リードナーチャリングとは、見込み顧客と信頼関係を深め、自社の顧客へ育てるためのマーケティング施策です。
営業活動しているのにリードナーチャリングをしていない企業は、もしかすると顧客獲得のチャンスを逃しているかもしれません。
本記事では、新規顧客獲得に効果的なリードナーチャリングについて徹底解説します。CRMとの違いもみていきましょう。
先輩、忙しそうに何をしているんですか…?
ああ、ビギニャー君。ちょうどいいところに来たね。今、リードナーチャリングに活用するためにセミナーのアンケートを集計してるんだ!手伝ってよ。
いいですけど、リードナーチャリングって……!?先輩は一体何をしようとしているんですかっ!?
INDEX
リードナーチャリングとは?
マーケティングやビジネスのシーンでよく耳にする「リードナーチャリング」という言葉。この言葉には、どのような意味があるのでしょうか。まずは、リードナーチャリングの意味と関連用語との関係を解説します。
- リードナーチャリングはどういう意味?
- リードジェネレーション・リードクオリフィケーションとの違い
- リードナーチャリングとCRMの違い
各項目を詳しくみていきましょう。
リードナーチャリングはどういう意味?
リードナーチャリングとは、見込み顧客を購入につなげられる状態まで育成するマーケティング施策です。ナーチャリングは「育成」という意味を持つ言葉、リードは「見込み顧客」を指す言葉なので、2つを合わせて「見込み顧客育成」という意味になります。
単に「ナーチャリング」というときは、既存顧客がリピーターや優良顧客になるよう育成する「顧客育成」を意味する場合もあります。マーケティングでナーチャリングという言葉を使うときは、どちらの意味で使われているのか、認識をすり合わせておくことが大切です。
リードジェネレーション・リードクオリフィケーションとの違い
リードナーチャリングに関連する言葉として、「リードジェネレーション」と「リードクオリフィケーション」というものがあります。リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得するための活動を意味します。
展示会での名刺交換やHPからのお問い合わせなど、自社に関心を示している見込み顧客を獲得する点がポイントです。リードクオリフィケーションとは、購入可能性が高い見込み顧客を選別することです。
選別した見込み顧客は、営業部門に引き渡すなどして成約につなげていきます。マーケティングでは、リードジェネレーションで獲得した顧客をナーチャリングして、リードクオリフィケーションにつなげます。それぞれは独立した異なる施策ではなく、密接に関連していることを押さえておきましょう。
リードナーチャリングとCRMの違い
「CRM」も、リードナーチャリングと一緒に押さえておきたい関連用語です。「CRM(Customer Relationship Management)」は、顧客の情報を集めて分析して、適切なアプローチを行って良好な関係性を構築する取り組みです。日本語に直すと「顧客関係管理」という意味になります。
CRMの一例としては、次のような施策が挙げられます。
- Web上の行動に合わせ、ひとり一人にクーポンを配布する
- 購入履歴をもとに、関連商品や消耗品をおすすめする
- お問い合わせ履歴を記録しておき、スムーズな顧客対応に活かす
CRMの特徴は、「すでに顧客になってくれた人に対して働きかける点」です。CRMを実施することで、優良顧客への成長やリピート購入を促進します。一方、リードナーチャリングは「見込み顧客に対して働きかける」ため、それぞれでは施策の実施フェーズが大きく異なります。
まずはリードナーチャリングで見込み顧客を顧客へと育成し、その顧客をCRMでさらに優良顧客に成長させる、という流れが一般的です。
へぇ、顧客育成をナーチャリングって言うんですね!
そうそう。最近は以前のような営業活動が通用しなくなりつつあるから、リードナーチャリングが欠かせなくなってきているんだよ。
そ、そうなんですか?どうして今リードナーチャリングが必要とされているのか、とっても気になります!
