサービスをアピールできるため、商品の魅力を伝えやすく信頼も得られやすいというメリットがあります。
しかし、フィールドセールスは多くの顧客を訪問する時間的・人的コストがかかります。また、営業効率が悪い点が、大きなデメリットだとされていました。
そのため近年は、内勤営業である「インサイドセールス」が採用されることも増えてきています。インサイドセールスは遠方の顧客にも効率よくアプローチできるというメリットがありますが、インパクトや説得力が弱いというデメリットもあります。
それぞれのメリットを活かせるよう両者を組み合わせた営業手法が注目されるようになりました。具体的には、メールや電話、チャットなどで顧客を育成するインサイドセールスを行ない、購買意欲が高まった段階でフィールドセールスにバトンタッチして成約につなげるという手法です。
このように、フィールドセールスとインサイドセールスには異なったメリット・デメリットがあるため、どちらかに偏るのではなく、両方を組み合わせた戦略の立案が大切です。
インサイドセールスでおこなう顧客の育成を「ナーチャリング」と言うよ。ナーチャリングで熱意が高まった顧客を対象にフィールドセールスを行なうことで、より効率よく成約を目指せるようになるんだ。
フェムテック
「フェムテック(FemTech)」とは、「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」をかけ合わせた造語で、女性の健康課題を解決するための製品やサービスです。近年盛り上がりを見せていて、大手企業や経済産業省も積極的に力を入れている分野です。
女性特有の悩みをテクノロジーで解決することで、望まない離職防止や個人の幸福向上、企業人材の多様性を高めることを目指しています。フェムテックの一例としては、以下のような商品やサービスが挙げられます。
- 生理予測や妊娠サポートアプリ
- 卵巣年齢検査キット
- 女性の悩みを共有できる交流アプリ
- 専門家が女性の相談に乗ってくれるチャットサービス
なお、デジタルテクノロジーを活用していない製品に関しては、「フェムケア」と呼んで区別する場合があります。フェムテックが注目を集めるようになったのは、女性の社会進出やSNSの普及によって女性が声を上げやすくなったこと、テクノロジーの進化など、さまざまな要因が考えられます。
今まではタブー視されていた女性特有の悩みに対する価値観が変わりつつある現代。フェムテックの需要や市場規模はますます高まっていくでしょう。
近年は、健康×テクノロジーの「HealthTech」、金融×テクノロジーの「FinTech」、既存業界×最先端技術の「X-Tech」なども注目されているらしいです~!テクノロジーは、いろんな分野で役立っているんですね!
4C(フォー-シー)
「4C」とは、顧客の視点を重要視したマーケティングの考え方・フレームワークです。Consumer value(顧客価値)、Cost(価格)、Convention(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字を取っています。
4つの要素を組み合わせると、ターゲットへの適切なアプローチが可能です。4Cにおけるそれぞれの要素の考え方は、以下のとおりです。
- 顧客価値:性能や品質、ブランドイメージやデザインなど顧客が企業や商品に抱く価値
- 価格:顧客がサービスに対して支払える価値や価格が顧客に与える影響
- 利便性:商品やサービスが顧客にとって利便性の高いものかどうか
- コミュニケーション:オンラインやオフラインなど顧客との接点や関係性、企業の意志が顧客に伝わっているか
4Cで分析した内容は、新商品や既存商品、競合他社の分析に活用できます。顧客視点から離れず、商品の価値や魅力を提供できるように意識しながらの分析が大切です。
顧客の視点ではなく企業側の視点に立って考えるフレームワークとして、「4P分析」というものがあるよ。4P分析では、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(提供方法)、Promotion(販促活動)を分析するんだ。
フォーム
「フォーム」とは、決められた形式で必要項目に効率よくデータを入力できるように作成された入力欄のことです。フォームの種類はさまざまで、お問合せフォームや資料請求、掲示板、会員登録、アンケート、ECサイトのカートなどもフォームに含まれます。
実際、ECサイトで購入者情報を入力したりWebページでアンケート入力したりしたことがある人は多いでしょう。その際に、入力項目を指定して迷わずに入力できるように作られたものが、フォームなのです。
なお、コーポレートサイトやサービスサイトに設置されたお問い合わせフォームから、相手企業に対して自社の商材案内を送る手法を「フォームマーケティング」と言います。
ターゲットとなる企業を訪問したり電話をかけてアプローチしたりするのではなく、お問合せフォームを見てくれた企業に対してアプローチするため、商材案内を読んでもらえる可能性が高まるのです。
ただし、迷惑メールを規制する「特定電子メール法」に違反したりクレームにつながったりするリスクもあります。フォームマーケティングを検討する際は、反感を買わないように十分注意することが大切です。
フォームマーケティングを手作業で行うと非効率的だから、フォームマーケティング専用のツールを導入している企業も多いんだよ!特定電子メール法に対応したツールもあるから、興味がある企業はぜひ検討してみてね!
フッター
「フッター」とは、Webサイトの最下部です。HTML文書の「<footer></footer>」の間に記述された内容がフッターとして表示されます。フッターはコンテンツを読み終わったあとに目に入る部分なので、行動を誘導する内容のリンク設置が望ましいでしょう。
サイトの回遊率を高めるナビゲーションや、コンバージョンへの導線などを設置できると非常に効果的です。ほかにも、フッターには以下のようなコンテンツを設置することが一般的です。
- カテゴリ一覧
- お問い合わせページヘのリンク
- 会社情報
- SNSや外部サイトへの導線
- サイトマップ
- プライバシーポリシー
- コピーライト表示
あれもこれもフッターに入れようとすると、デザインが崩れたり読み込みが遅くなったりします。必要な情報を厳選し、シンプルで見やすいフッターにすることが大切です。
ページの最下部を意味するフッターに対して、ページの上部に表示される部分は「ヘッダー」と言うよ。ヘッダーはユーザーが最初に目にする部分だから、非常に重要度が高いんだ。ヘッダーとフッター、両方の特徴を理解しておこう!
フリークエンシー
「フリークエンシー」とは、ユーザーと広告との接触回数を表す言葉です。たとえば、YouTubeの動画を見ていると何度も同じ動画を目にすることがあるでしょう。この同じ動画が表示された回数が、フリークエンシーなのです。
何度も同じ広告を表示させればそれだけユーザーの印象に残れますが、不快感を抱かれやすくなる点に注意が必要です。少なすぎる場合、商品を覚えてもらうまでに時間がかかってしまうため、適切な回数を見極めることが大切です。
ブランディングや商品の周知が目的の場合、フリークエンシーを増やすと効果が高まりますが、購入や資料請求などが目的の場合、フリークエンシーを少なくしてマイナスイメージを避けたほうが無難でしょう。
適切なフリークエンシーは、商材によって異なるため一概には言えません。特定の配信数ごとに成約数(CV)や顧客獲得にかかった単価(CPA)を分析し、もっとも効果が高い回数を導き出せると、最適なフリークエンシーが判断できます。
なおGoogle広告やYDNなどには、フリークエンシーが高くなりすぎないように広告表示回数に制限をかける「フリークエンシーキャップ」という機能があります。この機能を利用すれば過剰な広告の表示を防げるため、コストの削減効果を得ることも可能です。
フリークエンシーと間違われやすい言葉として、「リーチ」というものがあるよ。フリークエンシーは1ユーザーに対して広告が配信された回数を意味しているけど、リーチは広告が表示された人数を意味しているんだ。意味が全く違うから、区別しておこう!
フルファネル
「フルファネル」とは、消費者の商品購買過程を行動プロセスに分けてモデル化したすべてのファネルに対し、一気通貫で共通のマーケティング施策を用いたアプローチを意味します。
そもそもファネルは、日本語で言うと「漏斗」という意味を持った単語で、消費者が商品に興味を持ってから購入するまでの意識遷移をすり鉢状に当てはめて図式化したもののことです。
たとえば、消費者は「認知」から「興味や関心」「比較や検討」「購入」というプロセスで商品の購買に至ります。認知が100だとして、興味や関心を抱いてくれるのは80、比較や検討は60…というように、各ファネルが逆三角形になるように図式化していくことをファネル分析と呼びます。
フルファネルでは、この各ファネルを分断して一部に特化するのではなく、1つのフローとして捉えてマーケティング戦略を考案していくというわけです。
ファネルごとの施策を密接に連携させて途切れることなくアプローチすることで、全体の顧客行動が見えるようになり、どこに問題があるのかを分析しやすくなります。
認知からCRMまでの全ファネルに対してアプローチしていくことを「フルファネルマーケティング」と言うよ。認知から購買まで全プロセスで最適な訴求ができるフルファネルは、顧客との関係性を構築したいときに最適なんだ。
フレームワーク
「フレームワーク」とは、枠組みや骨組み、構造といった意味を持つ言葉です。 ビジネスにおいては、マーケティング戦略などを考えるときに、思考の整理や問題を分析するために活用される枠組みのことを指します。
あらかじめ項目が決められており、その内容に従って情報を整理したり戦略を考案したりすることで、最善の答えを導き出す手助けをしてくれるのです。 「SWOT分析」や「STP分析」、「4P分析」などは有名なので、ビジネスパーソンであれば一度は耳にしたことがあるかもしれません。
フレームワークを用いて情報を整理すると、製品の強みや市場の現状、顧客のニーズなどを客観的に分析できるようになります。 分析内容が主観に左右されにくくなるので、社内で同じ認識や目標を持てるようになるというメリットがあるのです。
なお、IT業界でフレームワークと言うときは、「アプリケーションを開発するときに土台として機能させるソフトウェア」を指すこともあります。
Webアプリの作成時に使用する「Webアプリケーションフレームワーク」や、アプリの性能や操作性を向上させるための「ユーティリティ系フレームワーク」など、使えるフレームワークはさまざま。
フレームワークを活用することで、アプリを初めから開発する必要がなくなるため、開発にかかる時間やコストを大幅に短縮できます。
マーケティング戦略を考案するときは、思考を整理するためにフレームワークを使うことが多いんだ。代表的なフレームワークはしっかりと押さえておこうね!
FLoC(フロック)
「FLoC(フェデレーテッド・ラーニング・オブ・コホート)」とは、Webサイトを訪れたユーザーのブラウザ履歴を含む行動データに基づいて、ユーザーを関心別のグループに振り分ける機械学習アルゴリズムのです。
機械学習を使って数千人単位のグループ(類似オーディエンスの集団である「コホート」)を分析するので、個人を特定せずに、ユーザーの関心に近い広告の表示が可能です。
従来、ユーザーの関心に近い広告を表示させるには、Cookieが利用されていました。しかし、CookieではIDやパスワードといった属性情報や、Webサイトへの訪問回数といったアクセス情報が保存されてしまうため、プライバシーの保護の観点で問題視されるようになってきました。
他方でFLoCは集団であるコホートの行動を学習するため、プライバシーを侵害する心配がありません。FLoCであれば個人を集団の中に隠すことでプライバシーを保護しつつ、Cookieを用いて広告を配信するときに近いパフォーマンスを達成できるそうです。
米Googleは2022年1月にFLoCの開発を断念してしまったんだ。現在は「Topics」と呼ばれる技術のテストを開始しているよ。
フロントエンド
「フロントエンド」とは、WebサービスやWebアプリケーションにおいて、ユーザーの目に直接ふれる部分のことです。 たとえば、ECサイトにアクセスしたときにクリックするボタンや文字を入力するフォーム、商品検索するための検索窓などがフロントエンドに該当します。
ユーザーがWebサイト上で目にする情報・操作するものを表す「UI(ユーザーインターフェース)」という言葉と同意義で使用されることもあるので、あわせて覚えておきましょう。 なお、フロントエンドの開発を担当するエンジニアを「フロントエンドエンジニア」と呼びます。
フロントエンドエンジニアは、HTMLやCSS、JavaScriptなどを使用してWebサイトやアプリのフロントエンド開発をしたり、SEOに配慮した設計を行ったりする職業です。
直接お客さまの目に触れるフロントエンドに対して、データベースシステムなどの目に見えない部分のことを「バックエンド」と呼びます。 フロントエンドとバックエンドはセットで使われる言葉なので、あわせて覚えておきましょう。
関連用語として、フロントエンド商品という言葉も押さえておきましょう!フロントエンド商品は、「本命商品(バックエンド商品)」をお客さまに購入してもらうために提供される、「集客商品」のことなんですよ!
