カスタマーエンゲージメントとは、企業と顧客が関係性を深めて、自社の価値を高めるための取り組みや親密さのことです。
「カスタマーエンゲージメントを高めるためにはどうしたらいいの?」「どうして重要なの?」本記事では、そんなカスタマーエンゲージメントの疑問にお答えします。
まずは、ゴンドラ取締役によるカスタマーエンゲージメントに関するインタビューからご覧ください。
INDEX
ゴンドラの取締役がカスタマーエンゲージメントのよくある質問に答えてみた
株式会社ゴンドラ 取締役CSOの竹田さんにカスタマーエンゲージメントについてインタビューしました。
普段は社内でどのようなお仕事をしていますか?
普段は、取締役CSO(Chief Strategy Officer)として、組織の長期的な戦略的方向性を定め、ビジネスの成長と競争優位性の確保を目指し、戦略の策定および実行に従事しています。
そのほか、CMO・CIO・ソリューション本部長を兼任しており、仕事内容は多岐にわたります。
カスタマーエンゲージメントを高めるメリットはなんですか?
少子高齢化が進む中、各ブラウザのサードパーティCookieの抑制というトレンドも相まって、従来のターゲティング広告の精度が右肩に下がり、改めてさまざまな手法を用いて1人1人としっかり向き合い良質な関係を構築することの重要性が高まっています。
中長期的なファンを創出することでビジネスが安定する世の中であり、エンゲージメントを高めていかなければ生き残れなくなる時代でもあると考えます。
カスタマーエンゲージメントを高めていく上で、難しいことはなんですか?
正確な顧客の状態を把握し続けることが1番難しいと思います。ここが可視化されていれば、相応の施策を考えれば良いだけなのでそこまで難しくはないです。
NPSやらアンケートやらさまざまな顧客状態を可視化する手段がありますが、正確に把握し続けることは難しいです。
正確な顧客の状態を把握し続けることが難しい理由はありますか?
やはり、人間の心境が日々変わり続けるからです。例えば、動画配信サービスに最初に申し込んだ時の心境と3ヶ月経った時の心境は違いますよね。1年経ったらさらに、状況は変わっているはずです。
カスタマーエンゲージメントを高めていく上で、その心境の変化を正確にキャッチアップし続けることは、至上命題だと感じています。
「カスタマーエンゲージメントを向上させたい」とお悩みのクライアントがいたら、まず何を提案しますか?
まず、「なぜそう思ってるのか」を聞きます。例えば、「解約率が高い」「新規獲得数をあげたい」など、回答によっていろいろ施策が変わってきます。
そして実際のところ、提案する内容は、課題を特定できたらほぼ決まります。商談の場でいうと、「どこが本当の課題なのか」というところをちゃんと整理してあげるのがポイントですね。
「解約率が高い」などのお悩みを特定してから、カスタマーエンゲージメント向上を目指す流れでしょうか?
アプローチとしては、「解約率が高くて、どうにかしなければいけない」と、相談が来た時に、お客様との関係性をヒアリングしてみます。
そうすると、「わからない」という返答がほとんどなので、まずはリサーチ系の提案を行い、顧客状態の把握からスタートします。そして、そこからカスタマーエンゲージメント向上を目指していく流れが多いです。
カスタマーエンゲージメントを高めるべきなのは、どのような企業ですか?
「これまでお客様との関係構築の重要性に気づいていなかった方たち」です。
例えば、メーカーのような業種だと、お客様の顔が直接見えづらく、関係構築しにくいです。特に中小企業のメーカーの場合は、商品を販売代理店だけに卸しているケースも多く、エンドユーザーとの関係構築が不要だと考える方もいらっしゃると思います。
しかし、大手企業の場合は、D2Cのような業態で会員を集め、直接お客様との関係構築を狙う会社も出てきました。
このように、業界によっては、カスタマーエンゲージメントの重要性が浸透しつつありますが、業界や会社規模が異なると、まだまだその理解が進んでおりません。
これまでお客様との関係構築の重要性に気づいていなかった方こそ、大きなビジネスチャンスが眠っているので、ぜひ私たちにご相談ください。
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カスタマーエンゲージメントとは?