リードナーチャリングが必要な理由
どうして今、リードナーチャリングが注目されているのでしょうか。そこには、3つの理由があります。
- 購入プロセスが長期化したから
- 購買行動が変化したから
- 顧客と接点を持つことが大切だから
各項目を詳しくみていきましょう。
購入プロセスが長期化したから
以前と比べて、消費者が購入に至るまでの意思決定プロセスが長期化してきていることが、1つ目の理由です。とくにBtoB商材は単価が高いものが多く、購入までに何人もの意思決定が必要になる傾向にあります。そのため、「営業されたらすぐに購入!」というわけにはいきません。
BtoCであっても、商品に興味を持ってから「検索」「比較」「検討」と時間をかけて購入を決断する方が増えたので、購入プロセスがとても複雑になりました。このように現代のマーケティングでは、購入の意思決定までに数か月という時間を要することが珍しくなくなってきています。
そのため、一度商品に興味を持ってくれた顧客を放置していては、購入につなげられない可能性があるのです。見込み顧客の取りこぼしを防ぐためにも、自社を選んでもらうための動機付けを行う「リードナーチャリング」が大切になってきました。
購買行動が変化したから
インターネットの普及によって、消費者の購買行動が大きく変化したことが2つ目の理由です。一昔前のマーケティングは、店舗に来てくれた顧客に商品をおすすめしたり、訪問販売したりする営業活動が主流でした。
しかし、近年は顧客自身が情報を収集して商品を比較・検討できるようになったので、従来の営業手法は通用しにくくなってきています。そのため、顧客と少しずつ信頼関係性を構築して購入に至ってもらう「リードナーチャリング」の重要性が高まっているのです。
顧客と接点を持つことが大切だから
企業には、必ず過去に1度商談をしたものの、それ以降の接点を持たずにそのまま放置してしまっている「休眠顧客」が存在しています。自社とつながりを持ってくれた休眠顧客は、製品やサービスへの理解が深い傾向にあります。
そのため、しっかりと育成できれば、リピーターや優良顧客に育ってくれる可能性が高いと考えられています。新規顧客を獲得することはもちろん大切ですが、既存顧客や休眠顧客などの、すでにつながりがある顧客と接点を持ち続けることも不可欠です。
「競合他社に奪われる機会損失」を防ぐためには、長期的なフォロー、つまり「ナーチャリング」の考え方が重要なのです。
たしかに、僕も商品をおすすめされたら家に帰って検索しながらじっくりと考えることが多いです……。そんなときに継続的にフォローしてもらえると、商品にもっと興味を持っちゃうかも!
うんうん、そうなんだよねぇ。リードナーチャリングには多くのメリットがあるから、ビギニャー君もどんどん実施してみるといいよ。
リードナーチャリングのメリット、気になりますっ!
リードナーチャリングのメリット
マーケティングに欠かせないリードナーチャリングには、大きなメリットが2つ存在しています。
- 受注率が上がる
- 成約率がスキルに依存しない
以下では、各メリットの詳細を解説します。
受注率が上がる
リードナーチャリングを行えば、見込み顧客を購入につなげられるため、受注率が上がります。今までは一度きりのアプローチで取りこぼしていた見込み顧客も、定期的にコミュニケーションを取って信頼関係を構築しておけば、顧客になってもらえる可能性が上がります。
さらに、顧客になったあともナーチャリングを継続すれば、カスタマーエンゲージメントがアップして、優良顧客に育てられる可能性が高まるでしょう。リードナーチャリングは、少ない集客コストで高い効果をもたらしてくれるのです。
成約率がスキルに依存しない
従来のマーケティングや営業活動は、店頭での接客スキルや営業マンの商談スキル・経験に依存していました。この手法の場合、営業を行うスタッフのスキルによって企業の利益が大きく左右されてしまいます。
しかし、リードナーチャリングでは、見込み顧客の育成や管理を自動化できるMAツールを活用して見込み顧客へアプローチしていきます。
ツールによる育成で成約確度が高まった見込み顧客に営業マンが集中的に対応すれば、効率的にコンバージョンを得られるようになるでしょう。
このように、リードナーチャリングを行えば、「育成」と「成約」のプロセスを分業できます。そのため、営業マンのスキルに依存せず安定した成果を挙げられるようになるのです。
受注率をアップできて安定的にCVを獲得できる……。リードナーチャリングってすごいですっ!