ブラウザ
「ブラウザ」とは、Webサイトを閲覧するためのソフトです。今この用語集を見るために使っているソフトやアプリが、まさにブラウザに該当します。
ブラウザには多くの種類があり、ユーザーは好みに合わせて使いやすいものをインストールして利用することが可能です。代表的なブラウザの一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- Google Chrome:Googleの純正ブラウザで、Googleサービスとの連携や起動の速さが特徴
- Internet Explorer(IE):Windowsのパソコンに標準搭載されていたMicrosoft社のブラウザ
- Microsoft Edge:Microsoftサービスとの親和性が高く、IEの代わりに標準搭載されている
- Safari:macOSやiOSに標準搭載されており、シンプルなデザインや操作性が特徴
- Firefox:プライバシー保護機能が搭載されており、拡張性の高さが特徴
ブラウザによって機能や使用感はまったく異なるため、よく比較して自分に合ったものをインストールしておきましょう。
いつも使いたいブラウザがあるときは、パソコンやスマートフォンの標準ブラウザの設定がおすすめだよ!デバイスの設定画面から変更ができるから、ぜひ使いやすいようにカスタマイズしてみてね。
ブランディング
「ブランディング」とは、企業などが自社の製品やサービス、企業自体の価値やイメージを高めてブランド化することを指します。
市場を作り認知度の向上や売上の向上を目指す「マーケティング」とは異なり、ユーザーにとってメリットのある企業だとアピールし、選ばれるための活動全般をブランディングと呼びます。
マーケティングは「相手にイメージを伝えるための手法」で、ブランディングは「相手にイメージを持ってもらうための手法」と言い換えが可能です。ブランディングしないと競合会社に勝てなくなり、競争価格に巻き込まれてしまう恐れがあります。
反対にブランディングが成功すれば「〇〇の商品と言えば、△△の会社だ」と、ニーズが発生したときに特定のサービスを思いこさせることが可能です。下記の企業はブランディングに成功した一例として挙げられます。
- スマートフォンのApple
- 掃除機のDyson
- 車のトヨタ
ブランディングは、以下の流れで進めていきます。
- ターゲット/ポジショニング:自社の強みを理解し、ターゲットを明確にする
- ブランドアイデンティティの決定:顧客に抱いて欲しいイメージを決定する
- ブランドコンセプトの決定:他社との差別化を探し、ブランドのコンセプトを決定する
- アウトプット:ロゴやカラーバリエーション、広告などのブランドコンセプトをアウトプット
アウトプットは、広告やロゴマークの作成、SNSの発信といった「可視的ブランドメディア」だけではなく、キャッチコピーやデザインなどの「抽象的ブランドメディア」を通して行います。
ちなみに、自社をブランディングしていくときは、市場の状況や自社の強み・弱みの把握が大切だよ。こういった環境分析をする際は、「3C分析」「SWOT分析」「PEST分析」「5Forces分析」などといったフレームワークが役立つんだ。
ブランドエクイティ
「ブランドエクイティ」とは、特定のブランドが顧客や取引先、社会全体に対して持っている目に見えない資産価値です。
カリフォルニア大学の研究者が提唱した概念で、ブランドが持つプラスの資産だけではなく、マイナス資産も含めた総合的な価値も該当します。
ブランドエクイティが高い企業・ブランドは消費者からの信頼を勝ち取りやすく、「このブランドの商品は失敗がないから絶対に買おう」「新作は絶対チェックしたい」と思ってもらえるようになります。
競合が多い市場でも価格競争に巻き込まれにくく、売上や利益を確保しやすくなるのです。ブランドエクイティは以下の5つの要素で構成されます。
- ブランド認知:ブランドにどれほど知名度があるか
- ブランド連想:ブランド名から何を連想させるのか
- 知覚品質:消費者がブランドに対して抱く品質のイメージ
- ブランドロイヤルティ:ブランドに対する信頼度や愛着度
- その他:特許技術や商標権など、ブランド独自の価値や資産
ブランドエクイティを確立するためには、社内におけるブランド理解の促進やブランドアイデンティティの確率、それを体現するための商品開発やマーケティング施策の実施が重要です。
ダイソンやスターバックスは、ブランドエクイティの向上に成功した代表的なブランドとして有名です!たしかに、「このブランドなら間違いない」って安心感がありますよね~!
ブルートフォースアタック
「ブルートフォースアタック」とは、ユーザーのアカウントやパスワードを解読するために、考えられるすべてのパターンを入力して突破しようとするサイバー攻撃です。
たとえば0~9の数字のダイヤルが4個ついた鍵があった場合、「10×10×10×10=1万通り」の組み合わせを試せば、いつかは鍵が開きます。ブルートフォースアタックは、この突破法をインターネット上で必要になるIDやパスワードで行うサイバー攻撃なのです。
ブルートフォースアタックでは、はじめにIDを入力してその後にいろいろなパスワードを次々に入力し、パスワードの特定と不正ログインを試みます。手動で行うと膨大な時間がかかるため、専用のツールを使うことが一般的です。
ブルートフォースアタックでログインが強行されてしまうと、ネットバンキングへの不正ログインによる金銭的な被害や個人情報の流出、WebサイトやSNSの不正利用などの被害に遭ってしまいます。特別な技術がなくても可能なサイバー攻撃ですが、甚大な被害に遭いやすいため注意が必要です。
ブルートフォースアタックの被害を防ぐためには、特定されにくいパスワードの設定やログインロック、2要素認証の設定などが有効です。
ちなみに、ブルートフォースアタックに対抗するためには「英字(大文字小文字を区別)+数字」で作った8桁以上のパスワードを設定することが有効だとされているよ!この場合、組み合わせは218兆通り以上になり、特定が難しくなると言われているんだ。
ブログ
「ブログ」とは、文字通り記録を残して公開するためのWebサイトのことを指します。「Web」と「Log(日誌)」を組み合わせた「Weblog」が語源の言葉です。
登場した当初は、個人の考えや物事に対する論評を掲載する場として活用されていましたが、近年は企業の情報公開や新商品の紹介をするために利用されることが増えてきました。
また個人が商品を紹介し、そこから成約にいたった分だけ報酬を得られる「アフィリエイト」を行う媒体として活用されることもあります。
なお、企業がブログを通して情報を発信し、アクセス数を集めて企業の認知度を上げたり商品購入を目指したりするマーケティング手法を「ブログマーケティング」と言います。
商品に関するコラムやお役立ち情報、利用者の体験談などを掲載することで企業や商品の信頼感を高められるため、近年はブログマーケティングを用いる企業が増えてきました。
このようにブログは、個人のコミュニケーションツールとしてだけではなく、マーケティングにおいても重要な役割を果たすツールとして活用されているのです。
ブログは一度書いてしまえばWeb上に残り続けるため、企業にとっての財産として蓄積していくことができるんだ。手軽に管理できて高い集客効果を得られるから、ぜひマーケティング手法のひとつとして活用してみてね!
ブロックチェーン
「ブロックチェーン」とは、取引データを時系列で記録し、そのデータを多数のコンピューターが分散して保持することで、不正やデータの破損などを防ぐ仕組みのことです。
もともとは仮想通貨を動かすために開発された技術ですが、現在は不動産や金融、ゲームなどの幅広い分野で活用されるようになりました。日本語では、「分散型台帳技術」と呼ばれます。
少しわかりにくいので、ブロックチェーンでデータを保存する仕組みについて順番に見てみましょう。
- 「A」「B」「C」の取引データが「ブロックX」に記録される
- 一定期間経過後、過去の取引データと新たに加わった「D」「E」「F」の取引データが「ブロックY」に引き継がれる
- 過去のデータと新しいデータが再び「ブロックZ」に引き継がれる……
- 上記のデータを、ブロックチェーンに参加している機器(ノード)で共有・監視する
このように、過去の情報を記録したブロックを鎖のようにどんどん繋げていくため、「ブロックチェーン」という名称がついているのです。
複数のノードがブロックチェーンを監視するため、不正やシステムのダウンを防ぐことができます。そのため、ブロックチェーンはデータの確実性が求められる分野での活用が進んでいるのです。
ブロックチェーンのように複数のコンピューターがデータを共有する「分散台帳型」の管理技術に対し、ひとつのコンピューターがデータを保有することを「中央集権型」と呼ぶよ。セットで覚えておこうね!
プッシュ通知
「プッシュ通知」とは、スマートフォンに新しいメッセージやニュースなどが届いたとき、各アプリケーションが自動的に画面上へお知らせを表示する機能のことです。たとえば、ロック画面や画面の上部に「新しいメールが届きました」と表示された事はありませんか?これが、プッシュ通知です。
プッシュ通知を送信するアプリは、ほかにもゲームアプリやECアプリ、ツール・アプリなど多岐にわたります。アプリをダウンロードした際にプッシュ通知が有効になる設定をしていれば、基本的にすべてのアプリがいつでも通知を送ることが可能です。
なお、プッシュ通知は以下の2種類に分類できます。
- リモートプッシュ通知:オンライン時、各アプリから自動的に送信されるお知らせ
- ローカルプッシュ通知:Wi-Fiの接続やアラームなど、ユーザー本人の操作によってオフラインでも表示されるお知らせ
アプリを開かなくてもリアルタイムな情報を知らせることができるプッシュ通知は、サービスの継続利用率(リテンション率)や自社サービス利用率の向上に役立ちます。ただし、送りすぎると印象ダウンにつながるため、最適な頻度でユーザーに役立つ通知を送ることが大切です。
各ユーザーの興味・関心や属性に合わせて送る「パーソナライズプッシュ通知」という手法も有効ですよ!より開封率が上がるので、ぜひ活用してみてくださいね!。
プレスリリース(PR)
「プレスリリース(PR)」とは、企業や団体などが経営に関わるニュースや新商品、新サービスの情報をマスコミに知らせるための文書です。「Press(新聞)」と「リリース(発表)」の単語を組みわせた造語で、主に新聞や報道機関に対しての発表を指します。
メディアは企業から提供されるプレスリリースをもとにテレビや新聞、雑誌、ニュースサイトを作り上げて、消費者に情報を提供しています。
つまり、プレスリリースを発表すると、テレビや雑誌で取り上げてもらえる可能性が高まるというわけです。プレスリリースはニュースのもとネタとなるため、常に最新のものでなくてはいけません。
混同されやすいですが、広告とプレスリリースはまったくの別物であるため注意しましょう。広告は企業がメディアの広告枠を買うことで宣伝する手法で、プレスリリースは企業の情報を提供して取り上げてもらったり、利害関係者と関係性を築いたりするための手段のひとつです。
企業から消費者に直接訴求する広告とは異なり、信頼性の高い第三者であるメディアの報道を通して消費者に情報を伝えられる点が、プレスリリースの大きな特徴なのです。
プレスリリースを配信するとメディア掲載の可能性があるほか、投資や業務提携のきっかけ作りや売上の向上効果が得られます。広告掲載のような高い掲載費が不要なため、低コストで高い費用対効果が得られるメリットもあります。
近年はWeb配信サービスや自社サイトに新情報を掲載する企業も増えてきたよ。報道機関向けではないこの発表方法の場合は、プレスリリースではなく「ニュースリリース」と呼ばれているんだ。
プロスペクティング
「プロスペクティング」とは、「どのようなニーズがあるのか」「どのような施策を実施すれば自社を選んでもらえるのか」考えながら情報を集め、見込み顧客を創出する活動です。
自社商品を購入する顧客ではなく、あくまで見込み顧客を創出することがおもな目的となります。プロスペクティングを実施すると、新しいビジネスチャンスを発掘したり、購入意識が高そうな見込み顧客に絞ってアプローチが可能になります。リソースが少なくても効率的な営業活動ができる点が大きなメリットです。
通常はアポイントを獲得する際などに行うテレマーケティングを、見込み顧客の課題やニーズなどを聞き出すために行う施策が、プロスペクティングの一例として挙げられます。
また、近年は購入履歴や位置情報などをもとに興味を持ってもらえそうなユーザーに広告を配信する、プロスペクティング配信という広告手法も注目を集めています。
商品を一方的に売り込むのではなく、見込み顧客のニーズをしっかりと把握し、信頼関係を築きながら売上アップを目指せる点がプロスペクティングの特徴です。
Googleには、Webサイト未訪問のユーザーに広告を配信する「動的プロスペクティング配信」という機能が搭載されているんだ。AI技術でユーザーのニーズや嗜好を予測することで、新しい見込み顧客に自動でアプローチしてくれる便利な機能なんだよ!
プロダクトアウト
「プロダクトアウト」とは、会社の方針や強みに基準をおいた商品開発や生産を指します。買い手のニーズよりも企業が良いと思ったものを作り、完成してからどのように販売するか考えるスタイルです。
身近な例でいうと、革新的な製品を生み出し続けるApple社がプロダクトアウトを大成功させた企業として挙げられます。企業が得意とする技術を活かして製品を作り上げるため、技術力や強みを大いに発揮できるメリットがあります。
また、他にはない独自の製品を生み出せる可能性があるため、差別化が図れて大ヒット商品が誕生する可能性もあるでしょう。自社がすでに持っている技術や強みを利用するため、市場調査や新技術の採用を行う必要がなく、コストを抑えられるという特長もあります。
ただし自社の基準を重視しすぎてしまい、ニーズに合わない製品になってしまうリスクもあります。製品の売れ行きや評価をもとに、世の中のニーズに合った製品へと見直しが必要になれば、余分なコストや時間がかかるかもしれません。
プロダクトアウトは強みだけではなく弱みもあるため、自社の強みと世の中のニーズの両方を意識した戦略が重要です。
プロダクトアウトに対して、消費者のニーズを優先しながらの商品の企画・開発を「マーケットイン」と言うよ。どちらかの考えに偏るのではなく、両方を組み合わせた商品開発が大切なんだ。
プロバイダメール
「プロバイダメール」とは、インターネット接続サービスを提供するプロバイダーが提供しているメールサービスです。
プロバイダーと契約すると自動的に利用できるようになるメールサービスで、独自のドメインを使ったメールアドレスが付与されます。
たとえば、OCNでは「@◯◯◯.ocn.ne.jp」、@niftyでは「@nifty.com」、Yahoo!では「@ybb.jp」などのメールアドレスが、プロバイダーの契約時にそれぞれ付与されます。プロバイダーメールは、Outlook Expressなどのメールソフトを使って送受信する必要があります。
プロバイダーメールには、専用のメール送受信サーバーが与えられているため信頼性が非常に高いです。遅延も少ないので、ビジネスシーンでの利用が多くなっています。
ただし、プロバイダーと契約中でないと利用できない点、メールアドレスの追加には費用がかかる点がデメリットとして挙げられます。
ちなみに、私達になじみ深い「Gmail」や「Yahoo!メール」などは、Webメールや無料メール、フリーメールなどと呼ばれているよ。誰でも無料で利用できるところが特徴的だけど、広告がついたり送受信に遅延が生じやすいという注意点があるんだ。
プロプライエタリソフトウェア
「プロプライエタリソフトウェア」とは、開発者や配布者が利用者に与える権限を制限したソフトウェアのことです。日本語に直すと「所有権のあるソフトウェア」という意味を持ち、「オープンソースソフトウェア」の対義語にあたります。
知的財産権で保護されているソフトウェアであるため、利用者による一方的な改変や複製、販売などを防ぐことが可能です。
なお権限の制限は、販売者の利益確保やセキュリティの向上などを目的に行われます。プロプライエタリソフトウェアとして利用者の権限を制限する方法としては、以下の2つが挙げられます。
- 技術的手法:ソースコードを非公開にして販売する
- 法的手法:著作権や特許権などの法律に基づいて権利を制限する
プロプライエタリソフトウェアは、一般的に商用で販売されるソフトウェアに多い傾向にあります。
類似語として「クローズド(ソース)ソフトウェア」という語句もあるんだけど、これはソースコードを非公開にしたソフトウェアだけを指すんだ。法的な権利に関する制限は含まれていないから、使用する文脈によって使い分けようね!
