Webサイトがどれくらい見てもらえているのかを知るための指標である、「PV(ページビュー)」と「UU(ユニークユーザー)」。
意味の違いがわかりにくく混同されることも多い2つの言葉ですが、それぞれには明確な違いがあります。
本記事では、「PV」と「UU」について初心者向けに解説します。
聞いてくださいシニヤン先輩!最近Webサイトの訪問者数がすごく伸びているんです!きっとこの間の施策が良かったんですね、やりました〜!!
へえ~、それはよかったね!ちなみに訪問者数って、「ページビュー」?それとも「ユニークユーザー」?
えっ?「ページビュー」と「ユニークユーザー」って違うんですか?どちらもおんなじ訪問者数のことなんじゃ……。
PVとUUの違いとは
「PV(ページビュー)」と「UUの(ユニークユーザー)」は、どちらも「Webページの訪問者数」を表す言葉です。Webマーケターは、このデータをアクセス解析ツールなどで確認する機会も多いでしょう。
この2つの数値を把握すれば、「Webサイトがどれほど訪問されているのか」、「どれほどの人に興味を持ってもらえているのか」がわかります。
マーケターにとってはどちらも非常に重要で大切なデータのひとつですが、それぞれの言葉の違いがわかりにくいと感じる方もいるかもしれません。まずは、PVとUUの違いをしっかりと復習しておきましょう。
PVとUUの違い
PVとUUの明確な違いは、「カウントする対象」です。PVは「ユーザーの行動(閲覧)の数」をカウントするものであるのに対して、UUは「ユーザーそのものの数」をカウントしています。
サイト内での回遊も含めて、「Webサイト内のページがどれくらい見られているのか?」を知りたいときはPVを確認しましょう。「Webサイトが何人のユーザーに見られているのか?」を知りたいときは、UUを参考にします。
PV/UU比率の目安は?
PV/UU比率は、サイト形態によって異なるため一概にいえません。たとえば、ブログ型サイトは目的の内容を見られてすぐ離脱されるケースがほとんどです。
一方で、複数記事にわたって同一の内容説明をしている記事は、UUあたりのPV数が増える傾向にあります。サイトの目的によって最適なPV/UU比率は異なるため、自社に合ったKPIを設定することが重要なのです。
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な、なるほど……!意味が違うってことは、PVとUUそれぞれを把握しておく必要があるってことですね!?PV数しか見てなかったです……!
大丈夫、これから見ていけばいいよ。せっかくだし、この機会にそれぞれの用語の詳しい意味も勉強していこうか。
PVとは
まずは、PVの意味を詳しく解説します。GoogleアナリティクスでPV数を調べる方法も説明するので、あわせてチェックしてみてくださいね。
PVの意味
PV(ページビュー)は、個々のWebページにおける閲覧数を指します。ページがブラウザに読み込まれるたびに1PVとカウントされます。たとえば、「10人が1回ずつページを閲覧した場合」と「同一ユーザーが10回ページを閲覧した場合」では、PV数は同じ10となるのです。
また、同じWebサイトの中にあるページAからページBを閲覧し、再度ページAを閲覧しに行った場合にもカウントは増えます。
PVは、「対象のページが何回閲覧されているのか」を知るためのデータです。「PVが多い=多くのユーザーに見られている」というわけではないことを念頭に置いておきましょう。
GoogleアナリティクスでPV数を調べる方法
GA4(Googleアナリティクス 4 プロパティ)の場合、「レポート>エンゲージメント>概要」からPV数を確認できます。GA4では、PVではなく「表示回数」に名称が変わっているため注意しましょう。「ページとスクリーン」のメニューをクリックすると、ページごとの表示回数を見られます。
UUとは
次に、UUの意味とGoogleアナリティクスを使った調べ方をご紹介します。
UUの意味
UU(ユニークユーザー)とは、特定の期間内にWebサイトを訪問したユーザーの数です。「ユニークビジター(UV)」「ユニークアクセス」などと言い換えられることもあります。
UUでは、ページの読み込み回数に関係なく1人のアクセスを”1回の訪問”としてみなします。1回ページを見た場合でも100回ページを見た場合でも、同一ユーザーによる訪問であれば、ユニークユーザー数は同じ1となるのです。
ただし、ブラウザ単位で計測する解析ツールでは、異なる端末やブラウザでサイトを訪問したとき、異なるユーザー(訪問)として認識されます。
たとえば、同じユーザーがPCとスマホの両方で1回ずつWebサイトを閲覧した場合には、ユニークユーザー数は2となるわけです。そのため、必ずしも「UU=正確なユーザーの数」というわけではありません。
しかし、「サイトが何人のユーザーに訪問されているのか」を知りたいときは、ひとつの目安として活用できる指標だといえます。
GoogleアナリティクスでUU数を調べる方法
GA4(Googleアナリティクス 4 プロパティ)の場合、「レポート>レポートのスナップショット>ユーザー」からサイト全体のUU数を確認できます。ページごとのUUは、「レポート>エンゲージメント>ページとスクリーン」から調べられます。
なるほどなるほど!「ページが読み込まれた回数」がPVで、「一定期間内でサイトを訪れたユーザーの数」がUUですね!しっかりと区別できました。
さすがビギニャー君。飲み込みが早いね!