ね?魅力的でしょう?でもね、デメリットがある点も知っておかないとね。
リードナーチャリングのデメリット
一見メリットしかないように思われるリードナーチャリングですが、デメリットも存在しています。気をつけたいデメリットは、以下の2つです。
- しつこいと思われる可能性がある
- 一定のコストやリソースが必要になる
どのようなことなのか、詳細をみていきましょう。
しつこいと思われる可能性がある
リードナーチャリングを実施する際は、定期的に見込み顧客へアプローチしていくことが重要となります。この際、接点の理由づくりが上手くいかないと「しつこい」と思われて印象が悪くなってしまうかもしれません。
たとえ興味がある商品でも、「毎日メールが届く」「検討中なのに頻繁に電話がくる」という場合、企業だけではなく製品のイメージまで下がりますよね。リードナーチャリングの際はしつこいと思われないように、見込み顧客の気持ちを考えながら、適切な頻度で接点を作る取り組みが肝心なのです。
一定のコストやリソースが必要になる
リードナーチャリングを始めるときは、事前準備やツールの導入コストなど一定の期間や費用がかかります。ツールを導入して社内の体制が整ってしまえば効率的なマーケティング活動ができるようになりますが、そうなるまでにはある程度のリソースが必要になるのです。
必要な時間や費用だとわかっていても、日々の業務に追われてリードナーチャリングの実施を先送りにしてしまう企業は少なくありません。自社で準備を進めるのが難しいときは、マーケティングやリードナーチャリングに詳しい企業に手伝ってもらうとスムーズでしょう。
なるほど……。デメリットの部分を補いながら、メリットを最大化できるようにリードナーチャリングをしていくことが大切そうですね!
そのとおり。ちなみに、リードナーチャリングはいろいろな手法で行えるんだよ。次は、リードナーチャリングの手法とそれぞれのメリットについて見てみようか。
リードナーチャリングの6つの手法
リードナーチャリングを行うときは、以下のようにさまざまな手法が活用できます。
- SNS・オウンドメディア
- 電話
- DM
- メール
- セミナー
- リターゲティング広告
ここでは、リードナーチャリングの手法ごとに特徴やメリットについて紹介します。
SNS・オウンドメディア
SNSやオウンドメディア(自社で運営しているWebサイト)で顧客にとって有益な情報を発信する手法です。商品の良さだけではなく、企業の強みやビジョンなどを伝えられます。質の高い情報発信を続ければ、見込み顧客の信頼や親近感を勝ち取れて、自社のファンになってもらえるかもしれません。
電話
近年は、見込み顧客に電話をかけてコミュニケーションを取る、非対面の営業活動(インサイドセールス)を行う企業が増えてきました。この際、商品の売り込みではなく、関係性を築くことに重点を置くようになった点が大きな特徴です。
電話によるリードナーチャリングは、デジタル機器が苦手な年代層の見込み顧客にもアプローチしやすいというメリットがあります。
DM
パンフレットや試供品を送るDM(ダイレクトメール)も、デジタル機器が苦手な見込み顧客へのアプローチに適しています。また「手に取れる状態で情報が届く経験」が、特別感を演出してくれる点も特徴的です。DMには、ほかの手法では難しい「体験」や「感動」も届けられるというメリットがあります。
メール
メールマガジンの活用も、見込み顧客の意欲促進に役立ちます。メールを段階的に送信する「ステップメール」や、属性ごとに最適な内容を送信する「ターゲティングメール」などが効果的です。
メールマガジンは、開封率やクリック率などの効果測定を行いやすく、幅広い層に効率よくアプローチできる点がメリットです。
セミナー
高額な商材や、購入にあたって特別な説明や対応が必要な商材は、セミナーを定期的に開くこともリードナーチャリングとしては有効です。セミナーは、買うかどうかを具体的に検討し始めた見込み顧客に対してとくに効果的でしょう。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪問した履歴があるユーザーに対し、自社の広告を配信する手法です。一度興味を持ってくれた見込み顧客に対してアプローチできるため、休眠状態の見込み顧客に効果的です。
なお、ここで挙げたのは代表的な手法で、リードナーチャリングにはほかにもいろいろなアプローチ手法があります。それぞれの特徴をよく比較して、自社の商材やターゲットに合った手法を見つけてみてくださいね。
へぇ~、リードナーチャリングを行う手法ってたくさんあるんですね!なんだか、リードナーチャリングに興味がわいてきました!僕もやってみたいかも……!