プロモーション
「プロモーション」とは、広告や広報活動、販促などを含む認知度アップのためのコミュニケーション全般を意味する言葉です。一般的に、購買に結びつけるためのマーケティング活動はすべてプロモーション活動に分類されます。
新商品を発売するときに認知度をアップさせるためにテレビCMや雑誌広告の掲載、SNSへ投稿することなどがプロモーションの一例です。
プロモーションのおもな手法を組み合わせた戦略を、「プロモーションミックス」といいます。プロモーションミックスを構成するのは、以下の5つの要素です。
- 広告:メディアやSNSに広告を打ち出す
- セールスプロモーション:直接購買につなげるために試供品の配布や展示会を行う
- 人的販売:営業や販売会などによる対面の営業販売
- PR:企業と顧客との間で良い関係を築き、維持するためのマネジメント
- ダイレクトマーケティング:電話や郵送などを用いて、顧客と直接的な接触を図る
企業は市場の分析や戦略課題の洗い出しなどを行ってから、プロモーションのテーマや手法、メディアやツールについての策定が大切です。
プロモーションというと「セールスプロモーション」のことを指すケースも多いよ!この言葉もマーケティングには欠かせない言葉だから、覚えておこうね!
プロモーションミックス
「プロモーションミックス」とは、目標を達成するためにさまざまな手法を組み合わせるマーケティング戦略です。具体的には、下記の手法を組み合わせてマーケティングを進めていきます。
- 広告宣伝活動:メディアに広告を出稿して認知度を高める
- PR活動:情報を発信し、認知度やブランドイメージを高める
- 販売促進活動(セールスプロモーション):サンプルの配布や展示会などを通して販売促進を目指す
- 人的販売:ダイレクト営業や実演販売など、人を介して販売を促進する
これらの手法は、消費者に情報を取得してもらい自発的に興味を持ってもらう「プル戦略」と、売り手が直接アプローチする「プッシュ戦略」の2つに分類されます。プロモーションミックスで効果を出すためには、両方の戦略の連動が有効だとされています。
近年、消費者は様々な手段で情報を収集できるようになりました。従来のマスメディアのみを使用しただけの広告では十分なマーケティング成果を得られなくなってきているため、複数の手法でアピールする必要性が高まってきています。
プロモーションミックスをするときは、今回紹介した4つの手法の特徴をしっかりと理解しようね。特に「広告宣伝活動」と「PR活動」、「販売促進活動」は一見似ていて区別しにくい言葉だから、違いを確認しておこう!
へ
ヘッダー
「ヘッダー」とは、ページの上部に表示される部分のことです。HTML文書の「<header></header>」の間に記述された内容がヘッダーとして表示されます一般的なWebサイトでは、ページ上部のロゴやメニュー、ページタイトルなどがヘッダーにあたります。
ヘッダーは、どのページが開かれても常に共通して表示される部分であり、最初にユーザーの視界に入る重要な情報です。そのためユーザーの目を引きつけたり、次のアクションにつながるような情報を盛り込んだりすることが欠かせません。
具体的には、サイトのタイトルやグローバルメニュー、会社ホームページへのリンクやお問合せ先などを記載することが一般的です。
ヘッダーを設計するときは、パソコンだけではなくスマートフォンでサイトを閲覧する人にも配慮してデザインを考えるようにしましょう。
ユーザーに与える影響が大きい部分であるため、Webサイトを制作するときはコンテンツだけではなく、ヘッダーもしっかりと作り込むことをおすすめします。
ちなみに、サイトの上部を指す「ヘッダー」に対し、サイトの下部のことは「フッター」と言うよ。Webサイトの制作ではヘッダーとフッターの両方が大切だから、それぞれの役割についてしっかりと理解しておこうね!
ベネフィット
「ベネフィット(Benefit)」とは、顧客が商品から得られるプラスの効果や影響のことです。日本語に直すと、「利益・恩恵・便益」などといった意味を持つ言葉です。ベネフィットの一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 美容液:肌の調子がよくなって自信が持てる、異性にモテる
- 高性能なパソコン:作業効率がアップして昇給できる、希望するソフトが使える
- 家事代行サービス:家族との時間を増やせる、家事負担を軽減できる
消費者は商品そのものではなく、商品を購入することで得られる未来の利益を求めて消費活動をします。企業は商品のベネフィットを正しく理解してアピールすることで、他社との差別化を図って売上の向上を目指すことができるのです。
なお、ベネフィットには以下の3つの種類があります。
- 機能的ベネフィット:使いやすい、軽い、高機能など、機能的な特徴によってもたらされる利益
- 情緒的ベネフィット:安心感、高級感など、感情の変化によってもたらされる利益
- 自己実現ベネフィット:自信が持てる、自慢できるなど、自己実現を可能とする利益
上記のようなベネフィットを効果的にアピールするためには、ターゲットの設定と抱えている課題の洗い出しを行い、それを解決するためのストーリーやベネフィットの提示を行うことが大切です。
ベネフィットは「メリット」と混同されやすいんだけど、メリットは商品やサービスの強みやウリ、特徴を指すんだ。たとえば高機能なパソコンの場合、メリットは「動作が早い」、ベネフィットは「作業効率がアップして昇給できる」ということになるよ。しっかりと区別しておこうね!
ペイドメディア
「ペイドメディア」とは、企業がお金を払って広告を掲載できるメディアのことです。具体的には、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞の「マス4媒体」と呼ばれるメディアやWeb広告、スポンサーシップを指します。
ペイドメディアは、ユーザーに広く商品やサービスを認知させられるメリットがあります。不特定多数の消費者にリーチできると、既存顧客だけではなく潜在客や自社のサービスを知らない層にまで訴求することが可能です。
ただし、コストが高くコミュニケーションが一方的になりやすいデメリットもあります。自社コンテンツである「オウンドメディア」やユーザーと交流できるSNSである「アーンドメディア」と組み合わせたマーケティングが肝心です。
ちなみに、「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」の3つのメディアを合わせて「トリプルメディア」と呼ぶんだ。目的に合わせてメディアを使い分けることが、マーケティング戦略を成功させるコツだよ。
ペルソナ
「ペルソナ」とは、自社の製品やサービスの利用を想定する詳細なユーザー像のことを意味します。マーケティング施策を打ち出すときは、対象となるユーザーへの訴求力を上げるために、性別や年齢などで絞ったユーザー像を設定することが欠かせません。
このユーザー像をターゲットと呼びますが、ターゲットに対してさらに肉付けをして、まるで本当に実在している人物かのように具体化したものをペルソナと言います。
たとえば、主婦向けの求人サイトのターゲットが「現在20代の専業主婦で、小さい子どもが1人いる」であった場合、ペルソナでは以下のように肉付けをしていきます。
- 夫は32歳、商社の営業職で年収500万円
- 妻は29歳、子どもは3歳
- 出産前に従事していた接客業に戻りたいと思っている
- 仕事もしたいけど、子育てと家事の両立に悩んでいる
- 趣味は週に1回のヨガ教室 など
このようにペルソナではより詳しく、ときには商品とは関係がなさそうな要素まで肉付けをして、詳しいユーザー像を設定していきます。ペルソナを設定することで、ユーザーが何を考えてどのような行動を取るのかについて予測できるようになります。
その結果、施策を考案するときに「ペルソナ像であればどうするかな」とユーザー視点に立った思考ができるようになるのです。
さらに、関係者同士の共通認識を取ることができるようになるため、ユーザー像の解釈に齟齬が生まれることを防げます。認識が統一されることで、一貫性のある企画や商品開発、マーケティング施策の打ち出しが可能となります。
ペルソナは一回設定して終わりではなく、定期的に見直して市場ニーズに対応できるものに修正することが大切だよ。このとき、先入観や理想のユーザー像を反映すると正確なマーケティングができなくなるから、事実ベースで考えることを意識してね!
ほ
ホットリード
「ホットリード」とは、BtoBマーケティングにおいて自社のサービスに対する興味関心が高く、あとひと押しすれば購入に至る見込み客のことです。
リードのなかでも、より購入や契約の可能性が高い「今すぐ客」をホットリードと呼びます。営業はホットリードにターゲットを絞ってアプローチすることで、成果を得られやすくなります。
なお、見込み客およびホットリードの定義や解釈は、企業や部門によって異なるため注意しましょう。一般的には、自社の資料をダウンロードしたりセミナーに申し込んでくれたりして、情報を提供してくれた顧客を指す場合が多いです。
いきなり「今すぐ客」を獲得するのは難しいので、企業はコンテンツ配信やメルマガ、インサイドセールスなどを通してホットリードの育成を目指していきます。
ただし、たとえ一度資料をダウンロードしてくれても、その後アクションがなければホットリードとは呼べません。マーケティングの際は、何をもってホットリードと定義するか明確にする必要があります。
ホットリードに対して、サービスに対する興味が薄くて購入する可能性が低い顧客を「コールドリード」と呼ぶよ。あわせて覚えておこう!
ホワイトハッカー
「ホワイトハッカー」とは、ITの技術や知識を使ってセキュリティ対策を行ったり、悪意のある攻撃からコンピューターやネットワークを守ったりするエンジニアのことです。
ハッカーというと、通常は第三者のコンピューターやネットワークに侵入して、情報を盗み出したり攻撃したりする悪意のある犯罪者を思い浮かべるでしょう。
こういったハッカーは「ブラックハッカー」や「クラッカー」と呼ばれており、クラッカーからの攻撃を防いで善良な活動を行っている人のことを、健全なハッカーとして「ホワイトハッカー」と呼んで区別しています。
つまり、クラッカーとハッカーは同じように高度なIT技術を持っていますが、その技術を攻撃に使うか攻撃から守るために使うかで呼び方が異なるのです。
ホワイトハッカーの仕事は多岐にわたりますが、疑似ハッキングテストによる脆弱性の診断やセキュリティ設計、セキュリティの保守・アップデートなどが代表的な業務として挙げられます。
ホワイトハッカーになるためには、IT・情報系の専門学校や大学などで専門知識を身につけ、政府関連機関や情報セキュリティシステムの開発企業、企業のセキュリティ専門部署などで経験と実績を積み重ねる必要があります。
簡単になれる職業ではありませんが、IT化が進む今後の社会において、ホワイトハッカーの重要性はますます高まっていくでしょう。
ホワイトハッカーとセキュリティエンジニアは混同されやすいんだけど、ホワイトハッカーはコンピューターやネットワークに侵入して攻撃を防ぐ職業、セキュリティエンジニアはシステムを構築して情報を守る職業なんだ。区別しておこうね!
ホワイトペーパー
「ホワイトペーパー」とは、顧客企業が解決すべき課題や要因を分析し、解決するためのソリューションなどをまとめた資料です。
本来は、政府や公的機関が発行する調査書や報告書(白書)を意味していました。マーケティングにおいては、特定の商品やサービスを売り込む目的で作成される、調査などと関連付けて自社ソリューションの長所をアピールする情報をまとめた資料を指します。
わかりやすい例を挙げると、企業のサイト上からダウンロードできる「お役立ち資料」や「Ebook」などが、このホワイトペーパーに含まれます。
ホワイトペーパーは、Webサイトへの集客やリード情報の獲得を目的に用いられることが一般的です。ホワイトペーパーをダウンロードする際に企業名や連絡先を入力させることで、有益情報と引き換えにリードの情報を収集しているのです。なお、ホワイトペーパーには以下のような種類のものがあります。
- 課題解決型:よくある課題を取り上げ、要因の分析や解決策の提示を通して自社製品を紹介する
- 事例紹介型:自社製品による課題解決事例を紹介する
- レポート型:政府関連団体や業界団体の調査レポートなどを要約して紹介する
ホワイトペーパーは営業資料と混同されやすいですが、営業資料はサービスへの興味が明確な潜在層に対して「商談」をすることが目的の資料です。ホワイトペーパーは情報発信を通してリードを獲得・育成したり顧客満足度を高めたりするための資料で、直接的な商談が目的ではありません。
ただし明確な線引があるわけではないため、ホワイトペーパーを営業資料として使用することも、商談資料をリード獲得に使用することも可能です。自社製品や顧客の特性に合わせ、臨機応変に各資料を活用していきましょう。
ホワイトペーパーで見込み客を獲得し、購買意欲を高めるアプローチ(育成)することを「リードナーチャリング」と言うんだ。受注確度を高めたり自社へのエンゲージメントを高めたりできるため、マーケティングにおいては非常に重要なことなんだよ。
ポップアップ
「ポップアップ」とは、Webサイトを閲覧しているときに自動で別のウィンドウやバナーが立ち上がり、広告などが表示される仕組みです。ポップアップ広告や、ポップアップバナーと呼ばれることもあります。
Webサイトを閲覧していて、自動的に画面を覆うような広告が開いた経験がある人は多いかもしれません。その広告をポップアップというのです。
ポップアップは強制的に視界に入るため、広告の露出度としては非常に高く、ユーザーに注目されやすいというメリットがあります。しかし、反対にユーザーに邪魔だと思われやすく、反感を買うリスクもある広告です。
ブラウザのなかには、ポップアップをブロックする機能がついたものもあります。活用する際はユーザー目線で必要な情報を提示し、Webサイト閲覧の邪魔にならないように配慮することが大切です。
ポップアップ広告を邪魔だと思ったことがある人は、実はかなり多いんじゃないかな?サービスを利用してもらうためには、ユーザーの気持ちを考えて反感を買いにくいポップアップを出すことが大切だよ。好かれるポップアップについては、こちらを参考にしてね。
ま
マイルストーン
「マイルストーン」とは、プロジェクトを完遂するために大切な中間目標地点を意味します。もともとは、鉄道や道路で中間地点となる場所の距離を表すための標石を指しており、それがビジネス用語に転じてゴールに至るための中間目標という意味を持つようになりました。
新商品を発売しようとするとき、いきなり商品開発をして発売するわけにはいきません。市場調査を行って企画書を作成し、試作品を作成して、モニターテストをしてもらって…と多くのプロセスを踏む必要があります。この一つひとつが、マイルストーンになるというわけです。
マイルストーンを設定すると、プロジェクトの進捗が正確に把握でき、必要に応じて修正、計画の見直しが行えるようになります。また、経営層への進捗報告に使われることもあります。
マイルストーンはタスクやToDOリスト、フェーズやスケジュールなどと同じように捉えられることも多いですが、実際は異なったものであることを理解しておきましょう。
マイルストーンは、タスクやToDoリストのように個人に課されるものではなく、プロジェクト全体に課された目標で、フェースやスケジュールとは異なり、過程や日程の変化に依存せずに設定されるものです。設定したマイルストーンは、ガントチャートなどで管理することが一般的です。
Web制作でいうと、「企画立案」「ワイヤーフレーム設計」「デザイン作成」「コーディング」「記事作成」などがマイルストーンになるよ。工程ごとに分業して、依頼してその分の報酬を支払うことを「マイルストーン払い」と言うんだ。
マス広告
「マス広告」とは、大人数の大衆や群衆に向けた広告手段です。主にテレビ・新聞・ラジオ・雑誌の4つの媒体を活用した広告を指します。4つの媒体を「マスメディア」と呼び、掲載する広告をマス広告と呼びます。マスメディアごとの特徴や広告効果は以下の通りです。
- テレビ広告:絶大な普及力があり、老若男女問わずあらゆる層に告知できる
- 新聞広告:信頼性と公共性が高く、ブランド力のアップ効果が期待できる
- ラジオ広告:比較的低コストで、インターネットと連携した訴求が得意
- 雑誌広告:狙ったターゲットに訴求しやすく、専門的な内容を伝えられる
マス広告は、どの種類であっても基本的に信頼性や即効性が高く、効果を感じやすい点がメリットです。近年は、インターネット上で展開される広告である「デジタル広告」を活用する企業も増えてきています。
デジタル広告は特定のターゲットに向けて配信するため、不特定多数を対象としたマス広告と比べると期待通りの効果を得にくい傾向にあります。企業や商品の認知度を上げたい場合や不特定多数を対象に広告を打ち出したい場合は、デジタル広告よりもマス広告のほうが適しているでしょう。
マス広告は、広告効果が高いぶん費用がとっても高いんだ。比較的コストが抑えられるデジタル広告でも、適切な訴求ができれば高い効果を得られる可能性はあるよ。中小企業がマーケティングを行うときは、まずデジタル広告を検討しよう!