カスタマーエンゲージメント(顧客エンゲージメント)とは、商品を提供する企業とユーザーとの間に構築されるつながりや、関係性を深める取り組みのことです。 カスタマーエンゲージメントを日本語に直すと「顧客との関係性・親密さ」という意味になります。
以下のような情報は、お客さまと企業との間で結ばれた「信頼・親密さ」の度合いを確認するひとつの指標となります。
- 好きなお店に年で何回訪れたか
- 店員さんとどのくらいコミュニケーションをとったか
- どれくらい商品を購入したか
- お店のSNSをどれくらいチェックしているか
上記のようなコミュニケーションを通して「お客さまと企業との間で構築された信頼関係」が、カスタマーエンゲージメントです。
カスタマーエンゲージメントが高い企業は顧客からの信頼が高く、自らその企業の商品を選んでもらいやすくなる傾向にあります。
そのため、昨今のマーケティングにおいて非常に重要な指標ともいえます。 カスタマーエンゲージメントを高めてリピート購入や情報拡散を促す施策を、「エンゲージメントマーケティング」と呼びます。
「エンゲージメント」「ロイヤルティ」「顧客満足度」との違い
マーケティングやビジネスには、カスタマーエンゲージメントと似たような意味をもつ言葉が存在しています。 それは「エンゲージメント」と「ロイヤルティ」、そして「顧客満足度」です。 実は、これらの言葉のもつ意味は、同じようで少し違います。
エンゲージメントとは
エンゲージメントは、「企業⇔お客さま」「企業⇔従業員」のように双方向の関係性全体を表す指標です。 一方的な信頼関係ではなく、お互いが対等な立場で関係性を構築していくことに重点を置いている点が大きなポイントです。
- サポートが充実していて安心だし、次も使おう!
- いつもユーザーの声を反映した商品を開発してくれて、信頼できるな~。
このようにお客さまに感じてもらえている場合は、エンゲージメントが高いといえるでしょう。 カスタマーエンゲージメントは、このエンゲージメントの種類のひとつです。 ほかにも、以下のようなエンゲージメントが存在しています。
従業員エンゲージメント
企業と従業員の間で構築されるエンゲージメントのことで、日本語に直すと「愛社精神」と言い換えられます。 従業員エンゲージメントが高い社員は仕事をやめにくく、業務へのモチベーションも高い傾向にあります。
良い商品を開発して良い状態でお客さまに届けるためには、従業員エンゲージメントを高めることも大切です。
SNSエンゲージメント
SNSエンゲージメントとは、SNSの投稿に対して反応してくれたユーザーの割合を示す指標です。 「投稿を見たユーザー数÷反応したユーザー数」で算出され、数値が高いほど興味関心を持ってくれたユーザーが多いことになります。
SNSマーケティングを行う企業は、SNSエンゲージメントを意識しながらアプローチしましょう。
ロイヤルティとは
ロイヤルティとは、お客さまがサービスや製品に抱く愛着度を示す指標です。 「お客さま→企業」といったように、顧客の感情にだけ焦点を置きます。
- このブランドの商品、いつも素敵でついつい買っちゃうんだよね~!
- この企業の商品にはハズレがないから、新商品もチェックしよう!
上記のようにお客さまに感じてもらえている場合は、ロイヤルティが高いと言えるでしょう。 エンゲージメントは、「企業とお客さまが対等な関係性を築く」という意味合いが強い点が特徴です。
対して、ロイヤルティは「お客さまから企業へ抱いている一方向な愛着心」という意味合いが強い傾向にあります。 近年では、ロイヤルティよりもエンゲージメントの向上を重要視する企業が増えてきています。
顧客満足度とは
顧客満足度は、お客さまがどれくらいサービスや製品に対して満足しているかを把握するための指標です。
- この商品、使いやすくていいかも!