それじゃあ、ビギニャー君にもわかるように、リードナーチャリングのはじめ方を5つのステップに分けて解説するね!
リードナーチャリングを行う方法
リードナーチャリングを実際に取り入れたいと思っても、はじめ方がわからなくて戸惑ってしまう企業は多いものです。リードナーチャリングは、以下の手順で行うことが一般的です。
- ターゲットを明確にする
- 見込み顧客を正しく管理する
- コミュニケーションを取る
- 見込み顧客の行動を管理して分析する
- マーケティング施策や営業活動に活かす
ここでは、リードナーチャリングをはじめるステップについてやさしく解説します。
ターゲットを明確にする
まずは、ターゲットを明確にします。ターゲットを決めるときは、次の3つのポイントについて深掘りしてみましょう。
- 属性:年齢、職業、業種、業態、居住地 など
- 課題:どのようなことに悩んでいるのか、どのようなことを実現したいのか など
- 価値観:安定志向、贅沢志向、優越感、個性表現 など
どのような人をターゲットにするかを決められれば、最適なアプローチや提供すべき情報を見極めやすくなります。
見込み顧客を正しく管理する
次に、見込み顧客の情報を管理します。資料請求や会員登録など、企業はいろいろな方法で見込み顧客の情報を手に入れられますが、単に情報を持っているだけでは十分に活用できません。
集めた情報は整理や統合、不要な部分の削除などを行って一元管理できるようにすることで、より取り扱いやすい情報に加工しましょう。このような情報の一元管理機能は、MAツールに搭載されています。
コミュニケーションを取る
見込み顧客の情報を整理して一元管理できたら、その情報を活用して顧客とのコミュニケーションを取りましょう。一口に見込み顧客といっても、各人の興味や意欲はバラバラです。
たとえば、セミナーに足を運んでくれた人と、資料請求をしただけの人では、商品に対する興味や熱意が異なると予想されますよね。
すべての見込み顧客に同じアプローチをしても、高い効果を得ることは難しいでしょう。「セミナーに来た人には電話する」「資料請求をした人にはDMを送る」など、それぞれの心理状態に合わせてコミュニケーションを取ることが大切です。
見込み顧客の行動を管理して分析する
リードナーチャリングでは、継続的に見込み顧客とコミュニケーションを取り続ける必要があります。適切なアプローチを続ければ見込み顧客の心理状況は変化していき、さまざまな行動を取ってくれるようになるでしょう。
たとえば、「メルマガをクリックしてくれた」「カタログを見て電話をくれた」などの行動があれば、見込み顧客の心理状況が変化していると予想できますよね。
リードナーチャリングでは、このような行動を管理・分析して、心理状況に合わせてアプローチ方法を変えることが大切です。顧客の行動管理はMAツールを通して行えるので、しっかりと見込み顧客の動きにアンテナを張っておきましょう。
マーケティング施策や営業活動に活かす
リードナーチャリングを実施するときは、定期的に成果を計測することが肝心です。どれほど見込み顧客を育成できたのか、どれほどコンバージョンにつながったのかをスコアリングし、問題点があれば次の施策に活かします。このときもMAツールがあれば、複雑なスコアリング業務を自動化できます。
なお、施策の問題点や課題を洗い出すときには、見込み顧客との接点や行動を可視化できる「カスタマージャーニーマップ」の活用がおすすめです。リードナーチャリングを行う際は、ぜひカスタマージャーニーマップの作成も行ってみてくださいね。
なるほど!ステップを踏みながらMAツールを活用すれば、僕でもリードナーチャリングをはじめられそうです!