マルウェア
「マルウェア」とは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスに不正かつ有害な操作を行うために作成された、悪意のあるソフトウェアやコードのことです。英語の「malicious(悪意のある)」と「software(ソフトウェア)」の2つの単語を組み合わせて作られた名称です。
例えば、コンピューターウイルスやトロイの木馬、スパイウェアという言葉を耳にしたことがある人は多いかもしれません。こういった悪意のあるソフトウェアをすべてマルウェアと呼び、感染してしまうことで以下のような被害がもたらされます。
- 個人情報の流出
- ファイルの改ざんや盗難、破壊
- デバイスのロック
- パフォーマンスの低下
- デバイスをサイバー攻撃に悪用される
マルウェアにはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては以下のような種類が挙げられます。
- コンピューターウイルス:無害なファイルを装い、ダウンロードによる感染を促す
- トロイの木馬:アプリケーションをインストールさせ、同時にマルウェアを感染させる
- ランサムウェア:機器をロックまたは暗号化し、その解除のために身代金を要求する
- ワーク:自己複製し、ネットワークを通してさまざまなデバイスへ拡散される
- スパイウェア:操作履歴などを外部に送信し、今情報を漏洩させる
マルウェアの感染経路はさまざまですが、メールの添付ファイルや不正サイトのアクセス、不正なソフトウェアのインストールなどが原因となることが多いです。
ウイルスソフトをインストールしてソフトやOSを最新版に保つ、怪しいファイルやメールは開かないなど、ユーザーは注意を払いながらコンピューターを使うことが大切です。
マルウェアに感染したら、身に覚えのないソフトやアプリの削除、セキュリティソフトやワクチンソフトの活用などの対策が必要になるよ。最悪の場合、デバイスを初期化しなくてはいけなくなるから、感染しないように日頃から注意することが大切だよ。
マルチチャネル
「マルチチャネル」とは、企業が作った商品やサービスが消費者に届くまでの経路(チャネル)が複数存在する状態です。多くのチャネルを持つと、顧客との接点が増え、認知度を高め、販売機会を増やせます。
実店舗とECサイトの両方を販売経路として持ち、ECサイトのほかに情報を届けるSNSアカウントの立ち上げなどが、マルチチャネルの一例として挙げられます。マルチチャネルにおけるチャネルの種類は、以下のものが存在しています。
- 企業サイト
- テレアポ
- 訪問販売
- ダイレクトメール
- メール
各チャネルは独立しており、それぞれの管理システムを連携していない点がマルチチャネルの特徴です。実店舗には在庫がないのにECサイトには在庫がある状態に陥る可能性もあり、販売機会を失ってしまう恐れがあります。
複数のチャネルを顧客管理システムや在庫管理システムなどで連携した状態を「クロスチャンネル」。多様なチャネルをすべて統合・連携した状態を「オムニチャネル」と言います。マルチチャネルは、オムニチャネルのひとつ前の段階だと覚えておきましょう。
「マルチチャネル」と「クロスチャンネル」、「オムニチャネル」は意味の違いがわかりにくい言葉だから要注意です。関連記事でしっかりと復習しておきましょう!
マルチデバイス
「マルチデバイス」とは、パソコンやスマートフォン、タブレットといった異なったデバイスから同じ内容のコンテンツやサービスを利用できる環境のことです。どのデバイスからでも利用できる状態にすることを、「マルチデバイス対応」「マルチデバイス化」と言います。
IT業界技術の発展により、近年はさまざまなデバイスからインターネットや配信サービスなどを楽しめるようになりました。操作性も画面の大きさも異なるデバイスからインターネットを使用すると、どうしても文字のサイズやボタンの配置、画像のレイアウトが崩れてしまうことはあります。
この状態ではユーザーにとって使いやすいコンテンツとは言えないため、マルチデバイス化で「どの機器から見ても快適に使える状態」にすることが大切なのです。マルチデバイスに対応する方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- デバイスごとに専用のページを作成する
- 自動で最適なレイアウトにしてくれるレスポンシブルウェブデザインを使用する
- 外部の自動変換サービスを使用する
ユーザーにとって使用しやすいサービスにするためにはマルチデバイス化だけではなく、コンテンツや利用情報がデバイスを超えて引き継がれる「クロスデバイス化」も重要です。
いくら見やすくて使いやすいコンテンツやサービスでも、特定のデバイスからしか使えない場合は、ユーザーに選んでもらいにくくなります。マルチデバイス化するときは、必ずクロスデバイスへの対応も実施しましょう。
マルチデバイスは「どのデバイスからも同じ内容が見られる環境」、クロスデバイスは「複数のデバイスからコンテンツや利用状況を共有できる環境」を意味するよ。似ているけど、きちんと区別しておこうね!
マルチパートメール
「マルチパートメール」とは、複数種類のデータを持つメール形式を指します。具体的には、テキストメールとHTMLメールの両方のデータを持たせた文面を、1通のメールで送ることを指します。
テキストメールは文字や記号などといったテキストデータだけで構成されたメールで、HTMLメールはHTML言語で構成されたフォントや文字色、画像などの装飾が施されたメールです。テキストメールはどのような環境やメールソフトでも表示されます。
一方で、HTMLメールは受信者の環境を選ぶため、場合によっては画像などが正しく表示されなかったり送信できなかったりする恐れがあります。両方のデータを持つメールを送ると、受信者の環境に合わせて適切にメールを表示できるようになるのです。
受信者の環境に応じた適切なメール配信を、「マルチパート配信」と言い、反対にどちらかのデータしか持たないメールを「シングルパート配信」と言います。
HTML形式のメールは自由に装飾ができて表現の幅が広いというメリットがありますが、スパムメールとみなされて受信ブロックに引っかかりやすくなるというデメリットもあります。
マルチパートメールを送信すると受信ブロックを防ぎ、ターゲットへ適切にメールを届けられるようになるのです。
マルチパートメールを送信するときは、専用のメール配信サービスの利用が必要だよ。一般的なメールソフトでの作成は難しいから、注意してね。
マーケットイン
「マーケットイン」とは、消費者の声や意見にもとづいた商品開発や提供を行う考え方です。ニーズに合った製品を開発するため、一定数の売上が見込めてリスクが少ない点が大きなメリットです。
消費者からの信頼度の向上やリピーターの獲得効果もありますが、爆発的なヒットを生み出しにくく、企業の独自性やブランディングがしにくいというデメリットもあります。
マーケットインに対して、企業が作りたいものや自社の技術・強みを基準とした商品づくりを「プロダクトアウト」と言います。
従来はプロダクトアウトでも商品が売れていましたが、現代はさまざまなサービスや製品があるため、「良いもの」や「企業が作りたいもの」を作れば必ず売れるという時代ではなくなりました。顧客が本当に求めている商品やサービスを作り出し、顧客の満足度を高めるべきだという考え方が広まりつつあります。
ただし「プロダクトアウトが悪でマーケットインが善」というわけではなく、両方の戦略を組み合わせて自社の強みを活かしながらニーズを満たせる商品の開発が重要だと言われています。
マーケットインの事例としては、iPhone登場後以降のスマートフォンがあるよ。iPhoneはプロダクトアウトで生み出された新しい商品だったけど、ニーズの高さから多くの企業が販売を始めたんだ。両方の視点が大切だとわかるね。
マーケティング
「マーケティング」とは、ターゲット市場のニーズを満たせる価値を提供し、顧客に届けることで利益を得ることを指します。経営学者フィリップ・コトラーはマーケティングを「マーケティングと販売は、ほとんど正反対とも言える活動だ」と表現しており、ピーター・ドラッカーは「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」と言っています。
商品を売り込むのではなく、自ずと売れていく仕組みの構築こそがマーケティングです。売り込まなくても商品が売れるようにするためには、顧客のニーズに合った商品を開発するだけではなく、適切な情報を適切なターゲットに向けて発信することが大切です。マーケティングは以下の3つのプロセスで行なわれます。
- 市場調査(リサーチ):売れる商品を企画するための調査
- 広告宣伝活動:マスメディアやデジタルマーケティングなどを通して情報の発信
- 効果検証:活動が売上に結びついたかを検証し、ブラッシュアップ
大量の消費者を対象とするマスメディアを活用した「マスマーケティング」や、ブログやSNSを活用した「コンテンツマーケティング」など、マスマーケティングにはさまざまな手法があります。ターゲット層の特性に合わせ、自社にとって最適なマーケティング手法の選択が大切です。
「商品を売り込むこと」を重視する販売促進活動に対して、マーケティングは顧客が買いたくなる仕組みを構築する「お客様視点」を重視する活動なんだ。似ているようでまったく異なるから、しっかりと区別しておこう!
MaaS(マース)
「MaaS(Mobility as a service)」とは、ICT(情報通信技術)を活用して様々な交通手段(モビリティサービス)を1つのサービスに統合し、さらに便利な仕組みの移動手段にすることです。日本語にすると「サービスとしてのモビリティ」という意味になります。
私たちがバスや電車、タクシー、自転車などといった交通サービスを利用して移動するときは、それぞれのサービスに個別でアクセスする必要があります。バスに乗るときはバス会社に料金を支払い、タクシーを呼ぶときはタクシー会社に連絡して料金を支払います。
MaaSを使うことで、すべての移動手段を統合し、1つのアプリで複数の移動手段を使った経路検索や移動手段の予約、支払いができるようになるのです。
もともとは2006年にフィンランドの企業が開始したサービスでしたが、日本でも2019年に国土交通省と経済産業省が「スマートモビリティチャレンジ」の開始を発表し、MaaSを推進しています。
MaaSには、交通利便性の向上や生活の質の向上、地方での移動サポート、観光地への集客に貢献できるなどといったメリットがたくさんあります。
日本ではまだまだ浸透していない概念ですが、現在普及に向けた実証実験が進められているため、今後一気に浸透していくことは間違いないでしょう。
関連用語として、アプリをレンタルする「SaaS」や、ハードウェアやOSをレンタルする「PaaS」、ハードウェアリソースを提供する「IaaS」があるよ!全部インターネットを経由してサービスを提供する点が共通しているから、押さえておこうね!