言葉の意味は理解できたんですが、結局PVとUUはどっちのほうが大事なんですか?
Web施策ではPVとUUどっちが大事?
PVとUUは、どちらもサイトの運営者にとって大切な指標です。しかし、サイトの目的によって優先させるべき指標は異なります。ここでは、PVを重要視すべきケースとUUを重要視すべきケースをご紹介します。
PVを重要視すべきケース
PVを重要視すべきなのは、次のようなケースです。
- クリック単価の広告、閲覧で収益が発生する広告などを掲載している場合
- SEO評価を上昇させたい場合
- ユーザーの行動を分析したい場合
広告を掲載している場合、PV数が増えれば広告の表示回数も増えるため、より多くのページを見てもらうことが重要となります。
また、PV数が伸びれば検索エンジンからの評価が上昇するため、SEO評価を向上させたいときもPV数を重視すべきです。さらに、PV数が増えることにより「人気のコンテンツ」と「人気がないコンテンツ」を把握できるようになります。
PV数を重要視すれば、ユーザーの行動を分析できるというメリットもあります。「まだサイトの目的がはっきりしていない」「PVとUUのどちらを優先すべきか迷っている」という場合は、ひとまずPVを増やすことを優先しましょう。
UUを重要視すべきケース
UUを重要視すべきなのは、次のようなケースです。
- 商品購入や資料請求をCVとしている場合
- ユーザーのニーズを分析したい場合
UUは、純粋な集客数を知りたいときに役立つ指標です。商品購入や資料請求、お問い合わせなどを目指している場合は、PVよりもUUを重要視しましょう。UUと成約に至った数を比較すれば、成約率(CVR)を計算できます。
また、ページごとのUUを確認すれば、ユーザーが集まるコンテンツを知ることができます。つまり、UUを分析することでユーザーのニーズを把握できるのです。
なるほど~!目的に応じてPVとUUを使い分けることが大切なんですね!わかりました!
それと、サイト分析のときはほかにも色々な指標を活用する必要があるんだよ。それについても、あわせて押さえておこうか。
サイト分析のときに使う指標……?知りたいですっ!