そうだね。リードナーチャリングを自分たちの力だけで行うのは大変だから、活用できるツールやサービスは積極的に利用してみるといいよぉ。
ちなみに、リードナーチャリングに活用できるツールは他にもあるんだよ。
リードナーチャリングを自動化・効率化するツール
見込み顧客の心理状態やフェーズに合わせて行うリードナーチャリングを、人の力だけで行うのは非常に大変です。そのためリードナーチャリングでは、アプローチを自動化・効率化できるツールを活用することが一般的です。リードナーチャリングに活用できるツールとしては、以下の3つが挙げられます。
- メール配信ツール
- リターゲティング広告(リマーケティング広告)
- MAツール
各ツールの概要を説明します。
メール配信ツール
メール配信ツールは、文字どおりメール配信に特化したマーケティングツールです。見込み顧客を属性ごとにリスト化(セグメンテーション)して、それぞれの心理状態やニーズに合わせて最適な内容のメールを送る機能を搭載しています。
シナリオに沿って段階的にメッセージを送る「ステップメール機能」、開封率やクリック率の「効果検証機能」などが搭載されています。
リターゲティング広告(リマーケティング広告)
リターゲティング広告は、一度自社のサイトを訪れたユーザーをターゲットに、自社の広告を配信するインターネット広告手法です。
一度サイトを訪問してくれた見込み顧客に対して再アプローチできるため、クリック率や成約率が高くなりやすい点がメリットです。リターゲティング広告はさまざまな媒体で表示できますが、Google広告やYahoo!広告、Facebook広告やSNS広告などで配信できます。
MAツール
MAツール(マーケティングオートメーションツール)は、リードナーチャリングで使われる代表的なツールです。MAツールを使用すると、次のような業務を自動化できます。
- 見込み客のリスト化
- メルマガの配信
- スコアリングによる顧客の分類
- セミナーの管理
リードナーチャリングに必要となる機能や業務は、MAツールを活用すればほとんど網羅・効率化できます。効率よくナーチャリングを行いたいのであれば、MAツールを積極的に活用することをおすすめします。
ターゲットやニーズ、商材の特性などによって最適なツールは異なるから、自社に合ったものを導入することが大切だよ。
なるほど!ところで、ツールなどを使ってリードナーチャリングを行うときって、何で効果測定をすればいいのでしょうか?顧客の育成段階って、明確に可視化できないから効果がわかりにくいような……。
おっ、ビギニャー君鋭いね。どこまで顧客が育成されているかっていうのは、たしかにわかりにくいよね。そこで活用したいのが、この5つの指標なんだ。
リードナーチャリングの効果を測定する指標
「顧客育成」のゴールは、もちろん購入や契約などのコンバージョンです。しかし、リードナーチャリングはすぐに成果が出るものではないため、時間をかけてじっくりと取り組むことが重要です。「今どの段階まで見込み顧客の育成が完了したのか」を測りたいときは、以下の5つの指標が役立ってくれます。
- メルマガの開封率
- クリック率
- アポイント数
- 営業部署への引継ぎ数
- CVR
各指標の詳細を紹介します。
メルマガの開封率
開封率とは、メールマガジンを配信したときに、どれくらいの人がメールを開封してくれたのかを示す指標です。メルマガの開封率は、一般的なメールで15~25%といわれています。
開封率が高ければ、それだけ自社に興味を抱いている見込み顧客が多いことになります。リードナーチャリングの際は、より多くの見込み顧客に開封してもらえるメルマガを作成することが大切です。
クリック率
たとえメルマガを開封しても、商品やサービスに興味を抱いてもらえなければ、URLをクリックしてもらうことはできません。
そのため、メールマガジンのクリック率も、リードナーチャリングの効果を測定するひとつの指標になります。メルマガの平均クリック率は1~3%程度であるといわれているので、まずはこの数値を目安にしてみましょう。
アポイント数
リードナーチャリングを実施した結果、具体的な商談につながったアポイント数も重要な指標です。アポイントを獲得できた見込み顧客は、自社商品やサービスに対して高い関心を持っていると判断できます。
もしアポイントがなかなか獲得できないのであれば、一度リードナーチャリングの方法を見直してみる必要があるかもしれません。
営業部署への引継ぎ数
見込み顧客を営業部署へ引き継いだ数も、リードナーチャリングの効果を測定する指標となります。このプロセスまで達した見込み顧客は成約に至る可能性が高くなるため、しっかりとリードナーチャリングの成果が出ていると判断できます。アプローチの流れをよく振り返り、成功例として社内で情報共有しておきましょう。
CVR
成約率(コンバージョン率:CVR)も、もちろんリードナーチャリングの成果指標です。CVRは経路や業界、CVの定義によって大きく異なるため一概にはいえません。
平均値と比べるのではなく、自社の過去の実績と比較し、少しでも数値を向上させられるようにリードナーチャリングを実施することが大切です。
なるほど~、こうやって段階的に効果測定をしていけば、どれくらいの見込み顧客がどのフェーズにいるのかを把握できるのか!先輩、勉強になりますっ!