み
ミドルワード
「ミドルワード」とは、ビッグワードとスモールワードの中間に位置する検索ワードのことです。明確な定義はありませんが、月間検索ボリュームが1,000~10,000前後のキーワードを指すことが多い傾向にあります。
ビッグワードとは、「パソコン」「SEO」などといったように検索数が多いキーワードのことです。月間検索ボリューム10,000以上がビッグワードの目安となり、漠然と情報収集をしたい検索ユーザーが多い点が特徴です。
そのため、上位表示されれば流入数の激増を狙えますが、コンバージョンにつながりにくくSEO難易度が高いというデメリットがあります。
対してスモールワードとは、月間検索ボリューム1,000以下のキーワードのことです。検索ボリュームが少ないため獲得できるユーザーには限りがありますが、SEO難易度が低く、明確な目的を持った確度の高いユーザーを集められるというメリットがあります。
ミドルワードは、ビッグワードとミドルワードのメリットを併せ持ったキーワードです。ビッグワードほどSEO難易度は高くなく、かつ目的を持ったユーザーを集められるため、上位表示できれば多くのコンバージョンが得られます。
ちなみに、ミドルワードは「SEO 外部リンク」や「ラーメン 新宿」といったように、2語以上を組み合わせた検索キーワードであるケースが多いよ。ただし、検索ボリュームが多くなければ1語でもミドルワードに分類されることもあるんだ。
め
メタバース
「メタバース」とは、インターネット上に存在する三次元の仮想空間で、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語です。利用者は自分の分身であるアバターを利用し、この空間内で経済活動や社会生活が営めます。メタバースは以下の3つの要素を同時に備えてなければいけません。
- パーセプション:人々が現実世界のように感じ、行動できる環境
- ソーシャル:人々がつながり、ユーザーによって創造・提供されるコンテンツによって構築
- エコシステム:メタバース自身と経済インフラが半永続的に機能+資産価値の保証
近年は、メタバースをビジネスに活用する企業が増えてきました。
- バーチャルイベントを開催して参加料で収益化を目指す
- 仮想空間で試着や試乗をしてもらい、販売促進を目指すマーケティング施策を実施する
- 社員のコミュニケーションを促進して生産性を向上させる
上記のように、メタバースはビジネス上のさまざまな用途で活用されています。場所や空間、人数などの制約がなくて他者と気軽に交流できるメタバースは、今後のビジネスにおいて欠かせない存在となっていくかもしれません。
メタバースは、近年よく耳にするようになったVR技術やAR技術を活用して構築されているよ。メタバースは、現実世界をVR空間内にトレースした世界のことなんだ。
メディアミックス
「メディアミックス」とは、テレビや新聞、ラジオ、インターネット、雑誌などといった複数のメディアを使った宣伝活動です。小説やマンガなどのコンテンツをアニメや映画、ゲームなどの様々なメディアに展開して、収益性の高いコンテンツにしていくことをメディアミックスと呼ぶこともあります。
メディアミックスを行って複数のメディアを活用すると、お互いの弱点を補いながら相乗効果を生み出し、より高い宣伝効果や収益効果が得られます。
また、顧客が広告に触れる機会が増加するため、認知度の向上効果も狙えるでしょう。広告業界におけるメディアミックスの媒体としては、以下のものがあります。
- アナログメディア:新聞や雑誌など
- デジタルメディア:テレビやラジオなど
- インターネットメディア:Web広告やSNSなど
- ニッチメディア:フリーペーパーや専門誌など
メディアミックスにはメリットが非常に多いです。しかし、媒体が増えるぶん、コストがかかり費用対効果が低くなるデメリットもあります。無理にコストを抑えようとすると広告の質が落ちてしまうため、コストと質のバランスを保った実施が大切です。
「クロスメディア」というメディアミックスと似たような手法もあるよ。こっちは、複数の媒体で情報を補完しながら購買につなげる手法なんだ。メディアミックスは同じ広告を複数媒体に掲載する手法だから、両者は意味合いが異なるよ。
メールマガジン
「メールマガジン」とは、発信者がユーザーに知らせたい商品やサービスに関する情報を、複数のユーザーへ一斉に配信するメールマーケティングの一種です。
専用のメール配信システムやネットショップの制作サービスなどを使って配信するもので、数日後ごとや一週間ごとなどといったように、定期的にユーザーに届けることが一般的です。
メールマガジンは顧客との関係性構築がおもな目的で、適切に配信することで見込み客の確保や販売促進、ファンの育成などを目指せます。さらにメールマガジンの配信には、低コストでユーザーに直接アプローチできるというメリットがあります。
ただし、メールマガジンを配信してマーケティング効果を得るためには、開封してもらって目を通してもらわなければいけません。件名や配信時間を適正化するなど、見てもらう工夫をすることが大切です。
メールマガジンの形式には、「テキスト方式」と「HTML方式」の2種類があるよ。それぞれ異なったメリット・デメリットがあるから、関連記事で違いをしっかりと押さえておこう!
メールマーケティング
「メールマーケティング」とは、メールを通じてユーザーとコミュニケーションをはかるマーケティング手法の1つです。
顧客へ適切なタイミングやコンテンツをメールで送信してコミュニケーションを取ることで、営業・販売活動をスムーズにすることができます。
たとえば、セミナーなどで名刺交換した相手にメールを配信したり、自社サイトから問い合わせてくれた見込み顧客にメールで商品をアピールすることで、相手の興味関心を引いたり、購買意欲を高めることができます。
似たような言葉として「メールマガジン(メルマガ)」がありますが、メルマガは企業や業界の情報を一斉配信する手法で、メールマーケティングの一種にあたります。
ほかにも、ユーザー属性に応じたオファーを送る「セグメントメール」や段階的にメールを配信する「ステップメール」、特定の条件に応じたユーザーに配信する「リターゲティングメール」などが、メールマーケティングに含まれます。
メールマーケティングは、低コストかつ簡単にはじめられる点、効率的にアプローチできて効果測定をしやすい点が大きなメリットです。ただし、コンテンツを作成する負担が生じ、ユーザーの動向を把握しながら運用しなくてはいけないため注意が必要です。
メールマーケティングを行うときは、詳細なユーザー像である「ペルソナ」やゴールである「KGI」、中間目標である「KPI」などを設定することが肝心だよ。メールマーケティングで誰に何をしてほしいのか、しっかりと明確にしてからメールを送信しようね。
も
モック
「モック(モックアップ)」とは、アプリやWebサイト、広告などのデザインをチェックするために作られる完成形サンプルのことです。また、商品が完成する前の模型や、店頭見本といったものを指すこともあります。つまり、見た目だけ完成形のように作成した、中身は未作成の見本全般のことです。
Webや工業製品の制作を依頼されたときは、依頼された内容と完成物に差が生まれることを防ぐために、あらかじめサンプルを提示し、認識や依頼内容に齟齬が生じていないかをチェックする必要があります。このときに提示されるのが、モック(モックアップ)なのです。
モックはデザインやサイズを把握するために作成されるため、機能や動作の確認はできません。あくまで、頭の中で思い描いた製品の完成イメージを視覚的にわかりやすく表すために作られます。
ちなみに、モックと混同されやすい言葉として「ワイヤーフレーム」や「プロトタイプ」というものがあるよ。ワイヤーフレームはレイアウトの骨組み、プロトタイプは完成形に近い機能が実装されたサンプルのことを指すんだ。しっかりと区別しておこうね!
モバイルファースト
「モバイルファースト」とは、Webサイトやインターネットサービスの開発・運用において、モバイル端末での使いやすさを重要視することです。
たとえば、スマートフォンの小さい画面でも見やすいようにコンテンツを表示させたり、タップやスワイプといったモバイル端末特有の操作性に配慮したデザインにしたりするといったことが、モバイルファーストに含まれます。
従来、Webサイトやインターネットサービスはパソコン版が優先され、あとからオマケのようにモバイル版が提供されていました。 この際、パソコン版の設計がそのまま転用され、操作性が悪かったり正しく表示されなかったり、機能が制限されたりすることが多い傾向にありました。
対してモバイルファーストでは、設計や開発の段階でデザインや操作性などのモバイル環境への対応を最重要視して、パソコン版と同時もしくは優先してリリースします。 モバイル向けの設計を優先しているため、スマートフォンやタブレットでも快適にWebページやサービスを利用できます。
注意が必要なのは、モバイルファーストの意味が決して「モバイル端末ユーザーだけが使いやすいサービスを作ること」ではない点です。 「モバイル端末を使うユーザーにも、パソコンを使うユーザーにも使いやすいサービスにすること」が本来の意味であることを理解しておきましょう。
ちなみに、モバイルファーストの考え方のなかには、とくにスマートフォンでの使いやすさを重要視する「スマホファースト」というものもあるよ。あわせて覚えておこうね!
モーショングラフィックス
「モーショングラフィックス」とは、イラストや写真、ロゴや文字、図形などに動きや音を加え、動画にしたものを指します。
CMなどで企業ロゴの一部が動いたり、音楽に合わせてイラストや図形が動いている動画を見たことがある人は多いでしょう。今や私たちの生活にはモーショングラフィックスが溢れています。
モーショングラフィックスを活用すると、メッセージ性が強まり、より伝えたい情報を正しく伝えられるようになります。ユーザーに強い印象を与えられる一方でコストが安いため、企業にとってメリットの多い表現方法です。
音声を使わずに動きだけでメッセージを伝えられるので、年齢や国籍を問わずに的確にアプローチできる点が最大の強みです。
モーショングラフィックスの制作は、Adobe After Effectsなどのソフトを使用すればできるよ!映像ソフトやデザインに関する知識が必要だから、制作を希望するときはプロに依頼したほうがスムーズだよ。
MOFU(モーフ)
「MOFU(Middle of the Funnel)」とは、顧客の購買プロセスである「ファネル」の中間地点を指します。具体的には、消費者が商品やサービスに興味や関心を抱き、購入の検討をする段階のことです。
消費者の購買行動には、商品やサービスを知る段階と、検討する段階、購入のために商品を比較評価する段階と、複数のプロセスが存在しています。
それぞれの段階を「ファネル」と呼び、各ファネルを図式化すると漏斗のように逆三角形型になり、購入に近づくほど人数は少なくなっていきます。MOFUは、中間に位置するファネルということになるのです。
この段階では、商品やサービスを知ってくれた消費者を見込み顧客として確定させる取り組みが肝心になります。購買を具体的に検討する重要な段階であるため、自社の存在を覚えてもらうために良質なコンテンツの提供を心がけましょう。
ブログやSNSを通して継続的に接点を持つことや、サイトをパーソナライズするなどといった取り組みが有効です。
ちなみに、MOFUの前には商品を知る段階の「TOFU(Top of the Funnel)」、後には商品を比較評価する「BOFU(Bottom of the Funnel)」があるよ。各ファネルに適したマーケティングを行うことが大切なんだ。
や
Yahoo!タグマネージャー
「Yahoo!タグマネージャー」とは、Yahoo! JAPANが提供している、いろいろなタグを一元管理するためのタグマネジメントサービスです。ヤフープロモーション広告を使っている企業であれば、Yahoo! タグマネージャーを無料で利用可能です。
「Yahoo!JAPANユニバーサルタグ」と呼ばれる、すべてのサイトに共通して設置するタグを埋め込むことで、タグマネージャーの管理画面上でさまざまなサイトのタグを一気に管理できるようになります。タグマネージャーを使うことで、タグの導入や運用、管理の負担を大幅に軽減でき、さらにページの表示速度を早めることができます。
国内外120社以上のタグが動作検証済みで、設定後リアルタイムでタグの設定が反映される点が大きな強みです。タグの動作条件を設定することでユーザーの行動計測も可能なので、広告の運用を効率化・分析したい企業にとっては、非常に便利に活用しやすいツールでしょう。
ちなみに、タグマネージャーはさまざまな企業が提供しているよ。有名なものとしては、Googleタグマネージャー(GTM)やAdobe Dynamic Tag Management(DTM)などがあるんだ。
Yahoo!プロモーション広告
「Yahoo! プロモーション広告」とは、Yahoo!JAPANに広告が配信できるサービスのことです。検索結果と連動して表示される「検索広告」と、Yahoo!が提携しているサイトやアプリに表示される「ディスプレイ広告(YDN)」の2種類があります。
日本一のポータルサイトであるYahoo!JAPANに広告が出稿できるため、非常に多くの人に広告を届けられる点が、Yahoo! プロモーション広告の大きな強みです。Yahoo!関連サービスはもちろんのこと、ExciteやAmeba、All Aboutや朝日新聞などさまざまなな提携媒体へ広告を掲載することができます。
とくに40代以上の年齢層やPCユーザーをターゲットとするときに有効なサービスです。なお、広告の掲載費用はクリックされると費用が発生する「クリック課金制」となっています。1クリックあたりの料金や1日あたりの予算を自由に設定できるため、しっかりとコストを管理しながら集客を狙うことができます。
Yahoo! プロモーション広告のGoogle版が、「Google広告」というサービスだよ。場合によってはGoogle広告のほうが向いていることもあるから、商材に合わせて最適なサービスを見極めよう!
ゆ
ユニバーサルアナリティクス
「ユニバーサルアナリティクス(UA)」とは、2014年4月に正式リリースされたバージョンのGoogleアナリティクスです。マルチデバイス時代に合わせ、さまざまなデバイスやアプリで解析できるようになったことを強調するためにも、「ユニバーサル」という名称が付けられました。
ユニバーサルアナリティクスとそれ以前のバージョンの違いとしては、以下のような機能が実装されたことが挙げられます。
- クロスドメイン
- 管理画面で設定できる機能の追加
- クロスデバイス分析が可能なUserID機能
- データインポート
- カスタムディメンション
- カスタム指標
- 拡張eコマース
- メジャメントプロトコル
なお、2020年10月に最新版の「Googleアナリティクス4プロパティ(GA4プロパティ)」が発表され、今後はこちらがデフォルトになるとアナウンスされています。今の段階からGA4にも慣れておくと安心でしょう。
Googleアナリティクス(GA)は、Webサイトやアプリの効果を測定するために欠かせない、Googleが提供する無料の解析ツールだよ。「そもそもGoogleアナリティクスってなに?」という人は、しっかりとGAの役割や計測できるデータを理解しておこうね。
ユニファイドキャンペーン
「ユニファイドキャンペーン」とは、2013年にYahoo!広告の新機能として搭載された、さまざまなデバイスを統合して入札単価を運用する仕組みのことです。近年、IT技術の進化によってさまざまなデバイスでインターネットを閲覧する人が増えてきました。
そんな時代の流れに対応するために生まれたのが、Yahoo!のユニファイドキャンペーンです。今まではパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末ごとに広告を管理する必要がありました。
しかし、ユニファイドキャンペーンの登場ですべてのデバイスを一括管理することが可能となり、広告配信や管理の手間を大幅に低減することが可能となりました。
つまり、1つのキャンペーンですべてのデバイスに広告を配信することができるようになったというわけです。また、すべてのデバイスの入札価格が統一されました。
ユーザーの検索意図と時間帯や地域などといったコンテキストを踏まえた、関連性の高い広告を表示できるようになったため、デバイスごとに最適な広告配信ができるようになった点も大きなメリットです。
ちなみに、同じ内容の仕様変更はGoogle広告でも行われているよ!Googleの場合は名称が違って、「エンハンストキャンペーン」と呼ばれているんだ。両方覚えておこうね!