- 安いけど意外に品質がいいな……。
このような感情を抱いてもらえた場合は、顧客満足度が高い状態だといえるでしょう。 エンゲージメントは「企業とお客さま、お互いの信頼関係値」を表す指標です。
一方、顧客満足度は「お客さまが購入したサービスや製品に対して示す評価」を表す指標です。 関係性ではなく、あくまで「評価」に関する指標であることに注意しましょう。
カスタマーエンゲージメントが重要な理由
近年のマーケティングでとくに重要視されているカスタマーエンゲージメント。なぜ、今カスタマーエンゲージメントが注目されているのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
- 商品やサービスの差別化が難しくなってきたから
- お客さまの購買行動に変化があったから
- お客さまのニーズが多様化しているから
上記の理由を詳しく解説します。
商品やサービスの差別化が難しくなってきたから
技術の発展や競合他社の増加により、市場に出回る商品やサービスが一気に増えてきた近年。 以前は、高品質で価格が安い商品を発売すればお客さまを集められました。
しかし、今は商品が溢れかえっていて、差別化や独自性の確立が難しくなる「コモディティ化」が進行しています。 コモディティ化が進んだ市場であっても、カスタマーエンゲージメントが構築されている企業であれば、他社と差別化を図れます。
たとえば、スマートフォン一つとっても、最近は機種がたくさんありすぎて、どれを選べばいいかわかりませんよね。 そのような状況の中でも、カスタマーエンゲージメントが構築されている場合は、自社の優位性を高められます。
「同じ価格帯・機能なら、信頼できるこっちのメーカーがいいな」と、積極的に選んでもらえる可能性が高まるのです。
お客さまの購買行動に変化があったから
従来の「一方的に商品をアピールする営業」が通用しなくなってきたのも、カスタマーエンゲージメントの重要性が高まった一因です。 以前は、店頭や訪問販売などといった手法で直接商品を売り込む「ダイレクトマーケティング」が主流でした。
しかし、近年は消費者自身が情報を手に入れられるようになり、自分で商品を比較・検討することが増えています。 したがって、積極的にカスタマーエンゲージメントを構築し、「選んでもらえる関係性」を作らなければいけません。
お客さまのニーズが多様化しているから
情報や商品が増えると、お客さまのニーズも多様化します。 ニーズが多様化すれば、より自分に合った商品や丁寧なサポートをしてくれる企業などを選ぼうとするお客さまが増えます。 そのような市場で良い商品を売っているだけでは、お客さまのニーズを満たすことは難しいです。
カスタマーエンゲージメントを高める取り組みは、顧客ニーズの把握やニーズへの対応につながります。 カスタマーエンゲージメントを高めれば、よりニーズを満たせる商品やサービスの提供が可能になるでしょう。
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カスタマーエンゲージメントを高める目的とメリット
カスタマーエンゲージメントを向上させれば、市場での競争優位性を確立したり差別化を図ったりできます。 さらに以下のようなメリットも得られるでしょう。
- お客さまに拡散してもらえる
- 顧客満足度が高まる
- LTV(ライフタイムバリュー)が向上する
上記のメリットを解説します。
お客さまに拡散してもらえる
自分が信頼していて絆を感じている企業であれば、お客さまは口コミや広告の拡散に協力してくれます。 ユーザーの口コミや拡散は、ほかの見込み顧客の意思決定に大きな影響を与えるので、さらなる集客につながるでしょう。
顧客満足度が高まる
カスタマーエンゲージメントでは、お客さまとのコミュニケーションが欠かせません。 コミュニケーションは、商品やサービスに対するフィードバックやユーザーの生の声を聞ける絶好のチャンス! 次の施策や商品開発に活かすことができ、今よりもっと満足度の高い商品やサービスの提供につなげられます。
LTV(ライフタイムバリュー)が向上する
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、ひとりのお客さまが生涯にわたって企業にもたらしてくれる利益のこと。 カスタマーエンゲージメントを高めれば、新規顧客の獲得はもちろん、既存顧客との関係性を深められます。
購入頻度・購入単価アップが期待できるので、同じ顧客の数で比較したときにより多くの利益を得られるようになるのです! カスタマーエンゲージメントを高めれば、さらなる売上に繋がるでしょう。
実践できていなかったという方は、ぜひ今日からカスタマーエンゲージメントを意識したアプローチを実践してみてくださいね!