マーケティングでは効果測定と改善を繰り返すことが大切だからね。ぜひ紹介した指標を活用してみてね。
効果測定以外にも、リードナーチャリングを成功させるコツってあるんですか?
リードナーチャリングを成功させるコツ
リードナーチャリングを成功させるためにも、実施する際は以下のポイントを意識してみましょう。
- BtoB・BtoCに向いている手法を理解する
- 適切にKPIを設定する
- 部門間で連携する
- ホットリードを明確に定義する
- アプローチのタイミングを最適化する
各ポイントの詳細を解説します。
BtoB・BtoCに向いている手法を理解する
リードナーチャリングの手法にはいろいろなものが存在していますが、BtoBとBtoCで適している手法が少し異なります。自社のターゲットに合わせて、活用する手法を換えることが大切です。それぞれに向いている手法の一例は、次のとおりです。
BtoBに向いているリードナーチャリングの手法
- リターゲティング広告
- セミナー
- メールマガジン
- 電話
- ホワイトペーパー
BtoCに向いているリードナーチャリングの手法
- リターゲティング広告
- SNS
- メールマガジン
- オウンドメディア
「この手法はBtoB(BtoC)に通用しない」というものはないので、可能であればさまざまな手法を取り入れることがおすすめです。
ただし、予算やリソースの問題で多くの施策を実施できない企業もあるでしょう。その場合は、優先的に各ビジネスモデルに向いている手法を取り入れてみてください。
適切にKPIを設定する
KPI(重要業績評価指標)とは、最終的に到達したいゴール(KGI:重要目標達成指標)に向けて設定する「中間目標」です。
たとえば、「月間成約数500件」がKGIの場合、「週間1万アクセス」「週間お問い合わせ500件」などがKPIとして設定できます。リードナーチャリングの効果を高めるためには、適切なKPI設定が欠かせません。
KGIに対する、具体的かつ整合性のあるKPIを設定できると、「何をすればいいのか」「何を改善すればいいのか」が明確になります。
KPIを設定したあとは定期的に達成状況を振り返り、課題や改善策を探り、施策をブラッシュアップしていくことが肝心です。
部門間で連携する
リードナーチャリングを実施するときは、さまざまな部門の連携が欠かせません。リードナーチャリングの施策自体は、マーケティング部門が担うことが一般的です。
しかし、効果的なリードナーチャリングのためには、営業部門やカスタマーサポート部門との連携、深い商品知識などが重要となります。
そのため、さまざまな部門で「知識」や「見込み顧客情報」を共有する必要があるのです。MAツールやSFAツール(営業支援ツール)などを活用し、情報を正確かつ迅速に共有できる体制を整えておきましょう。
ホットリードを明確に定義する
ホットリードとは、自社商品やサービスに対して強い興味を抱き、成約確度が高まっている段階の見込み顧客です。ホットリードには詳細な定義がないため、自社にとってのホットリードを明確にしておくことが非常に重要です。
このプロセスを怠ってしまうと、個人の認識に齟齬が生まれ、一貫性のあるアプローチを行えなくなるおそれがあります。
リードナーチャリングの際は、「どのような行動を起こしたらホットリードになるのか」を定めておきましょう。客観的な判断基準を作っておけば、スタッフ間で共通認識を持てるようになります。
アプローチのタイミングを最適化する
リードナーチャリングで重要なのは、「適切な相手に・適切なタイミングで・適切な情報を届けること」です。どれほど有益な情報でも、それを必要としていない人に提供すれば、有益であると感じてもらうことはできません。
反対に、「しつこい」「迷惑だ」と思われてしまう可能性だってあります。「とにかくたくさんアプローチする」のではなく、「ひとり一人に最適なアプローチをする」という意識をもっておきましょう。
ありがとうございます!さっそく先輩に教えてもらった知識を身につけて、僕もリードナーチャリングの施策を考えてみますっ!
がんばってね。話している間にアンケートの集計も終わったし、助かったよ。ありがとうビギニャー君。
えへへ、どういたしましてです!こちらこそ、ありがとうございました!
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WRITING 執筆
LIFT編集部
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