UI(ユー-アイ)
「UI(User Interface)」とは、サービスにおけるユーザーとの接点や目にする部分のことを指します。Webマーケティングでは、Webサイト上で見られるフォントやデザイン、メニューボタンなどを含むユーザーが目にする情報・操作するものがすべてUIに含まれる要素です。
UIの問題点を改善すると、ユーザーの使い勝手や満足度の向上につながります。ボタンの色や形を少し変えるだけで売上が左右されることもあるため、マーケティングにおいてUIは非常に重要な役割を果たしています。
UIはおしゃれなデザインであればいいというわけではなく、ユーザーにとって使いやすく機能性を邪魔しないデザインに仕上げることが重要です。
ユニークなデザインや直感的に操作できるシンプルなデザインなど、サービスを活かす企画力やアイデアが求められるため、日頃からUIについて勉強しておくといいでしょう。
ちなみに、ユーザーがサービスを通して得られる経験のことを「UX(User Experience)」と言うよ。サイトを使ってユーザーが感じた印象や感想のことを指すから、しっかり区別して覚えておこう!
UX(ユー-エックス)
「UX(User Experience)」とは、ユーザーがサービスを通じて得られる体験のことを指します。UXを充実させることで、顧客の満足度を高めたりブランドへの信頼度を向上させたりすることが可能です。UXの一例としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- ECサイトの商品選択から購入までがシームレスで使いやすかった
- Webサイトが見やすくて快適に情報収集できた
- Webサイトの商品紹介写真がきれいで、実際に買いたくなった
- シンプルなアプリ設計でお年寄りでも使いやすかった
上記のように、UXはWebマーケティングにおいて重要な役割を果たしています。良質なUXを提供するためには、ユーザー目線で製品やサービスを作ることが肝心です。ユーザーにとって価値のあるUXを考えるときは、ペルソナの設定やカスタマージャーニーマップの作成などが役立ちます。
ちなみに、Webサイトやアプリを設計するときは「UI(User Interface)」も大切になるよ。UIは、ユーザーが目にするデザインや実際に操作するボタンなどのこと意味するよ。どちらもマーケティングでは重要な言葉だから押さえておこう!
ユーザビリティ
「ユーザビリティ」とは、製品やWebサイトなどの使いやすさを意味する言葉です。ISO(国際標準化機構)では、ユーザビリティを「特定の利用状況において、特定の利用者によってある製品が指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、利用者の満足度の度合い」と定義しています。
ユーザビリティには、操作の手軽さや機能の豊富さなどさまざまな指標が含まれていますが、目的の情報までどれほどたどり着きやすいかといった「効率性」も重視される点が特徴です。
ストレスがなくスムーズに使える製品やWebサイトを「ユーザビリティが高い」と表現します。以下のようなサイトはユーザビリティが高いと言えます。
- 画像やアニメーションが適切で動作が軽い
- 検索窓や目次が設置されていて目的を簡単に達成できる
- リンク切れや内部リンクミスなどがなくて利便に活用できる
ユーザビリティが低いと売上が下落したり顧客の獲得・維持が困難になったりしてしまい、最悪の場合ブランド力の低下につながってしまう恐れがあります。
反対にユーザビリティが高いとユーザーが目的を達成しやすくなるため、コンバージョン率が上がって売上の向上につながります。
2018年のGoogleアップデートにより、モバイルファーストインデックスが実施されました。今後はモバイル端末のユーザビリティの向上が上位表示の必須条件となっています。ユーザビリティの改善はユーザーの満足度を高めるだけではなく、SEO効果も高い施策だと言えます。
ユーザビリティと密接な関係をもつ言葉として「UI」と「UX」というものがあるよ。UIはユーザーとサービスの接触面、UXはユーザーがサービスの利用で得られる体験を意味するんだ。この3つはどれも欠かせない要素だから、しっかりと押さえておこう!
UGC(ユー-ジー-シー)
「UGC(User Generated Content)」とは、一般のユーザーによって作られるコンテンツのことです。一例を挙げると、SNSやECサイトのレビュー、口コミサイトなどに投稿されたテキストや写真・動画が該当します。
企業以外が発信している「ユーザー生成コンテンツ」は、すべてUGCに含まれると考えて問題ないでしょう。近年は、一方的な発信をする広告に抵抗感を抱き、代わりにSNSや口コミで情報を収集するユーザーが増えました。
そのためマーケティングでは、UGCを増やすための施策や、UGCを取り入れたマーケティング戦略を実施する必要性が高まってきているのです。UGCを活用することで、親近感や信頼感の向上、商品開発や施策のアイデア獲得、広告制作にかかるリソースのカットなど多くのメリットが得られます。
ただし、UGCの収集に手間がかかる、情報の信頼性や著作権侵害に注意するなど、気をつけたいポイントもいくつかあるため、正しい知識をつけて計画的に活用することが大切です。
UGCを取り入れるときは、利害関係を隠して宣伝させる「ステルスマーケティング」や、「薬機法」「景品表示法」といった法律に気をつけなければいけないんだ。罰則や信頼ダウンのリスクもあるから、実施するときは気をつけようね。
UU(ユー-ユー)
「UU(ユニークユーザ数)」とは、特定の期間内にWebサイトに訪問したユーザーの数を表す指標です。UUは、日別・週別・月別などで見ていきます。
1人のユーザーが1日に3回同じサイトを訪問して合計10ページ閲覧しても、UUは1となります。UUを分析することで実際に訪問しているユーザーの人数が知れるため、どれほどの人にサイトが支持されているのかがわかるのです。UUのカウント方法には3つの種類があります。
- Cookieを用いた方法
- IPを用いた方法
- ホスト名を用いた方法
より正確にUUをカウントするためには、ユーザーを会員登録などで取得した情報と結びつけておくことが有効です。
ちなみに、Webサイトの訪問者数をブラウザ単位で計測する「ユニークブラウザ」という指標もあるよ。「どのブラウザに照準を合わせて集客するべきか」を把握するときに用いられることが多い指標なんだ。
ら
ラフ
「ラフ」とは「おおかま」という意味を持つ英語で、簡単に作成したデザインやイメージ画像です。Web広告の世界では、広告やWebサイトの完成イメージを共有するために、手書きのスケッチやイメージの構成を簡単に図にします。
Webサイトのロゴやナビゲーション、各コンテンツの配置などのアイデアを書き出すラフ案は、デザインの変更を想定して複数案作成することが一般的です。作成されたラフ案は、初稿段階で構成や方向性を共有し、制作者や依頼者との間にズレが生じることを防ぐために活用されます。
その後、実際にコンテンツを実寸サイズの枠で配置した図面である「ワイヤーフレーム」を作成し、より具体的なWebや広告の制作に入っていくことが、Web広告を制作する際の基本的な流れです。
ラフという言葉はデザイン用語としても使われるよ!Web広告におけるラフは、手書きでざっくりと書かれたラフ画のWebサイトや広告版と考えておくとわかりやすいよ!
ランサムウェア
「ランサムウェア」とは、デバイスに不正かつ有害な操作を行うために作成された、悪意のあるソフトウェア(マルウェア)の一種です。
ランサム(Ransom)とは「身代金」という意味を持つ言葉で、悪質なソフトウェアを完成させてデータを暗号化したり機器をロックしたりして、もとに戻すことと引き換えに身代金を要求する点が大きな特徴です。
大手企業への攻撃が多く、抜き取った機密情報と引き換えに多額な身代金を要求する手口が非常に多い傾向にあります。
近年は新型コロナウイルスの影響で、テレワーク中の人を狙った攻撃が増えてきており、被害件数も増加傾向にあります。
ランサムウェアは、不正サイトへのアクセスやスパムメールに添付されたリンクのクリックなどが経路になるケースが多いです。
感染すると、デバイスに「データの流出を防ぎたいなら◯月◯日までに〇〇払え」などといった脅迫文が表示されます。
ランサムウェアへの感染を防ぐためには、怪しいメールやサイトを容易にクリックしない、OSおよびセキュリティソフトを最新の状態に保つことなどが有効です。
ちなみに、ランサムウェアのほかにもマルウェアはたくさん存在しているよ!よく耳にする「コンピューターウイルス」や「トロイの木馬」なんかも、マルウェアに該当するんだ。一人ひとりがセキュリティ対策をして、感染を未然に防ぐことが大切だよ。
り
リクルートサイト
「リクルートサイト」とは、自社を志望する求職者に向けて情報を発信するための、求人募集専用のWebサイトです。「採用サイト」と呼ばれることもあります。
インターネットの普及により、求職者はホームページや求人サイトを通じて業界や企業研究を行うことが一般的になってきました。優秀な求職者を多く募るためには、求職者のニーズを満たせる魅力的なリクルートサイトを作成することが大切なのです。
なお、リクルートサイトには以下の3つの種類があります。
- マイナビやリクナビといった他社が運営するリクルートサイト
- 自社のコーポレートサイト内に設置した採用ページ
- 自社でコーポレートサイトとは別に作った採用専用ページ
上記のようなリクルートサイトを作成する際は、自社が求める人物像にあった人材を獲得するための情報を掲載することがポイントです。
事業内容や企業理念はもちろん、必要なスキルや経験、人柄、社風などを詳細に記載し、入社後のミスマッチを防ぐことができれば、採用コストを減らしつつ優秀な人材を確保できるようになります。
関連用語として、コーポレートサイトというものがあるよ。コーポレートサイトは、会社案内や代表あいさつ、IR情報といった企業全体の情報を掲載するサイトなんだ。コーポレートサイト内にリクルートサイトを作ることもできるし、別で作ることも可能だよ!
リスティング広告
「リスティング広告」は、検索エンジンを使ったとき、検索されたキーワードに連動して掲載される広告です。関心の高いユーザーに対して広告を表示させられるため、コンバージョン率が高くなりやすい点が特徴です。
キーワードを検索したときに一番上もしくは一番下の部分に表示される広告をリスティング広告と呼び、それ以外の検索結果を「オーガニック検索」と呼びます。
リスティング広告の掲載自体は無料で、広告がクリックされるたびに料金が発生する「クリック課金制」が採用されています。広告主は「クリック1回の料金」でオークションを行い、入札金額に応じて料金を支払う必要があるのです。決まった入札金額が300円の場合、3回クリックされれば「300円×3回=900円」の料金がかかることになります。
高い金額で入札するほど掲載順位は高くなり、ユーザーの目につきやすくなります。ただし低品質な広告は上位表示されないため、掲載する際は広告の質を高めることも非常に重要です。
ちなみにリスティング広告を利用せず、オーガニック検索で上位表示を目指す施策を「SEO(検索エンジン最適化)」と言うよ。Webマーケティングでは必ず押さえておきたい言葉だから、あわせてチェックしておこう!
リターゲティング
「リターゲティング(リタゲ)」は、一度自社のサイトを訪れたユーザーをターゲットに、自社の広告を配信するインターネット広告手法のひとつです。
一度訪問したことがあるサイトの広告が、全く別のサイトに行っても表示された経験がある人は多いのではないでしょうか。この広告を、「リターゲティング広告」というのです。
リターゲティング広告は、自社サイトに訪問したユーザーに絞って表示されるため、より興味を持ってくれる人へピンポイントでアプローチできるメリットがあります。一度興味を持ってくれたユーザーに再度訪問してもらえるので、クリック率や成約率が高くなりやすい点が大きな特長です。
ちなみにリターゲティング広告は、ブラウザを通じてユーザーの行動を一時的に保存してお「Cookie」という機能が利用される仕組みになっています。
まったく同じ意味を持つ言葉として、「リマーケティング」というものがあるよ。Yahoo!やFacebookなどが運用する広告を「リターゲティング」、Googleが運用する広告を「リマーケティング」って言うんだ。
離脱率
「離脱率」とは、Webサイトで該当するページからユーザーが離脱した割合です。つまり、該当するページがセッションの最後のページビューになった割合ということになります。離脱率は「そのページの離脱数÷そのページのPV数×100」で算出できます。以下のケースを例に見てみましょう。
- LPに10人のユーザーが訪問し、LPを見たあとに3人が離脱
- 残りの7人がページAに行き、ページAを見たあとに3人が離脱
- 残り4人がページBへ行った
この場合、LPのPVは10で離脱数は3、ページAのPVは7で離脱数は3ということになります。そのため、LPの離脱率は「3÷10×100=30%」、ページAの離脱率は「3÷7×100=42.8%」ということになるのです。
離脱率が高いページには、魅力がない、わかりにくいなどの問題が隠れている可能性があります。サイトの収益アップや商品の訴求力を向上させるためには欠かせない指標なので、ページごとの離脱率を分析してページ改善を行うことが大切です。
ユーザーが最初に訪れたページから離脱してしまう割合のことを「直帰率」と言うよ。セットで覚えておきたい言葉だから、こっちもチェックしておこう。
リッチテキストメール
「リッチテキストメール」とは、HTML方式のメールの一種です。文字の大きさや色、書式などをHTMLタグで装飾したメールのことで、豊かな表現力の文面を送ることができます。
簡素なコードで書かれていて、文字装飾が主体となっているところが特徴的です。対してHTMLメールには画像や動画なども含まれていて、より幅広い装飾を施すことが可能です。厳密に言うと両者は同義ですが、HTMLメールのほうが表現の幅が広くて商品やサービスの紹介に向いています。
HTML方式では凝ったレイアウトが可能なぶん、受信者の環境によってはレイアウトが崩れてしまう恐れがあるため注意しましょう。
リッチテキスト方式はレイアウトが崩れにくいため、HTML方式よりもさまざまなソフトや環境に対応できるメリットがあります。
リッチテキストメールは、単にテキスト情報だけを送信する「テキストメール」と「HTMLメール」の中間に位置するメールであると考えておきましょう。
リッチテキスト方式はHTML方式よりもレイアウトが崩れにくいけど、すべての環境やメールソフトに対応しているわけではないんだ。送信相手の環境がわからない場合は、一般的なテキスト形式のメールを送信しておいたほうが安心だよ。
リテンション
「リテンション」とは、既存顧客と良好な関係性を維持するためのマーケティング活動です。具体的なリテンションの手法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 顧客が購入したサービスに関する情報発信を行う
- 既存顧客専用の特典を用意する
- アフターサービスを充実させる
- 顧客限定のイベントに招待する
新規顧客を開拓するコストは、既存顧客における売上を向上させるときのコストの5倍かかるといわれています。(1:5の法則)
マーケティングの際は顧客のニーズを掴み、ほかのサービスを案内し、リピーターになってもらい、既存顧客を維持して離さない施策が重要となるのです。
ほかにもリテンションには、休眠顧客の活性化や顧客満足度の向上、ロイヤル顧客による新しい顧客の誘引効果が期待できます。
リテンションマーケティングの際は、顧客のデータを効率よく収集・分析し、顧客ごとに最適な方法でのアプローチ手法が大切です。
顧客との関係を管理するためのCRM支援ツールを使いこなせば、不足しがちな人的リソースや知識を補填しながら、効率的かつ効果的なリテンションマーケティングが行えるようになります。
既存顧客との関係性を深めるリテンションの一方で、新規顧客を積極的に獲得を「アクイジション」と言うよ。リテンションとアクイジションはよく比較される言葉だから、それぞれの意味を正確に理解しておこうね!