カスタマーエンゲージメントで見るべき指標
お客さまとの関係性を、企業が一方的に把握することは難しいものです。 カスタマーエンゲージメントが高いかどうかを知るためには、関連する指標を用いる必要があります。 ここでは、カスタマーエンゲージメントで見るべき指標をご紹介します。
カスタマーエンゲージメントを測る基本の指標
カスタマーエンゲージメントを測るにはNPSという指標を用います。NPS(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)とは、お客さまが企業やブランドに対して抱いている愛着度や信頼度の高さを測るための指標です。
NPSの調査では、「この商品を誰かにおすすめできますか?」という質問に対し、0~10段階で顧客に評価してもらいます。そして、顧客を「批判者(0~6)」「中立者(7~8)」「推奨者(9~10)」に分類します。 最後に、「推奨者の割合-批判者の割合」でNPSを算出するのです。
たとえば、顧客のうち10~6点が30人で、9~10点が20人だった場合、「NPS=20-30=-10」ということです。 NPSを改善できれば、お客さまと良好な関係性を築けていることがわかります。
NPSでカスタマーエンゲージメントを測るときは、400以上のサンプルで統計を取ることが望ましいとされています。 自社のスコアを算出したら、競合他社のスコアと比較して自社の優位性や課題を発見することに役立ててみましょう!
カスタマーエンゲージメントを測るその他の指標
カスタマーエンゲージメントは、その他の指標で測ることも可能です。 ここでは、カスタマーエンゲージメントに関係する指標の一例をジャンル別にご紹介します。
- オウンドメディア:アクティブユーザー数、成約率(CVR)、クリック率(CTR)、滞在時間など
- ECサイト:購買率、リピート購入率、顧客購入単価、会員登録率など
- 実店舗:リピート来店率、従業員1人あたりの売上など
業種や商材によって、カスタマーエンゲージメントに影響を及ぼす指標は異なります。さまざまな指標を使って効果測定をしながら、カスタマーエンゲージメントを高める施策を実施することが肝心です。
カスタマーエンゲージメントを高める方法
カスタマーエンゲージメントを高めたいと考えている企業は、どのような取り組みをすればいいのでしょうか。 実は、従来のマーケティングとカスタマーエンゲージメントを高めるマーケティングでは、手法がまったく異なるのです。
ここでは、カスタマーエンゲージメントを高める方法について具体的にご紹介します。
お客さまの行動をしっかりと把握する
カスタマーエンゲージメントを高める施策の基本となるのが、お客さまの行動を正しく把握することです。 CRMや分析ツールを用いたデータの収集だけではなく、市場アンケートなどを活用してもよいでしょう。
- サイトのどのページの滞在時間が長い?
- どんな商品を購入する傾向にある?
- どれくらいの頻度で購入してくれている?
上記のように、お客さまの行動を蓄積して分析してみてください。 エンゲージメントを高めるヒントやエンゲージメント向上の要因となっているポイントを見つけ出せます。
カスタマージャーニーマップを活用する
カスタマージャーニーマップとは、商品の認知から購入までの道のりを時系列に整理し、地図のようにまとめるフレームワークです。 お客さまとの接点や感情、最適な施策や問題点などを整理できるので、お客様目線の商品開発やマーケティングに役立てられます。
- 認知度が低いのはお客さまとの接点が少ないことが原因かも?
- 商品の比較・検討段階ではどんなポイントがネックになるかな?
カスタマージャーニーマップを活用すれば、上記のように段階ごとの心理状態や問題点、改善策を考えられるようになります。
ナーチャリングを行う
ナーチャリングとは、お客さまを育成することです。 潜在顧客を見込み顧客(リード)へ、見込み顧客を既存顧客へ引き上げていくことを意味しています。 「リードナーチャリング」と呼ばれることもあります。
- 商品がお客さまにとっていかに有益なものなのか
- お客さまの抱えている問題をいかに解決できるか
コミュニケーションのなかで上記のような利点も伝えることで、顧客の興味・関心を高めたり、購買意欲を引き上げたりできます。 また、ナーチャリングによって自然にカスタマーエンゲージメントも向上し、新規顧客やリピーターの獲得が目指せます。
SNSや自社メディアで積極的に発信する
SNSや自社メディアなどを活用した積極的な発信も、カスタマーエンゲージメント向上ではとっても大切です! 有益な情報を発信しながらコミュニケーションを取れば、親しみや信頼感が高まり、カスタマーエンゲージメントが向上します。
情報発信は、ナーチャリングの手法としても役立ちます。 お役立ち情報を発信すれば潜在顧客に自社を知ってもらうことができ、興味を抱いてもらえるようになるためです。 ほかにも各広告やメール、DMなどさまざまな手段を活用して発信すると効果的ですよ!