押さえておきたいPVとUUの関連指標
Webサイトを分析するときは、PVとUU以外にも押さえておきたい関連指標がたくさん存在しています。以下の指標は特に重要なので、ここでしっかりと覚えておきましょう。
- セッション数
- アクセス数
- 訪問別PV数
- ユニークビュー(ページ別セッション)
- アクティブユーザー(AU)
- ユニークブラウザ
- リーチ
各項目を詳しく解説します。
セッション数
「セッション」とは、ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの一連の行動を意味する言葉です。1回サイトに訪問して、そのサイトから離脱するまでの流れを「1セッション」と呼びます。
たとえば、WebサイトのAページにアクセスし、サイト内のBページを見てからAに戻った場合、セッションは1で合計PVは3になります。
アクセス数
アクセス数は、さまざまな意味で使われる言葉です。単に「サイトがアクセスされた回数」という意味としてだけではなく、状況に応じて3つの意味で使用されます。
- セッション数
- ユーザー数
- PV数
このように、アクセス数はさまざまな意味を持つ言葉なので、使うときは認識をすり合わせておくことが大切です。
訪問別PV数
訪問別PV数は、「1回の滞在でどの程度ページを閲覧しているか」を示す指標です。PV数やUU数だけでは把握しにくい、実際のサイトの閲覧状況を把握できます。たとえば、サイトAの訪問別PV数が2.5だった場合、ユーザーは2~3ページ閲覧してから去っていることがわかります。
ユニークページビュー(ページ別セッション・ページ別訪問数)
特定のページが閲覧された回数を意味する指標です。セッションが始まるたびにカウントされ、同一セッション中に何度閲覧されてもカウントは1となります。先述したセッション数は「Webサイト全体の訪問回数」、こちらは「特定のページにおける訪問回数」という違いがある点に注意しましょう。
アクティブユーザー(AU)
アクティブユーザーは、特定の期間内にサービスを利用したユーザーの数を意味します。会員登録などをしていても、実際にWebサイトやアプリを利用する人は一部です。利用実態のないユーザーを除いた、実際の利用者を知るときに活用される指標です。
ユニークブラウザ(UB)
ブラウザベースでUUをカウントする指標です。たとえば、同一ユーザーが別ブラウザでサイトにアクセスしたときは、別ユーザーとして認識されます。UUの現状のカウント方法に即した表現だといえるでしょう。
リーチ
広告を見たユーザーの数を意味しています。たとえば、ユーザーがサイトに5回訪問し、5回とも同じ広告が表示されていたとしても、広告を見たユーザーは1人なのでリーチは1です。
リーチは同じユーザーを重複してカウントしないのが原則ですが、デバイスやブラウザが異なる場合、別ユーザーとしてカウントされることがあります。UUと同意義で使われることも多いため、セットで覚えておきましょう。
似たような用語が多くて混乱しそうですね……。頑張って覚えますっ!
ところでシニヤン先輩、PV数やUU数を増やすためにはどんな施策を打てばいいのでしょうか?
そうだね。たとえば……。
PVやUUを増やす方法
PV数やUU数を増やすための施策にはさまざまなものがありますが、具体例として以下のような施策が挙げられます。
- SEO施策を実施する
- 流入経路を増やす
- コンテンツを充実させる
各項目を詳しくみてみましょう。
SEO施策を実施する
もっとも重要度が高い施策が、SEO施策です。SEOとは、検索エンジンで自社サイトを上位表示させるための施策です。サイトの内部を整える「内部SEO」や、被リンクを獲得する「外部SEO」などが施策例として挙げられます。
SEOで重要なのは、ユーザー目線でサイトを整えたりコンテンツを提供したりすることです。ユーザーにとって有益で高品質なWebサイトになれば、検索エンジンからも高い評価を得られます。
流入経路を増やす
ユーザーとの接点を増やし、いろいろな流入経路を作っておくことも有効です。SEOのアルゴリズムは年々変化しており、大きな順位変動は珍しくありません。SEOにだけ頼っても流入を安定させることは難しいため、ほかにもユーザーを集められる経路を作っておくことが大切です。
流入経路を増やす施策としておすすめなのが、SNSの活用です。SNSで有益な情報を発信してフォロワーを増やせれば、自社サイトへのアクセス数増加を狙えます。ファンの増加やブランディングなどの効果も得られるでしょう。
コンテンツを充実させる
更新が止まっているサイトは、「情報が古いサイト」としてユーザーだけではなく検索エンジンからも低く評価されます。そのため、定期的にサイトを更新してコンテンツを充実させることがとても重要なのです。新しくコンテンツを作成するだけではなく、古いコンテンツをリライトすることも有効です。
先輩、ありがとうございます!PVとUUについてしっかりと理解できました!
よかったよかった。ぜひ、今後アクセス解析するときはPVとUUの違いを意識してみてね。
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