リピーター
「リピーター」とは、サービスや商品に愛着心を抱き、何度も利用を繰り返してくれる顧客のことを指します。リピーターを獲得するためには、高い顧客体験を提供することが大切です。つまりリピーターが多い企業は、高品質なサービスや商品を提供できているということです。
企業がリピーターを獲得することには多くのメリットがあります。マーケティング業界には、顧客全体のうち2%を占める優良顧客が売上の8割を上げているという「2:8の法則」や、新規顧客の獲得は既存顧客の売上アップの5倍コストがかかることを示す「1:5の法則」が存在しています。
このことから、リピーターを増やすことで高い売上を維持でき、高い費用対効果を得られることがわかるでしょう。リピーターの獲得には、既存顧客向けのキャンペーンやメールマガジンの配信、有益なコンテンツの配信などが有効です。
もちろん、新規顧客の獲得がなければリピーターの獲得はできません。どちらかに偏るのではなくて、新規顧客とリピーター両方をバランスよく獲得することが大切です。
新規顧客をリピーターにするためには、ほかのサービスとの差別化を図って選んでもらうための「ブランディング」が肝心だよ。ほかの企業にはない、リピーターが得する仕組みづくりができれば、優良顧客の獲得が目指せるよ!
リピート率(継続率)
「リピート率(継続率)」とは、商品やサービスを購入・契約してくれた顧客のうち、継続利用するリピーターになってくれる人の割合のことです。
新規顧客を獲得するよりも、リピーターに商品を買ってもらうほうがコストを抑えて利益を上げやすいため、リピート率を高めることは企業利益の向上や安定経営につながります。リピート率(%)は、「一定期間のリピート顧客数÷一定期間の新規顧客数×100」の計算式で算出できます。
たとえば1か月の新規顧客数が100名で、そのうち40人がリピートしてくれた場合、「リピート率=40人÷100人×100=40%」ということになるのです。リピート率の平均は業界によって大きく異なりますが、大体以下の数値を目安に考えておくといいでしょう。
- ECサイト(フォローなしの場合):15~20%
- ECサイト(フォローありの場合):30~40%
- アパレル:35~50%
- 家電:25%
- 健康食品や化粧品:50%
リピート率を高めるためには、新規購入後の定期的なフォローやキャンペーン施策、商品やサービス品質の向上などが有効です。「売って終わり」ではなく、CRMの実施やお客さま満足度の調査などを通し、付加価値のある商品やサービスの提供を意識しましょう。
似たような用語として「リピーター率」というものがあるよ。これは、「一定期間で商品を購入した顧客のなかに、どれくらいリピーターが含まれているのか」を示す指標なんだ。似ているけど違う意味を持つ言葉だから、区別しておこうね!
リプレイス
「リプレイス」とは、新しいものに置き換える、交換するなどといった意味を持つ言葉です。ITの分野においては問題を抱えているハードウェアやソフトウェアを部分的に新しいものに交換することを意味します。
技術が日進月歩のIT業界では、既存のシステムやソフトウェアはすぐに古くなってしまいます。動作の安定性やセキュリティの安全性の低下を防ぐためにも、リプレイスが必要になるのです。
問題が生じたシステムに対してリプレイスをする場合もありますが、必ずしも破損や故障が原因で行われるものではない点がポイントです。リプレイスには4つの方法が存在しています。
- 一括移行方式:今使っているシステムから新しいものへ一気に切り替える方式
- 段階移行方式:部分的に少しずつ新しいものへ切り替える方式
- パイロット方式:特定の部署だけ新しいシステムへ切り替え、問題がなければ全部署移行する方式
- 並行移行方式:今のシステムと新しいシステムを並行して稼働させ、比較しながら移行する方式
現在のシステムに「使いにくい」「機能が不足している」「効果測定ができない」などの問題がある場合は、リプレイスをしたほうがいいケースがあります。
ただし、「広告効果が低い」といったシステム以外の問題がある場合は、リプレイスが必ずしも解決策になるわけではありません。
リプレイスと似た意味を持つ言葉として、「マイグレーション」というものがあるよ。マイグレーションは既存のシステムやソフトウェアだけではなく、OSやプラットフォームまでを、すべて新しい環境に変えることを意味する言葉なんだ。きちんと使い分けよう!
リマーケティング
「リマーケティング(リマケ)」とは、一度自社のサイトに訪問したユーザーに対して、再度アプローチする広告を出すことです。
リマーケティング広告を出すときは、「Cookie」と呼ばれるサイトを訪問したユーザーのデータを一時的に保管しておく仕組みを活用します。
たとえば、中古車販売サイトを見たあとに全く別のサイトへ移動したとき、過去に訪問した中古車販売サイトが広告枠に表示される場合は、リマーケティング広告が表示されているということになるのです。
リマーケティング広告では、一度サイトを訪問してくれたユーザーに対して再アプローチできるため、クリック率や成約率が高くなりやすい特長があります。
ちなみに、「リマーケティング」はGoogle広告のことを指して、Yahoo!やFacebookなどの広告を「リターゲティング」と呼ぶよ。意味は全く同じだけど、呼び方が違うから両方押さえておこうね。
リーチ
「リーチ」とは「広がり・届く範囲」などと意味を持った言葉で、WebマーケティングにおいてはWeb広告の到達率のことを意味しています。わかりやすく言うと、Web広告や投稿などを見たユーザーの数です。
たとえばあるユーザーが自社のサイトに5回訪問し、サイト内で3回広告が表示されたとします。この場合、広告を目にしているユーザー数は1人なのでリーチ数は1になります。ただし友人と一緒に広告を見ていた場合は、2人が広告を目にしているため、リーチ数は2になるというわけなのです。
リーチ数をカウントするときは、同じユーザーを重複してカウントしないことが肝心ですが、異なるブラウザやデバイスからアクセスした場合は、別ユーザーとしてカウントされることがあるため注意しましょう。
なお、混同されやすい言葉として「インプレッション」がありますが、インプレッションは広告が表示された回数を表します。上記の例で言うと、ユーザーがサイトを見ているときに3回広告が表示されたため、インプレション数は3となります。
リーチもインプレションもWeb広告の運用を行うときに欠かせない指標のひとつであるため、しっかりと意味を区別して覚えておきましょう。
ちなみに、1人のユーザーが同じWeb広告を見た回数は「フリークエンシー」と呼ばれているよ。リーチは「広告が届いた範囲(人数)」を意味しているのに対し、フリークエンシーは「ユーザー1人あたりが広告を目にした回数」を意味しているから、違いを理解しておこうね!
リード
「リード(Lead)」とは、BtoBマーケティングの対象となる見込み客を意味する用語です。会社のサービスに何らかの形で関心を持っていて、将来的に顧客になってくれそうな人のうち、名刺交換などで接点を持てた人をリードと呼びます。
ただし、会社や団体、社内の部門ごとに見込み客の解釈は異なるため、一口に見込み客と言ってもさまざまな定義やレベルが存在しています。
ECサイトを運用している場合のリードは「サイトの訪問者」かもしれませんし、営業部署にとってのリードは「コンタクトが取れる営業先」になるかもしれません。
マーケティングに欠かせないリードを生み出すためには、見込み客と関わりを持てる機会を用意して、会社名やアドレスなどの情報を得ることが肝心です。リードを獲得する機会の一例としては、資料請求やメールマガジンの購読、イベントへの申込みなどが挙げられます。
近年は、SEOやWeb広告を活用してターゲットとなるユーザーの注意を引き、上記のステップへのスムーズな動線を作る手法も増えてきました。
リードを獲得したあとは、リードを育てる「リードナーチャリング」を行ってから営業に情報を渡すことで、案件化しやすくするんだ。効果的なマーケティングを行うためにも、覚えておこうね。
リードジェネレーション
「リードジェネレーション」とは、リード(見込み客)を獲得するためのマーケティング活動のことを指します。ここにはさまざまな活動が含まれますが、たとえば以下のような活動がすべてリードジェネレーションに該当します。
- SEO施策
- 自社サイトでの資料請求申込み獲得
- セミナーにおける名刺獲得
- 飛び込み営業
- 広告出稿
リードジェネレーションで顧客情報を集めることで、企業がはじめて販促活動を始めることが可能となります。そのため、リードジェネレーションは非常に重要な役割を果たす施策だと言えるのです。
リードジェネレーションのおもな手法は、以下の7つです。
- 展示会への出展
- セミナーの開催
- オウンドメディアの運営
- 広告の出稿
- メールマガジンの配信
- 資料ダウンロードサイトの作成
- SNSでの発信
リードジェネレーションでは、やみくもにリードの数を追いかければいいのかと言うと実はそうではありません。リードが多いほどデータの管理やメルマガの配信数、テレアポの件数が増え、手間とコストが増えてしまいまうためです。
効率よく成果につなげられるマーケティングを行いたいのであれば、自社の顧客となる可能性が高いターゲット層にフォーカスしてリードジェネレーションに取り組むことが大切です。
ちなみに、獲得したリードを顧客にするために育成することを「リードナーチャリング」と言うよ。リードナーチャリングの一例として、無料トライアルの案内や導入事例の提供などで興味関心を高める施策が挙げられるよ。
リードナーチャリング
「リードナーチャリング」とは、獲得した見込み顧客(リード)の育成です。Web広告やセミナーなどで集めた見込み客に対して、中長期的かつ適切なタイミングでコミュニケーションを取ることで、購買につなげられるようになります。
従来のマーケティングでは、テレアポやWeb広告などを使って興味を持ってくれる新規顧客を獲得し、そのまま購入につなげることが一般的でした。
一方でリードナーチャリングでは、潜在ニーズを抱える見込み客を集め、そこに対してメールやWebコンテンツなどを配信することで情報を継続的に提供し、意欲を高めていく手法をとります。
営業は新規顧客開拓に追われずに済み、コストを抑えて長期的に安定した利益を生み出せるようになります。とくに、サービスの購入に長い検討期間を要するBtoBにおいて、継続的にアプローチして意欲を向上させる手法は効果的です。
見込み客を獲得する取り組みを「リードジェネレーション」、購買意欲が高い見込み客を選別することを「リードクオリフィケーション」と言うよ。あわせて覚えておこうね!
る
類似ターゲティング
「類似ターゲティング」とは、自社のWebサイトを訪問したユーザーと似ているユーザー(類似ユーザー)に対し、自社の広告を配信する手法のことです。新規ユーザーにアプローチしたいときに有効で、Google広告とYahoo!広告が類似ターゲティングに対応しています。
Google広告の場合は、各ユーザーの行動履歴を抽出することで類似ユーザーを抽出し、自動的にリスト化してくれます。対してYahoo!広告では手動でリストを作成する必要がありますが、リストの作成は簡単に行うことが可能です。
類似ターゲティングは、自社のサイトに興味を持ってくれたユーザーに似たユーザに対してアプローチできるため、成果につながりやすいというメリットがあります。
ただし、対象ユーザーが少なかったりリストの質が低かったりすると、効果につながりにくいというデメリットがあることも理解しておきましょう。
リマーケティング広告と非常に似ているけど、類似ターゲティングは「新規ユーザー」をターゲットとしており、リマーケティング広告は「一度サイトを訪れたユーザー」に対して広告を配信するという違いがあるよ。意味が違うから、しっかりと区別しておこうね!