コミュニケーションをパーソナライズドする
お客さま一人ひとりに合ったコミュニケーションを取ることも、カスタマーエンゲージメントの向上には非常に重要です。 たとえば、すべての顧客に同じ商品をおすすめするメールを一斉送信しても、興味を持ってもらうことは難しいでしょう。
なぜなら、これでは企業からの一方的な情報の押しつけになってしまうからです。 カスタマーエンゲージメントを高めたいのであれば、One to Oneマーケティングが欠かせません。
- お客さまの行動履歴に合ったおすすめ商品を送る
- お客さまがよく使うツールでメッセージを送る
上記の工夫をして、「私のことを理解してくれている!」と思ってもらうことが重要です。 発信する情報はもちろん、コミュニケーションの方法(チャネル)やタイミングにも気を配ると、カスタマーエンゲージメントを高める営業にランクアップできます。
クロスチャネルでコミュニケーションを取る
クロスチャネルとは、企業の商品やサービスを消費者に届ける経路(チャネル)が複数存在しており、チャネル同士で情報が連携されている状態のことです。
クロスチャネルに対応できると、「チャネルを問わず情報を蓄積する」「店舗からECサイトの在庫を案内する」といった対応が可能となります。 クロスチャネルには、顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)を向上させる効果もあります。
チャネルをまたいで「今必要とされているサービス」を提供できれば、優れたCXによってカスタマーエンゲージメントの向上に繋がるでしょう。
感情や体験も提供する
近年は、Webマーケティングの一環としてカスタマーエンゲージメントに取り組む企業が増えてきています。 Webマーケティングはお客さまの顔が見えませんし、直接顔を見て接客することは少ないものです。
しかし、だからこそ感情や体験を提供することが重要となります。 たとえば、以下のような取り組みはCXやカスタマーエンゲージメントの向上に一役買ってくれます。
- ECサイトのチャットボットにオペレーターの顔写真や名前などを表示する
- 共感を呼ぶストーリーテリングをWebサイトに盛り込む
- ポップアップストアや試供品の提供で実際に体験してもらう
デジタル越しであっても感情や体験の付加価値をつけられれば、他社とは違う魅力を感じてもらえるでしょう。
マーケティングツールを導入する
カスタマーエンゲージメントの向上には、顧客一人ひとりに合ったアプローチや情報発信、ナーチャリングなどが欠かせません。
このような施策をすべて人の力で行うのは難しいため、マーケティングを自動化するツールを導入することがおすすめです。
- MA(マーケティングオートメーション)ツール:見込み顧客(リード)の管理・育成ツール
- CRM:顧客との関係性を管理したりマネジメントしたりするマーケティングツール
- Web接客ツール:Web上の接客を自動で行ってくれるツール
上記のツール活用すれば、労力を抑えてカスタマーエンゲージメントを向上させられます。
カスタマーエンゲージメント向上に成功した事例
日本でカスタマーエンゲージメントの向上に成功した企業の事例を2つご紹介します。
- コーヒーを五感で体験できる空間を創造|スターバックスコーヒージャパン株式会社
- ユーザーの価値共創によるエンゲージメント向上|カゴメ株式会社
いずれもカスタマーエンゲージメント向上に成功した代表的な企業と言えるでしょう。詳しく事例を見ていきます。
コーヒーを五感で体験できる空間を創造|スターバックスコーヒージャパン株式会社
人気の飲食店スターバックスは、東京に「STARBUCKS RESERVE® ROASTERY TOKYO」をオープン。 この場所では、バリスタと交流しながらコーヒーを飲み比べしたり焙煎を見学したり、五感でコーヒーを体験できます。