れ
レスポンシブ
「レスポンシブ」とはレスポンシブWebデザインの略です。異なる画面サイズの幅にWebサイトの表示を柔軟に調整し、パソコンでもスマートフォンでも見やすく表示させます。
スマートフォンやパソコン、タブレットなどそれぞれで異なったデータを用意する方法もありますが、レスポンシブWebデザインの場合は1つのファイルであらゆるデバイスに対応でき、更新や修正がしやすくなるメリットがあります。
ただし、さまざまなデバイスで同じ内容を適切に表示させる必要があるため、端末ごとにまったく違う内容やデザインを表示させたいときには向いていません。すべての端末でどのように表示させるのか考えながらサイトを構築する必要があるので、制作に時間がかかる点もデメリットです。
近年はスマートフォンやタブレットなどのデバイス普及により、Googleなどの検索エンジンはモバイル端末で見やすいサイトを優先して表示させるように取り組んでいます。レスポンシブにすると、SEO効果を得られる点も大きなメリットです。
また、広告が表示される場所に応じて見た目を自在に変えて表示できる広告を「レスポンシブ広告」と呼びます。レスポンシブ広告はタイトルと説明文、画像だけ用意すれば適切な配置をシステム上で調整してくれるため、さまざまなデバイスに対応しつつ、見やすい広告が配信できるようになります。
近年はスマホの利用率が8割を超えていて、5割以上の人がスマホのみでインターネットを利用しているんだ。パソコンだけではなくモバイル端末にも適したWebデザインにする重要さがわかるね。
ろ
ROAS(ロアス)
「ROAS(Return On Advertising Spend)」とは、広告費に対して広告経由の売上がどれくらいあったのか示す指標です。ROASを導き出すと、広告費1円あたりの売上額を算出できます。ROASを算出する計算式は、下記のとおりです。
ROAS(%)=広告からの売上÷広告費(コスト)×100
たとえば、30万円の広告費をかけて宣伝した商品の売上が300万円だったときは、 「300万円÷30万円×100%=1000%」になります。 広告費1円に対して10円の売上があったということが導き出せます。
ROASが高いほど、広告から得られた売上が大きいということになります。 広告を出したらROASで効果を可視化し、改善点を探しながらより効果を高めていくことが大切です。
広告の費用対効果を測る指標として、「CPA」というものも存在しているよ。ROASは「広告費の回収率」、CPAは「1コンバージョンあたりのコスト」という意味を持っているから、区別しておこうね!
ロイヤルティ
「ロイヤルティ」とは、企業に対する信頼や愛着のことを指します。英語の「Loyalty」からきており、もともとは忠誠心を意味する言葉でした。信頼や愛着が大きいことを「ロイヤルティが大きい」と表現します。マーケティングにおいてロイヤルティは以下の3つの使われ方をします。
- ブランドロイヤリティ:顧客がブランドに対して好意を抱くこと
- 顧客ロイヤリティ:顧客が商品やサービスに対して好意を抱くこと
- 従業員ロイヤルティ:従業員が会社に対して好意を抱くこと
かつてのマーケティングでは顧客満足度(CS)が重要視されていましたが、顧客満足度が高いからといって商品やサービスをリピートしてもらえるわけではありません。
1回1回の購入行動の満足度を高めるだけではなく、企業やブランドに対して親近感や愛着、信頼を覚えてもらい、継続して選んでもらえるようにロイヤルティを高める施策が注目されるようになったのです。
ロイヤルティが高い顧客は商品やサービスを定期的に利用するのみならず、周囲に勧めてくれる傾向があり、積極的に企業の集客に協力してくれる傾向にあります。
ほかにもロイヤルティが高いと、解約率の低下や顧客単価の向上などといったメリットが豊富です。したがって、近年は商品やサービスを販売するマーケティングに加え、顧客ロイヤルティを高める施策が重要だとされているのです。
ロイヤルティが高く、企業のマーケティングに積極的に協力してくれる顧客を「ロイヤルカスタマー」と呼ぶよ。近年は、ロイヤルカスタマーの存在が非常に重要視されているんだ。
ロジスティック回帰分析
「ロジスティック回帰分析」とは、複数存在する事象の関連性を確認するための多変量分析の一種です。特定の事象(目的変数)が起こるか起こらないかという「明確な結果」を予測するときに役立ち、予測値は0~1の確率として算出されます。
冷たい清涼飲料水の需要を予測するときは、天気や気温を判断材料にすることが一般的です。天気や気温と清涼飲料水の売れ行きを関連付け、売上を予測することを「回帰分析」と言い、この回帰分析の一種にロジスティック回帰分析が含まれます。ロジスティック回帰分析を行えば、以下のようなことがわかります。
- 事象が起こる確率
- データが事象に影響しているかどうか
- データが自称にどれほど影響するのか
ロジスティック回帰分析は、主に複数の目的変数(予測結果)がある場合に用いられます。1か月あたりの飲酒日数が15日かつ喫煙本数が20本で病気になった人、1か月あたりの飲酒日数が10日かつ喫煙本数が10本で病気になった人などのデータを集めたとしましょう。
このデータをもとにして、飲酒日数が5日で喫煙本数が5本のときに病気になる確率を予想するとき、ロジスティック回帰分析が役立つでしょう。マーケティングにおいては、施策を実施したときの効果測定と将来予測に活用できます。
ロジスティック回帰分析を行うと、施策の効果が正確に把握・予測できるようになり、マーケティング施策の改善や切り替えの判断材料として役立ちます。
回帰分析のうち、1つの変数から予測を立てることを「単回帰分析」、複数の変数から予測を立てることを「重回帰分析」と言うよ。重回帰分析はロジスティック回帰分析と混同されやすいけど、「天候から売上高を予想する」といった「値」を予測する方法なんだ。
ロボットテキスト
「ロボットテキスト(robots.txt)」とは、特定のページをクロールされないように制御するためのファイルのことです。
Webサイト内にロボットテキストを設置することで、クローラーに「巡回してほしい情報」と「巡回してほしくない情報」を伝え、クロールの頻度や伝える情報をコントロールできるようになります。
その結果、重要なコンテンツを適切にクロールさせられるようになり、SEO効果を得ることが可能となるのです。
なお、ロボットテキストと似た役割を果たすものとして「noindexタグ」というものがあります。ロボットテキストはクローラーの巡回を制御するファイル、noindexタグはインデックスを拒否するタグであるため、役割がまったく異なります。
クローラーの巡回をコントロールしたいときはロボットテキスト、検索結果に表示させたくないページはnoindexタグを使用するなど、目的に合わせて使い分けることが大切です。
検索エンジンがWebサイトを発見して情報収集することを「クロール」、その内容をデータベースに登録して検索できるようにすることを「インデックス」と言うよ。SEO施策で重要になる語句だから、セットで覚えておこうね!
ロングテール
「ロングテール」とは、インターネット販売などで「売れ筋商品の売上」を「あまり売れないニッチな商品の売上」が上回る現象のことです。縦軸にアイテムの販売数、横軸に販売数が多い順にアイテムを並べたとき、販売数が少ないニッチな商品群が右側に長く並ぶことから、動物のしっぽを意味する「ロングテール」という名前がつけられました。
販売数が少ないアイテムをたくさん取り扱い、その総量で利益を得る考え方を「ロングテール戦略」と呼びます。ロングテール戦略には、売上の安定やコストパフォーマンスの向上、不良在庫がなくなるといったメリットがあります。
従来の店舗販売のビジネスモデルにおいて、限られたスペースで商品を効率的に売るためには、たくさん売れる商品を選別して陳列することが一般的でした。しかし、近年は以下のような理由からロングテール戦略が注目を集めるようになってきているのです。
- ECサイトにより物理的な制約がなくなった
- 検索連動型広告で、さまざまなニーズに合った広告が安く出せるようになった
このロングテール戦略を活かしてビジネスを成功させているのが、大型ECモールのAmazonです。なお、ロングテールに対抗する概念として「パレートの法則」というものがあります。
パレートの法則は、全売上の80%を20%の優良顧客が担っているため、その層をターゲットにマーケティングを行うことが重要だという考え方です。対して、ロングテールは残りの80%の顧客もしっかりとターゲットにする考え方である点が特徴的です。
ロングテールの考え方は、SEOやWebマーケティングの分野でも活用されているみたいです!検索数が少ないキーワード(ロングテールキーワード)で検索上位を目指す施策が、集客に効果的なんですって!
わ
YDN(ワイ-ディー-エヌ)
「YDN」とは、Yahoo!でディスプレイ広告を配信する広告ネットワークのことです。ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの画面上に表示される広告を指します。パソコンからYahoo!のトップページを見たとき、検索窓の右下に広告画像が表示されているのを見たことがある人は多いでしょう。
この広告をディスプレイ広告と言い、YDNはこのディスプレイ広告をいろいろなメディアにまとめて配信する仕組みのサービスなのです。
YDNに出稿された広告は、クックパッドや毎日新聞といったYahoo!の提携サイトはもちろん、Yahoo!ニュースやYahoo!メールなどといったYahoo!の関連サービスにも配信されます。Yahoo!ニュースなどを日常的にチェックしている幅広いユーザーに対し、効率的に訴求できる点がYDNの大きな特徴です。
なお、YDNに広告を出稿するときはYahoo!JAPANのビジネスIDが必要になります。検索キーワードと連携して広告を表示する「リスティング広告」とは異なり、幅広いターゲットを対象とする広告であることを押さえておきましょう。
ちなみに、Googleで出向できるディスプレイ広告のことを「GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)」と呼ぶよ。それぞれでは広告の配信先が異なるから、商材ごとに適している広告配信サービスを見極めることが大切なんだ。
ワイヤーフレーム
「ワイヤーフレーム」とは、Webサイトのレイアウトを決める設計図です。文字や線、図などで構成されたワイヤーフレームには、何をどこに配置してどのような機能をもたせるのか記載されています。
デザイン制作の前に用意して、完成形をイメージするために使用されます。ディレクターやデザイナーはもちろん、クライアントへの共有も一般的です。ワイヤーフレームに問題がなければ、その内容をもとにデザイン作業やコーディングに入っていきます。
ワイヤーフレームを作成せずにデザインに入ってしまえば、あとから記載事項の漏れやデザインの変更が出てきてしまう可能性があります。あらかじめ大まかな設計図を提示すると、クライアントの要望に沿った最適なデザインが可能となるのです。
ワイヤーフレームを作る前は、「ディレクトリマップ」を作成する必要があるよ。似ているけど、ワイヤーフレームは「1ページごとのレイアウト図」で、ディレクトリマップは「サイト全体の情報を記載した一覧表」と、まったく異なる役割をもつ設計図なんだ。
WOM(ワム)
「WOM(Word of Mouth)」とは、一般消費者が発信する口コミのことです。商品やサービスに関する評価・評判が知人やインターネットを通して伝達されていくこと、もしくはその評価自体をWOM(口コミ)と言います。WOMは一般消費者による評価であるため、長所だけではなく短所も伝達されていく点が特徴的です。
口コミは購買決定のときに強い影響力を持つので、WOMを活用したあらゆるマーケティング活動(WOMマーケティング)が、近年ますます重要視されるようになりました。「WOMは企業のプロモーションや広告と比べて信頼できる」と評価する消費者が多いため、売上やブランドイメージに影響しやすいのです。
なお、近年は口頭で伝わる口コミよりもインターネット上の口コミのほうが強い影響力を持つようになりました。情報を多くの人に知ってもらえるというメリットがありますが、ネガティブなWOMのほうが拡散されやすく、内容や広がり方をコントロールしにくいというデメリットにも注意が必要です。
WOMを活用したマーケティング手法として、「バズマーケティング」や「バイラルマーケティング」というものがあるらしいです!口コミはいろいろ施策に活用できるから、常にチェックしておくことが大切ですね。
One to Oneマーケティング(ワン-トゥー-ワン-マーケティング)
「One to Oneマーケティング」とは顧客一人ひとりに合わせたマーケティング活動です。「ドン・ペパーズ(Don Peppers)」と「(マーサ・ロジャーズ(Martha Rogers)」の共著「The One to One Future(日本語訳:ONE to ONEマーケティング―顧客リレーションシップ戦略)」が語源とされています。
「The One to One Future」の初版発行は1993年です。近年の社会情勢やIT技術の発展と一緒に語られる「One to Oneマーケティング」は、意外にも以前から存在しました。
One to Oneマーケティングの対義語はマスマーケティングです。不特定多数の消費者を同じように扱うマスマーケティングに対し、One to Oneマーケティングでは一人ひとりを対象とします。 かつてから、提唱されていたマスから個人への回帰も、 近年のIT技術の発展によって、ようやく現実的になりました。
例えば、購買履歴から、一人ひとりにおすすめ商品を割り当てる「レコメンド機能」はOne to Oneマーケティングのなかで最も簡易的な手法です。多様化の時代だからこそ、一人ひとりに合わせたマーケティング手法が注目されています。
「ドン・ペパーズ(Don Peppers)」はデータベースマーケティングのエバンジェリストなんだ。「マーサ・ロジャーズ(Martha Rogers)」はドン・ペパーズのビジネスパートナーで博士号を持つマーケティング学者だよ。流行りの「One to Oneマーケティング」だからこそ、なんとなく使うのではなく、語源や元ネタも知っておくとカッコ良いよね。
WordPress(ワード-プレス)
「WordPress」とは、おもにブログの作成を目的とした無料のCMS(コンテンツ管理システム)のことを指します。全世界の4分の1ものWebサイトがWordPressで作成されていると言われるほど、世界で圧倒的なシェアを誇るCMSです。個人のブログはもちろん、企業のホームページなどにも使用されています。
WordPressでは、サイト作成で必要になるHTMLやCSSなどの専門知識が必要ありません。オープンソースで提供されていて、Webサーバーとデータベースさえ用意すれば、誰でも簡単にWebサイトを作成することができます。
使い方は簡単で、無料のブログサービスのようにタイトルや本文を打ち込み、Wordのように文字装飾をしたり画像を挿入したりして公開ボタンを押せばWebページを作成できます。
ほかにも「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートや、カスタマイズのためのソフトウェアである「プラグイン」を追加することで、見た目や機能をカスタマイズすることが可能です。
WordPressには、知識がなくてもWebサイトを作成できてカスタマイズ性が高いというメリットが豊富です。しかし、機能的に物足りなさを感じたり個別サポートが受けられなかったりと、デメリットもいくつか存在しています。自社での運用が不安な場合は、Web制作会社に相談しながら作成や運用を進めると安心でしょう。
WordPressと無料ブログとの最大の違いは、独自ドメインを取得する必要がある点だよ。ドメインはWebサイトの住所のようなもので、これがないとWordPressでサイトを作成することができないから注意しようね!