単にコーヒーを販売するだけではなく、体験や感動を提供できるこの店舗は、カスタマーエンゲージメントの向上効果バツグン! 来店したお客さまはここでの体験を積極的に発信してくれるので、店舗やブランドのプロモーションに役立ってくれるのです。
ユーザーの価値共創によるエンゲージメント向上|カゴメ株式会社
調味食品や飲料の製造・販売を行っているカゴメ株式会社は、コミュニティサイト「&KAGOME」を運用しています。 このサイトでは、レシピの共有や家庭菜園の様子を公開するなどして、ユーザー同士が自由に交流。 また、カゴメの企画に対する投票なども行っており、自社のマーケティングにも活かしています。
自分が好きな商品を通した交流、メディアや企画の価値を創造するという体験は、カスタマーエンゲージメントの向上に効果的です。 ユーザーに楽しんでもらいながら、企業とのカスタマーエンゲージメントを高める仕組みが構築されています。
いずれの企業も、顧客獲得だけに留まらず、良好な関係構築まで行っているのが特徴的です。今後のマーケティングでは、顧客を獲得したら終わりではなく、関係構築も見据えてカスタマーエンゲージメントを高める必要があるでしょう。
ゴンドラが考えるカスタマーエンゲージメントとは
ゴンドラの考えるカスタマーエンゲージメントとは、ITのチカラで「最適な顧客接点と顧客体験」を創出し、ファンを増やしLTVの最大化を支援することです。
企業がマーケティングで利益を最大化するためには、広告で獲得したお客さまと信頼関係を築いて、長く多くの利益を獲得する「カスタマーエンゲージメント」という考えを意識する必要があります。
つまり、広告でCVを獲得することは企業にとって「終わり」ではなく、「カスタマーエンゲージメントの始まり」であると理解することが大切なのです。
また、企業が広告を出稿する目的は、自社や商品の魅力をたくさんの人に知ってもらい、新規顧客からCVを獲得することです。
しかし、「CVを獲得したら終わり、次のお客さま獲得を目指そう!」という考え方では、短期的な利益の向上だけで終わってしまいます。そのため、広告を「CVの向こう側」につなげる施策を実行することが重要なのです。
広告運用で重要な「CVの向こう側」とは?
企業が利益を最大化するためには、広告で獲得したCVをCRMの考え方につなげ、カスタマーエンゲージメントの向上を目指す必要があります。この「CVをCRMに発展させてカスタマーエンゲージメントを向上させること」こそが、まさに「CVの向こう側」なのです。
広告の出稿から見込み客の育成、購買行動(ファネル)、お客さまとの信頼性や関係性の構築までの一連のプロセスすべてが、カスタマーエンゲージメントという考え方に含まれています。
そのことを理解したうえで、広告の最終的な目標(KGI)はCRMを通じたカスタマーエンゲージメントの向上であり、新規顧客獲得は中間目標(KPI)でしかないという考え方が大切になってきます。
もしも現在、新規顧客のCVだけが広告の目的になってしまっている場合は、その一歩先を見据えたマーケティングや営業活動をしてみましょう。
「CVの向こう側」にはLTVの向上がある
カスタマーエンゲージメントを意識して広告の出稿から関係性の構築まで行うことができれば、結果的にLTVの向上を実現できます。
LTVとは、お客さまが生涯にわたって企業にもたらしてくれる利益のことです。カスタマーエンゲージメントを高めて、お客さまに「ここの会社の商品ばかりリピートしている」「ブランドが好きだから、ついつい1回あたりの購入額が多くなってしまう」という状態になってもらうことができれば、LTVを大きく向上させられます。
このように、カスタマーエンゲージメントとLTVは非常に深い関係性がある考え方です。広告やCRMを運用するときは、LTVについてもしっかりと意識しておきましょう。
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WRITING 執筆
LIFT編集部
LIFT編集部は、お客様との深いつながりを築くための実践的なカスタマーエンゲージメントのヒントをお届けしています。